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あしたの家族のつくり方 As Cool as I Am (2013)

田舎町に住む高校生の少女の揺れ動く心と成長を描く、主演クレア・デインズジェームズ・マースデンサラ・ボルジャーピーター・フォンダトーマス・マン他共演、監督マックス・メイヤーによるコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督:マックス・メイヤー
製作
マット・ウィリアムズ
アンソニー・マストロマウロ
ジャド・ペイン
製作総指揮
デヴィッド・マクファッゼン
デート・メサーヴ
ジンジャー・スレッジ
原作:ピート・フロムAs Cool as I Am
脚本:ヴァージニア・コラス・スプラッグ
撮影:ティム・サーステッド
編集:トレイシー・ワドモア=スミス
音楽:クリストファー・レナーツ

出演
レイニー・ダイヤモンド:クレア・デインズ
チャック・ダイヤモンド:ジェームズ・マースデン
ルーシー・ダイヤモンド:サラ・ボルジャー
ジェラルド:ピーター・フォンダ
ケニー・クラウダー:トーマス・マン
ガイ・カールスバーグ:ジェレミー・シスト
ボブ:ジョン・テニー
フランセス:アニカ・ノニ・ローズ
ロン:リス・コイロ
ティム:ウィル・ペルツ
本人:アラニス・モリセット
本人:マリオ・バターリ

アメリカ 映画
配給 IFC Films
2013年製作 92分
公開
北米:2013年6月21日
日本:未公開
北米興行収入 $3,230


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
田舎町で暮らす高校生のルーシー(サラ・ボルジャー)は、年に4~5回しか帰ってこない木こりの父チャック・ダイヤモンド(ジェームズ・マースデン)と母レイニー(クレア・デインズ)と三人暮らしだった。

ルーシーは、両親が喧嘩をするのを見たことがなかった。

レイニーは、妻に専業主婦を望むチャックに内緒で電話セールスの仕事をしていた。

勤務する会社で車を降りたレイニーは、無免許にも拘らず車に乗って帰るようにとルーシーに伝える。

公園で車を停めたルーシーは、親友のケニー(トーマス・マン)に絡むスコットを黙らせるために彼にキスしてしまう。

それを後悔したルーシーは、自分にキスすれば嫌な記憶は消えると言われたため、彼とキスする。
...全てを見る(結末あり)

マリオ・バターリ”の番組を見ていた料理好きのルーシーは、レイニーがセミナーの講師ガイ・カールスバーグ(ジェレミー・シスト)に送られて帰ってきたことを知り、その仕草から二人の関係に気づく。

その後ルーシーは、内気なケニーをリードして関係を深める。

ガイとの情事を続けるレイニーは、16歳で両親を亡くし、男友達のロン(リス・コイロ)がいて、チャックと付き合い17歳でルーシーを産んだことを彼に話す。

この出会いで人生を見直せたとガイに伝えたレイニーは、焦らずに心を癒すようにと言われる。

朝の5時に帰宅したレイニーは、仕事は嘘だと言うルーシーに責められるものの、シャワーを浴びて会社に戻ると伝える。

登校したルーシーは、ステディな関係を維持することばかり気にするケニーの心を揺さぶる。

レイニーと夕食を共にしたルーシーは、娘を育てることに誇りを持ちたいと言う母に、朝帰りしたことを再び追求し、親を避けるために金曜はパーティーに行くことを伝える。

ケニーとパーティーに向かったルーシーは、一緒に飲んだジャスティンに迫られるもののそれを拒み、気分が悪くなったケニーを心配して外に出る。

自分がジャスティンを意識していると思い込むケニーに、そんなことはないと伝えたルーシーは、彼を家に連れて帰る。

翌朝、チャックが帰っていることに気づいたルーシーは、シェフになると父に伝える。

留守の間の出来事を訊いたチャックは、ルーシーが無免許で運転して男の子とキスしたことを知り驚く。

更に、レイニーが仕事をしていることを知ったチャックは憤慨し、彼女から、夫が留守中に寂しくて何をすればいいのかと言われ、子育てをしていればいいと伝えて言い争いになる。

両親の喧嘩に嫌気がさしたルーシーはケニーの家に向かい、眠っていた彼のベッドに入り愛し合う。

自分を愛しているかルーシー確認したケニーだったが、ただセックスしただけだと言って彼女は帰ってしまう。

家に戻ったルーシーは、両親が愛し合っていることに気づく。

その後、”家族計画”に向かったルーシーは避妊具などを手に入れ、訪ねて来たケニーから、”家族計画”で手に入れた避妊ピルを飲んでほしいと言われる。

ケニーの母リビーも呼んで、チャックとレイニーはランチを楽しむ。

リビーから、子供時代から苦労したので人生を諦めたようなことを言われたチャックは、ルーシーとケニーの性的関係についても意見される。

気分を害したチャックは、人生を諦めてなどいないし、家族が人生だと言って席を立つ。

ケニーと出かけたルーシーは、セックスは禁止して時を待つべきだと言って彼を納得させる。

帰宅したルーシーは、その場に連れて来たスコットを脅すチャックが、彼に謝罪させるのを見ているしかなかった。

その後、親子三人で話したチャックは、再び、仕事をしたら子育ては誰がするという話をして、レイニーから、嫉妬とすり替えて考えないでほしいと言われる。

誰に嫉妬するのか訊かれたレイニーは、少しは考えて行動するべきだとチャックに伝える。

出かける用意をしたチャックから、仕事の依頼が入ったと言われたルーシーは、何も答えずに部屋に閉じこもる。

レイニーからも身勝手だと言われたチャックは、生活のためだと伝え、二人は罵り合う。

心が沈むルーシーだったが、出かけるチャックと抱き合い見送る。

ケニーにメールで呼ばれたルーシーは、元気のない彼の前でシャツを脱ぎ、約束を破り愛し合う。

父と暮らすことになったとケニーから言われたルーシーは、自分達のことが原因だということを知り、ショックを受けてその場を去る。

公園のジャングルジムで考え事をしていたルーシーは、様子を見に来たレイニーから、自分を妊娠することになったチャックと愛し合った場所を教えられる。

そんなことは知りたくないと伝えたルーシーは、チャックとしか寝ていないと言うレイニーの話を聞かずに、その場を去る。

ジムで知り合ったボブ(ジョン・テニー)と食事をしたレイニーは、高校の時に両親が事故死し、同じく親のいない夫のチャックが唯一の理解者だったと話す。

ボブから、チャックに救われたと言われたレイニーは、娘のルーシーのために必死に生きたたと伝える。

リビーに電話をしたルーシーは、ケニーはもういないと言われ、それを確かめようとしたルーシーは家を出る。

ティム(ウィル・ペルツ)と共に迎えに来たジャスティンに誘われたルーシーは、車に乗りパーティーに向かう。

酔ったルーシーは強引に迫るジャスティンと愛し合ってしまう。

その場を去ったルーシーは、ケニーの家に向かい部屋を覗き、彼がいないことを確認して家に戻る。

ケニーが去ったことをレイニーに話したルーシーは、同情してくれる母に悲しい胸の内を伝える。

翌日、産婦人科の診察を受けたルーシーは、レイプ事件にするかを考え、HIV感染対策の薬を服用するよう医師から勧められる。

学校に向かったルーシーは、自分はジャスティンとは違うと言って心配するティムから声をかけられるものの、何もしなかった彼を批判する。

ルーシーは、ケニーからの謝罪の手紙を受け取る。

HIV感染対策の薬を飲んだルーシーは、副作用で発熱する。

その後もルーシーは、ケニーとの文通を続ける。

ジャスティンに言いなりだったティムが、逆らえるようになったことを知ったルーシーは、彼から釣りに誘われる。

ケニーと電話をしたルーシーは、他の男と付き合う場合な内緒にしてほしいと言われ、複雑な気持ちになる。

ボブと話たレイニーは、セックスの前に相手をよく知りたいと言われる。

そのことを同僚のフランセス(アニカ・ノニ・ローズ)に話したレイニーは、なぜ悪い方向にばかり向かうのかと考える。

酷い思いをしているとそれに気づかなくなると、フランセスはレイニーに伝える。

ルーシーはティムと、レイニーはボブとの親交を深める。

スーパーでルーシーに頼まれた食材を買おうとしたレイニーは、ボブが家族と仲睦まじく買い物をしている姿を目撃してしまう。

ティムと愛し合おうとしていたルーシーは、チャックが帰ってきたために焦る。

チャックは、床に落ちていたコンドームの袋を見つける。

その場でボブに電話をしたレイニーは、喧嘩をしていると言っていた妻と一緒なのかと尋ねる。

レイニーを捜したチャックは、その場にいたのはルーシーで、相手のティムに挨拶されたものの、憤慨して彼に襲い掛かる。

ジムに話しかけたレイニーは、古風な男だと言ってセックスを拒んでいた彼を批判する。

チャックを押し倒したティムは、自分達は結婚すると伝える。

心配して歩み寄るルーシーの頬を、チャックは殴ってしまう。

傷ついたレイニーは、その場で涙する。

ルーシーに謝罪しようとしたチャックだったが、説教じみたことばかり言うと彼女から批判されたために家を出る。

帰宅してルーシーから話を聞いたレイニーは、初恋の人ロン(リス・コイロ)からの電話を受けて懐かしく思う。

二人で小旅行に行くことをルーシーに提案したレイニーは、ロンの両親の店に向かい、三人で食事をして泊ると伝える。

目的地に着いたレイニーとルーシーは、ロンに歓迎される。

ロンと楽しい時間を過ごしたレイニーは、メキシコの高級リゾート”プエルト・ヴァジャルタ”にも店を持っている彼から、その場で一緒に暮らすことを提案されたとルーシーに伝える。

自分はそこで働くのかと尋ねたルーシーは、父チャックとの関係は終わったと言ったばかりだと伝え、気が早過ぎる母を批判する。

その件とは関係ないと言われたルーシーは、自分のためではないはずだと考え、レイニーと口論になる。

娘が全てだと言うレイニーだったが、枯れていくだけのような人生に耐えられず支えがほしいと、涙しながらルーシーに伝える。

一人で行くようにと伝えたルーシーは、自分は16歳なので生きていけると言って、2週間で戻ると約束するレイニーの言葉を信じて納得する。

ケニーに電話をしたルーシーは、、いろいろ聞いていると話す彼から、ずっと応援していると言われる。

ロンと旅立つレイニーを見送ったルーシーは、カフェの厨房で料理を作ろうとするものの、寂しくなり涙してしまう。

マリオ・バターリのことを想い出したルーシーは、料理を作り始める。

現れたロンの父親で、カフェの経営者であるジェラルド(ピーター・フォンダ)とその料理を食べたルーシーは、素晴らしい味のアメリカの家庭料理だと言われる。

その後、チャックとレイニーは離婚して、ルーシーは料理の専門大学を卒業し、ケニーは哲学の博士号を取得した。

発表したルーシーの料理本はベストセラーになり、前書きはマリオ・バターリだった。

ルーシーは考える、記憶が変えられるなら、未来も変わる・・・。


解説 評価 感想
*(簡略ストー リー)
田舎町で暮らす高校生のレイニー・ダイヤモンドは、年に4~5度しか帰ってこない木こりの父チャックと母レイニーと暮らしていた。
専業主婦を望むチャックには内緒で電話セールスの仕事をするレイニーは、セミナーの講師ガイと関係を持っていた。
親友のケニーと幼い頃からいつも行動を共にしていたルーシーは、年頃になり、自然と互いを意識するようになる。
久しぶりに戻ってきたチャックは、レイニーが仕事をしていることを知り憤慨するものの、直ぐに仲直りをして再び仕事に出かける。
寂しさを紛らすために、レイニーはジムで知り合ったボブと付き合い始める。
そんな時ルーシーは、性的関係も持ったケニーが、それを理由にして父に引き取られることになり、寂しい日々を送るようになる・・・。
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2003年に発表された、ピート・フロムの小説”As Cool as I Am”を基に製作された作品。

共に両親がいない、幸薄い身の上で結ばれた夫婦の関係を描くドラマではなく、思春期を迎えた高校生の娘の揺れ動く心と成長を描いた内容になっている。

シェフを目指す自立心のある娘が、同じくらいの年に自分を産んだ優柔不断的な母親の人生をリードするような展開が興味深い。

田舎町のありふれた家族や高校生活を淡々と描く中で、夫婦関係や性の問題、人生を歩む上で必要な考えなどを教えさせてくれる、深いドラマに仕上がっている

魅力的なキャスティングは注目なのだが、拡大公開もされず、日本では劇場未公開に終わった。

一見、高校生には見えない逞しさを感じさせる雰囲気のあるサラ・ボルジャーが適役で、主人公である少女を好演している。

若くして結婚したこともあり、人生において常に脱線しそうな雰囲気のある主人公の母親を演ずるクレア・デインズ、その夫で、木こりであり古風な考えのジェームズ・マースデン、主人公の親友トーマス・マン、レイニー(クレア・デインズ)と付き合うジェレミー・シストジョン・テニー、レイニーの同僚アニカ・ノニ・ローズ、レイニーの初恋の相手リス・コイロ、主人公と親交を深める高校生のウィル・ペルツ、本人役でシンガーソングライターのアラニス・モリセット、そして、主人公の師とも言える料理家のマリオ・バターリが映像で出演している。


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