重装甲車両で武装し現金輸送を請け負う警備員の大金横領事件を描く、製作サム・ライミ、主演マット・ディロン、コロンバス・ショート、ジャン・レノ、ローレンス・フィッシュバーン他共演、監督ニムロッド・アーントルによる犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニムロッド・アーントル
製作総指揮
デブラ・ジェームズ
ラッセル・ホランダー
製作
サム・ライミ
ジョシュア・ドーネン
ダン・ファラー
脚本:ジェームズ・V・シンプソン
撮影:アンジェイ・セクラ
編集:アーメン・マイナシアン
音楽:ジョン・マーフィ
出演
マイク・コクレイン:マット・ディロン
タイ・ハケット:コロンバス・ショート
クイン:ジャン・レノ
ベインズ:ローレンス・フィッシュバーン
パーマー:アマウリー・ノラスコ
ダンカン・アシュクロフト:フレッド・ウォード
ドブス:スキート・ウールリッチ
ジェイク・エクハート巡査:マイロ・ヴィンティミリア
ジミー・ハケット:アンドレ・キニー
アメリカ 映画
配給 スクリーン・ジェム
2009年製作 88分
公開
北米:2009年12月4日
日本:2010年2月27日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $15,988,880
世界 $20,900,370
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
装甲輸送車で現金を運ぶ”イーグル・シールド”社の武装警備員マイク・コクレイン(マット・ディロン)、新人のタイ・ハケット(コロンバス・ショート)、クイン(ジャン・レノ)、ベインズ(ローレンス・フィッシュバーン)、パーマー(アマウリー・ノラスコ)、そしてドブス(スキート・ウールリッチ)らは、新型車両の導入についてを、上司ダンカン・アシュクロフト(フレッド・ウォード)から説明される。
その日も、銀行から現金を預かり移送を始めたコクレインらは、不審な車に気づき警戒する。
その後、輸送車がトラブルで停止し、近づいた不審車から降りた男達がコクレインらの車に爆弾を仕掛ける。 しかし、それはコクレインらが仕組んで、ハケットをからかっただけのことだった。 そして、コクレインらは、ハケットを一人前の警備員として受け入れることを伝え、酒を酌み交わす。 弟ジミー(アンドレ・キニー)と暮すハケットは、生活苦のために勤務を増やせるかをアシュクロフトに確認するが、その要求は通らなかった。 コクレインは、両親と死に別れて従軍してイラクで戦い、心に傷を負い帰国した、ハケットの後見人として彼らを支えていた。 そんなコクレインは、ハケットに翌日から高額の輸送が始まることを伝え、仲間達と計画する4200万ドルの強奪に彼を誘い入れようとする。 ハケットは当然反対するが、仲間達で行う犯行のため、傷つくものもいないことをコクレインは伝える。 動揺しながら帰宅したハケットは、トラブルを起こしてばかりいるジミーが里親に出される可能性があることを、児童福祉局から通達される。 翌日、危険もなく犠牲者も出ないことを確認したハケットは、仲間に加わることをコクレインに告げる。 現金を受け取った、コクレインら2台の輸送車は、本部のアシュクロフトに定時連絡を入れ、工場跡地に向かい現金を隠す。 しかし、それをホームレスに見られ、ベインズが彼を銃撃してしまう。 ハケットは男を助けようとするが、顔を見られたことで危険を感じたコクレインが、男を射殺してしまう。 動揺したハケットは輸送車に閉じこもり、コクレインの説得も聞かずに車で逃走する。 それを追ったコクレインが輸送車に体当たりし、ハケットの車にある半分の現金は諦めようとする。 さらにコクレインは、ハケットを犠牲にして自分達が助かろうと考える。 しかし、頑強な装甲車両からハケットを引きずり出すのは容易ではなかった。 定時連絡の時間も迫り、焦るコクレインらだったが、サイレンを聞いたジェイク・エクハート巡査(マイロ・ヴィンティミリア)のパトカーが現れる。 コクレインがエクハートと話をつけ、彼を追い払おうとするが、ハケットが車内からサイレンを鳴らし状況を知らせようとする。 その瞬間、エクハートを狙っていたベインズが彼を銃撃してしまい、コクレインは動揺する。 その隙にハケットは車から抜け出し、隠してあった現金にガソリンをかけ火をつけてしまう。 ハケットは、エクハートを助け出し、再び輸送車に閉じこもり、彼の傷を洗浄し止血しようとする。 その間、クインはジミーを人質に取り、ハケットは大事になり怖気ずくドブスを説得し、車を動かす手助けをさせようとする。 しかし、それをコクレインに気づかれたドブスは、パーマーに殺されてしまう。 ハケットは、車内の様子を見えなくするため、札を窓に貼り付け、床板を外して屋上に向かい、エクハートの無線機で助けを呼ぼうとする。 屋上で警察に通報したハケットだったが、そこに、銃を構えたパーマーが現れる。 殺人を思い止めさせようとしたハケットだったが、既にドブスを殺しているパーマーは、絶望して飛び降り自殺する。 車に戻ったハケットだったが、クインがジミーを連れて現れたため、仕方なく車の扉を開ける。 ベインズらは、現金の箱を持ち出しそれを開けようとするが、ハケットが仕掛けてあった爆薬が爆発する。 ベインズとクインは爆死し、ジミーとエクハートを安全な場所に避難させたハケットは、パトカーに向かい警察を呼びに行こうとする。 しかし、傷を負いながらも輸送車を運転するコクレインが、ハケットに襲い掛かる。 コクレインの追跡をかわしたハケットは、車ごと落下した彼の死を確認する。 その後、エクハートは病院に運ばれ一命を取り留め、彼からハケットの行為は表彰に値すると聞いたアシュクロフトは、複雑な表情で彼にそれを伝える。 そして、ハケットは、傷の手当てを受けたジミーと共に自宅に向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
重装備の装甲車両で現金を輸送する警備会社警備員マイク・コクレインは、仲間達と共に新人ハケットを歓迎する。
ハケットは両親を亡くし、戦地での心の傷を負いながら、弟との貧しい生活を続け、後見人のコクレインには可愛がられていた。
そんなコクレインは、4200万ドルの現金を輸送中に奪おうとする、仲間達と計画した考えにハケットを誘う。
危険もなく犠牲者も出ないことを確認したハケットは、生活のために仕方なく計画に加わる。
そして、現金強奪は難なく成功するのだが、その犯行をホームレスに見られたため、コクレインはその男を口封じのために射殺してしまう。
そして、思わぬ展開に動揺するハケットは、後戻りできない犯罪に巻き込まれてしまう・・・。
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その存在自体が日本人には理解できない、重装備の現金輸送チームは、さながら西部劇にでも登場しそうな武装集団で、とてつもない迫力で画面を圧倒する。
ストーリー事態は、強欲と芽生えた正義感の血みどろの戦いを単純に描いていて、悪党でない友情で結ばれた男達が崩壊してゆく姿が痛ましく、もの哀しく描かれている。
メインの女性キャストは登場せず大型重装甲車の物々しい姿など、逞しい者達が画面で競う男臭い作品でもある。
商業的には成功しなかったものの、豪華スター競演が見所の作品。
面倒見のいい兄貴的な存在として登場するリーダー格のマット・ディロンが悪党に変貌していく姿と、それとは対照的に、正義感を取り戻し軍務体験を生かして悪に立ち向かうコロンバス・ショートの男の戦いは見ものだ。
脇役に徹するジャン・レノとローレンス・フィッシュバーンの存在が、重量感ある作品を支えている。
本来、悪人でないことで殺人を犯して絶望し自殺する同僚アマウリー・ノラスコ、同じく大事となったことに怯えるスキート・ウールリッチ、上司のフレッド・ウォード、事件に巻き込まれる巡査役のマイロ・ヴィンティミリア、そしてハケット(C・ショート)の弟アンドレ・キニーなどが共演している。