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世紀の女王 Bathing Beauty (1944)

天才コメディアンのレッド・スケルトンと美貌を誇る元水泳選手のスター、エスター・ウィリアムス主演、監督ジョージ・シドニーベイジル・ラズボーンハリー・ジェームス共演のラブ・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・シドニー

製作:ジャック・カミングス
原作
ケネス・アール
M・M・マッセルマン
カーティス・ケニヨン
脚本 
ドロシー・キングスレイ
アレン・ボレツ
フランク・ウォルドマン
脚色:ジョセフ・シュランク
編集:ブランシュ・セーウェル
撮影:ハリー・ストラドリング
美術 
セドリック・ギボンズ
ステファン・グーソン
音楽:ジョニー・グリーン

出演
スティーヴ・エリオット:レッド・スケルトン

キャロライン・ブルックス:エスター・ウィリアムス
ジョージ・アダムス:ベイジル・ラズボーン
ジーン・アレンウッド:ジーン・ポーター
クリントン学長:ナナ・ブライアント
本人:ハリー・ジェームス
本人:ザヴィア・クガート
本人:ヘレン・フォレスト
本人:カルロス・ラミレス
ウィル・エヴァンス:ビル・グッドウィン
マダム・ザルカ:アン・コディー
音楽教師:エセル・スミス
ヘンドリックス教授:フランシス・ピエーロ
チェスター・クラゼンフランツ:ドナルド・ミーク
マリア・ドランゴ:ジャクリーヌ・ダルヤ

アメリカ 映画
配給 MGM

1944年製作 101 分
公開
北米:1944年6月27日
日本:1952年1月24日
製作費 $2,361,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
作曲家のスティーヴ・エリオット(レッド・スケルトン)は、大学の水泳講師キャロライン・ブルックス(エスター・ウィリアムス)に心奪われ、仕事が手に付かない。

ショーのプロデューサー、ジョージ・アダムス(ベイジル・ラズボーン)は、スティーヴに作曲を依頼していた。

しかし、スティーヴが、ショーの仕事はさて置き、引退してキャロラインと結婚するつもりだということを知る。

アダムスは、スターにしてあげると約束していた、若いダンサーのマリア・ドランゴ(ジャクリーヌ・ダルヤ)を利用して、スティーヴとキャロラインの仲を引き裂こうとする。
...全てを見る(結末あり)

そして、二人の結婚式の日、スティーヴが自分の夫だと言って、マリアが子供まで引き連れて現れる。

ショックを受けたキャロラインは、式の最中にも拘らず、その場を立ち去ってしまう。

キャロラインが、ニュージャージーの”ヴィクトリア大学”に戻ってしまったことを知ったスティーヴは、大学に入学してでも彼女に会おうとするが、そこが、男子禁制だということを知る。

とりあえず、友人ハリー・ジェームスの出演するクラブに行ったスティーヴは、その場で、弁護士チェスター・クラゼンフランツ(ドナルド・ミーク)に出会う。

スティーヴは、クラゼンフランツから、大学の規則についての話でヒントを得て、翌日、入学手続きのために大学に向かう。

大学にスティーヴが現れたのを知り、キャロラインが対応を任される。

久し振りの、キャロラインとの再会に心躍るスティーヴだったが、彼女は断固入学を拒否する。

しかし、スティーヴは、規則では男子も入学できることを主張する。

クリントン学長(ナナ・ブライアント)はそれを認め、仕方なく2週間の仮入学期間を許可し、その間、スティーヴに不適正があれば、入学を認めないことにする。

皆で協力して、スティーヴを放校処分にすることがクリントン学長の狙いで、キャロラインは胸を撫で下ろす。

一応入学を許可されたスティーヴは、学生寮が満室という理由で、荒れ果てた物置を宿舎に当てられる。

そこに案内されたスティーヴは、キャロラインに思いを寄せる、植物学の教授ウィル・エヴァンス(ビル・グッドウィン)の存在を知る。

学内では、ジーン・アレンウッド(ジーン・ポーター)らが、内緒で音楽教師(エセル・スミス)のオルガン演奏を聴き、大いに盛り上がっていた。

そこに、有名な作曲家でもある、スティーヴが入学したという知らせが入り、女子学生は早速、彼の宿舎に向かい、陽気なスティーヴは人気者になる。

そしてスティーヴは、ヘンドリックス教授(フランシス・ピエーロ)の音楽の講義の最中、居眠りをしてしまい、翌日までに編曲をするよう命ぜられる。

翌日スティーヴは、職員一同が集まるホールの舞台に立たされ、曲を披露することになる。

スティーヴは、友人ハリー・ジェームスのバンドや、カルロス・ラミレスを呼び寄せ、ジーンの協力で見事な曲で会場の喝采を浴び、ヘンドリックス教授から、”A”の成績をもらう。

やがてキャロラインも、女子学生の人気の的となったスティーヴの存在を無視できなくなるが、素直にそれを受け入れられない。

キャロラインは、悩み事の相談に来たスティーヴの前で、わざとエヴァンス教授と親しげな態度をしたりもする。

そんな時、アダムスがスティーヴの宿舎に現れ、彼に新曲の催促をする。

しかしスティーヴは、キャロラインを失ってから作曲が手につかづ、結局は、アダムスに学業の手伝いをしてもらい作曲をすることになる。

そんなスティーヴは、友人である、ラテン音楽楽団のリーダー、ザヴィア・クガートに、自分の妻だと名乗ったマリアの捜索を依頼していたが、彼女の正体は不明だった。

スティーヴが落第点に達しないことを知り、どうにかして彼を退学させようとする大学側は、マダム・ザルカ(アン・コディー)”リトミック”の授業に望みを賭ける。

しかしスティーヴは、”リトミック”を利用したバレエの授業も苦労しながらなんとかパスする。

父兄会が翌日に迫り、スティーヴの件をどうするかを思案するクリントン学長は、キャロラインに、彼を誘わせて、門限を破らせ放校処分にする作戦に出る。

スティーヴをクラブに誘ったキャロラインは、ハリー・ジェームスの演奏とヘレン・フォレストの歌をバックにスティーヴと踊る。

そしてキャロラインは、自分を愛する彼の姿を見て、次第に心が痛み始める。

その頃、スティーヴを騙したものの、その後アダムスから声のかからないマリアがクラブに現れる。

アダムスは驚きマリアを部屋に閉じ込めるが、彼女はスティーヴが”ヴィクトリア大学”にいることを知り、部屋を抜け出し大学に向かう。

大学の校門では、エヴァンスが待ち構えていたが、誤解の解けたスティーヴとキャロラインは、仲良く大学に戻る。

大学がどうでもよくなったスティーヴは、荷造りして抜け出そうとするが、女子学生の儀式に参加させられそうになる。

そこにマリアが現れ、運悪くキャロラインまで現れたため、スティーヴは女子学生とマリアを隠す。

さらにカルロスまで現れ、ジーンやアダムスまでもがスティーヴの部屋に押し入って来る。

クリントン学長もジーンの両親を連れて、放校になったはずのスティーヴの部屋に誰もいないことを確認する。

しかし、キャロラインは、部屋に戻ってきたクリントン学長らがマリアに気づき、再びスティーヴは疑われてしまい大騒動になる。

失意のスティーヴは、キャロラインのことが忘れられず、アダムスに、彼女を水中レビューの主役にすれば新曲を作ることを約束する。

アダムスはそれを了承し、マリアから全てを聞いたキャロラインは、スティーヴに謝罪する。

そして、キャロラインの水中レビューは大成功し、彼女とスティーヴは幸せを手に入れる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
作曲家のスティーヴ・エリオットは、大学の水泳講師キャロライン・ブルックスに熱を上げて仕事が手に付かない。
ショーのプロデューサー、アダムスは、仕事をさて置き、スティーヴが、引退してキャロラインと結婚するつもりだということを知る。
アダムスは、若いダンサー、マリアをスターにしてあげると言いくるめ、二人の仲を引き裂こうとする。
二人の結婚式の日、マリアは、スティーヴが自分の夫だと言って子供まで引き連れて現れ、ショックを受けたキャロラインは、式の最中に姿を消してしまう。
キャロラインが、大学に戻ってしまったことを知ったスティーヴは、男子禁制のその大学に入学する方法を考える。
大学でキャロラインと再会したスティーヴは、当然、入学を拒否されるのだが、規則では、男子も入学できることを主張し、クリントン学長はそれを認め、彼の仮入学は許可されることになるのだが・・・。
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ラテンのリズムで始まる、派手なオープニング。

いきなり登場するハリー・ジェームスや、一流ミュージシャンの素晴らしいパフォーマンスに圧倒されてしまう。

そして、弱冠30歳のレッド・スケルトンの笑顔と、美しさが際立つエスター・ウィリアムスの水中レビューが、冒頭から見れるだけでも大満足な作品。

レッド・スケルトンだけの出演でも、十分に楽しめるストーリーに、エスター・ウィリアムスをはじめ、ハリー・ジェームスヘレン・フォレスト、ザヴィア・クガート、カルロス・ラミレス、そして、エセル・スミスなどの、超一流エンタテナー出演は、当時のMGMの底力を見せつけているようだ。

エスター・ウィリアムスのために作られた、巨大プールで繰り広げられる、クライマックスのスケールの大きな、絢爛豪華な水中レビューは圧巻だ。

本作がアメリカで公開されたのは1944年6月27日で、ヨーロッパでは第二次世界大戦の勝敗の行方を決する、ノルマンディー上陸作戦の直後だった。
同じ時期に公開された名作「我が道を往く」(1944)も同様、アメリカ本土では、何事もなかったかのように、このような傑作が何本も作られていたことを思うと驚くばかりだ。

大柄なレッド・スケルトンの、コミカルで人懐っこいキャラクターは、見ていて幸せな気分にさせてくれるほど楽しい。

水泳選手から転身したエスター・ウィリアムスの、可愛らしさに加えた美貌は親しみもあり、スクリーンの中で輝いて見える。

エスター・ウィリアムスは、デパートで働きながらハイスクールに通い、水泳選手として活躍して、大学入学後に世界記録も作り、中止になった1940年のオリンピック東京大会出場が決まっていたが、サンフランシスコの万博の催しに参加するため、オリンピック選手を辞退し、その時の水中レビューがMGMのスカウトの目にとまり、映画界入りした。

騒動のきっかけを作る、ショーのプロデューサー、ベイジル・ラズボーン、主人公の恋敵ビル・グッドウィン、陽気な女子学生のジーン・ポーター、学長のナナ・ブライアント、教授陣のアン・コディーフランシス・ピエーロ、弁護士ドナルド・ミーク、そして、騒ぎを起す女優志願のジャクリーヌ・ダルヤなどが共演している。


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