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バットマン・リターンズ Batman Returns (1992)

ティム・バートン独特の映像感覚が受けて、世界中で大ヒットした「バットマン」(1989)の続編。
監督ティム・バートン、主演マイケル・キートンダニー・デヴィートミシェル・ファイファークリストファー・ウォーケン共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー

ティム・バートン / Tim Burton 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ティム・バートン

製作総指揮
ベンジャミン・メルニカー

マイケル・E・ウスラン
ピーター・グーバー
ジョン・ピーターズ
製作
ティム・バートン

デニーズ・ディ・ノヴィ
ラリー・J・フランコ
原案
ボブ・ケイン

ビル・フィンガー
原作
ダニエル・ウォーターズ

サム・ハム
脚本
ダニエル・ウォーターズ

撮影:ステファン・チャプスキー
編集
クリス・レベンゾン

ボブ・バダミ
音楽:ダニー・エルフマン

出演
ブルース・ウェイン/バットマン:マイケル・キートン

オズワルド・コブルポット/ペンギン:ダニー・デヴィート
セリーナ・カイル/キャットウーマン:ミシェル・ファイファー
マックス・シュレック:クリストファー・ウォーケン
アルフレッド・ペニーワース:マイケル・ガフ
ジェームズ・ゴードン警視総監:パット・ヒングル
ゴッサム市長:マイケル・マーフィー
チャールズ”チップ”シュレック:アンドリュー・ブリニアスキー
オルガン師:ヴィンセント・スキャヴェリ
氷の女王:クリスティ・コナウェイ
タッカー・コブルポット卿:ポール・ルーベンス

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1992年製作 126分
公開
北米:1992年6月19日
日本:1992年7月11日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $162,744,850
世界 $282,800,000


アカデミー賞 ■
第65回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果・メイクアップ賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
タッカー・コブルポット卿(ポール・ルーベンス)の屋敷で、奇形児として生まれた赤ん坊が川に捨てられる。

やがて、赤ん坊は、ペンギン達が生息する下水道へと流されていく。

33年後、ゴッサム・シティ。
街はクリスマスを迎えようとしていたが、怪人”ペンギン”(ダニー・デヴィート)率いる一団”サーカス党”が、人々を恐怖に陥れていた。

バットシグナルを確認したブルース・ウェイン(マイケル・キートン)は、バットマンに変身して現場に急行し、ペンギンの手下を一掃する。

しかし、街の実力者マックス・シュレック(クリストファー・ウォーケン)が誘拐され、ペンギンのアジトに導かれる。

シュレックの前に現れたペンギンは、彼の弱みを握って脅迫し、人間として生まれた自分の身の上を調べさせようとする。

シュレックは、ゴッサム・シティの電力を独り占めにしようと企んでいたが、それを、秘書のセリーナ・カイル(ミシェル・ファイファー)に知られ、彼女をビルから突き落としてしまう。
...全てを見る(結末あり)

しかしセリーナは、集まって来た猫達の力により死を免れ、体内に異常を来たし、内気だった彼女の性格は一変する。

そしてセリーナは、魔性の女”キャットウーマン”として生まれ変わり、シュレックへの復讐を誓う。

一方ペンギンは、市長(マイケル・マーフィー)の子供を救ったかに見せて同情を買い、シュレックにも協力させて、自分の両親と出生の秘密を知ろうとする。

その頃、ブルースは、自分に似た境遇のペンギンに興味を持ち始める。

その後、資料館で両親を探り当てたペンギンは、二人の死を知り、墓前で祈りを捧げる。

自分に注目する人々に対して、”オズワルド・コブルポット”という”人間”であることを明らかにしたペンギンは、両親を許すことも付け加える。

同じ頃キャットウーマンが街に現れ、暴漢に襲われそうになった女性を助け、彼女に隙があり過ぎると警告する。

ペンギンとシュレックの行動を怪しんだブルースは、様子を探るためにシュレックの元に向う。

そこに死んだはずのセリーナが現れ、シュレックは驚いてしまう。

強かなシュレックは、今や人気者になったペンギンを市長に担ぎ上げ、街を支配しようと考える。

街で悪事を働く、”サーカス党”退治をしていたバットマンは、そのリーダーのペンギン、そしてキャットウーマンに出くわすが、決着をつけるには至らなかった。

その後、ペンギンはキャットウーマンと共謀して、バットマンを悪者に仕立て上げようとする。

街でセリーナに出くわしたブルースは、彼女を屋敷に誘うが、自分が氷の女王(クリスティ・コナウェイ)の誘拐犯だという報道を聞いて街に向かう。

それを阻止するため、セリーナもキャットウーマンに変身して誘拐現場に向かい、氷の女王を連れ去る。

氷の女王は、現れたペンギンによりビルから落とされて、それがバットマンの仕業にされる。

その間、サーカス党の一味はバットモービルに細工して、運転するバットマンは制御不能となる。

ペンギンが、バットモービルを遠隔操作して街を混乱させるが、バットマンは制御装置を外す。

その後、バットマンはペンギンの選挙演説を妨害して、彼が市民や街を非難する音声を流し、今度はペンギンが市民の敵になってしまう。

シュレック主催のパーティーに出席したブルースは、その場にいたセリーナが、シュレックを殺そうとしていることを知る。

その時、爆発と共にペンギンが現れ、街の子供達をさらい、自分と同じ運命をたどらせることを告げる。

そしてペンギンは、シュレックの息子チップ(アンドリュー・ブリニアスキー)を連れ去ろうとする。

しかし、シュレックが身代わりになりペンギンと下水のアジトに向かい、サーカス党のオルガン師(ヴィンセント・スキャヴェリ)らが街の子供を浚う。

バットマンが、それを阻止したことを知ったペンギンは激怒して、ミサイルを背負ったペンギン軍団を街中に放つ。

それをバットマンに妨害され、ペンギン軍団はアジトに引き返してしまう。

ペンギンはアジトを脱出するが、現れたバットマンに地下に落とされ、ペンギン軍団のミサイル攻撃に遭ってしまう。

捕らえられていたシュレックは脱出しようとするが、キャットウーマンに襲われ、そこにバットマンも現れる。

バットマンはシュレックを殺さず、警察に引き渡そうととして自分の正体をキャットウーマンに明かす。

しかし、キャットウーマンはそれを無視してシュレックを感電死させ、彼女は闇の中に姿を消す。

瀕死のペンギンはバットマンの前で息絶え、他のペンギン達によって水中に葬られる。

その後、ブルースはセリーナを捜すものの見つからずに、キャットウーマンに変身した彼女は、その夜も、発せられたバットシグナルを見つめる。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「バットマン」(1989)
・「バットマン・リターンズ」(1992)
・「バットマン・フォーエヴァー」(1995)
・「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997)
・「バットマン ビギンズ」(2005)
・「ダークナイト」(2008)
・「ダークナイト ライジング」(2012)

*(簡略ストー リー)

ゴッサム・シティは、怪人ペンギン率いるサーカス党の恐怖にさらされ、今日もバットシグナルを発してバットマンを呼び寄せる。
街の実力者シュレックは、ペンギンに捕らえられて弱みを握られ、彼の出生の秘密を探る手助けを強要される。
街の電力を独り占めにしようとしたシュレックは、それを秘書セリーナに知られて、彼女を殺害する。
しかし、猫の魔力により死を免れたセリーナは、凶暴な”キャットウーマン”に生まれ変わる。
そしてブルース(バットマン)は、街の不穏な動きに気づき、市民を味方にしたペンギンやシュレックに探りを入れようとするが、そこに、キャットウーマンが絡んだ新たなトラブルが発生する・・・。
__________

ティム・バートンの、その特異な世界観は、前作をも上回る異様さを放つ。

しかし、前作の2倍以上に増えた製作費にも拘らず、興行収入は、北米、全世界共に30%以上も減ってしまう結果となった。

北米興行収入 $162,744,850
世界 $282,800,000

第65回アカデミー賞では、視覚効果、メイクアップ賞にノミネートされた。

主役のバットマンよりも、敵役に重点が置かれているストーリーで、ペンギンはかなりグロテスクだが、対照的にキャットウーマンは洗練されている。

この役は当初アネット・ベニングが予定されていたが、彼女が妊娠したために降板した。

巨額な製作費を使い、当時としては画期的なCGがふんだんに使われている。

前作は準主役だったマイケル・キートンは、本作では主役なのだが、今回も強烈なキャラクター、ペンギンとキャットウーマンの迫力に押されている感じがする。

しかし、ハチャメチャなコメディからシリアスなドラマまでこなす芸幅の広さを証明する、控えめで落ち着いた雰囲気の知的な”紳士”も、なかなか板についている。

賛否両論の、悪く言えばおぞましくも見えるペンギン役のダニー・デヴィートだが、小柄で小太りの彼の体型がペンギンのイメージによく合い、アカデミー賞候補にもなった見事なメイクで、主演と言っていいほどの奮闘を見せる。

それを上回る熱演を見せる、キャットウーマン役のミシェル・ファイファーが、本作では最も印象に残る。
微妙に雑な縫い目のボディスーツとマスクのセンスの良さがポイントで、素顔の彼女よりも、マスクをつけている方が魅力的にも見える。
ラストシーンも、彼女の後ろ姿で終わるところなどが、製作者側の、このキャラクターへの入れ込みようがよく分かる。

クリストファー・ウォーケンは、存在感はあるものの、とてつもない大悪党でもないところが彼らしいとも言える。

今回も、作品に一味加えるキャラクターとして印象的なマイケル・ガフ、殆ど出番がなかった警視総監役のパット・ヒングル、少ない登場場面でも怪演を見せる、サーカス党の一員ヴィンセント・スキャヴェリ、市長のマイケル・マーフィー、シュレック(C・ウォーケン)の息子アンドリュー・ブリニアスキー、ペンギンの父親ポール・ルーベンスなどが共演している。


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