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ギャラリー Boogie Woogie (2010)

現代美術業界の中で生きる者達の一枚の名画を巡る欲を描く、ジリアン・アンダーソンアラン・カミングヘザー・グラハムダニー・ヒューストンクリストファー・リーシャーロット・ランプリングステラン・スカルスガルドアマンダ・サイフリッド他共演、監督ダンカン・ウォードによるブラック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ダンカン・ウォード

製作総指揮:カトリン・ブアマン
製作:クリストファー・シモン
原作:ダニー・モイニハン

脚本:ダニー・モイニハン
撮影:ジョン・マシソン
編集:カント・パン
音楽:ヤヌス・ポドラズィク

出演
ジーン・マクルストーン:ジリアン・アンダーソン

デューイ・ダラマナトウシス:アラン・カミング
ベス・フリーマントル:ヘザー・グラハム
アート・スピンドル:ダニー・ヒューストン
ジョー・リチャーズ:ジャック・ヒューストン
アルフレッド・ラインゴールド:クリストファー・リー
アルフレーダ・ラインゴールド:ジョアンナ・ラムレイ
エミール:シャーロット・ランプリング
ペイジ・オッペンハイマー:アマンダ・サイフリッド
ボブ・マクルストーン:ステラン・スカルスガルド
エレイン:ジェイミー・ウィンストーン
ロバート・フレイン:サイモン・マクバーニー

イギリス 映画
配給 IFC Films

2010年製作 94分
公開
イギリス:2010年4月16日
北米:2010年4月21日
日本:未公開
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $1,780
世界 $47,530


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロンドン
業界きっての美術商アート・スピンドル(ダニー・ヒューストン)は、老富豪アルフレッド・ ラインゴールド(クリストファー・リー)が、画家ピエト・モンドリアンから直接譲り受けたという名画”Victory Boogie-Woogie”(VB-B)を手に入れようとしていた。

そこでアートは、アシスタントのベス・フリーマントル(ヘザー・グラハム)と、ラインゴールド家の使用人ロバート・フレイン(サイモン・マクバーニー)にアプローチを始め、アルフレッドの妻アルフレーダ(ジョアンナ・ラムレイ)に絵を売る決心をさせようとする。

アートは、美術品収集家ボブ・マクルストーン(ステラン・スカルスガルド)と妻ジーン(ジリアン・アンダーソン)を呼び寄せる。

ベスは、ボブに”VB-B” を手に入れようとしていることを伝え、彼を興奮させる。
...全てを見る(結末あり)

ロバートは、アルフレーダの指示で絵”VB-B”を売ろうとするするが、高値で買う者が見つからない。

ローラースケートで街を移動する、破産した元美術収集家の娘ペイジ・オッペンハイマー(アマンダ・サイフリッド)は、アートと面接し彼に雇われることになる。

そんなペイジを見かけた、アーティストでベスの恋人ジョー・リチャーズ(ジャック・ヒューストン)は、彼女のことが気になる。

業界での成功を夢見るゲイのデューイ・ダラマナトウシス(アラン・カミング)は、アートに会うことができ、彼に自分の企画を話して聞かせる。

その内容の資料を受け取ったアートだったが、デューイが立ち去った後、彼はそれをゴミ箱に捨ててしまう。

再び戻ってきたデューイは、自分の資料が捨てられているのを知りショックを受ける。

ベスは、ボブの援助で独立を考え始め、ギャラリーを開く計画を立てる。

そんなことも知らず、アートはボブに、”VB-B”が手に入りそうだということを伝える。

その頃、アルフレッドは、妻アルフレーダが”VB-B”を売却しようとしていることを知り憤慨する。

ベスは、ボブと組んでラインゴールドと”VB-B”売却の直接交渉を考え、アートを出し抜くことを提案し、二人は親密になる。

同じ頃、ジョーのアトリエを訪ねたジーンも、彼に誘われ愛し合ってしまう。

アートは、ベスが自分の元を去りギャラリーを開くことを知り、裏切とも言える彼女の行為に怒りを露にする。

その後、アートの個展のパーティーで、彼は一応、今回の企画に貢献し巣立って行くベスに敬意を表する。

その場でジーンはジョーを誘い、トイレで愛し合い、それがボブに知られてしまうものの、彼はそれを笑い飛ばす。

ボブは、ジーンからの離婚の申し出に同意し、アートの元に向かった彼女は愚痴をこぼす。

ビデオ・アートを手掛けるレズビアンのエレイン(ジェイミー・ウィンストーン)は、ベスにそれを気に入られ、彼女と手を組み個展を開くことになる。

エレインは、それを友人のデューイに伝え、彼はショックを受けてしまう。

ジョーのアトリエに向かったペイジは、彼に言い寄られそうになるが、ベスのことを考え仕事上の付き合いと割り切る。

ボブとジーンは、美術品などの財産分与を始めるが、彼女は、助言を受ける友人エミール(シャーロット・ランプリング)から、ジョーとの関係が命取りとなると言われる。

エミールは更に、ボブのことを調べ上げ、ジョーとのことが知られた場合の対抗措置を考えるようジーンに伝える。

デューイは、自分がエレインをベスに紹介したにも拘らず裏切られたと考え、自殺すると言って取り乱してしまうが、彼女はその様子もビデオに撮ってしまう。

ボブはアートのオフィスに出向き、ジーンには知らせないことを条件に、自分の所蔵する美術品全てを売却することを伝える。

VB-B”が、2800万ドルまで買い手の値がついたことを、アルフレーダはアルフレッドに伝えるが、彼は依然としてその絵を芸術として扱おうとしない者に売ることを拒む。

その場に現れたアートは、その値をつけたのがボブだと知らされ驚いてしまう。

アートは、3000万ドルを提示するが、アルフレッドは断固としてそれに応じようとしない。

ジョーとニューヨークに向かっていたジーンは自宅に戻るが、自分の美術品がなくなっていることを知り驚いてしまう。

それをジョーに伝えようとした電話のメッセージを、彼といたベスは聞いてしまい、彼女は二人の関係を知り、個展を諦めるよう伝え立ち去る。

付きまとうデューイを無視しながら、エレインは個展の準備を進め、ベスに迫り、愛し合うところまでもビデオに撮ってしまう。

ペイジを食事に誘ったボブは、彼女が気を失ったために病院に連れて行き、彼女は手術の結果、体内から奇形胎児が摘出される。

ボブはそれを医師から譲り受け、アートにしてペイジに贈る。

ラインゴールドは静かに息を引き取り、彼が吸っていた葉巻の火が引火し、屋敷は燃えてしまう。

アートは、何も知らぬ振りをして”VB-B”が燃えてしまったことをボブに伝える。

アルフレッドの葬儀を終えたアルフレーダは、保険金を手に入れ、ロバートと共にトスカーナに向かう。

ベスはエレインの個展を成功させ、アートはそれを支援していたのがボブだと知る。

ボブはペイジと結婚し会場に姿を現し、エレインは、ビデオ・アートの中に、デューイの自殺現場まで挿入していた。

そしてアートは、新しいアシスタントを採用する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
業界の大物である美術商のアートは、老富豪ラインゴールドが所有する名画、モンドリアンの”Victory Boogie-Woogie”(VB-B)を手に入れようとしていた。
アシスタントのベスと共に、アルフレッドの使用人ロバートと夫人アルフレーダに、アートは接近する。
それを知った美術収集家のボブは、ベスの独立を支援し、アートを出し抜き”VB-B” を手に入れようとする。
一方、ボブの妻ジーンは、ベスの恋人であるアーティストのジョーに誘われ、親密な関係になる。
次第に”VB-B”の買値が上がってきたことで、アルフレーダは絵を売ることを夫アルフレッドに提案する。
しかし、モンドリアンから、直接、絵を譲り受けたというアルフレッドは、断固としてそれを許そうとしない・・・。
__________

ダニー・モイニハンの著書”Boogie Woogie”を基に製作された作品。

宣伝文句では、儲けしか頭にない美術商達の傲慢さが強調されているが、登場人物の、芸術に対する考えは結構真面目で、その辺りのシニカルな描き方が、またなかなか可笑しい。

日本では劇場未公開で、商業ベースに乗った作品ではないが、各分野で活躍するスター競演の豪華キャストによる、各人の力感ある熱演は見応えがある。

実際の”Victory Boogie-Woogie”(1944/未完成作品)は、モンドリアンの故郷オランダの”ハーグ市立美術館”(Gemeentemuseum)に1988年から所蔵されている。

多くの出演者の中で、クレジットは下位であるが、美術収集家を豪快に演ずるステラン・スカルスガルドと、女好き(男も?)の物欲主義者、美術商のダニー・ヒューストンの、コミカルな演技が印象に残る。

また、90歳目前のクリストファー・リーの矍鑠たる演技も注目だ。

業界で自分の夢が実現できないゲイのアラン・カミング、美術商のアシスタントから独立するヘザー・グラハム、その恋人のジャック・ヒューストンと親密になる美術収集家ジリアン・アンダーソン、彼女に助言する友人シャーロット・ランプリング、老富豪の夫人役ジョアンナ・ラムレイ、アート(D・ヒューストン)にアシスタントとして雇われるアマンダ・サイフリッド、ビデオ・アーティスト役のジェイミー・ウィンストーン、そして、老富豪の使用人役でサイモン・マクバーニーなどが共演している。


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