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100万ドルの血斗 Big Jake (1971)

孫を誘拐された大牧場主と無法者一味の戦いを描く、監督ジョージ・シャーマン、主演ジョン・ウェインリチャード・ブーンモーリン・オハラパトリック・ウェインクリストファー・ミッチャム他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇
ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・シャーマン
製作:マイケル・ウェイン
脚本/原作
ハリー・ジュリアン・フィンク

リタ・M・フィンク
撮影:ウィリアム・クローシア
編集:ハリー・W・ガースタッド
音楽:エルマー・バーンスタイン

出演
ジョン・ウェイン:ジャイコブ・マッキャンドルズ
リチャード・ブーン:ジョン・フェイン
モーリン・オハラ:マーサ・マッキャンドルズ
パトリック・ウェイン:ジャームズ・マッキャンドルズ
クリストファー・ミッチャム:マイケル・マッキャンドルズ
ブルース・キャボット:サム・シャープノーズ
グレン・コーベット:オブライエン
ハリー・ケリーJr.:ポップ・ドーソン
ハンク・ウォーデン:ハンク
イーサン・ウェイン:ジェイク・マッキャンドルズ
ジョン・ドーセット:バック・ドューガン
ジョン・イエーガー:バート・ライアン
ボビー・ヴィントン:ジェフ・マッキャンドルズ
ロイ・ジェンソン:ガンマン
グレッグ・パーマー:ジョン・グッドフェロー

アメリカ 映画
配給 National General Pictures
1971年製作 109分
公開
北米:1971年5月26日
日本:1971年11月
製作費 $4,800,000
米興行収入 $7,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1909年、テキサス
マッキャンドルズ牧場の主人ジェイコブ・マッキャンドルズ(ジョン・ウェイン)は、妻マーサ(モーリン・オハラ)とは別居して牧場を息子のジェフ(ボビー・ヴィントン)に任せ、ガンマンとして放浪生活を送っていた。

ある日マーサは、屋敷に近づく男達に気づき、使用人のバート・ライアン(ジョン・イエーガー)に雇ってみてはどうかと提案する。

現れたのは無法者ジョン・フェイン(リチャード・ブーン)の一味で、対応したバートは仕事はないことを伝える。
...全てを見る(結末あり)

バートと使用人達を次々と殺したフェインは、馬に乗ったまま屋敷に入り、二階にいたジェフを銃撃する。

孫のジェイク(イーサン・ウェイン)を逃がしたマーサは、フェインに銃を向けられる。

傷を負いながらジェイクを捜して外に出たジェフは、一味の一人を殺すものの、再び銃撃される。

ジェイクを見つけた一味のオブライエン(グレン・コーベット)は、農業用フォークで顔を傷つけられたために銃を向けるものの、フェインに制止される。

オブライエンはジェイクを捕らえ、マーサを生かしたフェインは、封筒を残してその場を去る。

マーサは、牛を追っていた使用人のハンク(ハンク・ウォーデン)に、息子達と医師を呼ぶようにと指示し、ジェイコブのことを訊かれたため、夫などいないと伝える。

封筒の中身を確認したマーサは、一味の要求は身代金100万ドルであり、地図に従ってそれを届けるようにという内容を確認する。

その頃フェイン一味は、メキシコに向かう。

重傷を負うものの助かったジェフを励ますマーサは、100万ドルを用意するものの、”テキサス・レンジャー”の隊長バック・ドューガン(ジョン・ドーセット)や軍には任せる気にはならなかった。

マーサからの手紙を受け取ったジェイコブは、牧場の専用駅に到着する。

ジェイクが誘拐されジェフが撃たれたことを知らされたジェイコブは、フェインの手紙を確認する。

100万ドルを見せられたジェイコブ/ビッグ・ジャイクは、馬や武器などを用意して、車で移動すると言うテキサス・レンジャーのバックに一人で行くことを伝える。

10年近く会っていなかった次男ジェームズ(パトリック・ウェイン)が礼儀を知らないために、それを教えたビッグ・ジャイクは、オートバイで現れた三男マイケル(クリストファー・ミッチャム)らが、バックと共に行動することを確認する。

マーサから現金の箱を任されたビッグ・ジェイクは、愛犬と共に単独で出発してメキシコに向かう。

アパッチのサム(ブルース・キャボット)と合流したビッグ・ジャイクは、彼に事情を話して先を急ぐ。

その後バックらはフェイン一味の待ち伏せに遭い、犠牲者を出す。

車を壊されたバックらは、追いついたビッグ・ジェイクから水だけをを受け取り、歩いて引き返すことになる。

同行することになったジェームズを指示に従わせたビッグ・ジェイクは、バイクで崖下に転落していたマイケルの無事を確認し、心配させた彼を殴り倒す。

マイケルも同行させたビッグ・ジェイクは野営をすることになり、脚にショットガンの弾を受けていたジェームズの治療をする。

翌日、つけられている気配を感じたジェイクはサムを偵察に出し、数人が自分達を追ってきていることを知る。

新型のオートマチック銃をまともに扱えないマイケルだったが、意外にもライフルの腕は確かだということをビッグ・ジェイクは知る。

その夜、マーサが孫に自分と同じ名前”ジェイク”と付けたことを知ったビッグ・ジェイクは驚く。

周囲を調べてきたサムから、尾行が近くにいると言われたビッグ・ジェイクは、現れたフェインからジェイクの服を渡される。

尾行はしていないと伝えたフェインは、雇われたと言う相手がビッグ・ジェイクとは気づかないまま、現金の受け渡し場所を告げて立ち去る。

尾行していた者達に話を訊かれたビッグ・ジェイクは、始末するようサムに指示する。

サムから一人(ロイ・ジェンソン)を逃がしたと言われたビッグ・ジェイクは、その仲間がエスコンデロで襲ってくると考える。

翌日、エスコンデロに着いたビッグ・ジェイクは、愛犬の様子で、逃がした男がいることを確認する。

宿の部屋を取ったビッグ・ジェイクは、襲われることに備えて警戒する。

夜になり、酒場でわざと騒ぎを起こしたビッグ・ジェイクは、床屋に向かいシャワーも浴びる。

そこに男が現れ、服を着ていないビッグ・ジェイクに銃を向ける。

酒場にいたジェームズは、言いがかりをつけてきた二人の男を倒す。

部屋にいたマイケルとサムは、押し入ってきた男達を撃退する。

ショットガンを隠し持っていたビッグ・ジェイクは、男を射殺する。

現金が新聞紙だということを知ったジェームズとマイケルは、ビッグ・ジェイクにその件を追及する。

紙切れのために人を殺したジェームズとマイケルは納得いかず、ビッグ・ジェイクを殴る。

親子は殴り合いになり、ビッグ・ジェイクは、自分とマーサは最初から悪党に金など払うつもりなどないことを息子達に話す。

ジェイクが殺されることを心配するジェームズに対し、ビッグ・ジェイクは、その前に相手を殺すと伝える。

その後、現れたフェインの手下ポップ・ドーソン(ハリー・ケリーJr.)が、現金の受け渡し場所にビッグ・ジェイクらを案内することになる。

ジェイクを狙っている狙撃手を殺すようマイケルに指示したビッグ・ジェイクは、彼が襲われた際に撃ち殺されたことにして、自分達を尾行させる。

一味の隠れ家に着いたビッグ・ジェイクは、ジェームズとサムに後を任せて一人で箱を運び、馬に隠れたマイケルもその場に向かう。

フェインと話したビッグ・ジェイクは手下のジョン・グッドフェロー(グレッグ・パーマー)らを威嚇し、ジェイクを連れて来させる。

指示に従ったビッグ・ジェイクは鍵を渡し、箱の中身が紙切れだと知ったフェインらと撃ち合いになる。

ジェイクを狙っていた狙撃手の一撃は、孫を守ろうとしたビッグ・ジェイクの脚に命中する。

教会の塔にいた狙撃手の居場所を知ったマイケルが、男を仕留める。

ジェイクに銃を渡したビッグ・ジェイクは、ジェームズの元に向かうよう指示する。

サムがフェインに撃たれ、手下のジョンにマチューテで殺される。

逃げてきたジェイクを助けようとしたジェームズは、ポップを倒すものの、オブライエンに腕を撃たれてしまう。

後ろに回られたジェームズは、オートマチック銃でオブライエンを倒す。

フェインにランプを投げつけたビッグ・ジェイクは、腕を撃たれてしまう。

襲い掛かってきたビッグ・ジェイクの愛犬をマチューテで殺したジョンは、干し草の中に隠れているジェイクを見つける。

ジョンに銃を向けたビッグ・ジェイクだったが、弾切れだったためにフォークで相手を殺す。

ジェイクの無事を確認したビッグ・ジェイクは、フェインに銃を向けられるものの、マイケルがフェインを銃撃する。

相手が”ジャイコブ・マッキャンドルズ”だったことを知ったフェインは、息絶える。

ジェイクも助けてくれたのが祖父だと知り、ビッグ・ジェイクは、ジェームズとマイケルの働きを頼もしく思いながら、家路に向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1909年、テキサス
大牧場主ジェイク・マッキャンドルズは、妻のマーサとは別居して、ガンマンとして放浪生活を送っていた。
牧場を無法者フェイン一味に襲われ、孫のジェイクを誘拐され他マーサは身代金100万ドルを要求されたため、ビッグ・ジェイクと息子達ジェームズとマイケルを呼び寄せる。
マーサから現金を受け取り、息子達と共に出発したビッグ・ジェイクは取引現場に向かうものの、噂を聞いたフェイン以外の無法者達も、彼らの現金を狙おうとする・・・。
__________

1970年代に入り正統派西部劇も消え去りつつある時代、ジョン・ウェインが、自らのバトジャック・プロダクションで息子マイケル・ウェインのプロデュースで製作した作品。

自動車やオートバイを登場させて、目新しさを売り物にしている作品ではあるが、逆に西部劇の衰退を実感してしまう。
時代の流れで仕方がないが、西部劇ファンとしては派手さの割には寂しさも感じてしまう作品。

この時代に製作されていたウェイン作品のお決まりのパターンで展開する内容はいまいち物足りない感じはする。
しかし、彼のような存在は、スクリーンに登場すること自体に価値があり、これは理屈ではなく、”ジョン・ウェイン”そのものと言える強さの象徴として、その威厳や傲慢さがファンにはたまらなく嬉しいのである。

出演者も息子のパトリック・ウェイン、孫のような息子イーサン・ウェインを起用し、モーリン・オハラをはじめ、ブルース・キャボットハリー・ケリーJr.ハンク・ウォーデンジョン・イエーガージョン・ドーセットなど、ウェイン作品の常連の出演も見所の一つだ。

ウェインと堂々渡り合うリチャード・ブーンも、貫禄ある演技を見せてくれる。

また、いつもは大揉めになることが多い妻役のモーリン・オハラとも、今回は意外にも波風立たないというか、彼女が冒頭しか登場しないのは非常に残念。

ロバート・ミッチャムの息子クリストファー・ミッチャムも、やんちゃなウェインの息子役を無難に演じている。

ミスター・ロンリー”や”ブルーベルベット”の甘い歌声で有名なボビー・ヴィントンは、全く演技になっていないという感じで、冒頭で撃たれて負傷し画面から消えてしまう。
しかし、ウェインに気に入られたのか、その後「大列車強盗」(1973)でも、一応”俳優”として起用されている。

エルマー・バーンスタインの音楽も、どこかで聞いたような曲が多く、今回は新鮮味がない。


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