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怒りの河 Bend of the River (1952)

アウトローから足を洗い農業か牧場生活で余生を過ごそうとした男が開拓民のために命を懸けて戦う姿を描く、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュワートアーサー・ケネディジュリー・アダムスロック・ハドソン他共演による西部劇の佳作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:アンソニー・マン

製作:アーロン・ローゼンバーグ
原作:ビル・ガリック”Bend of the Snake”
脚本:ボーデン・チェイス
撮影:アーヴィング・グラスバーグ

編集:ラッセル・F・スコーエンガース
音楽:ハンス・J・サルター

出演
ジェームズ・スチュワート:グリン・マクリントック
アーサー・ケネディ:エマーソン・コール
ジュリー・アダムス:ローラ・ベイル
ロック・ハドソン:トレイ・ウィルソン
ジェイ・C・フリッペン:ジェレミー・ベイル
ハワード・ペトリー:トム・ヘンドリックス
ロリ・ネルソン:マージ・ベイル
チュビー・ジョンソン:メロー船長
ハリー・モーガン:ショーティ
ローヤル・ダーノ:ロング・トム
クリフ・ライオンズ:ウィリー

アメリカ 映画
配給 MGM
1952年製作 91分
公開
北米:1952年2月13日
日本:1952年11月20日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1847年。
かつては無法者だったグリン・マクリントック(ジェームズ・スチュワート)は、今はスカウトとして開拓団と共に行動し、オレゴンに向かっていた。

水場近くで野営することにしたグリンは、縛り首にされそうだった男エマーソン・コール(アーサー・ケネディ)を救う。

お互いの名前を聞き、無法者同士だと分かった二人だったが、今はそれは問題ではなく野営地で食事をする。

先住民が近づく気配に気づいた二人だったが、幌馬車隊の隊長ジェレミー・ベイル(ジェイ・C・フリッペン)の娘ローラ(ジュリー・アダムス)が弓矢を受けてしまう。
...全てを見る(結末あり)

そしてグリンとコールは、協力して5人の先住民を倒す。

ポートランドに到着した幌馬車隊は、町の顔役トム・ヘンドリックス(ハワード・ペトリー)に歓迎されるるが矢じりの取れたローラは、1ヶ月の安静が必要になる。

ギャンブラーのトレイ・ウィルソン(ロック・ハドソン)が現れポーカーを始めたコールだったが、自分の正体を知っていたイカサマ師を射殺してしまう。

翌朝コールは、農民生活は性に合わないことをグリンに告げ、ポートランドに残ることにする。

幌馬車隊一行はローラを街に残し、蒸気船に乗り開拓の地へと向かう。

そして目的地に到着した一行は、肥沃な土地に村を作り、冬に備えようとする。

約束したはずの食料が届かず、ポートランドに様子を見に向かったグリンとジェレミーだったが、町では金鉱が見つかり秩序は乱れ、物価が高騰したために、食料は足止めされていた。

ヘンドリックスに会いに行ったグリンは、酒場の用心棒になったコールとトレイ、それにコールと恋仲になり、金の買取係をしている傷の癒えたローラに再会する。

今なら50倍の値段で売れる食料を、転売しようとしているヘンドリックスとグリンは口論になり、やがて互いに銃を抜いた争いとなる。

コールとトレイの加勢で、酒場から逃れたグリンは、蒸気船のメロー船長(チュビー・ジョンソン)の協力で町から脱出する。

船を降りたグリンらは、山越えで村に向かおうとするが、荷積みを手伝ったショーティ(ハリー・モーガン)やロング・トム(ローヤル・ダーノ)が報酬の上乗せを要求する。

しかし、グリンが彼らを説得し、村に着いてから冬を越せる食料を分け与えることを約束する。

ヘンドリックスらが迫っていることを知ったショーティらは、撃ち合いを恐れ、その前に食料の荷馬車を乗っ取ることを考える。

敵を待ち伏せたグリンらは、銃撃戦の末にヘンドリックスを殺して先を急ぐ。

金鉱からやってきた男達が、大金で食料を買うと言って交渉に現れるが、グリンとジェレミーはそれを断る。

そして、ショーティ達が反乱を起こすが、コールがそれを阻止する。

その事件でジェレミーが足に怪我をして、未だにコールを信用しない、父のことを思うとローラは戸惑ってしまう。

ジェレミーに正体がバレればお払い箱だと言うコールは、食料を金鉱に運び10万ドルを手に入れるべきだとグリンに提案するが、彼はそれに耳を貸さない。

隙を見てグリンを殴り倒したショーティらを従え、コールは食料を奪い金鉱に向かう。

グリンは置き去りにされるが、復讐を誓った彼はコールらを徒歩で追う。

執拗に一行を追うグリンの恐ろしさを知るコールは、迫る彼の影に怯える。

ウィリー(クリフ・ライオンズ)らがグリンを殺しに行くものの戻らず、ローラはグリンのために馬を放つ。

グリンが一行に追いつき、馬を放ったことを知ったコールはジェレミーを痛めつけるが、トレイは銃を抜く。

しかし、コールの銃弾がトレイのこめかみをかすめる。

金鉱に助けを呼びに行ったコールの居ない隙に、グリンはショーティ達に銃を捨てさせて追い払う。

グリンは、ジェレミー、ローラ、そしてトレイと共に荷馬車を村へと運ぼうとする。

そして、川を渡ろうとするグリン達に、援軍を連れたコールが追いつき銃撃戦となる。

格闘になったグリンとコールは川に落下し、グリンはコールを殴り倒し、彼は水中に沈んでいく。

川辺に戻ったグリンは、ジェレミーに大泥棒だったことを
告白する。

しかし、ジェレミーはグリンが悪党ではないことを理解する。

そしてグリムらは、無事食料を村に届けることが出来る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1847年。
かつては無法者だったグリン・マクリントックは、スカウトとして開拓団と共にオレゴンに向かう。
途中グリンは、縛り首にされそうな男コールを救う。
お互い無法者同士だと分かった二人だったが、先住民の襲撃に遭い協力して敵を倒す。
幌馬車隊の隊長ジェレミーの娘ローラが矢を受けてしまい、ポートランドにコールと残ることになる。
その後、目的地に到着した幌馬車隊だったが、食料が届かず、グリンとジェレミーが様子を見に行くことになる。
しかし、町では金鉱が見つかり秩序が乱れ、コールは酒場の用心棒に、そしてローラは彼と恋仲になっていた・・・。
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アンソニー・マンジェームズ・スチュワートの名コンビで製作された「ウィンチェスター銃’73」(1950)など、5本の西部劇の中の1作。
2人は西部劇以外にも「グレン・ミラー物語」(1954)などのヒューマン・ドラマでもコンビを組んでいる。

未開の地に、ゼロから自分達の村を作ろうとする逞しい開拓者達、その善良な人々に心動かされる元無法者の正義感と勇気、一方、金欲にまみれ変貌していく醜い人々、両者が真っ向からぶつかり合う、正に西部劇ならではの醍醐味が味わえる作品。

アンソニー・マンの無駄のない軽快な演出は冴え、ポートランドフッド山の全景を多用した、美しい自然を映しだす映像も素晴らしい。

善人の象徴のような主演のジェームズ・スチュワートは、無法者だと言われなければそう見えないところがいかにも彼らしく、細身で弱々しくも見えるが、元無法者らしく、眼光鋭い逞しい演技を見せてくれる。

大柄なロック・ハドソン(194cm)と並んでもそん色ない彼の長身も印象に残る。

終盤まで本性を表さないアーサー・ケネディは、主人公に加勢している時は頼もしく、悪党に変貌すると追撃に怯えてしまうという、変幻自在で巧みな演技を見せてくれる。
ジェームズ・スチュワートと違い、どう見ても善人の皮を被った・・・と思わせ振りなところは彼のイメージが生かされている。

美しい開拓民の娘役のジュリー・アダムス、「ウィンチェスター銃’73」(1950)にも出演する二人、若き日のロック・ハドソンと幌馬車隊隊長ジェイ・C・フリッペン、その娘ロリ・ネルソン、金鉱騒ぎで金銭欲に走るハワード・ペトリー、主人公達の協力者の船長チュビー・ジョンソン、食料輸送の人夫ハリー・モーガンローヤル・ダーノクリフ・ライオンズなどが共演している。


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