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アンドリューNDR114 Bicentennial Man (1999)

1992年に発表されたアイザック・アシモフロバート・シルヴァーバーグの小説”The Positronic Man”と、1976年のアイザック・アシモフのSF小説”バイセンテニアル・マン”を基に製作された作品。
家事用ロボットが人間として生きる道を選び生涯を閉じるまでの200年を描く、製作ウォルフガング・ペーターゼン、製作、監督クリス・コロンバス、主演ロビン・ウィリアムズサム・ニールエンベス・デイヴィッツオリヴァー・プラットウェンディ・クルーソン他共演のSFコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:クリス・コロンバス

製作
ウォルフガング・ペーターゼン

クリス・コロンバス
ゲイル・カッツ
ニール・ミラー
ローレンス・マーク

マーク・ラドクリフ
マイケル・バーナサン
製作総指揮:ダン・コルスルッド
原作
The Positronic Man
アイザック・アシモフ

ロバート・シルヴァーバーグ
バイセンテニアル・マン
アイザック・アシモフ

脚本:ニコラス・カザン
撮影:フィル・メヒュー
編集
ニール・トラヴィス

ニコラス・デ・トス
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演
アンドリュー・マーティン:ロビン・ウィリアムズ

リチャード・マーティン:サム・ニール
アマンダ”リトル・ミス”マーティン/ポーシャ・チャーニー:エンベス・デイヴィッツ
ルパート・バーンズ:オリヴァー・プラット
レイチェル・マーティン:ウェンディ・クルーソン
アマンダ”リトル・ミス”マーティン(7歳):ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
ガラテア:キルスティン・ウォーレン
グレース”ミス”マーティン:アンジェラ・ランディス
グレース”ミス”マーティン(9歳):リンゼ・レザーハム

ビル・ファインゴールド:ジョン・マイケル・ヒギンズ
ロイド・チャーニー:ブラッドリー・ウィットフォード
デニス・マンスキー:スティーヴン・ルート
世界会議議長:ジョージ・D・ウォレス
マージョリー・ボータ世界会議議長:リン・ティグペン

アメリカ 映画
配給
ブエナビスタ(北米)
ソ ニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(世界)
1999年製作 132分
公開
北米:1999年12月17日
日本:2000年5月13日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $58,223,860
世界 $87,423,860


アカデミー賞 ■
第72回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
2005年、サンフランシスコ郊外。
ロボティックス社の人体型家事用ロボットNDR-114が、リチャード・マーティン(サム・ニール)の屋敷に届けられる。

リチャードは、妻レイチェル(ウェンディ・クルーソン)と娘グレース(リンゼ・レザーハム)とアマンダ(ハリー・ケイト・アイゼンバーグ)にロボットを見せて驚かせて、それを起動させる。

NDR-114(ロビン・ウィリアムズ)は言葉を話して家族に挨拶するが、アマンダは恐がりグレースはバカにする。

グレースに”アンドロイド”だと言われたアマンダは、NDR-114を”アンドリュー”と呼び、それがロボットの名前になる。
...全てを見る(結末あり)

ロボット三原則を家族に知らせたアンドリューは、人格チップのインプットを遠慮するリチャードから部屋を与えられる。

家族とアンドリューとの生活は始まるが、レイチェルは常に監視されているため気になって仕方がない。

アンドリューを嫌うグレースは、彼に窓を開けさせて飛び降りるように指示する。

娘達を呼んだリチャードは、傷ついてしまったアンドリューを人間と同じように扱うよう注意する。

ある休日、浜辺で家族と楽しんでいたアンドリューは、アマンダが大切にしていたガラスの馬を岩に落として壊してしまう。

一番大切な物だったと言うアマンダはショックを受け、アンドリューを嫌ってしまう。

その場に落ちていた流木を持ち帰ったアンドリューは、本で木工細工と彫刻の知識を得て、馬の置物を作りアマンダのベッドに置く。

感激したアマンダは、アンドリューに犬のぬいぐるみを渡して感謝する。

翌朝、その馬を見たリチャードは驚き、木を見てアマンダの喜ぶ顔が浮かび、自然に馬の形が表現できたと言うアンドリューの話が信じられない。

その夜、古い蓄音機を修理して音楽を聴くアンドリューの姿を見たリチャードは、ロボットには思考能力がないはずだと考える。

ロボティックス社を訪ねたリチャードは、担当者のデニス・マンスキー(スティーヴン・ルート)に会い、同行したアンドリューには、特別な性格及び独創的な芸術のセンスがあると言って彼の作品を見せる。

それを楽しむということ自体が普通のロボットでないと語るリチャードは、同社製のロボットには感情があるのかとマンスキーに問う。

配線の不良を指摘するマンスキーは、料金返済かロボットの交換を希望するかを尋ねるが、リチャードは率直な感想だけを聞く。

不良品だと答えるマンスキーは、外部に漏らさないための口止め料を要求されていると考える。

修理についても尋ねたリチャードは、ロボットを単なる家電製品としか考えず示談金で話を済まそうとするマンスキーに対し、アンドリューに触れさせないと警告してその場を去る。

アンドリューに家事をする時間を減らすよう指示したリチャードは、余った時間をもの作りの創作活動に費やすことを提案し、時計作りなどをさせてみようとする。

さらにリチャードは、アンドリューの経験不足を補うために、毎晩、自分と勉強をさせることを決める。

アンドリューは、セックスやユーモアなどについてをリチャードから学ぶ。

時は流れ、成長したアマンダ(エンベス・デイヴィッツ)はアンドリューとの信頼関係は変わらなかったが、スーザンの生活は乱れてレイチェルは苛立ち、リチャードはそんな娘を冷静に見守る。

アンドリューは時計を作り続け、リチャードは販売することを考える。

その収入はアンドリューに渡すべきだと言うアマンダに、機械に愛情を注ぎ過ぎる彼女にリチャードは意見する。

弁護士のビル・ファインゴールド(ジョン・マイケル・ヒギンズ)を訪ねたリチャードは、アンドリューを紹介する。

時計の販売で利益を上げているアンドリューの、銀行口座を開くためにリチャードはビルに相談する。

恋人にプロポーズされたことをアンドリューに伝えたアマンダは、自分にはもっと大切な”友達”がいることを伝える。

その友達と結婚すればいいと言うアンドリューに、それは不可能だと伝え理由を話そうとしたアマンダは、それ以上語らなかった。

プロポーズのことを聞かれ、それを受けると答えたアマンダは、結婚式の接待をアンドリューに頼む。

ロボティックス社。
マンスキーを訪ねたリチャードは、旧型であるアンドリューの修理を依頼するが、手を加えたりした場合は同行したビルが訴訟を起こすと警告する。

人間に近い表情などを希望したアンドリューは、費用がかかるとマンスキーに言われ、その金額を聞く。

それがアンドリューの月収程度だと言われたマンスキーは、自分の年収より高いと答え、かつて家電製品だと言ったことを後悔する。

アマンダの結婚式が行われ、タキシード姿で表情豊かなアンドリューは彼女を見守る。

パーティーも終り、一人会場に残っていたリチャードに話しかけたアンドリューは、撮影してあった彼とアマンダが踊る姿をホログラムで見せる。

涙して寂しさを隠し切れないリチャードを気遣うアンドリューは、自分が傍で仕えると伝え感謝される。

12年後。
二人の子持ちになったアマンダは、自由が人間にとって大きな意味を持つことだと歴史から学んだアンドリューから、自分もそれを得てみたいと言われる。

銀行預金の小切手をリチャードに渡したアンドリューは、自由を買いたいと言い出す。

今まで通りに仕えるが、所有物という立場でいたくないと言うアンドリューに、出て行きたいのかを問うリチャードは、現れたアマンダにその考えを植え付けたのかを問う。

自由に目覚めさせたのは父だと答えるアマンダは、成長しているアンドリューが自分の判断で考えたことだと伝える。

翌朝、アンドリューに小切手を返したリチャードは彼に自由を与え、家を出るようにと指示する。

それを聞き入れたアンドリューは、近くの海岸の家に越して自由を実感する。

16年後。
尋ねて来たアマンダから父が呼んでいると言われたアンドリューは、リチャードの最期の時が近づいていることを知る。

アンドリューに再会できたリチャードは、自分が間違っていたことを伝えて彼に謝罪し、感謝して息を引き取る。

弁護士になっていたアマンダの息子ロイド・チャーニー(ブラッドリー・ウィットフォード)を訪ねたアンドリューは、自分と同型NDRロボットを探すための協力を求める。

子供時代からアンドリューを嫌っていたロイドは、同型を探すために数年間は旅に出ると言われたため、態度を変えて協力することを伝える。

旅だったアンドリューは、各地で同型を見つけるものの稼動しているものは見つからず10年が過ぎる。

サンフランシスコ
残り1体となり、復元された女性型NDRロボットを見つけたアンドリューは、その後をつけて”ルパート・バーンズ社”を訪ねる。

そこは、NDRなどの中古ロボットの買取をしていた。

その場を訪ねたアンドリューは、女性型NDRガラテア(キルスティン・ウォーレン)に迎えられ、彼女が自分と同じユニークなどを理解する人格を持ったロボットだと知り喜ぶ。

父親がロボティックス社のエンジニアだったと言うルパート・バーンズ(オリヴァー・プラット)に会ったアンドリューは、彼が人間のようなロボットを開発する段階にあることを知らされる。

資金がないためこれ以上の研究ができないと言うルパートに、アンドリューは資金提供を約束する。

ルパートから見かけを変化させるだけだと言われたアンドリューは、特殊樹脂を利用した皮膚で個性的な表情の顔や体が完成して喜ぶ。

62歳のアンドリューは20歳若い男性として人間そっくりの容姿になり、ルパートに感謝する。

マーティン家を訪ねたアンドリューは、ピアノを弾いていた”アマンダ”と思われる女性に声をかけるが、自分のことを分かってもらえない。

そこにアマンダが現れ、アンドリューだと分かった彼女は驚く。

ピアノを弾いていたのはアマンダの孫娘のポーシャ(エンベス・デイヴィッツ)で、ロイドの娘だった。

驚き混乱するアンドリューだったが、20年の歳月が経ったと語るアマンダと話をする。

海岸の家の戻ったアンドリューは、現れた子犬を飼うようになる。

ポーシャのアパートを訪ねたアンドリューは、歓迎されないまま招き入れられ、彼女が美術品の修復の仕事をしていることを知る。

亡くなった曽祖父リチャードや年老いたアマンダを家族と思っていることを伝えたアンドリューは、まともな話ができるのはポーシャだけだと伝える。

ポーシャはアンドリューの考えを理解し、二人は親交を深める。

その後、アマンダが脳出血で倒れ、見舞いに行ったアンドリューは、彼女があの時の馬の置物を握りしめていることに気づく。

アマンダは、アンドリューとポーシャに見守られながら息を引き取る。

アンドリューは涙することができないことを辛く思い、自分の周囲の人々が皆いなくなることを悲しむ。

それが耐えられなくなったアンドリューは、医学を学びルパートの元に向い、人間に近づくための更なるアップグレードを試みようとする。

ルパートと共に人工臓器を作ったアンドリューは、それにより神経組織の形成などから感情などに大きな変化が起きることを知らされるものの、受け入れる覚悟を決める。

かつて直した蓄音機の修理をポーシャに頼んだアンドリューは、修復品の記念式典に招待される。

式典当日、ポーシャの美しさに見とれるアンドリューは、彼女からダンスに誘われる。

ポーシャから自分達の関係に愛情があると言われたアンドリューは、よりよい存在になるために人体の改造を行うことに疑問を抱く。

それでもアンドリューは、神経組織の改良で痛みなどを感じることができるようになり、それをポーシャに伝える。

実験だと言ってポーシャとキスしたアンドリューは、素晴らしい気持ちだということを伝える。

動揺するポーシャは、恋人と結婚することをアンドリューに伝える。

それを祝福するアンドリューに、本気で変身する気なら内面も変えるべきだとアマンダは語り、失敗を恐れずチャレンジするようにと伝える。

心の声に従い間違いもして、それを受け入れことが必要だと言われたアンドリューは、ガラテアの人格チップを交換してしまう。

ガラテアに反抗されたルパートは困惑し、それを交換したアンドリューにチップを返してもらう。

ロボットでも少しくらい生意気な方がいいと言うアンドリューの様子がおかしいため、ルパートはそれを気にする。

ポーシャの婚約パーティーに忍び込んだアンドリューは、自分が嫉妬しているとルパートに言われそれに気づく。

これが恋なら失恋してしまったと考えるアンドリューは、その場を去る。

さらなる改良により味覚などが加えられることをアンドリューに語るルパートは、完璧な男性としての機能も備えるようになることも付け加える。

子供を作ることはできないが、肉体的な快感は感じることができると言われたアンドリューは、興味を抱いていたことであり、期待に胸ふくらませる。

結婚式を再来週に控えるポーシャに会ったアンドリューは、彼女が自分を愛しているにも拘らず、それを否定していることを確認する。

それを認めたポーシャはアンドリューにキスを求められ、二人は抱き合う。

二人は愛し合うのだが、ポーシャは世間が認めないと言ってこの関係を悲観する。

それを認めさせると言うアンドリューは、次の挑戦だと言ってポーシャを励ます。

世界会議に対し人間であることを法的に認めるよう訴えたアンドリューだったが、議長(ジョージ・D・ウォレス)は人類として認められないと語る。

一部は人間だと答えるアンドリューは、陽電子頭脳であるため永遠に生き続けなければならないと言われ、そのような”人間は”受け入れられず、今後もロボットにすぎないという裁定が下される。

時は流れ、75歳になるアマンダは全く老いないアンドリューに、死を受け入れることが摂理だと伝えるが、自分なしでは生きられないと彼に言われる。

無限に続く時から解放されることを決意したアンドリューは、ルパートの元に向い、血液で機能する人体に改良してもらい寿命を得る。

その後アンドリューは、マージョリー・ボータ世界会議議長(リン・ティグペン)に対し、年老いた自分が不死でないことを伝え、人間として死ぬ道を選んだと語る。

なぜそれを選んだかを問われたアンドリューは、このような考えの自分を受け入れてもらうためだと答える。

難しい問題であると判断したボータ議長は、協議に時間をかける意向をアンドリューに伝える。

アンドリューはその考えに感謝し、努力したことをその場にいたアマンダに伝える。

ベッドで寄り添うアンドリューとポーシャは、世界会議の裁定が下る時間がきたことを看護師に知らされる。

ボータ議長は、200歳のアンドリュー・マーティンが、人類の歴史の中で最も長寿の”人間”であることを認める。

議長はアンドリューとポーシャの結婚も認め、彼が人間であることを宣言する。

アンドリューは裁定を聞きながら生涯を閉じ、それを知る必要がなかったと看護師に語るポーシャは、生命維持装置を切ってほしいと伝える。

ポーシャに感謝された人間型に改良された看護師ガラテアは、偉大なるアンドリューの口癖だった言葉を彼女に伝える。

”お役にたてれば幸いです”

アンドリューを見つめるポーシャは、彼の手を握りしめながら直ぐに会えると語りかける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
2005年、サンフランシスコ郊外。
ロボティックス社の人体型ロボットNDR-114はマーティン家に届けられ、アンドリューと名付けられて家事用として働き始める。
主人のリチャードは、娘アマンダの置物を壊したアンドリューが、自分で技術を学び想像して木で置物を作ったことを知り驚く。
家事を減らし様々なことをアンドリューに学ばせたリチャードは、彼の才能を生かし時計を作らせてビジネスにする。
成長するアマンダらと共に家族の一員として過ごすアンドリューは、富も得て自由を求めたためリチャードに突き放され、独立して一人暮らしを始める。
やがてリチャードも亡くなり、同型NDRを探す旅に出たアンドリューは、10年後、故郷のサンフランシスコでそれを見つける。
女性型NDRガラテアと共に研究を続けるルパートに出会ったアンドリューは、彼の開発した特殊樹脂などにより人間と同じ容姿になる。
その後、マーティン家に戻ったアンドリューは年老いたアマンダと再会し、彼女の孫娘ポーシャと親交を深めるのだが・・・。
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単なるSFコメディではなく、人間の生き方そのものをロボットの人生を通して描く、クリス・コロンバスらしいヒューマニズム溢れる心温まる感動のドラマに仕上がっている。

1億ドルをかけた製作費により創造されたロボットの造形はなかなか見事で、シンプルなデザインであり機械なので無表情に近いのだが、主人公を演ずるロビン・ウィリアムズの実際の表情が観客に伝わるような工夫がされている。

また、それを上回るメイクが素晴らしく、第72回アカデミー賞ではメイクアップ賞にノミネートされた。

ユーモアのセンスもよく心洗われるドラマは、公開当時、大ヒットの予感を感じさせたのだが、北米興行収入は約5800万ドルに留まり、全世界でも製作費を回収できない約8700万ドルに終わってしまった。

上映1時間しないと本人ロビン・ウィリアムズが登場しないのだが、ロボットの表情自体が彼に似ているためか、前半でも違和感なく観られて、彼らしい存在感で主人公を楽しく演じている。

主人公を家族として考える主人のサム・ニール、その娘と彼女の孫娘を演ずるエンベス・デイヴィッツ、主人公の改良に協力するオリヴァー・プラット、彼の助手である女性型ロボットで、ラストでは人間の容姿で看護師として登場するキルスティン・ウォーレン、マーティン夫人のウェンディ・クルーソン、その娘ハリー・ケイト・アイゼンバーグと姉リンゼ・レザーハム/アンジェラ・ランディス、弁護士ジョン・マイケル・ヒギンズ、アマンダ(エンベス・デイヴィッツ)の息子ブラッドリー・ウィットフォード、ロボティックス社の担当者スティーヴン・ルート、世界会議議長ジョージ・D・ウォレスリン・ティグペンなどが共演している。


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