少女時代に出会い30年間続いた2人の女性の友情を描く、監督ゲイリー・マーシャル、製作、主演ベット・ミドラー、バーバラ・ハーシー、ジョン・ハード他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゲイリー・マーシャル
製作
ベット・ミドラー
ボニー・ブルックハイマー・マーテル
マーガレット・ジェニングス・サウス
製作総指揮:テリー・シュワルツ
原作:アイリス・レイナー・ダート”Beaches”
脚本:メアリー・アグネス・ドナヒュー
撮影:ダンテ・スピノッティ
編集:リチャード・ハルシー
美術
アルバート・ブレナー
ギャレット・ルイス
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演
セシリア・キャロル”C.C.”ブルーム:ベット・ミドラー
セシリア・キャロル”C.C.”ブルーム(11歳):メイム・ビアリク
ヒラリー・ホィットニー:バーバラ・ハーシー
ヒラリー・ホィットニー(11歳):マーシー・リーズ
ジョン・ピアース:ジョン・ハード
リチャード・ミルシュタイン医師:スポルディング・グレイ
リオナ・ブルーム:レイニー・カザン
マイケル・エセックス:ジェームズ・リード
ヴィクトリア・エッセックス:グレイス・ジョンストン
判事:ヘクター・エリゾンド
映画監督:ゲイリー・マーシャル
アメリカ 映画
配給 ブエナビスタ
1988年製作 123分
公開
北米:1988年12月21日
日本:1989年9月15日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $57,041,870
■ アカデミー賞 ■
第61回アカデミー賞
・ノミネート
美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1988年、ハリウッド・ボウル。
スター歌手のセシリア・キャロル”C.C.”ブルーム(ベット・ミドラー)は、リハーサル中にある連絡を受けて空港に向かう。
ロサンゼルス国際空港。
サンフランシスコ行きの便が霧のために運航できず、C.C.は、レンタカーで現地に向かいながら30年前を思い出す。
1958年、アトランティック・シティ。
ビーチで迷子になっていたヒラリー・ホィットニー(マーシー・リーズ)に声をかけたC.C.(メイム・ビアリク)は、ヒラリーが名前を忘れたホテルを知っていると伝える。
地元の”ピンカースの子供ショー”のスターだと言うC.C.は、母リオナ(レイニー・カザン)に呼ばれて、ハリウッドのスカウトが来ると言われる。 リオナとヒラリーと共に劇場に向かい、スカウトの前で歌と踊りを披露したC.C.だったが、ライバルのアイリスの演技が気にいられたために落とされてしまう。 自分のせいにされたリオナは、ここを辞めてブロンクスに帰ることをC.C.に提案して納得させる。 自分の歌と踊りを気に入ってくれたヒラリーと仲良しになったC.C.は、サンフランシスコで暮らしているという彼女が宿泊中の高級ホテルに向かう。 父親は富豪だが母親は亡くなったと話すヒラリーは、手紙を書いてほしいとC.C.に伝える。 今まで会った中で一番素敵な人だと言われたC.C.は、ヒラリーの叔母が迎えに来たために、手紙を書くことを約束して別れる。 その後、成長したC.C.とヒラリーは、約束通りに文通を続けていた。 ヒラリー(バーバラ・ハーシー)は”スタンフォード大学”の法学部に進学し、C.C.は、仕事もなく孤独で死にたい気分のまま、オーディションを受ける日々が続いていた。 舞台だけでなくクラブ歌手も兼ねていたC.C.は、弁護士になったヒラリーのことが気になる。 ある夜、クラブで歌い終わったC.C.は、ヒラリーから話しかけられるものの誰か分からない。 相手がヒラリーだと気づいたC.C.は驚き、二人は再会を喜ぶ。 窒息しそうな人生に限界を感じて家を飛び出してきたと言うヒラリーは、C.C.のアパートに案内される。 粗末なアパートだったものの、父親の言いなりに生きて来たヒラリーは、自由になれた喜びをC.C.に伝える。 誕生日祝いに着ぐるみを着て、歌とメッセージを伝えに来たC.C.の歌声が気に入った小劇団”ファルコン”の主宰者である演出家のジョン・ピアース(ジョン・ハード)は、彼女をオーディションに誘う。 喜んで行くと言うC.C.からヒラリーを紹介されたジョンは、”ACLU/アメリカ自由人権協会”の弁護士だと言う彼女が美しいので女優だと思ったと伝える。 劇団員になりリハーサルに参加したC.C.は、役に満足できないものの、ジョンから地道に演じ続けるようにと言われる。 貧しくも充実した日々を過ごしていたC.C.は、新作ミュージカルの主役に抜擢され、それを知ったヒラリーと共に喜ぶ。 ジョンが演出したミュージカルは成功し、C.C.のパフォーマンスも絶賛される。 それと同時に、ヒラリーとジョンは惹かれ合うようになり、C.C.は嫉妬する。 C.C.に気を遣うヒラリーは、父親の具合がよくないので暫くサンフランシスコに戻ることを彼女に伝える。 二人は離れて暮らす間も文通して連絡を取り合い、父親の介護をするヒラリーは、弁護士のマイケル・エセックス(ジェームズ・リード)という恋人ができたことをC.C.に伝える。 ブロードウェイからオファーがあったC.C.は、大スターになれるチャンスを掴んでいた。 ジョンとそれなりの関係をもったC.C.は、亡くなった父親の相続の問題があるヒラリーが、まだ戻れないことを彼に伝える。 ファルコンを去ったC.C.はブロードウェイの舞台に立つことになり、ヒラリーはマイケルと結婚する。 そして、C.C.とジョンも、判事(ヘクター・エリゾンド)の下で結婚式を挙げる。 自分のコンサートが雨で中止になったことを伝えるラジオを聴きながら、C.C.は先を急ぐ。 ブロードウェイ。 ヒラリーはジョンとも再会し、C.C.はマイケルに夫を紹介する。 滞在中、C.C.と共に過ごしたヒラリーは、考え方の違いにより話がかみ合わず、友情が薄れて心が離れたと伝える。 勝手に自滅したと言うC.C.は、父親の死で元の生活に戻り、変化を求めなくなったヒラリーを批判する。 口論になったC.C.は、ヒラリーから、自分がいればジョンとは結婚できなかったと言われるものの、自分らしく生きていると伝える。 一歩踏み出す勇気もなくなったと言ってヒラリーを責めるC.C.は、嫉妬しているはずだと彼女に伝えてその場を去る。 親友を失ってしまった二人は、言い争ったことを後悔する。 しかしヒラリーは、その後に送られてきたC.C.からの手紙を送り返してしまう。 そんな二人は、夫への愛情も薄らいでいく。 マイアミ。 いずれは一人になってしまうので、今の関係を大切にするようにとリオナから助言されたC.C.は、ニューヨークに戻る。 C.C.はジョンと話し合うものの、大成功など望んでいない、求めるものが違うと言う彼との別れを決心する。 同じ頃、ヒラリーもマイケルの浮気を知ってショックを受ける。 映画界にも進出したC.C.だったが、自分の思い通りにならないために癇癪を起こし、監督(ゲイリー・マーシャル)と揉めてスタジオから追い出され、キャリアに傷がつき落ち目になる。 C.C.がサンフランシスコに来ていることを知ったヒラリーは、言い争ったことは気にしていないと伝えて、手紙を送り返したことを謝罪する。 帰ってほしいと言って一方的に友情を捨てたヒラリーを非難するC.C.は、絶対に許さないと伝える。 嫉妬していたと言うヒラリーは、全てを手に入れたC.C.が才能にも恵まれていることを羨ましく思ったと伝える。 美しくて頭もいいとヒラリーに伝えたC.C.は、自分が悪かったと言って謝罪する。 二人は涙しながら互いを思いやり、ジョンのことを話したC.C.は別れたことを伝える。 映画でも失敗して愛犬も事故死ししたことを話したC.C.は、ヒラリーが妊娠したことを知り、マイケルが不倫した話も聞く。 子供は要らないというマイケルの考えも知ったC.C.は、シングルマザーとして自立しようとするヒラリーを抱きしめる。 ヒラリーと過ごす日々に安らぎを感じたC.C.は、病院に付き添った際に主治医のリチャード・ミルシュタイン医師(スポルディング・グレイ)を紹介される。 C.C.のファンだったミルシュタインは、彼女を誘い親交を深める。 その後、エージェントからの連絡で主役としてカムバックすることになったC.C.は、ニューヨークに戻ることをヒラリーに伝える。 出産を控えるヒラリーは、婚約したミルシュタインを利用したと言ってC.C.を批判する。 事情を話すべきだと言われたC.C.は、ヒラリーにそれを頼み、会う勇気がないと伝える。 ルシュタインにその件を伝えたヒラリーは、驚く彼の気持ちを察する。 ニューヨークに戻ったC.C.はオファーがジョンからだと知り、彼に会って話しをする。 舞台は成功し、ヒラリーの出産に立ち会ったC.C.は、分娩室でミルシュタインに再会する。 再婚するミルシュタインを祝福したC.C.は、出産を前にその場で失神してしまう。 ヒラリーは無事に女の子ヴィクトリアを出産し、意識が戻ったC.C.は感激する。 その後、ヒラリーに愛されながら成長したヴィクトリア(グレイス・ジョンストン)は、学校に通うようになる。 トニー賞も受賞したC.C.は、高級アパートに住む優雅な生活に戻る。 弁護士として精力的に働いていたヒラリーは、体調に異変を感じて入院する。 ウィルス性心筋症と診断されたヒラリーは、退院後に病気について調べる。 その結果、重病だと知ったヒラリーは、見舞いに来てくれたC.C.に、海岸の別荘にヴィクトリアと二人では行けないと伝える。 看護師を雇う考えのC.C.は、出会った時に撮った写真を見つけて懐かしく思い、レコーディングが終わり休暇が取れるので、自分が付き添うとヒラリーに伝える。 三人は別荘に向かい、C.C.とヴィクトリアがビーチで歌い踊る姿を見たヒラリーは、辛い思いをする。 死を恐れるヒラリーは何もしようとせず、C.C.に八つ当たりしてしまう。 気持ちを察するC.C.だったが、ヴィクトリアの成長も見られずに守ってやれないと言うヒラリーは苛立ち、自分の思いは理解できないと伝える。 C.C.は、悲観的なヒラリーに、まだ死んではいない伝えて突き放す。 そんなC.C.の気持ちを理解したヒラリーは、ヴィクトリアに優しく接する。 屋敷に戻り、ロサンゼルスのハリウッド・ボウルで行われるC.C.のコンサートに行く準備をヴィクトリアとしていたヒラリーは、容態が悪化して意識を失う。 サンフランシスコに着いたC.C.は病院に向かい、ヒラリーから、この場を離れたいと言われる。 ヒラリーの思い通りにさせたいと考えたC.C.は、彼女を連れて別荘に向かい、ヴィクトリアとの時間を過ごさせる。 その後ヒラリーは息を引き取り、葬儀が行われる。 悲しみに耐えながらヒラリーの遺言状を読んだC.C.は、ヴィクトリアと一緒に暮らしてほしいという彼女の希望を知る。 それをヴィクトリアに伝えたC.C.は、無理なら構わないと言うものの、彼女がそのつもりだということを知り抱きしめ、屋敷を去る。 その後C.C.はステージに立ち、ヒラリーのことを想いながら、ヴィクトリアが見守る前で”The Glory of Love”を熱唱する。 会場を去るC.C.は、その曲を歌ったヒラリーと出会った時のことをヴィクトリアに話す。
...全てを見る(結末あり)
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マイケルと共にC.C.が主演するミュージカルを見たヒラリーは、スターとなった彼女の高級アパートを訪ねて再会を喜ぶ。
ビーチにいた母リオナに、ジョンとの関係などについて話したC.C.は、移住したのは心の安らぎを得るためで、愛してはいるが、もう面倒を見る気はないと言われる。
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
1958年、アトランティック・シティ。
歌と踊りで活躍する快活な少女セシリア・キャロル”C.C.”ブルームは、ビーチで迷子になっていた富豪令嬢のヒラリーに出会う。
意気投合した二人は、ヒラリーがサンフランシスコに戻った後も文通を続け、成人するまでそれは続いた。
仕事もないC.C.はオーディションを受ける日々が続いていたが、弁護士となっていたヒラリーが、父の言いなりに生きる人生に嫌気がさして家出して現れたために再会を喜ぶ。
同居を始めた二人は、苦しいながらも充実した日々を過ごした。
そんな時、小劇団を主宰する演出家のジョンと出会ったC.C.は彼の舞台に誘われる。
ジョンがヒラリーと親しくなったことに嫉妬しながら、主役に抜擢されたC.C.の演技は絶賛され、スターになるチャンスを掴むのだが・・・。
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1985年に発表された、アイリス・レイナー・ダートの小説”Beaches”を基に製作された作品。
テレビ界から映画界と活躍を続けていたゲイリー・マーシャルが監督し、製作も兼ねるベット・ミドラーが主演した作品。
大スターへの道を歩む歌手と富豪令嬢ではあるが幸薄い人生の女性の30年間の友情を描き、ゲイリー・マーシャルらしいユーモアを交えた演出が見所の作品で、終盤ではメロドラマ・タッチの展開にもなる。
製作も兼ねていることもあり、自分自身を演じているようなベット・ミドラーの貫録すら感じさせる存在感ある演技は注目で、彼女の歌のパフォーマンスの場面も多くファンには嬉しい作品。
ベット・ミドラーの演技が大袈裟過ぎるという意見もあるが、キャラクターを生かした適役であり、個人的には、彼女としてはごく普通の演技をしていると思う。
あのくらいでなくては、世界の人々を魅了させるスターにはなれないだろう。
多くの楽曲の中で、終盤で流れる”Wind Beneath My Wings”は、”ビルボード”で全米1位を獲得し、グラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞した。
第61回アカデミー賞では美術賞にノミネートされた。
主人公との友情を続けながら病で命を落とす美しい女性を演ずるバーバラ・ハーシー、主人公の少女期を印象深く演ずるメイム・ビアリク、彼女と出会い友情が芽生えるヒラリーの少女期マーシー・リーズ、主人公とヒラリーとの三関係も微妙な舞台演出家のジョン・ハード、ヒラリーの主治医で主人公と親交を深めるスポルディング・グレイ、主人公の母親レイニー・カザン、ヒラリーの夫ジェームズ・リード、彼とヒラリーの娘グレイス・ジョンストン、主人公の結婚式を執り行う判事ヘクター・エリゾンド、そして、ゲイリー・マーシャルが映画監督役で出演している。