再開発のため立ち退きを迫られたビルの住民が宇宙から飛来した飛行体の協力を得て抵抗する姿を描く、 製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ、監督、脚本マシュー・ロビンス、主演ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディ、フランク・マクレー、エリザベス・ペーニャ他共演のSFファンタジー・コメディ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:マシュー・ロビンス
製作:ロナルド・L・シュワリー
製作総指揮
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ
原案:ミック・ギャリス
脚本
マシュー・ロビンス
ブレント・マドック
S・S・ウィルソン
ブラッド・バード
撮影:ジョン・マクファーソン
編集:シンシア・シェイダー
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
フランク・ライリー:ヒューム・クローニン
フェイ・ライリー:ジェシカ・タンディ
ハリー・ノーブル:フランク・マクレー
マリサ・エステヴァル:エリザベス・ペーニャ
カルロス:マイケル・カーマイン
メイソン・ベイラー:デニス・ボウトシカリス
コヴァックス:ジョン・パンコウ
レイシー:マイケル・グリーン
シド・ホーゲンソン:トム・アルドリッジ
ミュリエル・ホーゲンソン:ジェーン・ホフマン
ガス:ジョン・ディサンティ
トンプソン夫人:ドリス・ベラック
パメラ:ウェンディ・シャール
見物人:ルイス・ガスマン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1987年製作 107分
公開
北米:1987年12月18日
日本:1987年12月25日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $32,945,800
世界 $65,088,800
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、イースト・ヴィレッジ。
再開発が進む中、古いビルの一階で数十年もカフェを営むフランク・ライリー(ヒューム・クローニン)は、亡くなった息子ボビーが生きていると信じる妻フェイ(ジェシカ・タンディ)の姿が見えないために彼女を捜す。
買い物に出かけたと言って戻ってきたフェイは、工事業者のガス(ジョン・ディサンティ)をボビーだと思うものの、ビルの住人で友人のミュリエル・ホーゲンソン(ジェーン・ホフマン)から違うと言われ、彼女の夫シド(トム・アルドリッジ)と話をする。
住人の妊婦マリサ・エステヴァル(エリザベス・ペーニャ)は、立ち退きを迫るカルロス(マイケル・カーマイン)から、現金を渡すと言われながら嫌がらせをされる。
カルロスは、売れない画家のメイソン・ベイラー(デニス・ボウトシカリス)の恋人パメラ(ウェンディ・シャール)や、引退した元ボクシングのチャンピオン、ハリー・ノーブル(フランク・マクレー)の部屋にも押し入って脅す。 カフェに向かい、フランクらにも強引に金を渡して立ち退かせようとしたカルロスだったが、二度と来るなと言われたために店を壊す。 リムジンを止めたフランクだったが、開発業者のレイシー(マイケル・グリーン)の部下であるコヴァックス(ジョン・パンコウ)から、金を受け取れと言われただけで相手にされない。 その後、警察に相談しても何も対処しようとしないため、フランクは苛立つ。 上階に住む売れない画家のメイソン・ベイラー(デニス・ボウトシカリス)は、ビルを歴史保存物にすることを考えるものの、人の住めない建物は無理だと市側から言われる。 部屋に戻ったメイソンを見限ったパメラは、彼の元を去る。 ニュージャージーの老人ホームに入る決心をしたシドとミュリエルも、フランクに別れを告げて引っ越してしまう。 フランクは、長年フェイの世話をしてくれたミュリエルの代わりをすることになる。 マリサは、窓から絵を捨てるメイソンが気になる。 フェイを寝かせたフランクは疲れ果て、誰かに助けを求めて呟く。 その後、小型宇宙船のような飛行体が飛来し、フェイとフランクが寝ている部屋を調べ、仲間を呼び寄せる。 飛行体は夫婦で、バッテリーが切れかけているメスは、コンセントで充電して元気を取り戻す。 部屋の中が騒がしいことで目覚めたフェイは、床に落ちていた昔の写真を立てかけて、トースターが外に出て階段を上がったためにそれを追う。 屋上に向かったフェイは、息子が飼っていた鳥小屋に様々なものが集められていることと、飛行体に気づく。 翌朝、フェイの様子がおかしいために老人ホームに電話をしようとしたフランクは、古い写真が新しくなっていることに気づき電話を切る。 写真のことをフェイに尋ねようとしたフランクだったが、彼女の姿は見えなかった。 ハリーは、タイルが宇宙船のように並べられていることに気づき、絵がゴミ収集車に回収されたことを知ったメイソンは、カルロスが壊したドアが直っていたために驚く。 誰かが部屋に入ったと言うマリサに自分の部屋もだと伝えたメイソンは、妖精かもしれないと伝える。 そこに現れたフランクは、マリサとメイソンと共に屋上に向かい、何かに餌を与えているフェイを部屋に戻そうとする。 自分達のものが鳥小屋にあるとマリサとメイソンから言われたフランクは、フェイが人の部屋に入り持ってきたと思い彼女を責める。 写真が新しくなっていることをフェイに問い詰めたフランクだったが、気を遣うメイソンとマリサから、もういいと言われる。 自分のコーヒー・ポットをとろうとしたメイソンは、感電して鳥小屋から放り出される。 何もわかっていないと言うフェイは、フランクの懐中時計を壊す。 そこに二体の飛行体が現れて懐中時計を直してしまい、その後フランクは、店も元通りになっていたために驚く。 カフェでフランクとフェイが楽しく踊る姿を見たコヴァックスは、カルロスに電話をする。 フランクらは、飛行できる飛行体についての情報を集めようとする。 カルロスは、壊したはずのカフェの内部が元通りになっていることを確認する。 フランクらは、部屋に来た飛行体のメスが、コンセントから充電していることに気づく。 警察を呼ぼうとしたメイソンだったが、そこに現れたカルロスは飛行体に襲われ、からかわれているとも知らずに屋上に向かう。 メイソンからやめた方がいいと言われながらも、鳥小屋の自分のバットを取ろうとしたカルロスは感電して驚き、その場から逃げる。 その夜、飛行体のオスを調べたメイソンは、取れた部品が自分のポットの一部だと気づく。 飛行体この場に来た理由を考えるメイソンは、フランクから、自分とフェイが助けが欲しいと願ったからだと言われる。 奇跡というものは、理由をあれこれ考えると消えてしまうと、フランクはメイソンに伝える。 フェイのアルバムのを見ながら彼女と話すマリサは、子供はいいものだと言われる。 その夜、フランクらは屋上まで電源コードを引き、飛行体に電気を与える。 飛行体の世話をすマリサとメイソンは、親交を深めるようになる。 妊婦なのに医者に行っていないと言うマリサが、ミュージシャンの恋人が戻ってくると考えているためにメイソンは驚く。 自分も絵を描いているのをメイソンに知られたくないマリサは、彼を部屋に入れようとせず、飛行体が来たのはあなたのせいかもしれないと伝える。 自分に何が起きたのか分からないカルロスは、仲間達にからかわれる。 その夜、飛行体の電気の供給によりヒューズがとんでしまい、ビルは停電する。 ハリーがそれを直して電気は供給され、飛行体のメスは双子を産む。 フランクらは感激し、飛行体の家族を守り抜くことを誓う。 次の瞬間、メスはもう一体の子供を産むものの動かなかった。 翌朝、フェイはその子供を埋葬し、パーツを寄せ集めたメカだと言うメイソンの言葉に、マリサは気分を害してしまう。 自分の子供が心配だと言うマリサは、謝罪するメイソンに、あなたには関係ないことだと伝えて部屋に戻る。 埋葬された子供を部屋に持ち帰ったハリーは、テレビの部品を利用して直そうとする。 その後、フランクのカフェは繁盛し、フェイや飛行体も手伝う。 フェイは、双子にフロッサムとジェッサムという名前を付ける。 忙しくて相手にしていられないフランクは、飛行体を家族と思うべきだと言うフェイの好きなようにさせる。 屋上の鳥小屋を調べたコヴァックスは、幽霊か何かがいると言うカルロスに、期限までに全員を追い出すよう指示する。 カフェに現れたカルロスを息子のボビーだと思うフェイは、気が変だと言われてしまう。 その頃、ハリーは、飛行体の子供を生き返らせることに成功する。 食料品を買ってマリサの部屋に向かったメイソンは、彼女が絵を描くことを知り驚く。 マリサが自分を描いてくれていたために、メイソンは嬉しく思う。 レイシーの元に向かったカルロスは、他の方法を考えていると言われるものの、ビルの住人を立ち退かせて見せると伝える。 メイソンが描いてくれた裸体に驚いたマリサは、恋人のヘクターが戻ったために喜ぶ。 その夜、くつろいでいたフランクとフェイは、死んだはずの子供をハリーが生き返らせたことを知る。 酔ったメイソンは部屋に戻り、その場にいたマリサから、ヘクターはシカゴに発ったと言われる。 マリサから自分は行くつもりはないと言われたメイソンは、彼女との愛を確かめる。 地下室に侵入したカルロスは、水道管と配電盤などを壊してしまう。 それに気づいたフランクらは直そうとするが、飛行体のオスがカルロスに斧で殴られてしまう。 逃げようとしたカルロスはハリーに叩きのめされ、放り出された彼を息子のボビーだと思うフェイに、フランクはチンピラだと伝えて言い聞かせる。 ボビーは死んだと言われたフェイは、怒鳴って叱ってばかりいたフランクから、息子のボビーは逃げ出したかっただけだと伝えて部屋に戻る。 ”タイムズスクエア”。 ハリーは、笛を使い慣らしていた子供達を拡声器で呼び寄せる。 屋上でメスがオスを直したことを知ったフェイは、子供達を捜しに行くよう指示する。 ハリーは、迎えに来た飛行体の両親の元に子供を返してやるようにとフランクから言われる。 レイシーから命ぜられた男がビルに火を点けようとしたことを知ったカルロスは、自分がやると言ってガス管を壊す。 誰もいないはずだったビルにフェイがいることを知ったカルロスは、直に爆発すると言う男を叩きのめす。 4階の物置に発火装置があると言われたカルロスはフェイの部屋に向かい、その場から動こうとしない彼女に自分を息子だと思わせる。 カルロスが息子ではないことに気づいたフェイは部屋に戻り鍵をかけてしまい、18歳だった息子が事故死した新聞記事を見つめる。 発火装置の元に向かったカルロスだったが間に合わず、爆発が起きてビルは出火する。 フェイの部屋に戻り彼女を助けたカルロスは、非常階段を下りて駆け付けた消防士に救われる。 ビルが出火していることに驚くフランクは、救急車で運ばれるフェイに付き添う。 その後も火は収まらず、ビルは倒壊してしまう。 翌朝、ハリーはビルの焼け跡に座り込み動こうとせず、コヴァックスから瓦礫を片づけるよう指示された作業員のガスは、ハリーがどくまで仕事はしないと言い張る。 夜になり、ハリーは、飛行体が仲間を連れて戻って来たことに気づく。 シドとミュリエルがいるホームに行くことをフェイに伝えたフランクは、見舞いに現れたカルロスをボビーだと言って喜ばせようとする。 息子が事故死したことを知っていたフェイは涙し、フランクは彼女を抱きしめる。 病院に現れた警官は、その場で夜を明かしたマリサとメイソン、そして、フランクとフェイを連れてビルに向かう。 ビルが建て替えられていることを知ったフランクは驚き、屋上から手を振るハリーに気づき、飛行体が戻ってくれたとフェイに伝える。 記者からコメントを求められたレイシーは火事があったことを否定し、コヴァックスをクビにする。 フランクらは自分の部屋に戻る。 その後、開発は予定通り行われ高層ビルが建つものの、フランクらのビルは残る。
...全てを見る(結末あり)
飛行体の子供達が姿を消したために捜しに行ったフランクらは、ハリーが拡声器を持ってビルの屋上に上がったことに気づく。
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、イースト・ヴィレッジ。
再開発が進む中、古いビルの一階で数十年もカフェを営むフランク・ライリーは、交通事故で亡くなった息子が生きていると思い込む妻フェイの世話と、開発業者のレイシーに立ち退きを迫られる日々により疲れ切っていた。
そんな時、宇宙から飛来した飛行体の夫婦が、フランクやフェイ、そして住民達の部屋に侵入する。
電気をエネルギーにしている飛行体に気づいたフェイは、二体をかわいがる。
レイシーの部下であるカルロスの嫌がらせに遭い店を壊されたフランクだったが、飛行体がそれを元通りにしてくれたために奇跡が起きたと考える。
フランクは、元ボクシング・チャンピオンのハリー、妊婦のマリサ、画家のメイソンら住人と共に、子供が生まれた飛行体の協力を得て開発業者に抵抗しようとするのだが・・・。
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スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディが製作総指揮、彼らの盟友とも言えるマシュー・ロビンスが演出と脚本を担当した”アンブリン・エンターテインメント”の製作作品として注目された。
エイリアンと人類との接近遭遇がテーマの作品だが、生命体ではなく宇宙船に似たメカでできた飛行体との親交を描いた物語である。
極悪人のような開発業者の嫌がらせに屈しない弱者の願いと共に、飛来した飛行体が起こす奇跡を描く内容がファンタジック且つコミカルに描かれ、勇気や正義を感じさせる力強さやヒューマニズム溢れる物語は、あらゆる年代が楽しめる内容となっている。
頑固なカフェのオーナーを熱演するヒューム・クローニンとその妻を演ずるジェシカ・タンディは、実生活でもおしどり夫婦として知られているため、演技とは思えない夫婦愛がファンの胸を打つ。
”アンブリン”の製作作品だけあり、特殊効果などに手抜きはなく、ジェームズ・ホーナーの軽快な音楽も印象的だ。
ビルの住人である心優しい巨漢の元ボクシング・チャンピオン、フランク・マクレー、住人の妊婦エリザベス・ペーニャ、彼女と親交を深める画家のデニス・ボウトシカリス、開発業者(マイケル・グリーン)の部下(ジョン・パンコウ)に雇われて住人に立ち退きを迫るマイケル・カーマイン、住人の老夫婦トム・アルドリッジとジェーン・ホフマン、作業員のジョン・ディサンティ、メイソン(デニス・ボウトシカリス)の恋人ウェンディ・シャール、他ドリス・ベラック、ルイス・ガスマンなどが共演している。