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血まみれギャングママ Bloody Mama (1970)

実在の凶悪犯一家の中で4人の息子達の行動を仕切る母親“マー”ケイト・バーカーの波乱の半生を描く、注目のロジャー・コーマンが製作、監督、主演シェリー・ウィンタースパット・ヒングルロバート・デ・ニーロブルース・ダーンスキャットマン・クローザース共演の犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・コーマン

製作:ロジャー・コーマン
原作:ロバート・ソム
脚本:ロバート・ソム
撮影:ジョン・アロンゾ
編集:エヴァ・ニューマン
音楽:ドン・ランディ

出演
“マー”ケイト・バーカーシェリー・ウィンタース

サム・アダムス・ペンドルベリー:パット・ヒングル
ハーマン・バーカー:ドン・ストラウド
ロイド・バーカー:ロバート・デ・ニーロ
アーサー・バーカー:クリント・キンブロー
フレッド・バーカー:ロバート・ウォルデン
ジョージ・バーカー:アレックス・ニコル
モナ・ギブソン:ダイアン・ヴァーシ
ケヴィン・ダークマン:ブルース・ダーン
レンブラント:パメラ・ダンラップ
モーゼス:スキャットマン・クローザース

アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ

1970年製作 90分
公開
北米:1970年3月24日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
幼い頃に父親にレイプされるなど、劣悪な環境で育ったケイト・バーカー(シェリー・ウィンタース)は、成長して結婚し4人の子供達を育てる。

息子達、ハーマン(ドン・ストラウド)、ロイド(ロバート・デ・ニーロ)、アーサー(クリント・キンブロー)、フレッド(ロバート・ウォルデン)のは悪事を繰り返していたが、ケイトは彼らをかばい続ける。

保安官に追われる息子達を逃がすために、ケイトは夫のジョージ(アレックス・ニコル)に別れを告げる。

そしてケイトは、息子達が盗んだ保安官の車に乗り、逃亡の旅に出る。

その後、ハーマンは殺人を犯し、4兄弟は強盗などを繰り返していたが、やがて大恐慌が世の中を襲う。
...全てを見る(結末あり)

その頃、集会の寄付金等を盗もうとしたハーマンとフレッドは逮捕されてしまう。

刑務所内の同房で、同性愛者のフレッドは、囚人ケヴィン・ダークマン(ブルース・ダーン)に痛めつけられ、ハーマンは囚人を半殺しにしてしまう。

二人の留守中、ケイトはヤク中のロイドと内気なアーサーと共に、トミーガンを手に入れて銀行を襲う。

その後、出所したハーマンは娼婦モナ・ギブソン(ダイアン・ヴァーシ)を、フレッドもケヴィンを仲間に入れる。

一家は、湖畔の家に住居を構えていたが、ある日、ヤクを打ったロイドは、泳いでいたレンブラント(パメラ・ダンラップ)と出会う。

ロイドは強引にレンブラントに迫り、抵抗する彼女を誘拐し、ケイト自らも手を下し殺害してしまう。

その間も不景気は続き、警察は各地で頻発するデモなどを鎮めることに躍起で、一家を追跡している暇はなかった。

そんな時ケイトは、綿の仲介業者で富豪のサム・アダムス・ペンドルベリー(パット・ヒングル)に目をつける。

300万ドルの資産を持つペンドルベリーを誘拐した4兄弟とケヴィンは、彼を監禁して30万ドルの身代金を要求する。

しかし、ペンドルベリーは動ずることなく、彼の妻はFBIに通報してしまう。

ケイトは、事が片付いたらペンドルベリーを殺すことを息子達に告げる。

しかし、ペンドルベリーの世話を始めたケイトは、彼と妙に馬が合い、銃を抱える息子達の前で、二人は愛し合ってしまう。

その後、ペンドルベリーの妻は身代金を払い、4兄弟は彼を小奇麗にして解放しようとする。

さらに兄弟は、人間味のあるペンドルベリーの情が移り、彼との別れを惜しむようになる。

ペンドルベリーの目隠しをとり、彼の目が父親と同じ青色だったことで、凶暴なハーマンも、失明したペンドルベリーに同情してしまう。

しかし、ケイトは警戒し、ペンドルベリーを殺すよう息子達に命ずる。

ケイトは、躊躇する息子達を見て、気乗りしない長男のハーマンにペンドルベリー殺害を強要し実行させる。

帰宅した一家だったが、ハーマンは、ペンドルベリーを殺さずに逃がしたことを母ケイトに伝える。

自分に逆らったハーマンを、罵ろうとしたケイトだったが、彼は母親に手を上げ、今後は自分がボスだと言い放つ。

その後、フロリダに移った一家だったが、ロイドが麻薬の打ち過ぎで死亡してしまう。

ハーマンはケヴィンと沼に出て、子豚を、そこに生息するワニの餌にしようとする。

そのワニをハーマンが射殺したことから、一家の家の管理人モーゼス(スキャットマン・クローザース)が、それを保安官に通報してしまう。

その後、FBIや警察が一家の家を包囲し、ケイトはそれに気づき発砲する。

激しい銃撃戦が始まり、投降しようとしたケヴィンはケイトに射殺され、表に出たフレッドも銃弾に倒れる。

アーサーもケイトの前で銃弾を受け、ハーマン顔面を撃って自ら命を絶つ。

そして、取り乱したケイトは最後の抵抗をするが、一斉射撃を受け絶命する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
恵まれない環境で育ったケイト・バーカーは、4人の息子に恵まれるが、彼らは悪事を繰り返していた。
しかし、ケイトは息子達を溺愛し、常に彼らを擁護し、ある日、夫を捨てて子供達と共に、逃亡と犯罪の旅に出る。
殺人や大掛かりな銀行強盗など、次第に犯行がエスカレートしていく一家は、資産家のペンドルベリーを誘拐し、巨額の身代金を要求するのだが・・・。
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今となって観直してみると、実に魅力的な配役であり、アカデミー助演賞を2度受賞した実力派シェリー・ウィンタースの主演ではあるが、日本では劇場未公開に終わり、話題にならなかった作品。

しかし、”低予算映画”で定評があるロジャー・コーマンの、シャープで無駄のない演出は、彼の本領を十分に発揮した作品と言える。

実話ということもあり、その時代背景などを、ニュースフィルムなどを挿入して解説した作風は、ドキュメントのような、リアルな雰囲気も漂わせる。

あのシェリー・ウィンタースが、トミーガンをぶっ放すという、的外れの作品かと思いきや、上記のように、演技派である彼女の、存在感と迫力ある熱演は見ものだ。

注目していた、若き日のロバート・デ・ニーロは、その後を知った上で見れば印象的とも言えるが、この時点で突出した才能を感じることはできない。
わずか4年後に「ゴッドファーザーPARTⅡ」(1974)で大ブレイクする彼だが、人の運命やチャンスをものにする才能、それらを考えながら観ると実に興味深い。

未熟なギャング兄弟に誘拐されながら、人生の教訓のようなものを伝授する富豪のパット・ヒングル、犯罪一家の息子達、ドン・ストラウドロバート・デ・ニーロクリント・キンブローロバート・ウォルデン、父親アレックス・ニコル、長男(D・ストラウド)の愛人ダイアン・ヴァーシ、途中から仲間に加わるブルース・ダーン、一家に誘拐され殺害される女性パメラ・ダンラップ、借家の管理人スキャットマン・クローザースなどが共演している。


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