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血と怒りの河 Blue (1968)

メキシコの盗賊に育てられたアメリカ人青年が入植者の女性を助けたことをきっかけに苦悩する姿を描く、主演テレンス・スタンプジョアンナ・ペティットカール・マルデンリカルド・モンタルバン他共演、監督シルヴィオ・ナリッツァーノによる西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:シルヴィオ・ナリッツァーノ

製作
ジャッド・バーナード
アーウィン・ウィンクラー
原案:ロナルド・M・コーエン
脚本
ロナルド・M・コーエン
ミード・ロバーツ
撮影:スタンリー・コルテス
編集:スチュー・リンダー
音楽:マノス・ハジダキス

出演
アズール/ブルー:テレンス・スタンプ
ジョアン・モートン:ジョアンナ・ペティット
モートン医師:カール・マルデン
オルテガ:リカルド・モンタルバン
サラ・ランランバート:サリー・カークランド

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1968年製作 113分
公開
北米:1968年5月10日
日本:1968年8月31日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀、メキシコ
幼い頃に両親を殺されたアメリカ人で、盗賊の首領オルテガ(リカルド・モンタルバン)に育てられたアズール”ブルー”(テレンス・スタンプ)は、他の息子達と同様に可愛がられていた。

国境を越えテキサスの入植者達を襲うことを考えたオルテガは、息子アズールとマニュエルを町に向かわせる。

オルテガらは独立記念日を祝う入植者達を襲って金品を奪い、抵抗する者を容赦なく殺す。

その頃マニュエルは、モートン医師(カール・マルデン)の娘ジョアン(ジョアンナ・ペティット)が戻ったところを襲い暴行しようとする。

しかし、その場に現れたアズールはマニュエルを射殺する。

オルテガらはその場を去るが、入植者達は武器を持って彼らを追い、モートンはジョアンの身を案ずる。

アズールはジョアンに手出しをせず、迎えに来た兄弟ハビエルとアントニオと共にその場を去る。
...全てを見る(結末あり)

入植者に襲われたアズールは、撃たれて落馬したアントニオを残して逃げ去る。

入植者達に追い詰められたアントニオは殺される。

モートンは無事だったジョアンを家に連れ帰るが、その場にいた負傷したアズールは気を失う。

仲間を呼ぼうとしたモートンだったが、ジョアンはアズールが自分を助けてくれたことを伝える。

オルテガの元に戻ったハビエルは、アントニオとマニュエルが殺され、女の傍にアズールがいたことを知らせる。

オルテガはアズールの元に向かおうとするが、ハビエルにメキシコへ戻るべきだと言われ仕方なく撤退する。

手当てを受けたアズールは意識を取り戻すが、モートンの質問には答えない。

その後、入植者達は犠牲者の葬儀を済ませ、依然として何も話さないアズールだったが、ジョアンが彼の世話を始める。

ようやく言葉を口にしたアズールは、呼ばれている名前をジョアンに教える。

アズールを信用したモートンは、旅立つと言う彼の行き先を尋ね、預っていたと言って母親の物と思われるペンダントを渡す。

何も答えないアズールは、仲間を殺し帰る場所がなくなったことで考えを巡らせる。

翌朝早く目覚めたジョアンはアズールがいないことに気づくが、彼が土地を耕していることに気づきそれを父に伝えて喜ぶ。

トウモロコシの栽培を始めたアズールを、ジョアンとモートンは雇人だと言って人々に紹介する。

青年ジェス・パーカーは、アズールの拳銃がメキシコの盗賊が使っていた物と同じことに気づき彼を挑発する。

ジェスを相手にせずに部屋に向かったアズールは怒りを抑える。

今後を案ずるジョアンに、モートンはいつかは打ち解ける時が来ると語る。

ジョアンは、それが無理だと言うアズールに、信じていることを伝えるために愛し合う。

翌日アズールは、かつて国境のなかった時代、メキシコに入植した両親が戦争が始まったために追い出されそうになり、それを拒み家を焼かれたことなどをジョアンに話す。

両親を失いその場から逃れ、オルテガに出会い息子のように育てられたことをアズールは付け加える。

ジョアンに惹かれるジェスはアズールのことを疑い、必ず正体を暴くと彼女に言い切る。

アズールは再びジェスに徴発されるものの、銃の腕前を見せて相手にならないことを証明する。

ある夜、アズールを迎えに来たオルテガは、命の恩人だというモートンとジョアンに感謝する。

オルテガはアズールを連れて帰ろうとするが、アズールはそれを拒む。

息子を奪ったモートンを恨むオルテガは、アズールに戦いを挑むものの殺されそうになる。

モートンがそれを制止し、怒りの収まらないオルテガは、必ず復讐すると言い残してその場を去る。

襲撃に備え逃げようとしないモートンとジョアンを見て、アズールは苦しむ。

入植者達は話し合い戦うことを決め、アズールはそれに加わり指揮を執ることになる。

川に向かった人々は、アズールの指示に従い戦いの準備を始め、ジェスらは対岸に向かう。

難しい立場のアズールは、ジョアンに母親のペンダントを渡し二人は愛を確かめ合う。

やがてオルテガらが現れ、アズールは、先行して川を渡ってきたハビエルに銃を向けて合図を送るよう指示する。

オルテガらは川を渡り始め、危険を知らせたハビエルはアズールに撃ち殺される。

攻撃されたオルテガらは引き返そうとするが、ジェスらが迎え撃つ。

アズールは、川に残っていたオルテガの元に向かい彼を銃撃する。

オルテガを抱きかかえたアズールは、故郷の地で死にたいと言う父の望みを叶えようとして川を渡る。

アズールは生き残っていた盗賊に撃たれ、ジョアンらは彼に駆け寄る。

しかしアズールは、ジョアンの腕の中で息絶える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
19世紀、メキシコ
幼い頃に両親を殺されたアメリカ人のアズール”ブルー”は、盗賊の首領オルテガに息子として育てられた。
独立記念日、オルテガらは国境を越えて入植者の村落を襲い、アズールは医師モートンの娘ジョアンに暴行しようとした兄弟を殺す。
その場を去ったオルテガらは入植者達の反撃に遭い、アズールは負傷してモートンとジョアンに手当てされる。
野蛮人として生きてきた心を閉ざすアズールは、モートンの寛大さに触れると共にジョアンに惹かれ、農民として生きる決意をするのだが・・・。
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正統派西部劇とは言えない内容だが、残虐性の描写などが1960年代末の時代を反映しているようで、イタリア製西部劇的描写などもある。

主演を演じているのがイギリス人のテレンス・スタンプジョアンナ・ペティットで、監督はカナダ人のシルヴィオ・ナリッツァーノであるところなども注目で、その辺りが一風変わった雰囲気で楽しめる作品に仕上がっている理由だろう。

残虐で荒っぽい盗賊、それに対して勇敢に立ち向かう入植者達との激しい戦いに加え、情緒的なシーンや、大地などの美しい自然、色彩感覚にも工夫を凝らすなど見所も多い作品。

野性味に加え統率力なども兼ね備えた人物を熱演する、まだ20代であるテレンス・スタンプの魅力的な演技は際立つ。

芯の強さも感じさせる主人公を愛する女性を好演するジョアンナ・ペティット、その父親で医師役のカール・マルデンと盗賊の首領リカルド・モンタルバンは、作品に重みを加える実力派らしい存在感のある演技を見せてくれる。

サリー・カークランドが入植者の女で出演している。


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