1995年に公開された、リチャード・リンクレイターとキム・クリザン原案による「ビフォア・サンライズ」の続編。 9年前の出会いを本にした作家が思い出の女性と再会して帰国するまでの時間を描く、製作、原案、監督、脚本リチャード・リンクレイター、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー共演のラブ・ロマンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・リンクレイター
製作
リチャード・リンクレイター
アニー・ウォーカー=マクベイ
原案
リチャード・リンクレイター
キム・クリザン
脚本
リチャード・リンクレイター
イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー
撮影:リー・ダニエル
編集:サンドラ・エイデアー
音楽:ジュリー・デルピー
出演
イーサン・ホーク:ジェシー・ウォレス
ジュリー・デルピー:セリーヌ
ヴァーノン・ドブチェフ:書店店主
ルイーズ・レモワン・トレス:記者
ロドルフ・ポリー:記者
アメリカ 映画
配給 ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ
2004年製作 80分
公開
北米:2004年7月2日
日本:2005年2月5日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $5,792,820
世界 $15,992,620
■ アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
9年前のウィーンでの出来事を綴った小説”This Time”を発表し、作家となっていたジェシー・ウォレス(イーサン・ホーク)は、プロモーションのためにヨーロッパ各地を回っていた。
パリ。
ある書店で、ウィーンのことを思い出しながら、記者から質問を受けていたジェシーは、その場で自分を見つめるセリーヌ(ジュリー・デルピー)に気づく。
驚き興奮するジェシーと、彼との再会を喜ぶセリーヌ。 二人は、ジェシーのフライトの時間まで、一緒に過ごすことにする。 ウィーンの出会いから、半年後の再会を約束した二人だったが、お互いがそれを守らなかったことを知りセリーヌはホッとする。 祖母の葬儀で仕方なく行けなかったと弁解するセリーヌだったが、話の流れで、ジェシーがその場に行ったことを知り彼女は謝罪する。 セリーヌと再会できず、失意のウィーンでの数日間を語ったジェシーは、彼女が環境保護団体で働いていることを知る。 カフェに席を取り、落ち着いて話し始めた二人だったが、セリーヌが1996年から3年間ニューヨークの大学にいたことを知り、自分も1998年から住んでいたジェシーはショックを受ける。 セリーヌは、大学の修士課程が終わり、ニューヨークの治安の悪さから、そこを離れワルシャワに向かったことなどを話す。 自分達の容姿が、9年前とさほど変わっていないことを確認した二人は、年をとることも悪くないという意見で一致する。 ジェシーの8時間のフライトを前に、気分をリフレッシュさせるため、カフェを出た二人は散歩をする。 二人は再びウィーンの話に戻るが、セリーヌが、愛し合った場所などの記憶が曖昧なためジェシーは驚いてしまう。 当然のごとく、お互いの考えが変わったことを意識しながら会話を弾ませた二人は、ジェシーの出発時間を気にしながら散歩を続ける。 ジェシーが結婚して子供もいることを知っていたセリーヌは、自分には報道写真家の恋人がいることを伝える。 出発まで15分しかないにも拘らず、ジェシーはセーヌ川の遊覧船”バトー・ムーシュ”に乗ろうとする。 ジェシーは迎えの運転手に連絡を取り、セーヌの観光を楽しみながら、セリーヌとの会話を弾ませる。 そしてジェシーは、再会したかったために小説を書いたとも言えるとセリーヌに伝える。 ジェシーは、ウィーンで再会できれば人生が変わっていたかもしれないロマンを語り、物事は起こるべくして起きるという現実論で片付けようとするセリーヌと意見がすれ違う。 ウィーンで再会ができなかったことを尚も後悔しながら、ジェシーは、ニューヨークでセリーヌを見かけた気がすることを伝える。 セリーヌは、その辺りに住んでいたと答え、ジェシーに結婚生活のことなどを尋ねる。 義務感で過ごす結婚生活を正直に語るジェシーに、セリーヌは同情してしまう。 船着場に着いた二人は、迎えに来た車に乗り、ジェシーはセリーヌをアパートに送ろうとする。 恋人はいるものの、恋愛に前向きになれないセリーヌは、ジェシーの本を読み、かつての自分がいかに愛と希望に満ちていたかを再認識したことを彼に語る。 ウィーンの一日で、ジェシーが自分の愛を全て持ち去ってしまったと言って、セリーヌは動揺しながら話す。 ジェシーは、車を降りると言うセリーヌを落ち着かせながら、彼女が自分のことを常に気にしていたことを知る。 セリーヌから、実はウィーンで愛し合ったことも覚えていると言われたジェシーは、謝罪する彼女に、自分の最悪な結婚生活を再び語る。 ジェシーは、自分の偽りの結婚生活が誰も幸せにしないことと、セリーヌへの思いが自分の人生の一部であることを語る。 自分よりも不幸だったジェシーに、セリーヌは再び同情してしまう。 アパートに到着して、ジェシーは彼女を入り口まで送る。 ジェシーは、セリーヌが作曲したという歌をどうしても聴きたいことを伝え、彼女は部屋でそれを披露する。 それは、ジェシーへの想いを込めた曲のようだった。 別の曲を聴きたがるジェシーだったが、セリーヌはそれを拒む。 仕方なくジェシーは、部屋にあった”ニーナ・シモン”のCDをかける。 ニーナ・シモンのコンサートに行ったことのあるセリーヌは、彼女の真似をしながら、ジェシーに飛行機が飛び立つことを知らせる。 ジェシーはそれを承知しながら笑みを浮かべ、セリーヌを見つめる。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「ビフォア・サンライズ」(1995)
・「ビフォア・サンセット」(2004)
・「ビフォア・ミッドナイト」(2013)
*(簡略ストー リー)
9年前のウィーンでの出来事を綴った小説を発表し、作家になっていたアメリカ人ジェシー・ウォレスは、プロモーションのためにヨーロッパ各地を回っていた。
ジェシーは、フランス人のセリーヌとウィーンで出会い一夜だけを過ごし、半年後の再会を約束するものの、それが果たせぬまま9年が経っていたのだった。
そんなジェシーは、パリでセリーヌと再会する。
しかし、二人が過ごせる時間は、彼のフライトまでのわずかな時間しかなかった・・・。
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今回は主演の2人が脚本にも参加して、第77回アカデミー賞では受賞は逃すものの脚色賞にノミネートされた。
また、ジュリー・デルピーの歌と、彼女がニーナ・シモンの物真似をしながら締めくくる、思わせ振りで粋なラストも素晴らしい演出だ。
前作と同じく、再会した二人の何気ない会話が、出発が迫る気忙しい時間と共に、淡々と進む単純な展開なのだが、さり気なく自然な会話に思わずのめり込んでしまう。
”恋人達の時間”とはこういうものだと、誰もが納得できる、製作、脚色を兼ねたリチャード・リンクレイターのシンプルな演出が際立つ、ラブ・ロマンスの傑作と言える作品でもある。
新鮮だった前作のウィーン・ロケに続き、見慣れてはいるが、一つのアクセントとして見ていると、今回のパリの落ち着いた街並みも、会話のみの作品に、抜群の効果を上げている。
演技には見えないイーサン・ホークとジュリー・デルピーの会話は、これが、彼とユマ・サーマンとの離婚のきっかけとなることが頷けるほど息が合っている。