薬物依存症だったホームレスの青年ジェームズ・ボーエンが一匹のネコと出会ったことをきっかけにして再生していく姿を描く、監督ロジャー・スポティスウッド、主演ルーク・トレッダウェイ、ルタ・ゲドミンタス、ジョアンヌ・フロガット、アンソニー・ヘッド、キャロライン・グッドール他共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・スポティスウッド
製作:アダム・ローストン
製作総指揮
ダミアン・ジョーンズ
ティム・スミス
ポール・ブレット
アンダース・エアデン
ジェームズ・スウォーブリック
ブライアン・オシェイ
原作
ジェームズ・ボーエン
ギャリー・ジェンキンズ
”A Street Cat Named Bob”
脚本
ティム・ジョン
マリア・ネイション
撮影:ピーター・ウンストーフ
編集:ポール・トシル
音楽
デヴィッド・ハーシュフェルダー
チャーリー・フィンク
出演
ジェームズ・ボーエン:ルーク・トレッダウェイ
エリザベス”ベティ”ロビンソン:ルタ・ゲドミンタス
ヴァル:ジョアンヌ・フロガット
ジャック・ボーエン:アンソニー・ヘッド
メアリー:キャロライン・グッドール
ヒラリー:ベス・ゴダード
バズ:ダレン・エヴァンス
エルシー:ルース・シーン
イギリス 映画
配給 Sony Pictures Releasing
2016年製作 103分
公開
イギリス:2016年11月4日
北米:2016年11月18日
日本:2017年8月26日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $82,700
世界 $17,299,990
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
ミュージシャンになる夢を叶えられず、家族にも見離されホームレス生活をするジェームズ・ボーエン(ルーク・トレッダウェイ)は、ドラッグに溺れていた。
旧友のバズ(ダレン・エヴァンス)からヘロインを勧められ、意識を失い病院に運ばれたジェームズは、現れたサポート・ワーカーのヴァル(ジョアンヌ・フロガット)に謝罪する。
メタドンの投薬中にヘロインをやったことを非難されたジェームズは、呆れるヴァルから、退院したら会いに来るようにと言われる。
退院してヴァルの元に向かったジェームズは、毎日、薬局でメタドンを飲むことを指示されて書類にサインをする。
両親のことを訊かれたジェームズは、出て行けと言われて以来、会っていないことをヴァルに伝える。
ギターと荷物を渡されたジェームズは、ヴァルから歌ってほしいと言われる。
ジェームズを見捨てられないヴァルは、彼を何とか救いたかった。 数日後、ジェームズにアパートを提供したヴァルは、更生プログラムをサボらないことを約束させる。 入浴中に物音に気づき、窓からネコが忍び込んだことを知ったジェームズは、一晩、おいてあげることにする。 翌日、ネコの飼い主を探したジェームズは、見つからないために公園で放す。 街で父親ジャック(アンソニー・ヘッド)を見かけたジェームズは、声をかけてクリスマス・パーティーの話をする。 そこにジャックの再婚相手のヒラリー(キャロライン・グッドール)が現れ、ジェームズを嫌う彼女はパーティーに招待しようとしない。 ジェームズのことを心配するジャックは、彼に金を渡してその場を去る。 アパートに戻ったジェームズは、戻っていたネコが怪我をしていることに気づき、隣人のエリザベス”ベティ”(ルタ・ゲドミンタス)に声をかけて、手当てしてもらえることになる。 抗生物質の投与と獣医に診せることが必要だと言われたジェームズは、金がないし自分のネコではないとベティに伝える。 無料で診てもらえる動物福祉病院のカードをジェームズに渡したベティは、犬の散歩の仕事があるため、ネコにボブという名前を付けて出かける。 病院で長時間待たされたジェームズは、ヴァルとの面会時間が過ぎてしまい、明日また来ることにして帰ろうとした時に順番が来る。 診察を受けて帰ろうとしたジェームズは22ポンドを請求され、薬代は無料ではないことを知り、ジャックから受け取った金で支払う。 アパートに戻ったジェームズは、ボブに薬を飲ませることができず、それを動物愛護者のベティに頼む。 去勢しなければボブは悲惨な人生を送るという話をしたベティは、薬物依存症患者には近づかないとジェームズに伝える。 自分のことを話してほしいと言われたジェームズは、ミュージシャンだと答えて、両親が離婚したことなどをベティに伝える。 ヴァルの元に向かったジェームズは、面会のことを謝罪し、ネコのボブを拾いベティと出会ったことを話し、約束を破った説明を求められる。 動物病院が混んでいたと話すジェームズは医療費のことを訊かれ、父からもらった金で払ったと答える。 薬物依存症ではないベティに、ジェームズが依存症を隠したと知ったヴァルは、新しい関係を作るにはまだ時期が早いと判断する。 ベティと共に病院に行き無事に去勢手術を終えたボブを、ジェームズは飼うことにする。 街で歌うために出かけようとしたジェームズは、ボブがついてくるために追い払おうとする。 バスに乗り込んできたボブを仕方なく街に連れて行ったジェームズは、ボブを肩に乗せてコヴェント・ガーデンに向かう。 注目を集めるボブは人々に声をかけられ、ジェームズは、今まで体験したことがないほどの人の前で歌い、現金を手に入れて満足して、ボブに感謝する。 ジェームズの歌を聴いていた中年女性エルシー(ルース・シーン)は、彼に声をかけて、ボブに似たネコを飼っていたと伝える。 エルシーから、自分のネコは死んでしまったが、ネコは人間以上の親友になってくれると言われたジェームズは、そうなってくれるかボブに尋ねる。 バズは、ジェームズとボブの様子を見ていた。 帰宅したジェームズは、ボブと食事をして、購入したハーネスを彼に見せる。 翌朝ジェームズは、ベティから、家畜解放運動に参加すると言われる。 現れたバズから助けてほしいと言われたジェームズは、仕方なく、必ず食事代に使うようにと言って金を渡し、もう来ないでくれと伝える。 その日も多くの人に歌を聴いてもらったジェームズは、ボブへのクリスマス・プレゼントを持ってきてくれたエルシーに感謝する。 その夜、ベティと一緒に食事をすることになったジェームズは、動物の肉は食べない彼女と楽しい時間を過ごす。 翌日、買い物をしてアパートに戻ったジェームズは、ヘロインを打ったバズが倒れていることに気づく。 ベティらが心配して現れ、バズは救急車で病院に運ばれる。 その後ベティと話したジェームズは、獣医の勉強をしていた彼女から、兄がこの部屋で薬物の過剰摂取で死んだことを知らされる。 ヴァルに会ったジェームズは、断薬するための協力を求め、まともな生活をしたいことを伝えて、友人のバズが過剰摂取で死んだ話をする。 クリスマス後に話し合うことで納得したジェームズは、アパートに戻る。 ベティとボブと共に細やかなクリスマス・パーティーをしたジェームズは、食事やプレゼント交換をして楽しむ。 ニューイヤーズ・イヴ。 ジェームズが訪ねてきたために戸惑うジャックだったが、二人の娘に兄だと紹介する。 娘達から、母が嫌っていると言われたジェームズは、客が来る予定のジャックに迷惑に思われる。 隠していたボブが現れたために騒ぎになり、それに気づいたヒラリーは、その場にジェームズがいたために驚く。 ネコがいることを知ったヒラリーは。娘がアレルギーであり、部屋の中を荒らしてしまったために、ジェームズを追い出そうとする。 逃げ回るボブを捕まえたジェームズは、よい新年をとジャックに伝えてその場を去る。 その後もボブと共に街で歌うジェームズは、ある日、犬を連れた青年とトラブルを起こして警察に逮捕されてしまう。 釈放されたジェームズを迎えに行ったヴァルは、防犯カメラのおかげで疑いが晴れた彼と共に警察署を出る。 路上演奏は禁止され、ボブが収容施設にいることを知ったジェームズは動揺し、ヴァルからメタドンの服用を続けさせると言われる。 ヴァルはボブを迎えに行き、薬局に向かったジェームズはメタドンを飲むが、その場にいたベティは驚く。 薬局を出たベティを追ったジェームズは、ウソをつかれたと言って憤慨する彼女に、メタドンは服用しているがヘロインは3か月やっていないと伝える。 依存症患者には近寄らないと言ったはずだと伝えたベティは、ボブの心配ばかりするジェームズに呆れる。 その後、路上演奏が禁止されたため、ホームレスの社会復帰を支援する”ビッグイシュー”に向かったジェームズは、自転車も手に入れて雑誌を売り始める。 ”イズリントン・トリビューン”の記者から記事にしたいという申し出を受けたジェームズとボブは、相変わらず人々の注目を集める。 同僚から恨まれたジェームズは、縄張りを荒らしたことになり、一か月、仕入れ停止となってしまう。 ベティとは仲直りしたが金欠となったジェームズは、以前のようなホームレス同然の生活に戻ってしまう。 禁止命令を無視して路上で歌うしかなかったジェームズは、それを理解してくれないベティに再び批判される。 雑誌を仕入れられることになったジェームズは、ある婦人からボブを買い取ると言われ、それを断ったためにトラブルになる。 その隙にボブが逃げてしまい、ジェームズは捜し回る。 その頃、ジェームズとボブの記事は”イズリントン・トリビューン”の紙面を飾っていた。 ボブのことをヴァルに伝えたジェームズは、ボブは使命を終えたのかもしれないと言われ、動揺しながらアパートに戻る。 ジェームズとボブの記事を知り、路上で彼らを見かけていたジャーナリストのメアリー(キャロライン・グッドール)は、彼らが”YouTube”やSNSで話題になっていることに注目する。 ドラッグの売人の元に向かったジェームズだったが、ネコを捜していることを伝えて部屋に戻る。 その場にボブがいたために驚いたジェームズは、彼を抱きしめる。 ヴァルに会ったジェームズは、断薬することを決心したと伝えて、それに賛成してもらえる。 メタドンを切るのはヘロイン以上の覚悟がいると言われたジェームズは、ボブと一緒なら耐えられるとヴァルに伝える。 断薬のことをベティに伝えて、黙っていた件を謝罪したジェームズは、理解してくれた彼女に協力してもらえることになる。 その後、断薬を始めたジェームズは、禁断症状などで苦しみながら、ボブに見守られて何とかそれに耐える。 仕事にも復帰したジェームズは、ヴァルに感謝して別れる。 実家に引っ越すベティと話しをしたジェームズは、兄の思い出と別れて歩み始める考えの彼女から、住所と本名が”エリザベス・ロビンソン”だと教えてもらう。 預かっていた出版社からの封筒もジェームズに渡したベティは、彼に別れを告げる。 メアリーとライターに会ったジェームズは、本を出版することになる。 父ジャックを訪ねたジェームズは、ドラッグは完全にやめたことを伝えて、すべてを謝罪する。 見捨てたことは恨んでいないと言うジェームズは、ジャックが自分の子供時代の写真を常に財布に入れていたことを知る。 自分は見捨ててはいないと言うジャックは、恥じていると伝えて、父親としての存在が分からなかったとジェームズに話す。 誤るのは自分だと言うジャックは、家の中のヒラリーから誰と話しているのかと訊かれ、息子、そして孫と話していると答える。 苦労して書き上げたジェームズの著書”A Street Cat Named Bob”は出版され、書店でイベントが開かれる。 来てくれたベティから誇らしいと言われたジェームズは、彼女に感謝する。 メアリーに促されたジェームズは、ヴァル、ジャックとヒラリー、エルシーらに見守られながら、人々の前でスピーチを始める。 逃してしまう者も多いが、誰にでもセカンドチャンスはあると助言してくれた友人(ベティ)の言葉を引用し、支えてくれた人に恵まれたと言うジェームズは、本に書いたことはすべて自分の実体験だと話す。 イベント終了後にサイン会が開かれ、著書へのサインを求める青年(ジェームズ・ボーエン)から、”自分の人生、そのものだ”と言われたジェームズは、それはよかったと伝える。 2012年に出版された”A Street Cat Named Bob”はベストセラーとなり、路上演奏と雑誌の販売をやめたジェームズは自宅も購入した。 現在ジェームズは、ホームレスや動物のための慈善活動に従事し、ボブは今でも彼の肩の上にいる。
...全てを見る(結末あり)
父ジャックに会うことをベティに話したジェームズは、ボブと共に父の家に向かう。
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*(簡略ストー リー)
ロンドン。
ミュージシャンになる夢を叶えられず、家族にも見離されホームレス生活をするジェームズ・ボーエンは、ドラッグに溺れていた。
サポート・ワーカーのヴァルの協力で更生プログラムを行っていたジェームズは、アパートを与えられることになり、ある日、一匹の野良ネコに出会う。
隣人の動物愛護者ベティと知り合ったジェームズは、怪我をしたネコにボブという名前を付けて、なけなしの金で治療をして飼い始める。
その後、ボブのおかげで路上演奏で人気者となったジェームズは、人々に注目されるのだが・・・。
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物語の主人公であるジェームズ・ボーエンの小説”A Street Cat Named Bob”を基に製作された作品。
ホームレスで薬物依存症だった青年ジェームズ・ボーエンが、様々な苦労をしながらも再生していく姿を描く感動のドラマに仕上がっている。
主人公に手を差し伸べる心優しい人々も多くいる中で、薬物依存症でもある主人公の更生と自立を願うために、厳しく意見する人々に支えられながら再生していく姿がリアルに描かれている。
単なる感動のドラマではなく、社会の厳しさを鋭い視点で描く、ロジャー・スポティスウッドの演出手腕が見所の作品。
人々に支えられながら、愛ネコボブと共に人生を切り開く青年ジェームズ・ボーエンを好演するルーク・トレッダウェイ、彼に協力する隣人のルタ・ゲドミンタス、主人公に厳しく接しながらも心の支えとなるサポート・ワーカーのジョアンヌ・フロガット、主人公の父親アンソニー・ヘッド、その再婚相手ベス・ゴダード、主人公に本の出版を勧めるジャーナリストのキャロライン・グッドール、主人公の友人である薬物依存症の青年ダレン・エヴァンス、主人公に優しく接する女性ルース・シーンなどが共演している。