サイトアイコン That's Movie Talk!

十二哩の暗礁の下に Beneath the 12-Mile Reef (1953)

ギリシャ系とイギリス系の海綿獲りの漁師一家の対立と両家の息子と娘の恋愛を描く、監督ロバート・D・ウェッブ、主演ロバート・ワグナーテリー・ムーアギルバート・ローランドリチャード・ブーンピーター・グレイヴス他共演の海洋アドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ロバート・D・ウェッブ

製作:ロバート・バスラー
脚本:A・I・ベゼリデス
撮影:エドワード・クロンジャガー
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
音楽:バーナード・ハーマン

出演
トニー・ペトラキス:ロバート・ワグナー
グウィネス・リース:テリー・ムーア
マイク・ペトラキス:ギルバート・ローランド
ソクラテス・ホーリス:J・キャロル・ネイシュ
トーマス・リース:リチャード・ブーン
アーノルド・ディックス:ピーター・グレイヴス
グリフ・リース:ハリー・ケリーJr.
ペトラキス夫人:アンジェラ・クラーク
ペニー・ペトラキス:グロリア・ゴードン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1953年製作 102分
公開
北米:1953年12月2日
日本:1954年5月22日
製作費 $1,560,000


アカデミー賞
第26回アカデミー賞

・ノミネート
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フロリダ州、ターポン・スプリング
ギリシャ系アメリカ人のペトラキス一家は、海綿を獲って生計を立てていた。

潜水服を着て海中での作業を終えたマイク・ペトラキス(ギルバート・ローランド)は海面に上がり、船上の息子トニー(ロバート・ワグナー)と義兄ソクラテス・ホーリス(J・キャロル・ネイシュ)らの元に戻る。

収穫は少なかったものの、気にせずにトニーらと共に港に戻ったマイクは、妻(アンジェラ・クラーク)と娘ペニー(グロリア・ゴードン)に迎えられる。

せりが始まり、大漁だったシナンに羊毛海綿を獲った場所を訊いたマイクとトニーは、”12マイルの暗礁”だということを知る。
...全てを見る(結末あり)

兄が死んだ場所なので危険だと言うトニーやソクラテスは、不思議に思う。

その場の様子を話すシナンは、確かに危険な場所であり、二度と戻りたくないとマイクらに伝える。

少ない収穫を600ドルで売ったマイクは、それが不満なトニーに、買ってくれるだけありがたいと思えと言って納得させる。

借金があるソフォテスに300ドル渡したマイクは、トニーとソクラテスと共に家に向かう。

その後、ギリシャ正教の主教の下で行われた、海底に投げ込まれた十字架を探す競技で、トニーが見事に優勝する。

その夜、トニーらと酒場に向かったはマイクは、ソクラテスから”12マイルの暗礁”に行く気なのか訊かれ、”ヴィクター・グレイズ”だと答える。

そこはイギリス人の漁場だと言うソクラテスだったが、楽観的なマイクとトニーは気にしない。

翌日、”ヴィクター・グレイズ”に向かったマイクらは漁を始める。

暫くしてボートに乗ったアーノルド・ディックス(ピーター・グレイヴス)とグリフ・リース(ハリー・ケリーJr.)が現れたために、トニーらは警戒する。

水中を潜るマイクを確認したアーノルドは、送気管を引き上げる。

銃を向けるトニーに、送気管を切ると言って脅したアーノルドは、海綿を奪おうとする。

手出しできないトニーらは諦め、アーノルドは銃を発砲して船を呼ぶ。

現れたイギリス人のトーマス・リース(リチャード・ブーン)は、仕来りを破った罰だと言って海綿を奪い、今度は船を沈めるとマイクに警告してその場を去る。

港に戻ったリースは、娘のグウィネス(テリー・ムーア)に迎えられる。

大漁に驚くグウィネスは、恋人のアーノルドから結婚を申し込まれるものの、まだ早いと伝える。

港に戻ったマイクは、被害届を出すべきだと言うトニーに、無駄なので自分達で解決するべき問題だと伝えて、リースの船に海綿がないことを確認する。

酒場に向かったマイクは、その場にいたリースと話し合うことになり、互いの家族などを紹介し合う。

海綿のことを話したマイクは、次は自分達が勝つと言ってリースを牽制する。

グウィネスに惹かれたトニーは、彼女をダンスに誘い踊る。

アーノルドが憤慨して騒ぎになるものの、そこに通報で呼ばれた警官が現れたために、その場は鎮まる。

店を出たトニーとグウィネスは、密漁の話になる。

海は誰のものでもないと言うトニーは、傲慢な考えだとグウィネスに伝える。

争いたくないトニーは、アーノルドからプロポーズされたと言うグウィネスに、自分と結婚することを提案する。

惹かれ合う二人はキスするが、追ってきたアーノルドはトニーを殴り倒す。

そこに現れたマイクは、自分が相手になると言ってアーノルドを叩きのめす。

今夜、会うことをグウィネスと約束したトニーは、マイクとソクラテスと共にその場を去る。

船に戻ったマイクは、帰る前に”12マイルの暗礁”で漁をしていくことをトニーとソクラテスに伝える。

港に向かったグウィネスは、去っていくトニーの乗る船を見つめる。

現場に着いたマイクは、潜らせると約束していたトニーに、妻に息子を守ると約束したと伝えて、今回は諦めるようにと言って納得させる。

マイクは海中に向かい順調に海綿を獲るものの、深みに落ちてしまう。

ロープが切れてサメも現れる中、マイクは潜水病で意識を失う。

マイクは海面に浮き上がり、トニーとソクラテスが海に飛び込んで助ける。

全速力で港に戻るようトニーに指示したソクラテスは、途中で出くわした船の船長から、マイクの体を冷やすための氷を譲ってもらう。

トニーらはキーウェストに向かい、マイクは病院に運ばれる。

そのことを知らされたリースは、グウィネスと共に病院に向かう。

懸命な治療が続けられるもののマイクは息を引き取り、リースとグウィネスは、失意のトニーに声をかける。

ヤシの木にかけて置き忘れたマイクの帽子を見つけたトニーは悲しみ、追ってきたグウィネスは彼に寄り添う。

港に戻ったアーノルドとグリフは、マイクの船の海綿を見て再び密漁したと思い、それを奪う。

船員のポールに抵抗されたアーノルドは揉み合いになり、ランプが倒れて火がつき、船は燃えてしまう。

アーノルドらの仕業だと知ったトニーは、ソクラテスに後を頼み、リースと話し合おうとする。

グウィネスに家に案内されてリースに会ったトニーは、お悔みを言われる。

リースが話の解る相手だと思い、海綿を奪われ船に火を点けられたことを伝えたトニーは、死者が報われないと訴える。

グリフらが奪ったことを知ったリースは息子を責めて、警察に向かおうとするトニーを引き留めて、話が複雑になるので自分達が返金することを伝える。

それに不満なアーノルドはその場を去り、リースは、明日、金を渡すことをトニーに約束する。

帰る途中のトニーを叩きのめしたアーノルドは家に戻り、リースから、子供同然のトニーを相手に大人げないと言われる。

グウィネスの理解も得られないと言うリースは、トニーに金を返せば彼女も納得するとアーノルドに伝える。

トニーは来ないと言うアーノルドが、帰るように説得してきたという話を聞いたグウィネスは、トニーを捜しに行く。

船で倒れていたトニーから、自分の船を燃やされたと言われたグウィネスは、アーノルドが追ってきたために船を出す。

朝になり、乗って来た船がリース家のものだったために、トニーは燃やしたお返しに譲るとグウィネスから言われ、ポンプなどを積み込めば漁ができると考える。

マイクに教わったので潜ることはできると言うトニーは夢が広がり、食料を獲るためにグウィネスと共に海に潜る。

船に戻ったトニーは帆を直し、グウィネスは獲った貝を料理する。

料理は母親に習ったのかと訊かれたグウィネスは、母は亡くなったとトニーに伝える。

悲しくなったグウィネスは泣いてしまい、彼女を慰めたトニー自分と暮らすことを提案する。

惹かれ合う二人は、互いの愛を確認する。

夜になり帆を張ったトニーは港に戻り、焼けた船を見て気を落とす。

家に戻ったトニーは、グウィネスをペニーとソクラテスに紹介する。

墓地に向かったトニーは、悲しむ母に、兄の死を乗り越えたように強く生きなくてはいけないと言って励ます。

家に戻り母にグウィネスを紹介したトニーは、イギリス人の船で漁をすることにしたことを話す。

それに反対する母は、心配しながら毎晩、待つことになると言って、トニーを説得するようにとグウィネスに伝える。

グウィネスはトニーの意思に従うべきだと意見し、ソクラテスの同意を得たトニーは翌日、漁に出ることになる。

翌日、潜水服が必要なトニーはソフォテスの元に向かい、船が焼けてマイクが死んだことで借金はなかったことにすると言う彼から、潜水服を譲ってもらう。

準備ができたトニーは、船の扱いに慣れているグウィネスも連れて行くことにして、見送りに来た母から父の帽子を渡されて出発する。

グウィネスと船を奪われたリースは後悔し、トニーに思い知らせると言って二人を追う。

”12マイルの暗礁”に着き、波が荒い中、危険を承知で海に潜ったトニーは、海綿を獲って船に揚げる。

大ダコに襲われたトニーはそれを倒し、船に戻る。

恐怖を感じたトニーは、父の話していたことを思い出す。

そこにリースらが現れ、トニーは乗り込んできたアーノルドと格闘になり海に落ちる。

藻に絡まり身動きが取れないアーノルドを助けたトニーは、結婚すると言って残ろうとするグウィネスを見限り帰ろうとするリースを引き留める。

リースは、自分達はもう子供ではなく、結婚してもグウィネスはあなたの娘だとトニーから言われる。

トニーに救われたことで、アーノルドもわだかまりが消える。

考え込むリースは、トニーから、若々しい新しい息子を歓迎してほしいと言われ、グウィネスを抱きしめる。

港に着いた大漁に船と、トニーとグウィネスが抱き合う姿を見つめる母は、息子が立派に成長したことを喜ぶ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
フロリダ州、ターポン・スプリング
ギリシャ系アメリカ人の海綿漁師マイク・ペトラキスは、息子のトニーと共に漁を続けていた。
イギリス人の漁場で漁をしたメイクらは、町の有力者であるイギリス人のリースらに、密漁であることを責められて海綿を奪われる。
両家は対立するものの、トニーとリースの娘グウィネスは惹かれ合う仲になる。
大漁を狙うマイクは、長男を亡くした危険な漁場”12マイルの暗礁”に向かい漁をすることを考えるのだが・・・。
__________

フロリダ沿岸を舞台に、海綿獲りで生計を立てるギリシャ系とイギリス系の漁師一家の対立、そして両家の息子と娘の恋愛を描く海洋アドベンチャー。

海上を”戦い”の場とする男達の逞しい生き様を描く作品で、卑劣な強奪や恋の争いなどが描かれる中で、やがて信頼関係が生まれ、わだかまりが消えるラストに向かい痛快なドラマが展開する。

シネマスコープで映し出される、美しい海中シーンなどが話題になり、第26回アカデミー賞では、撮影賞にノミネートされた。

脚本や内容などは平凡だが、対立が描かれる中でもユーモアなどを盛り込んだ、どこかのどかな雰囲気が感じられる、当時の作品らしい仕上がりだ。

アルフレッド・ヒッチコック作品にの音楽を担当する前のバーナード・ハーマンの楽曲も注目したい。

人生経験は浅いものの、尊敬する気骨のある父親ギルバート・ローランドを慕う青年を熱演するロバート・ワグナー、彼と愛し合うテリー・ムーア、その父親リチャード・ブーン、彼に雇われている主人公の恋敵ピーター・グレイヴス、漁を手伝う主人公の伯父J・キャロル・ネイシュ、リース(リチャード・ブーン)の息子ハリー・ケリーJr.、主人公の母親アンジェラ・クラーク、その娘グロリア・ゴードンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了