ロック・バンド”クイーン”の活動開始から”ライブエイド”出演までをフレディ・マーキュリーの人生を中心に描く、監督ブライアン・シンガー、主演ラミ・マレック、ルーシー・ボイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョゼフ・マゼロ、アレン・リーチ、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズ他共演の伝記ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・シンガー
製作
グレアム・キング
ジム・ビーチ
製作総指揮
デクスター・フレッチャー
アーノン・ミルチャン
デニス・オサリヴァン
ジェーン・ローゼンタール
原案
アンソニー・マクカーテン
ピーター・モーガン
脚本:アンソニー・マクカーテン
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
編集:ジョン・オットマン
出演
フレディ・マーキュリー:ラミ・マレック
メアリー・オースティン:ルーシー・ボイントン
ブライアン・メイ:グウィリム・リー
ロジャー・テイラー:ベン・ハーディ
ジョン・ディーコン:ジョゼフ・マゼロ
ジョン・リード:エイダン・ギレン
ポール・プレンター:アレン・リーチ
ジム”マイアミ”ビーチ:トム・ホランダー
レイ・フォスター:マイク・マイヤーズ
ジム・ハットン:アーロン・マカスカー
ロイ・トーマス・ベイカー:ティム・プレスター
ジャー・バルサラ:メネカ・ダス
ボミ・バルサラ:エース・バティ
ボブ・ゲルドフ:ダーモット・マーフィ
ケニー・エヴェレット:ディッキー・ボウ
ティム・スタッフェル:ジャック・ロス
デヴィッド:マックス・ベネット
オースティン:ニール・フォックス=ロバーツ
シェリー・スターン:ミシェル・ダンカン
トラック・ドライバー:アダム・ランバート
ライブの観客:ルーク・ディーコン
イギリス/アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2018年製作 134分
公開
イギリス:2018年10月24日
北米:2018年11月2日
日本:2018年11月9日
製作費 $52,000,000
北米興行収入 $216,668,040
世界 $903,975,350
■ アカデミー賞 ■
第91回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ラミ・マレック)
編集・音響編集・録音賞
・ノミネート
作品賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1985年7月13日。
ロックバンド”クイーン”のフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、目覚める。
ウェンブリー・スタジアム。
アフリカ難民救済を目的としたチャリティーコンサート”ライブエイド”が開催される。
主催者のボブ・ゲルドフが、チャールズ皇太子とダイアナ妃を来賓席に案内する。
屋敷を出たフレディはウェンブリーに向かい、準備を整えてステージに上がる。
1970年、ロンドン。
ヒースロー空港で手荷物係をするファルーク・バルサラ(フレディ)は、両親ボミ(エース・バティ)とジャー(メネカ・ダス)そして妹のカシミラと共に暮らしていた。
ジャーに愛されフレディは、ゾロアスター教の教え”善き思い、善き言葉、善き行い”を心がけるよう常に口にするボミと意見が合わない。
そんなフレディは、夜な夜なクラブに通っていた。
フレディは、演奏していたバンド”スマイル”の演奏を聴き気に入る。
スマイルのメンバー、ティム・スタッフェルは、バンドの先が見えていることをギタリストのブライアン・メイ(グウィリム・リー)とドラマーのロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)に伝えて去って行く。
フレディは、その場にいたメアリー・オースティン(ルーシー・ボイントン)に話しかけてスマイルのことを尋ね、彼女の着ているコートが気になる。 それが”ビバ”のコートだと言われたフレディは、メアリーがブティックの店員であることを知る。 ブライアンとロジャーに話しかけたフレディは、ボーカルが辞めたことを知り、自分を売り込みその場で歌ってみせる。 その後、メアリーに惹かれたフレディはビバのブティックに向かい、彼女と付き合い始める。 ベースのジョン・ディーコン(ジョゼフ・マゼロ)と共にバンドに加わったフレディは、活動を始める。 1年後。 自宅で開いた誕生日パーティーの際、フレディはある電話を受ける。 バンドのデモを聴いた”EMI”のロイ・トーマス・ベイカー(ティム・プレスター)から、エルトン・ジョンのマネージャー、ジョン・リード(エイダン・ギレン)に話しが伝われり、会いたいと言ってきていることをフレディは皆に話す。 リードと契約したクイーンは”BBC”の”Top of the Pops”に出演し、”キラー・クイーン”をヒットさせる。。 フレディは、メアリーを運命の人だと考えて指輪を渡し、プロポーズして愛を確かめる。 その後、全米ツアーで各地を回るフレディは、その先々でメアリーに電話をする。 電話をしながらフレディは、トイレに入るトラック運転手(アダム・ランバート)が気になり、自分の性的指向に疑問を持ち始める。 帰国したフレディらは、リードからEMIの重役レイ・フォスター(マイク・マイヤーズ)と弁護士のジム・ビーチ(トム・ホランダー)を紹介される。 ビーチの名前が気に入らないフレディは、彼を”マイアミ・ビーチ”と呼ぶことにする。 次回の曲について話すレイは、フレディから”オペラ座の夜”だと言われるものの、それに興味を示さない。 1975年、ロックフィールド・スタジオ。 ”オペラ座の夜”のレコーディングを終えたフレディらと共に曲を聴いたレイは失望し、6分もある”ボヘミアン・ラプソディ”のシングルカットにも反対する。 大衆はクイーンを求めると考えるビーチは、レイと組む気のないフレディと共にその場を去る。 DJのケニー・エヴェレット(ディッキー・ボウ)に会ったフレディは話をつけて、”ボヘミアン・ラプソディ”をラジオで流す。 1976年。 帰国したフレディは、ポールとの関係を深めていたために、メアリーにバイセクシャルであることを伝える。 メアリーからゲイだと言われたフレディは、一緒に生きたいことを伝えるものの、彼女に理解してもらえなかった。 1980年、ロンドン。 隣りの家に住むメアリーに電話をしたフレディは、ランプの明かりで合図し合う。 その後フレディは派手なパーティーを開くが、ポールとの関係のことでメンバーと摩擦が生じ始める。 パーティーは終り、フレディは給仕のジム・ハットン(アーロン・マカスカー)に惹かれる。 その後、”ウィ・ウィル・ロック・ユー”や”地獄へ道づれ/Another One Bites the Dust”をヒットさせたクイーンは、ニューヨークの”マディソン・スクエア・ガーデン”でコンサートを行う。 ポールは、”CBS”からフレディにソロ活動のオファーがあったことをリードに話す。 会場に来てくれたメアリーと話したフレディは、彼女から恋人のデヴィッド(マックス・ベネット)を紹介される。 リードはホテルに向かう車の中で、フレディにCBSからの高額オファーの話をする。 バンドの解散も考えるリードから、不満も解消されると言われたフレディは憤慨し、彼を解雇して車から降ろす。 メンバー内のフレディに対する不満が高まる中、ビーチがマネージャーを引き受けることになる。 1982年。 1984年。 メンバーとの関係はさらに悪化し、フレディは、CBSとの400万ドルの契約にサインしたがバンド活動は続けることを皆に伝える。 ミュンヘン。 そんな時、働き詰めのフレディは吐血する。 フレディと連絡が取れないメアリーは現地に向かい、働き過ぎの彼の生活が乱れていることを知る。 一緒にいてほしいとメアリーに伝えたフレディは、ライブエイドの件を初めて聞き、レコーディングに集中させていポールが黙っていたと考える。 メアリーが妊娠していることを知ったフレディは、祝福する気になれない。 気分を害したメアリーは、そこにポールらが現れたために去ろうとする。 メアリーは、聾唖の父と話しているようであり、何も話してくれないとフレディに伝えてその場を去る。 雨の中、タクシーに乗るメアリーを呼び止めたフレディは、彼女の妊娠を喜び、ただ怖いだけだと伝える。 怖がる必要はない、あなたは愛されている、自分やバンドのメンバーは家族だと言うメアリーは、ポールを含めてこの場の関係者は違う、家に帰るべきだとフレディに伝えて去って行く。 ポールから、過去やすべてを知っていると言われたフレディは、好きなように知ろと伝えて彼を見限る。 その後、テレビのインタビューに答えたポールは、フレディの様々なことについて暴露する。 ビーチに連絡したフレディは、ライブエイドの出演依頼の件を話すものの、もう遅いと言う彼から、バンドのメンバーも受け入れないと意見される。 珍しくメンバーよりも早くビーチのオフィスに向かったフレディは、現れたブライアンらに謝罪し、理解してくれた彼らと、今後の活動条件などを話し合い合意する。 ビーチは、ボブ・ゲルドフには連絡してあることを話し、全世界規模のライブエイドの内容をフレディに伝える。 フレディは、出演しなければ死ぬまで後悔するとメンバーに伝える。 その後、エイズが世界的に広がっている中、診察を受けたフレディは、自分が感染していることを知る。 それをメンバーに話したフレディは、同情は必要ない、残された時間で音楽を作るのが自分の望みだと言いながら3人に愛を伝える。 1985年7月13日。 ジムの家を訪ねたフレディは、実家に向かい彼を家族に紹介する。 フレディが人々を救うコンサートに向かうことを知ったボミは、”善き思い、善き言葉、善き行い”と常に教えられてきたと言う息子を誇りに思い抱きしめる。 フレディは去り、涙ぐむボミはテレビをつけるようジャーに指示する。 ウェンブリー。 クイーンはステージに上がり、フレディは大観衆の声援に応える。 ピアノの前に座り演奏を始めたフレディは、”ボヘミアン・ラプソディ”、”ラジオ・ガガ”、”ハンマー・トゥ・フォール”、”伝説のチャンピオン/We Are the Champions”を熱唱し、寄付金の増加に貢献する。 スタジアムや全世界の人々は熱狂し、メアリーやジム、ブライアンらメンバーそして家族も、フレディのパフォーマンスに感激する。 フレディ・マーキュリーは、エイズによる肺炎で、1991年11月24日死去。 フレディは、亡くなるまでジム・ハットンと恋人関係にあった。 フレディとメアリー・オースティンは、生涯、友人であり続けた。 ”ボヘミアン・ラプソディ”は、フレディの死の2週間後に再リリースされてチャートで1位を獲得した。 1992年、クイーンとジム・ビーチはエイズと闘う財団”マーキュリー・フェニックス・トラスト”を設立した。
...全てを見る(結末あり)
仲間と共に遠征に行く途中で車を売ったフレディは、その金でレコーディングをする。
バンド名を”クイーン”に変更したフレディは、名前も”フレディ・マーキュリー”と名乗る。
曲を作っていたフレディは、個人マネージャーのポール・プレンター(アレン・リーチ)にキスされ、メアリーとの愛を尊重していることを彼に伝える。
”ボヘミアン・ラプソディ”をヒットさせたクイーンの国内および世界ツアーが始まる。
屋敷を購入したフレディは、髪をカットして髭を生やす。
アルバム”ホット・スペース”を発表したクイーンは記者会見を開き、記者シェリー・スターン(ミシェル・ダンカン)らは、フレディの私生活や性的指向について質問するものの、彼女らは相手にされない。
”ブレイク・フリー/I Want to Break Free”が発表され、そのミュージック・ビデオがアメリカで問題になり、”MTV”などが放送を禁止する。
”Mr.バッド・ガイ”のレコーディングをするフレディに付き添うポールは、世界規模のチャリティー・コンサートの話をするビーチから、クイーンも参加するべきだと言われるものの、気乗りしなかった。
ボブ・ゲルドフ(ダーモット・マーフィ)は、全世界の人々に対し、飢えた人々のための募金が必要だと訴える。
出番を待つフレディは、会いに来てくれたメアリーとデヴィッドにジムを紹介し、彼女らはステージ脇に向かう。
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享年45歳。
最初のリリースから16年後だった。
*(簡略ストー リー)
1970年、ロンドン。
空港の手荷物係だったファルーク・バルサラ(フレディ・マーキュリー)は、バンド”スマイル”に加わることになり、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ジョン・ディーコンと共に活動を始める。
レコーディングをしたファルークは、バンド名を”クイーン”に変え、フレディ・マーキュリーと改名する。
その後、”EMI”と契約した”クイーン”はヒット曲と共にスターとなる。
フレディは、付き合っていたメアリーと離れ全米ツアーなども行うのだが、自分の性的指向に疑問を抱き始める。
その後フレディは、EMIやバンドのメンバーと衝突しながら、世界的なアーティストになるのだが・・・。
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ロック・バンド”クイーン”のボーカル、フレディ・マーキュリーの人生を中心に、バンド活動の開始から”ライブエイド”出演までを描く伝記ドラマ。
死後も絶大な人気を誇るフレディ・マーキュリーおよびクイーンの実録ドラマということで、公開前から話題になった作品。
撮影中に出演者やスタッフとのトラブルがあったと噂されるブライアン・シンガーが解雇されるという問題も生じ、当初監督予定だった製作総指揮にも名を連ねるデクスター・フレッチャーが後を引き継ぐものの、ブライアン・シンガーが監督としてクレジットされた。
一般からは絶賛された本作なのだが、物語や脚本は平凡であり、批評家の評価は低かった作品でもある。
興行的には、北米で約2億1700万ドル、全世界では9億ドルを超える大ヒットとなった。
第91回アカデミー賞では、フレディ・マーキュリーを見事に演じたラミ・マレックが主演男優賞を受賞した。
他、編集、音響編集、録音賞を受賞し、作品賞にもノミネートされた。
特殊メイクなどで本人に成り切る作品が最近は多い中で、ラミ・マレックはフレディ・マーキュリーにそれほど似ているわけでもなく、その雰囲気を出している程度の演技が成功した理由だとも言える。
伝説の男はファンの心の中で生きているのであり、クイーンについてそれほど詳しくなかったと言われるラミ・マレックは、それを理解しフレディを演じたのだと思う。
それにしても、クライマックスのウェンブリーでのステージの忠実な再現は圧巻であり、そのパフォーマンスだけでも観る価値のある作品で、リアルタイムでそれを体験した者として当時を懐かしく思い出す。
フレディと交際して彼の心の支えとなるメアリー・オースティンのルーシー・ボイントン、クイーンのメンバーであるギタリスト、ブライアン・メイのグウィリム・リー、ドラマー、ロジャー・テイラーのベン・ハーディ、ベース、ジョン・ディーコンのジョゼフ・マゼロ(メンバーの中で最も雰囲気が似ている)、マネージャー、ジョン・リードのエイダン・ギレン、フレディと関係する個人マネージャーのアレン・リーチ、弁護士からマネージャーとなるジム”マイアミ”ビーチのトム・ホランダー、メンバーと意見が合わない”EMI”の重役マイク・マイヤーズ、フレディの恋人となるジム・ハットンのアーロン・マカスカー、クイーンの才能を認める音楽プロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーのティム・プレスター、フレディの両親メネカ・ダスとエース・バティ、ライブエイドの主催者ボブ・ゲルドフのダーモット・マーフィ、DJ、ケニー・エヴェレットのディッキー・ボウ、クイーンの前進”スマイル”を去るティム・スタッフェルのジャック・ロス、メアリーの恋人マックス・ベネット、記者のミシェル・ダンカン、フレディがアメリカ・ツアーで気にするトラック・ドライバーのアダム・ランバートなどが共演している。