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ミスター・アーサー Arthur (1981)

大富豪の御曹子が貧しい女性に惹かれた末に巻き起こす騒動を描く、ダドリー・ムーアライザ・ミネリジョン・ギールグッド共演のロマンティック・コメディの快作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴ・ゴードン

製作:ロバート・グリーンハット
製作総指揮:チャールズ・H・ジョフィ
脚本:スティーヴ・ゴードン
撮影:フレッド・シュラー
編集:スーザン・E・モーズ
音楽:バート・バカラック
主題歌:“Best That You Can Do
クリストファー・クロス

キャロル・ベイヤー・セイガー
作詞作曲:ピーター・アレン

出演
ダドリー・ムーア:アーサー・バック
ライザ・ミネリ:リンダ・マローラ
ジョン・ギールグッド:ホブソン
ジェラルディン・フィッツジェラルド:マーサ・バック
バーニー・マーティン:ラルフ・マローラ
ジル・アイケンベリー:スーザン・ジョンソン
スティーヴン・エリオット:バート・ジョンソン
テッド・ロス:ビターマン
アン・デ・サルヴォ:グロリア
トーマス・バーバー:サンフォード・バック
リチャード・ハミルトン:ビル
B・コンスタンス・バリー:結婚式招待客

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1981年製作 95分
公開
北米:1981年7月17日
日本:1981年12月5日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $95,461,680


アカデミー賞 ■
第54回アカデミー賞

・受賞
助演男優(ジョン・ギールグッド
歌曲賞
・ノミネート
主演男優(ダドリー・ムーア
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
大富豪の御曹子アーサー・バック(ダドリー・ムーア)は、自由奔放、気ままに暮す独身男性だった。

ある夜、街角でコール・ガールのグロリア(アン・デ・サルヴォ)を拾ったアーサーは、彼女を同伴して馴染みの高級レストランに向かう。

アーサーは、周囲の迷惑も考えずに一人で騒ぎ始め、食事後,グロリアと自宅に帰りベッドを共にする。

翌朝、アーサーは、生真面目で厳格な執事ホブスン(ジョン・ギールグッド)に起こされ、グロリアは、現金を渡されてその場を去る。

ホブスンは、羽目を外し過ぎるアーサーを、厳しい目で監視していた。

アーサーは、ホブスンがいなければ何も出来ず、また、彼の忠告を気にもせず、仕事もなく遊びほうけている。
...全てを見る(結末あり)

その後、父親サンフォード(トーマス・バーバー)に呼ばれたアーサーは、かねてから決められていた富豪令嬢スーザン・ジョンソン(ジル・アイケンベリー)と結婚することを,父に命ぜられる。

全く結婚する気のないアーサーは、当然それを拒むが、父に、7億5千万ドルの遺産相続権を失う覚悟をしておけと脅されてしまう。

独身生活を楽しむアーサーは、スーザンに贈る代々伝わるダイヤの指輪を受け取り寂しさを感じる。

そして、巨額の遺産をみすみす捨てるわけにもいかないアーサーは、今回ばかりは観念する。

その後、ホブソンと買い物に出かけたアーサーは、高級紳士服店にいた女性リンダ・マローラ(ライザ・ミネリ)が、万引きをしたのを目撃してしまう。

アーサーは警備員に追われるリンダを追い、自分の連れだと言って彼女を助ける。

それ以上、関わるべきではないというホブソンの忠告を尻目に、アーサーは、運転手ビターマン(テッド・ロス)に、彼女を自宅まで送らせる。

リンダは、失業中の父ラルフ(バーニー・マーティン)の誕生日に、盗んだネクタイをプレゼントしようとしていたのだ。

アーサーは、勝気で大胆なリンダに惹かれてしまい、彼女を誘いデートを重ねるうちに、初めて恋というものを経験する。

その後、スーザンとは結婚したくないことを、アーサーは祖母マーサ(ジェラルディン・フィッツジェラルド)に相談する。

マーサは、一応、結婚はして浮気をすればいいと、アーサーにアドバイスする。

婚約の夜を迎え、アーサーはリンダとの約束をキャンセルする連絡を入れる。

リンダは潔く引き下がろうとするが、父ラルフは、億万長者と縁が切れたことにショックを受ける。

スーザンの元に向かう前にアーサーは、年のせいで、時々体調を崩すホブソンを気遣いながら、リンダへの想いを彼に伝える。

スーザンの父バート(スティーヴン・エリオット)は、欲しいものは何でも手に入れる強引な男で、アーサーは、脅迫まがいの言い方で彼に娘の幸せを約束させられる。

そして、アーサーはスーザンに結婚指輪を渡し、仕方なくプロポーズしてしまう。

帰宅途中、リンダの家に立ち寄ったアーサーは、彼女に手切れ金の10万ドルを渡そうとするものの、追い返されてしまう。

ホブソンは、今度ばかりは、アーサーが本気で女性に恋をしたことを察し、リンダの元を訪れてドレスを進呈し、彼女を婚約パーティーに招待する。

パーティーに出席したリンダは、アーサーが結婚を無理強いされていることを知らされ、彼の優しさにも触れるが、これで彼とは別れるつもりだった。

そんな時、運転手ビターマンからの連絡で、ホブスンの癌が悪化し。入院してしまったことをアーサーは知る。

アーサーはホブソンを家に連れ帰り、付き添って看病するのだが、リンダとのことを心配しながらホブソンは息を引き取る。

結婚式当日、アーサーはリンダがウエイトレスをしている店に向かう。

そして、いつものように酔ったアーサーは、貧乏生活を覚悟し、その場でリンダにプロポーズして彼女を伴い教会に向かう。

教会に到着したアーサーが、スーザンに結婚できないことを伝えると、彼女の父バートが激怒する。

バートはアーサーを叩きのめし、彼をナイフで刺し殺そうとするが、アーサーの祖母マーサが、バートを一喝してそれを阻止する。

結婚式は中止されて、アーサーは一文無しになり、リンダとの貧しい生活を覚悟する。

しかし、そんな二人を見た祖母マーサは、アーサーに貧乏暮らしをさせまいと、遺産を渡すことを決意する。

アーサーは一旦それを断り、ビターマンに別れを告げるが、リンダのことを考えて遺産を受け取ることにする。

そして、アーサーは、ビターマンに給料を倍にすることを約束し、リンダと共に彼の運転で教会を後にする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
自由気ままな独身生活を楽しむ、大富豪の御曹司アーサー・バックは、執事ホブソンの”躾”のおかげで、何とか毎日を送っていた。
しかし、年頃のアーサーは、富豪令嬢スーザンとの結婚を父親から強要されてしまう。
当然それを断ろうとしたアーサーだったが、巨額の財産を渡さないと言われ、仕方なくスーザンとの結婚を決意する。
そんな時アーサーは、下町に住む平凡な女性のリンダと出会い、生まれて初めて恋というものを知ってしまう。
それを察したホブソンは、アーサーが大人に成長するチャンスだと考え、病を抱えながら、彼のために最後の手助けをする・・・。
__________

わずか700万ドルの製作費にも拘らず、北米だけで1億ドルに迫る興収を上げたヒット作でもあり、1988年に続編も公開された。

2011年にはリメイク作品も公開された。

第54回アカデミー賞では、助演男優(ジョン・ギールグッド)と歌曲賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優(ダドリー・ムーア
脚本賞

クリストファー・クロスの歌う主題歌“Best That You Can Do” も大ヒットし、ビルボードをはじめ軒並みNo.1ヒットとなった。

バート・バカラックの、作品イメージにマッチしている小粋な音楽もいい。

”金が全てではない”などと、きれいごとを言わない、”金持ちで幸せ”を連発する富豪達が憎めないところが面白い。

奔放で世間知らずの大金持ちを演じ、ほとんどのシーンで酔っている、イギリス人コメディアンのダドリー・ムーアの、ワンマンショー的作品ではあるが、脇を固めるベテラン、演技派達の味のある演技が見ものだ。

ミュージシャンでもあるダドリー・ムーアは、見事なピアノ演奏も披露してくれる。

気の強い下町娘ライザ・ミネリは、万引きはしても、アーサーの財産には目もくれない女性を好演し、観客は、何とかアーサーと結ばれるようにと願ってしまう。

アーサーに不利益になることは全て排除していく、厳格だが、時にユーモラスで人情味溢れる執事、名優ジョン・ギールグッドの出色の名演は忘れ難い。

一族を仕切る祖母、大ベテラン女優ジェラルディン・フィッツジェラルド、娘の玉の輿を願うリンダ(L・ミネリ)の父親バーニー・マーティン、結婚を破棄される富豪令嬢ジル・アイケンベリー、暴力的なその父親スティーヴン・エリオット、コール・ガールのアン・デ・サルヴォ、運転手テッド・ロス、アーサーの父親トーマス・バーバー、バーの客でリチャード・ハミルトン、結婚式招待客B・コンスタンス・バリーなどが共演している。


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