評伝作家ジョン・スペンスが、様々な資料を基に執筆した”Becoming Jane Austen”をヒントに製作された作品。 ジェイン・オースティンの若き日を描く、主演アン・ハサウェイ、ジェームズ・マカヴォイ、ジェームズ・クロムウェル、ジュリー・ウォルターズ、マギー・スミス他共演、監督ジュリアン・ジャロルドによる恋愛ドラマ。 |
・ジェームズ・マカヴォイ / James McAvoy / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジュリアン・ジャロルド
製作総指揮
ニコル・フィナン
ジェフ・アベリー
ジュリア・ブラックマン
ティム・ハスラム
製作
グラハム・ブロードベント
ロバート・バーンスタイン
ダグラス・レイ
脚本
ケヴィン・フッド
サラ・ウィリアムズ
撮影:アイジル・ブリルド
編集:エマ・E・ヒコックス
音楽:エイドリアン・ジョンストン
出演
ジェイン・オースティン:アン・ハサウェイ
トーマス・ルフロイ:ジェームズ・マカヴォイ
オースティン:ジェームズ・クロムウェル
オースティン夫人:ジュリー・ウォルターズ
グリシャム夫人:マギー・スミス
ウィスリー:ローレンス・フォックス
ヘンリー・オースティン:ジョー・アンダーソン
カサンドラ・オースティン:アンナ・マックスウェル・マーティン
イギリス 映画
配給 ミラマックス
2007年製作 120分
公開
イギリス:2007年3月9日
北米:2007年8月10日
日本:2009年10月31日
製作費 $16,500,000
北米興行収入 $18,663,910
世界 $37,311,670
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1795年、イングランド、ハンプシャー。
オースティン夫妻 (ジェームズ・クロムウェル、ジュリー・ウォルターズ)は、長女カサンドラ(アンナ・マックスウェル・マーティン)、次女のジェイン(アン・ハサウェイ)と共に、地元の有力者であるグリシャム夫人(マギー・スミス)の屋敷に出向く。
ジェインを、グリシャム夫人の甥ウィスリー(ローレンス・フォックス)に嫁がせることを考える母だったが、ジェインは地位や財産目当ての結婚などには興味がなかった。
法律学生トーマス・ルフロイ(ジェームズ・マカヴォイ)は、おじのラングロイス判事(イアン・リチャードソン)から、ふしだらな生活を戒められ、ハンプシャーの親戚の家に向かわされる。
兄ヘンリー(ジョー・アンダーソン)の学友でもあるトーマスはオースティン家に招かれ、ジェインの朗読を皮肉ってしまう。 それを聞いた作家志望のジェインはショックを受け、朗読の原稿を破り捨て燃やしてしまう。 田舎の生活やそこに生きる人々を軽蔑しているトーマスは、森を散歩中にジェインと出くわし、朗読の件を気にする彼女と険悪な雰囲気になってしまう。 舞踏会で、トーマスからダンスを誘われたジェインだったが、傲慢な彼への気持ちは変わらなかった。 そんなジェインは、クリケットでトーマスの鼻を明かしてしまう。 ある日トーマスは、ジェインの文章力のなさは、男性に対する経験不足だと率直に指摘する。 村で突然、拳闘を始めたトーマスは殴り倒され、居合わせたジェインは彼に寄り添う。 トーマスは、正義のために闘ったのではないことをジェインに伝え、法律家は法に従うという保守的な一面も見せる。 グリシャム夫人の訪問を受けたジェインは、彼女に同行したウィスリーからの求婚を受け入れられない。 女は金が全てだという母は呆れ果ててしまい、父も考え直すよう優しく娘に語り掛ける。 トーマスが、気になる存在となってしまっていたジェインは、グリシャム夫人の屋敷の舞踏会で、彼を捜し回ってしまう。 そしてジェインは、ウィスリーとではなく、現れたトーマスと熱い視線を交わしながら踊ってしまい、彼女の心は揺れ動く。 グリシャム夫人に呼ばれたジェインは、一文無しの牧師の娘に女神が微笑んだら、それに応ずるのが当然だとまで言われてしまう。 傷つきながらも選択肢のないジェインに寄り添うトーマスは、彼女から愛を告げられる。 貧しくおじに頼っている身のトーマスは、自分の全てをジェインに捧げる意思を伝える。 二人は、早速、行動に出て、ロンドンのおじラングロイスの屋敷に向かう。 ロンドンで生活を始めたジェインは、主婦と作家を両立させている女流作家の助言などを受けながら、小説家になる努力を始める。 そしてトーマスは、ラングロイスにジェインとの結婚の許しを得ようとする。 しかし、おじにウィスリーとの一件が知られ、トーマスは彼に全てを頼っている身では、結婚は諦めるしかないことをジェインに伝える。 失意のジェインはロンドンを離れ、姉カサンドラの元に向かい、その後ハンプシャーに戻る。 ジェインは、ウィスリーとの結婚を受け入れようと考えるのだが、そんな時、西インド諸島への布教活動に向かったカサンドラの婚約者が病死してしまう。 そしてジェインは、トーマスが婚約をしたことを知らされ、ウィスリーの求婚を受け入れる。 ハンプシャーに滞在していたトーマスは、ジェインの前に現れ、未だ諦め切れない彼女への気持ちを伝える。 そしてトーマスは、婚約しているにも拘らず、駆け落ちしてスコットランドで結婚することをジェインに提案する。 ジェインは姉カサンドラに励まされ、トーマスと共に村を離れようとする。 しかしジェインは、トーマスに頼り切っている彼の両親の手紙を読んでしまい、心が揺れ動いてしまう。 家族を犠牲にして生きる、人生の苦しさを考えるジェインは、トーマスに別れを告げハンプシャーに戻る。 その後、ウィスリーはジェインへの結婚の申し出を取り下げ、プライドを傷つけられたグリシャム夫人は、オースティン一家を皮肉混じりに罵る。 財産がなくても、自立できると言い返すジェインに対し、ウィスリーは、おばの驚きを尻目に改めて彼女に敬意を表する。 そして時は過ぎ、「高慢と偏見」などを書き上げたジェインは著名な作家となり、ある日、娘を連れたトーマスと再会する。 ジェイン・オースティンは6作の短長編小説を残し、トーマス・ルフロイは大成し、アイルランド高等法院主席判事を務め、長女をジェインと命名した。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
血気盛んな女性ジェイン・オースティンは年頃を迎え、両親は、地元の有力者グリシャム夫人の甥である青年ウィスリーとの結婚を望む。
貧しい牧師一家であるオースティン家にとってはまたとない話だったのだが、地位や財産のための結婚に、ジェインは興味を示さない。
そんな時、自堕落な生活を続ける傲慢な法律学生のトーマス・ルフロイが、ジェインの前に現れる。
田舎やそこに住む人々を軽蔑し、自分を皮肉るトーマスに、ジェインは反感を抱くのだが、二人は次第に惹かれ合うようになる。
しかし、神の恵みとも言える縁談が持ち上がっているジェインと、生活をおじに頼りきっているトーマスの心は揺れ動き・・・。
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主人公ジェイン・オースティンが、果たせない恋で苦悩しながら、実体験を基にした小説「高慢と偏見」を執筆していく様子が、実に興味深く描かれている。
当時の、地位や財産が最優先された結婚が引き裂く若いカップルの悲恋と、結局は地位や名声を手にし、ジェインは独身も通したという二人の結末で、その時代の風潮を皮肉として描いている。
アメリカ人ながら、イングランド女性に成り切ったアン・ハサウェイは、独身を通したジェイン・オースティンの隠された恋愛秘話、またその揺れ動く心を見事に演じている。
奔放な性格である放蕩息子を演じながら、実はアイルランドへの仕送りで大家族を養っていたというところが、結局はアイルランド高等法院主席判事になる、トーマス・ルフロイの人格者としての人柄を垣間見せる、ジェームズ・マカヴォイの、若さに似合わぬ重厚な演技も見ものだ。
主人公の父親ジェームズ・クロムウェル、母親ジュリー・ウォルターズ、地元の名士のマギー・スミス、その甥でジェームズ・フォックスの息子ローレンス・フォックス、主人公の兄ジョー・アンダーソン、姉カサンドラを演ずるアンナ・マックスウェル・マーティンなどが共演している。