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最後の猿の惑星 Battle for the Planet of the Apes (1973)

1963年に発表された、ピエール・ブールのSF小説”猿の惑星”を基に製作されたSF映画の傑作「猿の惑星」シリーズの第5作である最終作。
猿と人間の共存社会と核戦争後の生存者であるミュータントとの戦いを描く、監督J・リー・トンプソン、主演ロディ・マクドウォールクロード・エイキンスリュー・エアーズポール・ウィリアムズジョン・ヒューストン他共演のSF映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト
監督:J・リー・トンプソン

製作:アーサー・P・ジェイコブス
原作:ピエール・ブール(キャラクター創造)
脚本
ジョン・ウィリアム・コリントン
ジョイス・フーパー・コリントン
ポール・デーン
撮影:リチャード・H・クライン
編集
アラン・L・ジャッグス
ジョン・C・ホージャー
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
シーザー:ロディ・マクドウォール
アルドー:クロード・エイキンス
リサ:ナタリー・トランディ
コルプ:セヴァーン・ダーデン
マンデマス:リュー・エアーズ
ヴァージル:ポール・ウィリアムズ
立法者:ジョン・ヒューストン
ブルース・マクドナルド:オースティン・ストーカー
エイブ:ノア・キーン
ミュータントの指揮官:リチャード・イーストハム
アルマ:フランス・ニュイエン
メンデス:ポール・スティーヴンズ
ターニャ医師:ヘザー・ロウ
コーネリアス:ボビー・ポーター
ジェイク:マイケル・スターンズ
兵士:カル・ウィルソン
リサの使用人:コリーン・キャンプ
ジーラ:キム・ハンター(影像)
オットー・ハスライン博士:エリック・ブリーデン(影像)
ウエイター:ルー・ワグナー(影像)
チンパンジーの少年:パット・カーディ
ジェイクの友人:ジョン・ランディス

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1973年製作 93分
公開
北米:1973年6月15日
日本:1973年7月21日
製作費 $1,800,000
北米興行収入 $8,844,600


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2670年、北アメリカ。
立法者(ジョン・ヒューストン)は語る。
人間は神の教えに背き戦争を始め、猿にも敵意を抱き奴隷にした。
怒った神は、救世主として口のきける猿コーネリアスとジーラを過去に送り込むものの、人間は彼らを恐れて殺した。
しかし、彼らの子供は無事に成長し、奴隷化されていた猿を人間から解放した。
地球は史上初めての戦いで荒廃し、大都市は壊滅する。
神の意思に従う猿の救世主シーザー(ロディ・マクドウォール)は生存者を集め、山林地帯で人間との共存を図った。
__________

シーザーが”猿の惑星”の誕生を宣言してから約10年後。
核戦争後、争いを止めた猿と人間の生き残りは共同生活をしていた。
...全てを見る(結末あり)

しかし、狂暴なゴリラのアルドー(クロード・エイキンス)は、両者の対等な立場に不満を抱いていた。

”猿は猿を殺さない”という教えを説く人間の教師エイブ(ノア・キーン)は、それに逆らうアルドーに対し、禁句である”ノー”と叫んでしまう。

奴隷時代に、猿が”ノー”という言葉で脅されたことをエイブに伝えたオランウータンの有識者ヴァージル(ポール・ウィリアムズ)は、人間が猿に対して言うことをシーザーが禁じたことを話す。

アルドーに謝罪して帰宅するよう、エイブはヴァージルに指示される。

しかし、アルドーはエイブの謝罪を受け入れずに、他のゴリラと共に暴れ始める。

エイブを追い襲いかかったアルドーは、シーザーにそれを制止される。

ヴァージルは、エイブがアルドーに”ノー”と言ってしまった状況を説明する。

学校に戻り元通りにすることをシーザーに命ぜられたアルドーだったが、それを無視してその場を去る。

授業がなくなったために、シーザーは、遊びたいと言う息子コーネリアス(ボビー・ポーター)に許可を出す。

シーザーは、補佐のブルース・マクドナルド(オースティン・ストーカー)から、アルドーが憎んでいるのは人間だけではないと言われる。

馬に乗り暴走してきたアルドーに気づいたマクドナルドは、それにぶつかりそうだったシーザーを助ける。

猿と人間の相互理解についてを説くシーザーは、滅亡が近いと言うマクドナルドから、両親コーネリアスとジーラの映像記録テープが、禁断地帯である滅びた都市の地下室あることを知らされる。

それを、当時の統治者の側近をしていた兄から聞いていたマクドナルドは、核爆弾で失われたと思われた保管所が残っているとことを伝える。

興味を持ったシーザーは、放射能で汚染されている都市に向かうための方法をヴァージルから聞こうとする。

危険な場所に行くことに反対する妻リサ(ナタリー・トランディ)を説得したシーザーは、ヴァージルとマクドナルドと共に、武器を保管しているマンデマス(リュー・エアーズ)の元に向かう。

三人は、知識を得るための自衛手段に武器がいることを伝える。

武器を調達したシーザーらは出発し、廃墟となった都市に到着する。

地獄のような光景に驚きながら、シーザーらは地下に向い保管庫を目指す。

その場には、統治者のコルプ(セヴァーン・ダーデン)他、ミュータント化した人間が生存していた。

放射能の影響を避けるために、2時間以内に脱出したいシーザーらは、ガイガーカウンターを使いながら現場に急ぐ。

侵入者に気づいたコルプは、補佐のメンデス(ポール・ウィリアムズ)を呼び緊急配備につかせる。

アシスタントのアルマ(フランス・ニュイエン)に命じて、モニターに監視映像を映したコルプは、かつて主任監察官をしていた頃に対面したシーザーの姿を確認する。

同行しているのが、元統治者ブレックの側近だった保管所の責任者マクドナルドの弟だということも知ったコルプは、オランウータンが何者かは分からなかった。

保管所に着いたシーザーらは、大統領査問委員会のテープを見つけて、それをチェックしようとする。

コルプは、シーザーらを生け捕りにすることを命ずる。

シーザーは、3950年代にゴリラが起こした戦争で地球が消滅したと語る母ジーラ(キム・ハンター)と、猿が”ノー”と言って抵抗し始めた話す父コーネリアス(ロディ・マクドウォール)の映像を見る。

人間が自分の出生を恐れていたことと、未来を知ったシーザーはそれを変えたいと考える。

カメラで監視されていることに気づいたヴァージルは、銃撃してそれを壊す。

シーザーらを逃がす訳にいかなくなったコルプは、殺害を命ずる。

放射能の影響を受けた人間達が生存していることを確認しながら逃走するシーザーらは、都市から何とか脱出する。

相手が平和の使者かもしれないと言うメンデスの考えを退けたコルプは、シーザーらが向かった場所を探すために斥候を出す。

途中アルドーに出くわしたシーザーは、禁断地帯で未来を確認したことを伝える。

コルプの部下は、猿と人間が共存する町を見つける。

猿達を集めたシーザーは、敵意に満ちたミュータント化した人間に禁断地帯で遭遇したことを伝え、彼らの攻撃に備えなければならないことを伝える。

マクドナルドやエイブら人間の意見を聞こうとしたシーザーだったが、アルドーが反対してゴリラ達は退席する。

斥候の報告を受けたコルプは、町に先制攻撃をする準備を始める。

なぜ戦うのかとリサに聞かれたシーザーは、この場の人間とは違い、相手が異常者だと答える。

武装したコルプらは、都市を出発する。

ペットのリスが逃げたために家から逃げ出したコーネリアスは、ゴリラが支配を主張するアルドーが、集会を開いていることを知る。

木に登っていたコーネリアスはゴリラに見つかってしまい、アルドーに剣で枝を切られて落下する。

コーネリアスがいないことに気づいたリサは森に向かい、倒れていた息子を見つける。

重傷ではあったがコーネリアスは助かり、マクドナルドは、焚火の跡や枝が切られていることに気づく。

コーネリアスの様態を診た使用人(コリーン・キャンプ)は、危険な状態であることをリサに伝える。

見張りのゴリラが、町に向かう人間に気づいて殺害する。

そのゴリラを確認したコルプは砲撃する。

マクドナルドは、コーネリアスの落ちた木の枝が切られていたことをヴァージルに話す。

戻った仲間から人間の攻撃を受けたことを知らされたアルドーは、一頭が殺されたことを皆に伝える。

アルドーは戦いを宣言して人間を檻に閉じ込めて、コーネリアスに付き添うシーザーに代わり、その場の実権を握る。

武器庫に乱入したアルドーは、マンデマスの制止を聞かずに武器を奪う。

それをヴァージルから知らされたシーザーだったが、コーネリアスから離れようとはしなかった。

人間ではない者達の仕業だと言い残したコーネリアスは息を引き取り、シーザーとリサは悲しむ。

町に近づいたコルプは、砲撃の準備をして進撃する。

コーネリアスを襲ったのはゴリラだとヴァージルから知らされたシーザーは、人間のを解放をアルドーに迫る。

コルプらの砲撃が始り、アルドーは、自分が正しかったとシーザーに伝えて反撃する。

シーザーとヴァージルも加わり激しい戦いが続くが、リサはコーネリアスから離れようとしない。

コルプは町を占拠し、シーザーと再会して銃を向けるが、死んだ振りをしていた猿達は人間に襲いかかる。

その場から逃れたコルプらをシーザーは見逃すが、山林に逃れていたアルドーらが襲い掛かり、人間を皆殺しにする。

猿達に称えられたシーザーは、人間を解放するよう命ずる。

その場に現れたアルドーは、自分が支配者であることをシーザーに伝える。

シーザーに人間は何もしていないと言われても、それを無視したアルドーは人間達を殺そうとする。

それを制止したシーザーは、殺し合いを止めて武器を武器庫に戻すよう命ずる。

シーザーを殺すと脅すアルドーは、猿は猿を殺さない、当然、子猿もだとヴァージルに言われる。

枝は折れたのではなく切られていたとヴァージルに言われたアルドーは、崇高な掟を破ったことを猿達に責められる。

猿は猿を殺してもいいと言いながら迫る猿達から逃れ大木に登ったアルドーは、追ってきたシーザーに剣を振りかざすものの、突き落とされて死亡する。

復讐であれば殺しも許されるかをヴァージルに聞いたシーザーは、未来が決めることであり、それを再建するべきだと言われて人間を解放する。

平等に扱われ尊敬し愛し合って暮らしたいと言うマクドナルドは、完全に解放してほしいと伝える。

人間の愛は死につながると答えるシーザーは、アルドーは人間ではなかったとヴァージルから言われて納得する。

解放されたマクドナルドは、望み通りの未来が築けるかをシーザーに聞かれ、そうなると答える。

武器が戻ったマンデマスは、この場に長く住み過ぎたので、破壊したいことをシーザーに伝える。

シーザーは、辛抱強く考えるべきだと言ってマンデマスを説得する。
__________

2670年。
立法者は語る。

シーザーの死後600年、彼の考えは未だに続き、猿と人間は友好的に暮らし、希望を抱き未来を待っている。

未来は誰にも分らないと子供に言われた立法者は、故人には分かるだろうと伝える。

それを見守るシーザーの石像の左目から涙が流れる。


解説 評価 感想

参考:
・「猿の惑星」(1968)
・「続・猿の惑星」(1970)
・「新・猿の惑星」(1971)
・「猿の惑星・征服」(1972)
・「最後の猿の惑星」(1973)
————————-
・「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001)
————————-
・「猿の惑星:創世記」(2011)
・「猿の惑星:新世紀」(2014)
・「War of the Planet of the Apes」(2017)

*(簡略ストー リー)
2000年代初頭。
シーザーが”猿の惑星”の誕生を宣言してから約10年後。
核戦争後、争いを止めた猿と人間の生き残りは共同生活をしていた。
人間の補佐マクドナルドから、両親コーネリアスとジーラの映像が残っていることを知らされたシーザーは、禁断地帯である廃墟となった都市に向かう。
その場で両親の映像を確認し、消滅する地球の未来を知ったシーザーは、放射能の影響を受けたミュータント化した人間に襲われる。
人間の統治者コルプは、かつて対面していたシーザーが地球の未来の脅威になると考え、彼らの町への攻撃を決意する。
禁断地帯から逃れたシーザーは、交戦的なゴリラのリーダー、アルドーの扱いに梃子摺りながら、ミュータントとの戦いに備える・・・。
__________

人類滅亡と地球の消滅が描かれる、壮大なシリーズの最終作。

内容はともかく、最終章を飾る物語して、それを語るオランウータンの長老に扮するジョン・ヒューストン、また、指導者に忠誠を誓い武器保管庫を管理するリュー・エアーズなどが登場し、重厚な雰囲気をだそうとしている努力は窺える。

前作でスケール感がなくなり、それをカバーしようとする激しい戦いなどで見せ場はあるものの、共存、平和、そして戦い、復讐が入り混じる、焦点が定まらない内容が気になる。

前作に続くJ・リー・トンプソンの演出も平凡で、1970年代初頭の作品ということを考慮しても、戦いのシーンを含めてB級作品的であり、心なしか、猿のメイクも以前の作品よりも質が落ちたようにも思える。

猿と人間が共存する社会の指導者ロディ・マクドウォール、彼に反抗する好戦的なゴリラのリーダー、クロード・エイキンス、主人公の妻ナタリー・トランディ、ミュータントの統治者で前作にも出演したセヴァーン・ダーデン、武器庫を守るオランウータンのリュー・エアーズ、オランウータンの有識者ポール・ウィリアムズ、物語を語るオランウータンの立法者ジョン・ヒューストン、主人公の補佐である人間のオースティン・ストーカー、教師ノア・キーン、ミュータントの統治者の補佐ポール・スティーヴンズフランス・ニュイエン、指揮官リチャード・イーストハム、主人公の召使いコリーン・キャンプ、映像としてキム・ハンターエリック・ブリーデンルー・ワグナー、そして、ジョン・ランディスが端役出演している。


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