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戦場 Battleground (1949)

第二次大戦末期、過酷な条件下で”バルジの戦い”を勝利に導いた部隊の戦いを描く、監督ウィリアム・A・ウェルマン、主演ヴァン・ジョンソンジョン・ホディアクリカルド・モンタルバンマーシャル・トンプソンドン・テイラージェームズ・ホイットモア他共演の戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・A・ウェルマン

製作:ドア・シャリー
脚本:ロバート・ピロッシュ
撮影:ポール・C・ヴォーゲル
編集:ジョン・D・ダニング
音楽:レニー・ヘイトン

出演
ホリー上等兵:ヴァン・ジョンソン
ドナルド・ジャーヴェス:ジョン・ホディアク
”ジョニー”ロドリゲス:リカルド・モンタルバン
エルンスト・J”ポップ”スタザック:ジョージ・マーフィ
ジム・レイトン二等兵:マーシャル・トンプソン
スタンディファード伍長:ドン・テイラー
キニー二等軍曹:ジェームズ・ホイットモア
アブナー・スパブラー:ジェローム・コートランド
ウォロヴィッツ軍曹:ブルース・カウリング
”キップ”キプトン:ダグラス・フォーリー
従軍牧師:レオン・エイムズ
ハンセン:ハーバート・アンダーソン
デニーズ:デニーズ・ダルセル
ベティス:リチャード・ジャッケル
ガービー軍曹:ジェームズ・アーネス
ウィリアム・J・フーパー二等兵:スコッティ・ベケット
ティース少尉:ブレット・キング

アメリカ 映画
配給 MGM
1949年製作 118分
公開
北米:1949年11月9日
日本:1950年10月6日
製作費 $1,631,000
北米興行収入 $10,294,000
世界 $13,666,400


アカデミー賞
第22回アカデミー賞

・受賞
脚色・撮影賞(白黒)
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ジェームズ・ホイットモア
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1944年12月、フランスアメリカ陸軍基地。
第101空挺師団のキニー二等軍曹(ジェームズ・ホイットモア)は、小隊の訓練を続ける。

ジム・レイトン二等兵(マーシャル・トンプソン)とウィリアム・J・フーパー二等兵(スコッティ・ベケット)は、第372歩兵連隊から第101空挺師団に配属され、それぞれの小隊に向かう。

その後、兵舎でスタンディファード伍長(ドン・テイラー)らの話を聞いていたレイトンは、フットボールから戻ってきたウォロヴィッツ軍曹(ブルース・カウリング)に補充兵であることを伝える。

負傷から回復したホリー上等兵(ヴァン・ジョンソン)が戻り、仲間達はパリの様子を尋ねる。

翌早朝、キニーに起こされたホリーらは、トラックで移動することになる。

長時間トラックで移動した部隊はある町(バストーニュ)に着き、子供達にお菓子をせがまれて渡す。
...全てを見る(結末あり)

そこに、その母親と思われる女性デニース(デニーズ・ダルセル)が現れたために、ホリーらは騒ぎ始める。

デニースのフランス語をドナルド・ジャーヴェス(ジョン・ホディアク)に通訳させたホリーは、彼女が中に入って暖まってほしいと言っていることを知る。

喜ぶホリーらは、飛行機が近づいたために身を潜めるが、ビラが舞い落ちてきただけだった。

第101空挺師団を歓迎するというドイツ軍のビラだったために、極秘作戦で行動していたはずだと言うジャーヴェスは、自分達の行動が敵にバレていることを知り嘆く。

トラックを降りて建物に入るようにという指示を受けたホリーらは喜ぶ。

くつろいでいたホリーらは、ロンドンからのアメリカ軍ラジオ放送を聴く。

デニースが子供達の母親でないことを知ったジャーヴェスは、隣り町に住んでいた子供達の両親は砲撃で死んだことを知り、それを仲間達に伝える。

この町に暫くいたいと思うホリーは、ウォロヴィッツから、霧が晴れるまで滞在するという情報を知らされる。

見張りに出たジャーヴェスは、現れた他の部隊の兵士から、敵の侵攻が始まったと言われる。

翌朝、鶏小屋で卵を手に入れたホリーは、キニーから、中隊が移動することを知らされる。

移動した中隊は森に到着し、ティース少尉(ブレット・キング)が指揮する第3小隊が偵察することになる。

穴を掘って待機することになったホリーは、卵を割ってヘルメットで調理しようとするが、予定が変更されて再び移動する。

霧の中、ある地点で再び穴を掘るよう指示されたホリーは、途中でやめた卵の調理をしようとするものの、夜になったので火を消せと言われる。

”キップ”キプトン(ダグラス・フォーリー)とレイトンの三人で道路封鎖の見張りを命ぜられたホリーは、アメリカ兵に扮した敵に注意しろと言われて合言葉を教わる。

見張りに向かうホリーから卵を預かったベティス(リチャード・ジャッケル)は、掘った穴に横たわる体調を崩したスタンディファードのことを気遣う。

道路で見張るレイトンは、現れた味方の兵士と合言葉を交わすが、敵兵とは気づかなかった。

翌朝、雪が降っていることに驚く”ジョニー”ロドリゲス(リカルド・モンタルバン)は、初めての経験だったので興奮する。

付近にフーパーが配属された中隊がいることを知ったレイトンは、その場に向かい彼を捜す。

しかし、眠っていた穴を迫撃砲が直撃したため、フーパーが戦死したことを知ったレイトンはショックを受ける。

キニーから偵察を命ぜられたホリーは不満を訴え、昨夜、味方に扮した敵兵が橋を爆破したことを知る。

それが自分が出くわした兵士だったことに気づいたレイトンは焦り、ホリーが適当にやり過ごす。

体調が悪化したスタンディファードは、キーニーに救護所に行きたいと伝える。

激しい砲撃が始まり、ホリーらは身を隠す。

その後、ジャーヴェスとロドリゲスと共に偵察に出たホリーは、味方の少佐が敵兵ではないかと警戒し、自分達も疑われて”ベティ・グレイブル”の夫は誰か訊かれる。

シーザー・ロメロ”と答えて、他にも様々なことを話したホリーは少佐らが味方だと確信し、住民のために慎重に対応していると伝える。

納得した少佐は、”ベティ・グレイブル”の夫は”ハリー・ジェイムズ”だとホリーに伝えてその場を去る。

偵察を続けたホリーは休息し、人気コラムニストであるジャーヴェスの妻の記事を読む。

雪遊びを始めたロドリゲスに、森の中から兵士が雪玉を投げ返してくる。

その場に現れた少尉が昨夜の敵兵だと気づいたホリーは、適当に話をしてその場を去る。

攻撃してきた別の敵を倒したホリーらは、偽米兵に追われて格闘になる。

相手を倒して逃げようとしたホリーらだったが、ロドリゲスが銃弾を受けてしまう。

ロドリゲスをジープの下に隠してジャーヴェスと共にその場から逃げたホリーは、味方の陣地に戻る。

敵がいることを知ったティースは、キニーから砲撃要請を提案されて指示を出す。

負傷したウォロヴィッツは、小隊と新兵のレイトンのことをホリーに任せて野戦病院に運ばれる。

吹雪の中、ロドリゲスを助けに行ったホリーらだったが、彼は既に息絶えていた。

ロドリゲスのことをよく知るエルンスト・J”ポップ”スタザック(ジョージ・マーフィ)は、友人の死を悲しむ。

バルジの戦い”と名付けられた作戦は、アメリカ軍の戦略的な撤退が報じられ、ホリーらはキニーから、野戦病院は敵に占拠され、ウォロヴィッツやスタンディファードも殺されたらしいと言われる。

部隊を離れて帰国することになったポップは、バストーニュが包囲されたことをキップから知らされて憤慨し、彼を殴り倒してしまう。

砲撃を受けて隠れたホップは、キップに謝罪する。

移動した部隊は待機することになり、その後、攻撃を受けて、姿が見えない敵に反撃する。

その場を離れたホリーは、追ってきたレイトンと共に森の中に入り、キニーらもそれに続いて身を潜める。

姿を現した敵を倒したキニーらは、森から姿を現して降伏する敵兵を捕虜にする。

負傷したハンセン(ハーバート・アンダーソン)らを町の医療施設に運んだホリーらは、久しぶりに温かい食事を与えられる。

デニースに会いに行ったホリーは、その場にいたレイトンからワインを渡される。

暫くして、ドイツ軍の将校が現れ、指揮官との話し合いを求める。

敵将校の降伏勧告に対し指揮官である大佐は、”Nuts!/ばかめ!”と答えて追い払う。

バストーニュに戻る途中で撒かれた敵のビラには、アメリカ軍に同情する内容が書かれていた。

隊員を集めて話をした従軍牧師(レオン・エイムズ)は、”この戦争は必要だったか?”という質問に答えると伝える。

ナチス・ドイツが望んだ戦争で何百万人もの命が奪われ、戦うしかなかったと言う牧師は、戦争は必要だったと伝えて、霧が晴れることを願い兵士達と共に祈りを捧げる。

その後も天候は回復する様子はなく、敵の攻撃が開始されるものの、物資の輸送が間に合わず、燃料や弾薬も不足している状況だった。

砲撃を受ける部隊は身を潜めるしかなく、バストーニュも攻撃されてベティスが死亡する。

敵の攻撃に備える小隊は、残り少ない弾薬を確認して白兵戦を覚悟する。

その時、雲の切れ目から日が差し、友軍機の反撃が始まる。

輸送機”C-47”の大軍が飛来し、大量の物資を投下する。

燃料や食料、弾薬を確保した牧師や隊員は喜び、ホリーは戻ってきたハンセンを歓迎する。

その後、反撃に転じた連合軍は”バルジの戦い”に勝利する。

ティース少尉は指揮官と共にジープに乗り走り去り、小隊を整列させたキニーは、前線には向かわずにバストーニュに戻ろうとする。

喜ぶ仲間達の顔を見て微笑むキニーは、前線に向かう部隊とすれ違いながら隊列を整えて行進する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1944年12月、フランス
アメリカ陸軍第101空挺師団は、移動してベルギーバストーニュに向かうものの、天候が回復せずに味方の援護もなく、その地域で待機することになる。
陽気な上等兵ホリーは不満を訴えながら、キニー二等軍曹の指示でジャーヴェスらと共に偵察に向かい、敵の勢力を確認する。
一気に反撃を開始したたドイツ軍は攻勢をかけ、バストーニュを包囲してしまう。
退路と補給も断たれた部隊は、食料や弾薬も不足する中で天候の回復を待つのだが・・・。
__________

第二次大戦末期、劣勢のドイツ軍が反撃に転じた”バルジの戦い”で、包囲されながらそれに耐えたアメリカ陸軍第101空挺師団の過酷な戦いを描く戦争ドラマ。

実際の戦いから数年しか経っていない人々の記憶に新しい時期に撮影された作品であり、第101空挺師団の指揮官だった”アンソニー・マコーリフ”が、ドイツ軍の降伏勧告に対し、”Nuts!”という言葉と共にそれを拒絶した有名なシーンも登場する。

包囲された状況で苦戦する部隊の中の様々な人間関係などをユーモアを交えて見事に描く、ウィリアム・A・ウェルマンの演出手腕が見どころの作品。

兵士達の日常が淡々と描彼ながら進行し、”バルジの戦い”でキーポイントとなる、悪天候の回復の描写でクライマックスを盛り上げるドラマチックな演出なども見逃せない。

第22回アカデミー賞では作品賞以下6部門にノミネートされ、脚色、撮影賞(白黒)を受賞した。
・ノミネート
作品、監督、助演男優(ジェームズ・ホイットモア)、編集賞

やや自分本位な考えの持ち主である陽気な上等兵を愉快に演ずるヴァン・ジョンソン、彼と親しいフランス語などが堪能なジョン・ホディアク、彼らと偵察に出て戦死する、初めての降雪で興奮するシーンが印象的な兵士リカルド・モンタルバン、帰還命令が出るものの、敵に包囲されたために戦い続けるジョージ・マーフィ、新兵として部隊に加わり、様々なことを経験しながら成長するマーシャル・トンプソン、体調を崩し野戦病院に向かうものの、敵に占拠されて死亡するドン・テイラー、同じく負傷する軍曹ブルース・カウリング、兵士の支えとなる二等軍曹を印象深く演ずるオスカー候補となったジェームズ・ホイットモア、部隊員ジェローム・コートランドダグラス・フォーリー、終盤で今回の戦争の意義を説く従軍牧師のレオン・エイムズ、負傷して復帰する部隊員のハーバート・アンダーソンバストーニュの女性デニーズ・ダルセル、食事係の部隊員リチャード・ジャッケル、軍曹のジェームズ・アーネス、他の部隊に配属される新兵スコッティ・ベケット、小隊指揮官の少尉ブレット・キングなどが共演している。


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