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永遠の門 ゴッホの見た未来 At Eternity’s Gate (2018)

ポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホの晩年を描く、監督、脚本、編集ジュリアン・シュナーベル、主演ウィレム・デフォールパート・フレンドマッツ・ミケルセンマチュー・アマルリックオスカー・アイザック他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ジュリアン・シュナーベル
製作:ジョン・キリク
製作総指揮
カール・シュポエリ
マルク・シュミットハイニー
ニック・バウアー
ディーパック・ナヤール
シャルル=マリー・アントニオーズ
ムーラッド・ベルケダール
ジャン・デュアメル
ニコラ・レルミット
トーステン・シューマッハー
クレア・テイラー
フェルナンド・サリシン
マキシミリアン・アルヴェライズ
脚本
ジャン=クロード・カリエール
ジュリアン・シュナーベル
ルイーズ・クーゲルベルク
撮影:ブノワ・ドゥローム
編集
ルイーズ・クーゲルベルク
ジュリアン・シュナーベル
音楽:タチアナ・リソヴスカヤ

出演
フィンセント・ファン・ゴッホウィレム・デフォー
テオドルス”テオ”ファン・ゴッホルパート・フレンド
司祭:マッツ・ミケルセン
ポール・ガシェ医師:マチュー・アマルリック
マダム・ジヌー:エマニュエル・セニエ
ポール・ゴーギャンオスカー・アイザック
療養院の収容者:ニエル・アレストリュプ
フェリックス・レイ医師:ヴラジミール・コンシニ
ギャビー:ステラ・シュナーベル
ヨハンナ”ヨー”ファン・ゴッホ=ボンゲルアミラ・カサール
責任者:ヴァンサン・ペレーズ
教師:アンヌ・コンシニ
タンバリン:アレクシス・ミシャリク
田舎道の女性:ロリータ・シャマー
精神病院の看守:ディディエ・ジャレ
アルベール・オーリエの評論を読む声:ルイ・ガレル

イギリス/フランス/アメリカ 映画
配給
Netflix(フランス)
Curzon Artificial Eye(イギリス)
CBS Films(アメリカ)
2018年製作 110分
公開
イギリス:2019年3月29日
フランス:2019年2月15日
北米:2018年11月16日
日本:2019年11月8日
北米興行収入 $2,294,920
世界 $11,473,640


アカデミー賞
第91回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(ウィレム・デフォー


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
パリ
フィンセント・ファン・ゴッホ
ウィレム・デフォー)は、芸術を追及しながら精神的に疲弊していた。

フィンセントは、芸術家のグループ展ということで作品を展示してくれていたカフェのオーナーに絵を批判され、運び出すよう指示される。

画商である弟のテオルパート・フレンド)と共に、グループ展のメンバーの討議を見守っていたフィンセントは、意見が合わずに席を立ったポール・ゴーギャンオスカー・アイザック)を呼び止めて話をする。

フィンセントは、自分独自の芸術を追及しようとするゴーギャンから、南に向かうことを勧められる。

南フランスアルル
フィンセントは、周囲の風景に魅了されながら、一気に描き上げる独自のスタイルで作品を仕上げていく。

...全てを見る(結末あり)

そんなフィンセントは、カフェのオーナーであるマダム・ジヌー(エマニュエル・セニエ)と親交を深める。

マダム・ジヌーは、スケッチに使うようにと言って、未使用の帳簿をフィンセントに渡す。

今の部屋が寒いことが気になるフィンセントは、近所の黄色い家の空き部屋をマダム・ジヌーに世話してもらう。

掃除は店員のギャビー(ステラ・シュナーベル)がしてくれると言うマダム・ジヌーに、フィンセントは、いつか絵を描かせてほしいと伝える。

引っ越したフィンセントは、ギャビーに部屋の片付けと掃除をしてもらう。

周囲の風景を観察するフィンセントは、ペンとインクでそれを描き、その背後にある永遠性と自然の意味などについて考える。

ある日フィンセントは、小学生のグループと女性教師(アンヌ・コンシニ)に絵を批判される。

憤慨したフィンセントは教師らを追い払い、狂人呼ばわりされる。

家に戻る途中で、フィンセントは子供たちに石を投げられ、彼らに襲いかかるものの、町の人たちに取り押さえられる。

フィンセントは精神科の療養院に収容され、テオパリから兄の元に向かう。

テオはしばらく傍にいてほしいと言われるものの、妻ヨハンナ”ヨー”アミラ・カサール)もいる身で、仕事もあるとフィンセントに伝える。

フィンセントに施設に入った理由を尋ねたテオは、よく覚えていない、時々、幻が見えると言う彼のことが心配になり、ゴーギャンに連絡して兄を訪ねてもらうことにする。

ゴーギャンは、新作を毎月テオに買い取ってもらうことを条件に、フィンセントの元に向かう。

アルルに着いたゴーギャンは、退院したフィンセントと共に絵を描く日々を過ごす。

そんな2人は、黄色い部屋でマダム・ジヌーをモデルにして描く。

ゴーギャンは、絵を一気に仕上げようとするフィンセントに、落ち着いて描くことを勧めるものの、フィンセントは独自のスタイルを変えようとしなかった。

その後ゴーギャンは、絵が売れたためにパリに戻る必要があり、この土地が好きになれないことをフィンセントに伝えて、彼の元を去る。

ショックを受けたフィンセントは取り乱し、左耳を切り落としてしまう。

その耳をゴーギャンに渡そうとしたフィンセントは、それをギャビーに頼んだことをフェリックス・レイ医師(ヴラジミール・コンシニ)に話す。

怖がったギャビーが警察に連絡したために、自分がここにいることをフィンセントはレイに伝える。

サン=レミの療養院に行くことになったフィンセントは、そこでも絵が描けることを確認して納得する。

レイは、テオに送るために、フィンセントの耳の傷をスケッチする。

その頃、アルベール・オーリエによるフィンセントの作品についての好意的な評論が、”メルキュール・ド・フランス”に掲載される。

フィンセントは、収容されている元軍人の男(ニエル・アレストリュプ)から、トンネルの中で生まれ、12年間、太陽の光を見たことがなかった少女の話を聞き、施設を抜け出す。

道で出会った女性(ロリータ・シャマー)に声をかけたフィンセントは、デッサンしたいことを伝える。

女性にポーズをとらせるフィンセントは、彼女に迫る。

捕らえられたフィンセントは、療養院に連れ戻される。

ゴーギャンからの手紙を受け取ったフィンセントは、展覧会での自分の作品を評価してくれた彼から、作品の一点を交換することを提案される。

司祭(マッツ・ミケルセン)と話をしたフィンセントは、病院を抜け出して道で起きたことなどを聞かれる。

耳の件も話したフィンセントは、友人に渡してほしかったと言って、それが渡ったかは分からないと司祭に伝える。

フィンセントが”画家”であることを確認した司祭は、一枚の彼の絵を見ながら、酷く不愉快になると伝える。

絵は売れず貧しく、弟のテオに施設の費用を払ってもらっていると話すフィンセントは、苦しめるために神は才能を与えたと思うか訊かれる。

フィンセントは、神は、未来の人々のために自分を画家にしたと司祭に伝える。

フィンセントを退院させることを決めた司祭は、迎えに来たレイに彼を引き渡す。

アルルに戻ったフィンセントは、絵を整理して、スケッチに使った帳簿をマダム・ジヌーに返すことをレイに頼む。

カフェに向かったレイは、フィンセントから預かったものをマダム・ジヌーの夫に渡す。

何も知らないギャビーは、帳簿を棚に戻す。

オーヴェル・シュル・オワーズ
テオヨーに迎えられたフィンセントは、作品は売れてはいないが、素晴らしい評価を得た偉大な画家だと言われるものの、パリには近づきたくなかった。

その後フィンセントは、テオに、美術愛好家でもあるポール・ガシェ医師(マチュー・アマルリック)を紹介してもらう。

ガシェを描くフィンセントは、考えることをやめて感じるために描いていると言いながら、自分と永遠との関係しかないのが芸術家だと伝える。

人は自分を狂人と呼ぶが、狂気は最高の芸術だと、フィンセントガシェに伝える。

ある日、拳銃を持った少年2人がフィンセントに近づき、彼の前でふざけ始める。

銃声が響き、銃弾を受けたフィンセントは、少年たちから父には言わないでほしいと頼まれる。

少年たちは、フィンセントの絵を埋めて銃を川に捨てる。

フィンセントの治療をしたガシェは、自分で撃ったと思うが覚えていない、誰も責めるなと言う彼に、テオはすぐ来ると伝える。

テオは到着するものの、フィンセントは息を引き取った後だった。

フィンセントの葬儀が行われ、テオは、兄のために作品で棺を囲む。
__________

フィンセント・ファン・ゴッホは1890年7月27日に撃たれ、腹部の傷が原因で7月29日に亡くなった。

撃たれた後の30時間、フィンセントは少年たちのことや死の状況を語らなかった。

フィンセントは、オーヴェル・シュル・オワーズでの80日間に75点を描いた。

65点の素描を描いた帳簿が戻ったことにマダム・ジヌーは気づかず、それは126年後の2016年に発見された。

中盤のクレジットシーン。
ゴーギャンによる、フィンセントの好きな色”黄色”に関するナレーションが流れる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
画家フィンセント・ファン・ゴッホは、画商である弟テオの支援を受けながら芸術を追及していたが、精神的に疲弊していた。
ゴーギャンと出会ったフィンセントは南に行くことを勧められ、アルルに向かい自然の中で作品を描く。
人付き合いが苦手なフィンセントは、住人に嫌われてトラブルを起こし、精神科の療養院に入れられてしまう。
フィンセントは、自分のことを心配するテオが呼び寄せたゴーギャンと共に、意見し合いながら絵を描く共同生活を始めるのだが・・・。
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ポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホの晩年を描くドラマ。

新表現主義の画家としても知られるジュリアン・シュナーベルが、脚本と編集を兼ねて監督した意欲作。

孤高の画家フィンセント・ファン・ゴッホが、周囲との人間関係が築けず、苦悩しながらもら芸術を追及する姿を、主人公の目に映る美しい映像と共に描く、ジュリアン・シュナーベルの芸術的センスを活かした、映画そのものが美術のような作品。

主人公が様々なことを体験しながら、後に歴史的な名画となる数々の作品を描くエピソードなどが興味深い。

主演のウィレム・デフォーは、孤独の中で芸術を追及するフィンセント・ファン・ゴッホを見事に演じ、第91回アカデミー賞では、主演男優賞にノミネートされ、第75回ヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞した。
第76回ゴールデングローブ賞では主演男優賞(ドラマ)にノミネートされた。

フィンセントを支えるテオドルス”テオ”ファン・ゴッホルパート・フレンドフィンセントと話し合う療養院の司祭マッツ・ミケルセンフィンセントの主治医ポール・ガシェマチュー・アマルリックフィンセントアルルで親交を深めるカフェの経営者マダム・ジヌーのエマニュエル・セニエフィンセントと交流するポール・ゴーギャンオスカー・アイザックフィンセントと話をする療養院の収容者ニエル・アレストリュプアルルでのフィンセントの主治医ヴラジミール・コンシニフィンセントの世話をするカフェの店員ステラ・シュナーベル、テオの妻ヨハンナ”ヨー”ファン・ゴッホ=ボンゲルアミラ・カサールフィンセントとトラブルになる教師のアンヌ・コンシニ、芸術家のアレクシス・ミシャリクフィンセントが田舎道で出会う女性ロリータ・シャマーアルベール・オーリエの評論を読むルイ・ガレル、他ヴァンサン・ペレーズなどが共演している。


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