父親から突然ゲイだとカミングアウトされた男性が戸惑いながらもそれを受け入れ自分の人生も見つめ直していく姿を描く、主演ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ヴィシュニック共演、監督マイク・ミルズによるドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイク・ミルズ
製作
レスリー・アーダング
ディーン・ヴェネック
ミランダ・ドゥ・ペンシエ
ジェイ・ヴァン・ホイ
ラース・ヌードセン
脚本:マイク・ミルズ
撮影:キャスパー・タクセン
編集:オリヴィエ・ブッゲ・クエット
音楽
ロジャー・ネイル
デイヴ・パーマー
ブライアン・レイツェル
出演
オリヴァー・フィールズ:ユアン・マクレガー
ハル・フィールズ:クリストファー・プラマー
アナ:メラニー・ロラン
アンディ:ゴラン・ヴィシュニック
ジョージア・フィールズ:メアリー・ペイジ・ケラー
オリヴァー・フィールズ(少年期):キーガン・ブース
シャナ:チャイナ・シェイバーズ
エリオット:カイ・レノックスアメリカ 映画
配給フォーカス・フィーチャーズ
2011年製作 104分
公開
北米:2011年6月3日
日本:2012年2月4日
製作費 $3,200,000
北米興行収入 $5,790,890
世界 $14,311,700
■ アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(クリストファー・プラマー)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2003年。
38歳で独身のアート・ディレクター、オリヴァー・フィールズ(ユアン・マクレガー)は、亡くなった父親ハル(クリストファー・プラマー)の荷物を片付けて、飼い犬のアーサーを引き取る。
44年間連れ添った妻を亡くしたハルは、その半年後に自分がゲイだとカミングアウトする。
癌を宣告されたハルは、その道を極めてみたいとまで言い始め、服装を変えて恋人を作り、花火師になるために勉強して、ゲイの仲間達と集い、その4年後に亡くなった。
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入院したハルは、オリヴァーやゲイ仲間のアンディ(ゴラン・ヴィシュニック)に見守られながら、病院での闘病生活が始る。
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置いて行かれることを嫌うアーサーを伴い、オリヴァーは、あるパーティーに出席して、咽頭炎で言葉が出ないフランス人女優アナ(メラニー・ロラン)と知り合う。 二人はアナの高級アパートに向かい、オリヴァーは、父がゲイだったことなどを語る。 ただ眠っただけで夜を明かし、アナはオーディションのためにニューヨークに向かうことを伝え、二人は再会を約束して別れる。 回復したハルだったが、癌が転移しているしていることを医師から知らされ、手術は不可能だと言われるが、帰宅はできるということだった。 ハルはオリヴァーと相談して、アンディを含めてそれを誰にも言わないことに決め、仲間達と病室で祝杯を挙げる。 アナに恋したことを友人エリオット(カイ・レノックス)に伝えたオリヴァーは、その後、戻って来た彼女と会う。 オリヴァーは咽頭炎も治ったアナと話をして、そして二人は愛し合う。 少年時代のオリヴァー(キーガン・ブース)は、ユダヤ人である奔放な母親ジョージア(メアリー・ペイジ・ケラー)と行動し、仕事ばかりしていた父との思い出があまりない。 ハルは退院して自宅に戻り、オリヴァーは父の面倒をみる生活が始まる。 アナとの親交を深めたオリヴァーは、ユダヤ人の母と同性愛者の父が、苦労してたどった人生などを彼女に話して聞かせる。 オリヴァーは、アンディがハルを愛していることを知り、それを父に伝える。 癌は進行しているはずなのだが、ハルは自分を変えるために、より活動的になる。 アナは、オリヴァーの喪失感を癒せないことを伝えて、それが負担ならば関係を断つ気もある彼だったが、結局、二人は別れられない。 ハルは、花火師の資格を取るために努力し、オリヴァーや仲間達と共に花火を上げて大いに盛り上がる。 オリヴァーは、家で一緒に暮らすことをアナに提案に、二人は愛を深める。 ハルは、妻ジョージアに求婚され、戸惑いながら、ゲイは直してみせると言われたことをオリヴァーに話す。 そして今、”本物”になることを目指し、生甲斐を感じているハルは、アンディが同居することになり喜ぶ。 オリヴァーは、アナを自宅に招き暮らし始めるものの、不安を感じる彼女は、結局はニューヨークに旅立ってしまう。 病院での治療の必要がないことを、医師から伝えられたハルは、ホスピスを勧められる。 アナが忘れられないオリヴァーは、アーサーをエリオットに預けてニューヨークに向かうが、彼女はロサンゼルスにいた。 アナは、なぜ自分を去らせたのかをオリヴァーに問い、彼は、うまくいくと思えなくなり、そう仕向けてしまうと伝える。 そして、ハルは息を引き取り、オリヴァーはアーサーを預けてあったアンディの元に向かい、ゲイであることを気にする彼に、父が深く愛していたことを伝える。 訪れたアナを迎えたオリヴァーは、これからどうするかの問いに答えられない彼女に、色々試してみるべきだと語り、二人は笑顔で見つめ合う。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
44年間連れ添った妻に先立たれたハル・フィールズは、38歳で独身、恋人もいない息子オリヴァーに、自分がゲイであることをカミングアウトする。
戸惑うオリヴァーだったが、癌を宣告されたハルは、ゲイの道を究めてみたいとまで言って、服装を変えて恋人を作り、花火師になる勉強まで始めて、仲間達と集い人生を楽しみ、そして4年後に死亡する。
父ハルの身辺の整理を始めたオリヴァーは、夫がゲイだと知りながら、共に生活していたユダヤ人の母のことなども考える日々を送る。
そんな時オリヴァーは、フランス人女優アナとパーティーで出会い、彼女と親交を深めるのだが・・・。
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監督そして、脚本も手掛けた、マイク・ミルズ自身と父親との関係を基に製作された作品。
癌を宣告され死を覚悟した老人が、自分に正直に生き抜くことを宣言する姿、それに影響を受けて、消極的だった人生に変化を与えることを試みる息子、それぞれの生き方を、親子ならではの親密な関係を細やかに描写した、奥深い演出に引き込まれる。
一言、
涙なくては観られない感動のドラマ的な宣伝に惑わされず、親子関係などを、冷静に見て考えた方がより楽しめる作品。
真面目であり奥手な主人公を物静かに演ずるユアン・マクレガーの好演は言うまでもなく、各映画賞で絶賛され、史上最年長の82歳で、第84回アカデミー賞の助演男優賞を受賞したクリストファー・プラマーは、彼のキャリアから考えられるイメージからすると衝撃的でもある役柄であると共に、長い映画人生で頂点に立ったことに対し、心から祝福したい、素晴らしい名演であった。
回復しかける健康的な表情と、やつれ果てたシーンでは、まるで別人に見える演技にも注目だ。
主人公や、その両親の生き方に少なからず影響を受け、自身の変化にチャレンジしようとするラストの表情も印象的なメラニー・ロラン、ハル(C・プラマー)の心の友でもある恋人ゴラン・ヴィシュニック、主人公の母親メアリー・ペイジ・ケラー、主人公の少年時代キーガン・ブース、主人公の同僚で友人のチャイナ・シェイバーズとカイ・レノックスなどが共演している。