青年と恋に落ちて結婚した中年女性が真実の愛を掴むまでを描く、監督ロバート・アルドリッチ、主演ジョーン・クロフォード、クリフ・ロバートソン、ヴェラ・マイルズ、ローン・グリーン他共演のラブ・ロマンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・アルドリッチ
製作:ウィリアム・ゲーツ
脚本
ルイス・メルツァー
ロバート・ブリース
ジャン・ルヴロル
ヒューゴ・バトラー
撮影:チャールズ・ラング
編集:マイケル・ルチアーノ
音楽:ハンス・J・ソルター
主題曲:ナット・キング・コール
出演
ミリー・ウェザビー:ジョーン・クロフォード
バート・ハンソン:クリフ・ロバートソン
ヴァージニア・ハンソン:ヴェラ・マイルズ
ハンソン:ローン・グリーン
リズ・エッカート:ルース・ドネリー
マルコム・カズンズ医師:シェパード・ストラドウィック
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1956年製作 106分
公開
北米:1956年8月1日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
自宅でタイピストをしている中年女性のミリー・ウェザビー(ジョーン・クロフォード)は、顧客から、その仕事振りを喜ばれてコンサートのチケットを貰う。
ミリーは、アパート管理人で友人のリズ・エッカート(ルース・ドネリー)を誘うが断られ、一人で会場に向かう。
2階席2枚を特等席に変えたミリーは、若い頃の思い出の曲の演奏を聴きながら、父親の看病で青春を棒に振ったことを感慨深げに思い出す。
劇場から出たミリーは、あるレストランで食事をしようとするのだが、空席がなく困っている青年バート・ハンソン(クリフ・ロバートソン)に相席を求められる。
それを頑なに断るミリーだったが、仕方なく彼を座らせることになり、気さくだが不躾なバートの存在を迷惑に思う。 しかし、元軍人で年下のバートと次第に打ち解けたミリーは、彼と意気投合して、身の上話をしながら二人で帰宅する。 ミリーを送り届けたバートは、翌日も午後から会う約束をして、彼女に、庭先に咲いていたバラを贈り、軽くキスをして別れる。 翌日、ビーチに行った二人は互いを求め合い、やがて愛し合うようになる。 しかし、帰宅したミリーは、年齢などを気にして、関係が複雑になる前にバートと別れようとする。 不断の生活に戻ったミリーは空虚な日々が続き、バートのことが忘れられずにいた。 そんなある日、バートがミリーの家に現れ、彼女は心躍ってしまう。 バートが、義務感で自分と付き合っていると感じたミリーは、彼が、同世代の女性とうまく付き合えないという言葉を素直に喜べずにいた。 バートの就職を食事と映画で祝ったミリーは、彼から唐突にプロポーズされてしまう。 若者が勢い余ってする行動にしか思えないミリーは、やはり違い過ぎる年齢に不釣合いを感じてしまう。 しかしミリーは、別れを告げて立ち去ろうとしたバートを見捨てられず、結婚を承諾し、翌日メキシコに向かう約束をする。 そして、メキシコで結婚式を挙げた二人は、幸せな生活を始める。 そんな日々が続くうちに、ミリーはバートの金遣いの荒さや戦時中の話が食い違っているのを気にし始める。 ある日ミリーの元に、バートと結婚していたという若い女性、ヴァージニア・ハンソン(ヴェラ・マイルズ)が現れ、ミリーは愕然としてしまう。 バートとヴァージニアは1ヶ月前に離婚したばかりで、彼は突然姿を消し、軍入隊前に、万引きをしていたこともミリーは知らされる。 事業で成功している、好人物のバートの父ハンソン(ローン・グリーン)が、ヴァージニアのために財産を分与してくれることになり、バートのサインが必要だということだった。 ヴァージニアは帰り際に、バートには虚言壁があることを告げてミリーの家を去り、彼女は呆然としてしまう。 ハンソンの元を訪れたミリーは、バートを信じようとするが、息子の言うことは全て嘘だと彼に忠告される。 しかし、ハンソンとヴァージニアは愛し合う関係で、バートの母親の財産を狙っていたのだった。 その夜、帰宅したバートに、ミリーは職場に言ったことを告げ、昇進は嘘で、プレゼントが盗んできたものだったことを責める。 さらにミリーは、ヴァージニアとの結婚のことをバートに問い詰めるが、彼は父親の話になると動揺してしまう。 ミリーはバートを落ち着かせ、彼のためにも、父親に会わせようとして説得する。 ハンソンとの、待ち合わせのホテルに向かったミリーだったが、彼とヴァージニアが、親密な関係だということを知ってしまう。 運悪くバートもそれを見てしまい、それ以来、彼は塞込み家に閉じ篭ってしまう。 バートを気遣うミリーは、彼のサインした書類を取りに来た、ハンソンとヴァージニアを追い返してしまう。 しかしバートは、ミリーも母の財産を狙う仲間だと思い込み、彼女を罵倒し、タイプライターでミリーの左手を傷つけてしまう。 その瞬間、バートは正気に戻りミリーに許しを請う。 ミリーの手の傷の原因などを思い出せないバートを、治療に来た医師は、精神科に診せるよう彼女に勧める。 うなされるバートの症状は悪化し、ミリーは精神科のマルコム・カズンズ医師(シェパード・ストラドウィック)に相談に行き、早期の入院治療を提案される。 しかし、治療が成功すると、バートが神経症のために必要としていた、パートナーの存在は不要になってしまう可能性があることを、ミリーはカズンズ医師に告げられる。 とりあえずは、バートを観察することにしたミリーだったが、彼の症状は悪化し、ミリーは入院を決意する。 抵抗するバートを無理矢理病院に送ったミリーは、最低でも半年かかる治療結果を、ひたすら待ち続ける。 そして、療養所から、バートが退院するという手紙がミリーの元に届く。 ミリーは、それがバートとの別れを意味することを理解したために手放しで喜べなかったが、友人リズは彼女を励まそうとする。 療養所に向かったミリーは、強引に入院させたことをバートに謝罪して、過去と決別するために、彼に別れを告げようとする。 しかしバートは、自分が傷つけたミリーの手の傷を案じ、全てを振り出しに戻して、彼女に愛を告げる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
婚期を逃し、自宅に閉じ篭りタイピストをしている中年女性ミリー・ウェザビーは、ある日、快活な青年バートと出会う。
ミリーは、年齢差を気にしながらも、バートと恋に落ちて結婚する。
幸せな生活を始めた二人だったが、ミリーはバートの金遣いの荒さや、彼の語った話の食い違いを気にし始める。
そんなある日、バートと結婚していたという若い女性ヴァージニアが現れ、ミリーは愕然としてしまう・・・。
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中年女性と、年下の青年との異色の恋愛劇に挑戦したロバート・アルドリッチは、甘い雰囲気で序盤を乗り切り、一気にサスペンス・タッチの力強さを感じさせる展開に持っていくあたりは、いかにも彼らしい、力強い演出だ。
効果的に使われるスタンダード・ナンバー”Autumn Leaves”、特に、オープニングとラストを飾るナット・キング・コールの歌声は心に沁みる。
人生経験豊富な女性を演じただけあり、思慮深く、母性愛も感じさせる、ジョーン・クロフォードの演技は秀逸であり、その表情の豊かさなども印象的だ。
実際には、ジョーン・クロフォードより18歳年下のクリフ・ロバートソンは、気さくな青年から、心に痛手を受ける精神患者までを見事に演じ、演技派若手俳優の実力を見せてくれる。
元夫(C・ロバートソン)の財産を狙うヴェラ・マイルズ、彼女と共謀する父親ローン・グリーン、管理人のルース・ドネリー、医師シェパード・ストラドウィックどが共演している。