1991-2002まで続いたダイヤモンドの支配権を巡った内戦”シエラレオネ内戦”で、不正に取引される”紛争ダイヤモンド/ブラッド・ダイヤモンド”に関する社会問題を描く、製作、監督エドワード・ズウィック、主演レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー、アーノルド・ヴォスルー、マイケル・シーン他共演の社会派ドラマ。 |
・レオナルド・ディカプリオ / Leonardo DiCaprio 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ズウィック
製作総指揮
レン・アマト
ベンジャミン・ワイズブレン
ケヴィン・デ・ラ・ノイ
製作
グラハム・キング
エドワード・ズウィック
ジリアン・ゴルフィル
ポーラ・ウェインステイン
マーシャル・ハースコヴィッツ
脚本:チャールズ・リーヴィット
撮影:エドゥアルド・セラ
編集:スティーヴン・ローゼンブラム
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
レオナルド・ディカプリオ:ダニー・アーチャー
ジャイモン・フンスー:ソロモン・ヴァンディー
ジェニファー・コネリー:マディー・ボウエン
アーノルド・ヴォスルー:コッツィー大佐
マイケル・シーン:ルパート・シモンズ
マリウス・ウェイヤーズ:ルドルフ・ヴァン・デ・カー プ
カギソ・クイパーズ:ディア・バンディー
デヴィッド・ヘアウッド:ポイゾン大尉
ベイジル・ウォレス:ベンジャミン
ンタレ・ムワイン:メッド
スティーヴン・コリンズ:ウォーカー大使
アントニー・コールマン:コーデル・ブラウン
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザース
2006年製作 143分
公開
北米:2006年12月8日
日本:2007年4月7日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $57,312,490
世界 $171,407,180
■ アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優(レオナルド・ディカプリオ)
助演男優(ジャイモン・フンスー)
音響編集・録音・編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1999年、西アフリカのシエラレオネ共和国。
ダイヤモンド採掘権を巡り内戦が激化する中、多くの人命は奪われ、何百万人もの難民が生まれた。
漁師のソロモン・ヴァンディー(ジャイモン・フンスー)は、RUF(反政府勢力:革命統一戦線)に捕らえられ、武力の資金源になる、ダイヤモンド採掘場で強制労働をさせられる。
RUFへの武器調達の見返りに受け取とるダイヤモンドを隣国リベリアに密輸している、ローデシア人(現ジンバブエ)の傭兵ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)も密輸中に逮捕されてしまう。
ある日、ソロモンはピンクの大粒ダイヤモンドを発見して、RUFのポイゾン大尉(デヴィッド・ヘアウッド)に気づかれてしまう。 その時、政府軍の攻撃に遭い、ポイゾンとソロモンは囚われる。 同じ留置所で、ソロモンの見つけたダイヤのことを聞いていたアーチャーは、その大粒ダイヤを手に入れて紛争の地から脱出することを企む。 釈放されたアーチャーは、南アフリカのダイヤモンド会社ヴァン・デ・カープ社長、ルドルフ・ヴァン・デ・カープ(マリウス・ウェイヤーズ)と代理人ルパート・シモンズ(マイケル・シーン)にソロモンのダイヤを売ることを考え、彼を釈放させようとする。 アーチャーは、差し歯に隠してあった小粒のダイヤを売りさばき、その後、彼はアメリカ人女性マディー・ボウエン(ジェニファー・コネリー)に出会う。 しかしアーチャーは、マディーが、紛争の原因”ブラッド(血の)・ダイヤモンド”とヴァン・デ・カープの関係を追うジャーナリストと知り、態度を変えてその場を立ち去る。 釈放されたソロモンは家族の安否を気遣い、彼の知らないところで、妻や息子は生き延びていたが、息子ディア(カジソ・カイパース)はRUFに連れ去られてしまう。 アーチャーは、南アフリカ国防軍の特殊部隊第32大隊の傭兵時代の上官で、ヴァン・デ・カープとも通じているコッツィー大佐(アーノルド・ヴォスルー)の元に連れて行かれ、”ピンクのダイヤ”を渡し恩を返すよう強要される。 ホテルのボーイの仕事に就いた、ソロモンに接触したアーチャーだったが、彼はダイヤについて沈黙を守る。 その頃、RUFに連れ去られたソロモンの息子ディアは、殺人兵器としての厳しい訓練を受けていた。 マディーに再会したアーチャーは、”ブラッド・ダイヤモンド”を買いあさるアメリカ人は、紛争に加担しているのと同じだと言い張る。 しかしマディーは、そんなことには関わらない善意ある者も大勢いるとアーチャーに言い返して、その場を立ち去る。 シエラレオネの首都フリータウン近郊にRUFの勢力が迫り、町が戦場化するのも時間の問題となってきた。 再びソロモンに接触したアーチャーは、家族を救う条件でソロモンを同行させ、無差別攻撃が始まったフリータウンから難民と共に逃亡する。 難民キャンプでアーチャーはマディーを捜しだし、約束を守るために、彼女にソロモンの家族を捜す手助けを依頼する。 国連のデータベースから、ソロモンの家族の所在を確認したマディーは、アーチャーと彼を連れて、ヘリコプターでギニアのフォレカリア県タッシン難民キャンプに向かう。 総数100万人、アフリカ2番目の規模の難民キャンプでの家族の捜索は困難を極めると思われたが、ソロモンは運良く妻と娘を見つけて再会することができる。 しかし、息子ディアが、RUFにさらわれたことを知ったソロモンはショックを受ける。 さらに、難民にRUFが潜んでいる可能性があるため、停戦まで家族は解放されないことが分かり、3人は仕方なくシエラレオネに引き返す。 何とか、ダイヤ密売の不正を記事にしようとするマディー、ソロモンや家族を救うためにも、ダイヤを手に入れる必要があることを訴えるアーチャー。 対立する二人だったが、アーチャーはヴァン・デ・カープ社が、”ブラッド・ダイヤモンド”を支配する証拠をマディーに見せ、ソロモンのダイヤが隠された場所へ行くための協力を彼女に要請する。 ソロモンをカメラマンと偽り、アーチャーとマディーは危険地帯を車で移動するが、RUFの襲撃に遭い、密林に逃げ込む。 RUFから子供達を救った施設にたどり着き、アーチャーは、自分がたどった悲惨な人生をマディーに語り、彼女も心を痛める。 その頃、RUF制圧のために、シエラレオネ入りしていたコッツィー大佐の部隊のキャンプに着いたアーチャーは、部隊と共に行動するよう大佐に指示される。 アーチャーはマディーの同行を拒み、ソロモンとダイヤの元に向かうため、彼女にヴァン・デ・カープの証拠を渡す。 ようやく心が通じ合ったマディーに別れを告げ、アーチャーはソロモンと部隊を脱出する。 ある村で、隣村にRUFがいると言われたソロモンは、息子のディアがいるのではと思い向かおうとするが、アーチャーは力ずくでそれを止めようとする。 しかし、父親としてのソロモンの気持ちを察したアーチャーは、日没を待ちRUFのいる村に向かい、息子がいないことを確認して先を急ぐ。 ダイヤの採掘場に到着したアーチャーは、コッツィー大佐の部隊に空襲を要請し、ソロモンは息子ディアを見つける。 単独で、ディアを救いに行ったソロモンをアーチャーは追うが、首都フリータウン制圧で解放されたポイゾン大尉に洗脳されていたディアは、父ソロモンを敵だと言って叫び、彼は捕らえられてしまう。 ソロモンは、家族の命と引き換えにダイヤを探すよう強要されるが、その時コッツィー大佐の空襲が始まる。 コッツィー大佐は、アーチャーを含めた皆殺しを命じて、ソロモンはポイゾンを殺し、アーチャーはディアを救う。 コッツィー大佐から、ダイヤを要求されたアーチャーは、口を割らないソロモンに対し、ディアを大佐に突き出し、彼にダイヤの隠し場所に案内させる。 アーチャーが、コッツィー大佐を罠にかけようとしていることを知ったソロモンは、隙を見て大佐を殴り倒し、部下の武器を奪ったアーチャーが、彼らを射殺する。 ダイヤを見つけたソロモンだったがアーチャーは負傷し、ディアが二人に銃口を向ける。 涙ながらのソロモンの説得で、正気を取り戻したディアは拳銃を捨て、3人は救援のセスナの到着する尾根へと向かう。 力尽きたアーチャーは、ソロモンに、ダイヤとマディーの名刺を渡し、二人をセスナの到着現場に向かわせて、追っ手から彼らを守ろうとする。 アーチャーはマディーに電話して、ソロモンとディアの保護を頼み電話を切る。 ロンドンでマディーと再会したソロモンは、彼女の指示でヴァン・デ・カープ社のシモンズに会う。 200万ポンドを差し出すシモンズに対し、ソロモンは家族の解放も要求する。 やがてソロモンは、要求通り解放された家族と再会し、200万ポンドをシモンズから受け取る。 その後、マディーが書いた”ブラッド・ダイヤモンド”の記事が、雑誌に掲載されて大きな反響を呼ぶ。 2000年1月、南アフリカ、キンバリー。 2003年1月。
...全てを見る(結末あり)
”ブラッド・ダイヤモンド”問題を解決するための、各国が集まった会議が開かれ、ソロモンは、マディーが見つめる前で証人として演説する。
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”ブラッド・ダイヤモンド”の売買を阻止する制度、”紛争ダイヤモンド・キンバリー・プロセス認証制度”が導入されるが、いまだに売買は続いている。
*(簡略ストー リー)
1999年、シエラレオネ共和国。
ダイヤモンド採掘権を巡り内戦が激化し、何百万人もが難民となる。
漁師のソロモンは、RUF(反政府勢力:革命統一戦線)に捕らえられ、武力資金源になるダイヤモンド採掘場で強制労働をさせられる。
RUFへの武器調達で受け取とるダイヤモンドを隣国に密輸している、ローデシア人の傭兵ダニー・アーチャーは、密輸がバレて逮捕されてしまう。
その頃、ソロモンはピンクの大粒ダイヤモンドを発見してそれを隠す。
ソロモンはそれを知られるものの、運良く政府軍に囚われる。
同じ留置所で、ソロモンのダイヤのことを聞いていたアーチャーは、そのダイヤを手に入れて売ることを考える。
ソロモンを釈放させたアーチャーは、紛争の原因”ブラッド(血の)・ダイヤモンド”とダイヤモンド会社の関係を追う、アメリカ人ジャーナリストのマディーに出会う。
アーチャーは、マディーの協力を得て、ダイヤを手に入れるために、難民となったソロモンの家族を捜そうとするのだが・・・。
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エドワード・ズウィックにとって、ベスト作品と言っていいほど評価は高く、南アフリカとモザンビークで撮影された、リアルで迫力ある映像を生かした、スピード感ある切れ味のいい演出は冴え渡る。
第79回アカデミー賞では、主演男優(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優(ジャイモン・フンスー)、音響編集、録音、編集賞にノミネートされた。
ジェームズ・ニュートン・ハワードの軽快な音楽も印象的だ。
製作費に1億ドルをかけた超大作だが、作品の評価とは裏腹に北米興行収入は約5700万ドルと伸びなかった。
*全世界では約1億7100万ドル。
最近のディカプリオは実にいい。
前作の「ディパーデット」(2006)の好演と合わせ、急激に男性ファンを増やしていることは間違いない。
かつてトム・クルーズが、「レインマン」(1988)で、アイドル・スターから演技派として飛躍していった頃とだぶる。
やんちゃな美青年スターにしか見えなかったディカプリオも同様、才能と実力を兼ね備えた、スターの地位を着実に築いている。
出演作の多くで、頼もしい役柄を演じているジャイモン・フンスーは、今回も圧倒的な存在感だ。
元モデルだけあり、画面に登場するだけで見栄えのする美しい体型は、往年の名優ウッディ・ストロードを髣髴させる。
お嬢様風の役が似合う、ミス・キャストではなかろうかと心配していたジェニファー・コネリーたが、緊迫するアフリカの地で、逞しく活動するジャーナリストを、体を張った演技で好演している。
私利私欲のために、あらゆる物を食い物にしようとする、南アフリカの元第32大隊大佐役アーノルド・ヴォスルー、彼と裏で通じているイギリスのダイヤモンド会社代理人マイケル・シーン、残虐非道なRUFの大尉デヴィッド・ヘアウッドなどが共演している。
月並みな言い方だが、このような作品を見ると、平和ボケしている自分達の生活と照らし合わせて、つくづく世界の惨状なを考えさせられる。
”少年兵”や”一国全てが浮浪者”などとという言葉が当たり前に飛び交う現実が、未だに世界に存在することを考えると心が痛む。