エディ・マーフィが、「48時間」(1982)、「大逆転」(1983)で見せた天才の片鱗を何倍にもパワーアップさせて若くして一気にスーパー・スターとなたった彼の代表作にして大ヒット作品。 製作ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー、監督マーティン・ブレスト、ジャッジ・ラインホルド、ジョン・アシュトン、リサ・エイルバッハー、ロニー・コックス、スティーヴン・バーコフ共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・ブレスト
製作:
ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ダニエル・ペトリーJr.
撮影:ブルース・サーティース
編集
ビリー・ウェバー
アーサー・コバーン
音楽:ハロルド・ファルターメイヤー
出演
アクセル・フォリー:エディ・マーフィ
ウィリアム“ビリー”ローズウッド刑事:ジャッジ・ラインホルド
ジョン・タガート部長刑事:ジョン・アシュトン
ジーネッテ“ジェニー”サマーズ:リサ・エイルバッハー
アンドリュー・ボゴミル警部補:ロニー・コックス
ヴィクター・メイトランド:スティーヴン・バーコフ
ハバード署長:スティーブン・エリオット
ダグラス・トッド警部:ギルバート・R・ヒル
ジェフリー・フリードマン刑事:ポール・ライザー
ザック:ジョナサン・バンクス
セルジュ:ブロンソン・ピンチョット
マイケル”マイキー”タンディーノ:ジェームス・ラッソ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1984年製作 104分
公開
北米:1984年12月5日
日本:1985年4月13日
制作費 $15,000,000
北米興行収入 $234,760,480
世界 $316,360,480
■ アカデミー賞 ■
第57回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
デトロイト市警のアクセル・フォリー刑事(エディ・マーフィ)は、毎度の、行き過ぎた囮捜査で大失態を犯してしまう。
署に戻ったアクセルは、同僚のジェフリー・フリードマン(ポール・ライザー)に、あれこれ助言されるが聞く耳を持たない。
そこに、上司のダグラス・トッド警部(ギルバート・R・ヒル)が現れ、アクセルは、許可なしの囮捜査についての説明を求められる。
言い返せないアクセルに、容赦なく厳しい言葉を浴びせるトッドは、彼に次のないことを伝え帰宅させる。
その夜、幼馴染の悪友マイキー・タンディーノ(ジェームス・ラッソ)が、ビバリーヒルズで盗んだ債券を持って現れる。 マイキーは、ビバリーヒルズの画廊を任されている幼友達ジェニー・サマーズ(リサ・エイルバッハー)の紹介で、警備員として雇われていることをアクセルに話す。 二人は酒場で楽しみ帰宅するが、マイキーは債権の持ち主の部下ザック(ジョナサン・バンクス)に殺され、アクセルも叩きのめされる。 トッドから、事件に関わることを禁じられたアクセルは、休暇を取るという口実でビバリーヒルズに向かう。 ビバリーヒルズ。 早速、ジェニーの高級画廊を訪ねたアクセルは、スタッフのセルジュ(ブロンソン・ピンチョット)に迎えられる。 ジェニーとの久し振りの再会を喜ぶアクセルは、マイキーが殺されたことを彼女に告げる。 アクセルはジェニーからの情報で、マイキーの雇い主ヴィクター・メイトランド(スティーヴン・バーコフ)の元へ向かう。 しかし、アクセルは、メイトランドから何も聞き出せないままに、逆に不法侵入で逮捕され、ビバリーヒルズ警察に連行される。 警察官だということが分かり、アクセルは釈放されるが、アンドリュー・ボゴミル警部補(ロニー・コックス)は、ジョン・タガート巡査部長(ジョン・アシュトン)と相棒のビリー・ローズウッド(ジャッジ・ラインホルド)の2人をアクセルの監視役に付ける。 釈放されたアクセルは、保釈金を払ってくれたジェニーに、マイキーが債権の持ち主に殺されたということを伝える。 ジェニーは、アクセルが、全米でも屈指の画商として名高いメイトランドに付きまとうをことが理解できない。 デトロイトと違い、治安のいいビバリーヒルズの様子に驚きながら、アクセルは、タガートとローズウッドの尾行に気づく。 二人よりも遥かに上手を行くアクセルは、彼らを簡単にまいて、ジェニーと共に、マイキーの働いていたメイトランドの倉庫に向かう。 倉庫を調べたアクセルは、マイキーが持っていた債券や、その場のコーヒーに目を付け、それを運んできた車を付ける。 タガートとローズウッドは、アクセルを見失ったことを、ボゴミルに責められ、ホテルでアクセルを待つように命ぜられる。 保税倉庫に行き着いたアクセルは、ジェニーを帰して単独で倉庫に侵入する。 警備員に見つかったアクセルは、関税局の捜査官を装い、運ばれた積荷を調べさせてしまう。 ホテルに戻ったアクセルは、その場で待機していたタガートとローズウッドを見つける。 二人は、アクセルの監視のために、ストリップ・バーに誘われてしまう。 その場で、不審な二人組みに気づいたアクセルは、タガートらと協力してその強盗を取り押さえる。 タガートとローズウッドは手柄を立てたものの、管轄外でしかもストリップ・バーに行った件をボゴミルに追求される。 アクセルは、二人の手柄だとボゴミルにに報告するのだが、生真面目なタガートは、ボゴミルに真実を話してしまう。 その結果、タガートとローズウッドは、アクセルの見張りから外されてしまう。 翌日、アクセルはメイトランドの屋敷に向かい、タガートらの後釜の刑事をまき、屋敷から出てきたメイトランドを追跡する。 アクセルは、再びはったりで会員制クラブに押し入り、メイトランドと部下ザックに、接触しようとしてトラブルを起こす。 その後、警官が駆けつけて、アクセルは署に連行されてしまう。 アクセルは、画商としては有名なメイトランドだが、実は裏では、債券の密輸、または麻薬取引に関与している可能性があることをボゴミルに説明する。 ボゴミルは、自分達でその件を捜査することをアクセルに告げる。 さらに、ハバード署長(スティーブン・エリオット)の怒りを買い、アクセルはローズウッドに付き添われ、ビバリーヒルズから退去するよう命ぜられる。 その頃、メイトランドは画廊にジェニーを訪ね、アクセルについての探りを入れる。 途中ローズウッドを説得したアクセルは、ジェニーを連れて、麻薬の隠し場所である倉庫へと向かう。 アクセルとジェニーは、メイトランドに見つかってしまい、ローズウッドがアクセルを助けるが、ジェニーは連れ去られてしまう。 メイトランド邸に向かったアクセルとローズウッドは、署に連絡を入れる。 タガートは、二人が向かったのが、メイトランド邸だと気づき現場に急行する。 三人は、処分を覚悟して屋敷に侵入し、それに気づいたメイトランドは、部下にアクセルを捕らえるよう命じ、激しい銃撃戦が始まる。 署では、ボゴミルが、メイトランド邸の動きを察知し現場に向かう。 アクセルはザックを倒すが、メイトランドに腕を撃たれてしまう。 そして、ボゴミルをはじめ、パトカーが大挙してメイトランド邸に押し寄せる。 ジェニーを人質に取り、尚も抵抗するメイトランドを、駆けつけたボゴミルと共にアクセルが射殺する。 その後、ローズウッドは仲間の援護を受け、メイトランドの部下達を得意気に取り押さえる。 この騒動に怒り心頭のハバード署長だったが、ボゴミルやタガートが口裏を合わせ、波風立たないように事件の全容を説明する。 それにより、アクセルの責任の追及もなくなり、彼はビバリーヒルズを去ることになる。 アクセルは、ボゴミルにデトロイトの上司トッド警部への口添えを頼む。 ホテルに見送りに来たローズウッドとタガートは、アクセルの宿泊代をビバリーヒルズ警察持ちで払い、ついでに買わされたバスローブを、彼からプレゼントされる。 そして、別れを惜しむアクセルは、二人をバーに誘う。 ローズウッドは勤務中だと言うが、アクセルに惚れ込んだ堅物のタガートは、快くそれに同意し、二人は彼に付き合う。
...全てを見る(結末あり)
現地着いたアクセルは、得意のはったりで、高級ホテルのスイートルームに、シングル料金で泊まることに成功する。
参考:
・ビバリーヒルズ・コップ(1984)
・ビバリーヒルズ・コップ2(1987)
・ビバリーヒルズ・コップ3(1994)
*(簡略ストー リー)
デトロイト市警のアクセル・フォリーは、幼馴染みのマイキーを目の前で殺されたため、彼が盗んだ債権を手がかりにビバリーヒルズに向かう。
マイキーに職を紹介した、幼友達のジェニーの協力で、アクセルは、彼女に画廊を任せている画商のメイトランドに目を付ける。
その後、街の名士でもあるメイトランドとトラブルを起こしたアクセルには、ビバリーヒルズ警察のタガートとローズウッドが監視役に付けられる。
しかしアクセルは、逆に彼らを自分の捜査に協力させて、メイトランドが影で悪事に手を染めていることを突き止める・・・。
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第57回アカデミー賞では、脚本賞にノミネートされた。
明るく美しいビバリーヒルズの街並みや雰囲気と対照的な、ポンコツ車にトレーナーとジーンズ姿のエディ・マーフィの飾り気のないキャラクター、そのギュップが抜群に面白い。
また、本作が大ヒットした一因に、随所に挿入される歌と音楽の素晴らしさがある。
当時、ハロルド・ファルターメイヤーの”Axel F”、グレン・フライの”The Heat Is On”、パティ・ラベルの”Stir It Up”などは、軒並みビルボードで上位にランキングし、街の至る所で流れていたものだ。
自分も飽きもせず、聴きまくっていたことを懐かしく思い出し、あまりの面白さに、ニ週連続で映画館に足を運んだほどだ。
続編「ビバリーヒルズ・コップ2」(1987)までとは雰囲気雰囲気が一変してしまう3作目が、地味な作品になってしまったのは残念だ。
エディ・マーフィの、物怖じしないふてぶてしさ、瞬時に機転を利かせるマシンガン・トーク、更に、ユーモアだけでない玄人受けするガン捌きや俊敏な身のこなしは、頼もしく痛快でもある。
コメディ風の刑事アクション作品には珍しい、アカデミー賞候補になった脚本は、エディ・マーフィの魅力を見事に生かし、スピード感溢れるスピーディーなマーティン・ブレストの演出は、一気にクライマックスまで突き進み息つく暇もなく楽しめる。
エディ・マーフィのスピードに付いていけない、ジョン・アシュトンとジャッジ・ラインホルドの凸凹コンビの可笑しさも最高だ!!
主人公の旧友で、ビバリーヒルズの協力者リサ・エイルバッハー、良き理解者となる、現地の警部補ロニー・コックス、凄みのある悪の黒幕スティーヴン・バーコフ、真相を知らぬまま全て納得してしまう署長スティーブン・エリオット、デトロイトの上司で、実は実際の警察官でもあるギルバート・R・ヒル、同僚のポール・ライザー、メイトランド(S・バーコフ)の右腕ジョナサン・バンクス、画廊の店員ブロンソン・ピンチョット、主人公の幼馴染みの悪友ジェームス・ラッソなどが共演している。