愛を求める人魚に協力する2人の少女の奮闘と友情を描く、監督エリザベス・アレン、主演エマ・ロバーツ、ジョジョ、サラ・パクストン他共演のファンタジー・コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:エリザベス・アレン
製作:スーザン・カートソニス
原作:アリス・ホフマン”Aquamarine”
脚本
ジェシカ・ベンディンガー
ジョン・クエインタンス
撮影:ブライアン・J・ブレーニー
編集:ジェーン・モーラン
音楽:デヴィッド・ハーシュフェルダー
出演
クレア・ブラウン:エマ・ロバーツ
ヘイリー・ロジャース:ジョジョ
アクアマリン:サラ・パクストン
レイモンド:ジェイク・マクドーマン
ストーム・バンクス:ショーン・ミカレフ
セシリア・バンクス:アリエル・ケベル
ジニー・ロジャース:クローディア・カーヴァン
レナード:ブルース・スペンス
マージョリー:タミン・サーソク
ボニー:ルル・マクラッチー
ボブ:ロイ・ビリング
マギー:ジュリア・ブレイク
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2006年製作 110分
公開
北米:2006年3月3日
日本:未公開
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $18,595,720
世界 $23,006,850
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
親友同士のクレア・ブラウン(エマ・ロバーツ)とヘイリー・ロジャース(ジョジョ)は、ビーチで監視員をするレイモンド(ジェイク・マクドーマン)に憧れていた。
ヘイリーは、海洋生物学者の母ジニー(クローディア・カーヴァン)の仕事の都合でオーストラリアに引っ越すことになっていた。
引っ越したくないヘイリーは、何んとかそれが中止になるようにと願い祈りを捧げる。
嵐の夜をヘイリーと過ごしたクレアは、翌朝、被害に遭った海岸にレイモンドがいることに気づく。
レイモンドは、ビーチクラブを経営するクレアの祖父ボブ(ロイ・ビリング)にプールの掃除を頼まる。 プールの中が光るのを不思議に思ったクレアは水の中に落ちてしまい、レイモンドが助けようとする。 何かを見たクレアは驚き、レイモンドに助けられる。 ヘイリーは、両親が水の事故で亡くなったために、クレアが水に入ることを怖がっているとレイモンドに伝える。 何かがいたとクレアから聞いたボブは、スタッフのレナード(ブルース・スペンス)らにプールを閉鎖させる。 レイモンドに抱かれたことを羨ましく思うヘイリーは、それどころではないクレアは、水中で何かに見られたことで動揺していた。 調べてみようとヘイリーに言われたクレアは、水には二度と入りたくないと答えるものの、その夜プールに向かう。 二人は、現れた人魚(サラ・パクストン)に驚き、結婚させようとする父親から逃げて来たと言う彼女と話をする。 そこにレナードが現れたため、クレアとヘイリーは人魚に隠れるようにと伝えて部屋に戻る。 翌朝、目覚めたクレアとヘイリーは、プールの水が抜かれてしまったことを知り焦る。 倉庫に隠れていた人魚に脚までついていたため、クレアとヘイリーは驚く。 裸の人魚に、ヘイリーがシャツを渡して部屋に連れて行く。 太陽が出ている間はこの状態でいられると言う人魚は、脚が濡れた時と夜は尾びれに戻ることをクレアとヘイリーに伝える。 そこに父親から連絡があり、人魚は、3日で愛を見つけなければ終わりだとクレアとヘイリーに話す。 結婚をやめるには愛を証明するしかないと言う人魚は、ビーチにいたレイモンドに惹かれてしまう。 クレアとヘイリーはそれを阻止しようとするが、レイモンドに近づいた人魚は愛を伝えてしまう。 いきなり愛を語る女性(人魚)に驚くレイモンドは、友人に誘われてその場を去る。 ショックを受けた人魚から、仲を取り持ってもらいたいと言われたクレアとヘイリーは、当然それを断る。 しかし二人は、人魚は助けられたお礼に願い事を叶えられる言われたため、ヘイリーのオーストラリア行きを中止できると考え、クレアとヘイリーは協力することを約束する。 レイモンドが自分を愛していると言ったら、願いごとを叶えることを約束した人魚は、”アクアマリン”という名前をクレアとヘイリーに伝える。 プールを掃除していたレナードは、ペンダントやうろこを見つける。 アクアマリンを家に連れて行ったヘイリーは、海洋生物学者である母親のことを話す。 クレアとヘイリーは、レイモンドに電話をかけてアクアマリンに代わり、すぐ切った後で彼の家に自転車で向かう。 アクアマリンが自転車から落ちて怪我をしてしまい、それに気づいたレイモンドが傷を水で洗うと言い出す。 それをアクアマリンが拒んだため、レイモンドは絆創膏を貼ってあげる。 アクアマリンはイベントに誘われるが、現れたセシリア・バンクス(アリエル・ケベル)に運転を教えてほしいと言われたレイモンドは、彼女に付きあおうとする。 セシリアにからかわれたアクアマリンは逆にやり返し、クレアとヘイリーを喜ばせる。 レイモンドのことが頭から離れなくなったアクアマリンは、イベントまでの間に人間の男の子や恋についてなどを雑誌で勉強する。 イベントに向かったアクアマリンとクレアとヘイリーは、レイモンドの気を引く。 アクアマリンと話すレイモンドの仕草で、クレアとヘイリーは彼が恋をしたことを確信する。 ペダルボートに乗ったレイモンドとアクアマリンは、いい雰囲気になるものの日暮れが近づく。 急いで岸に戻ったアクアマリンは給水塔に向い、海祭のことをレイモンドと話したとクレアとヘイリーに伝えながらタンクに上る。 クレアは水が苦手なために下で待ち、ヘイリーとタンクに着いたアクアマリンは水に入る。 その夜、あと2日でアクアマリンがレイモンドと恋に落ちるかが心配なヘイリーは、クレアに励まされる。 アクアマリンが海祭に着ていく服を買うため、クレアとヘイリーは、彼女を連れて買い物に行くことになる。 翌日、ショッピングモールに向かった三人は、ヘイリーの貯めたバイト代で買い物を楽しむ。 ビーチに戻り、イヤリングにするヒトデがいると言うアクアマリンは、ブイまでイルカで行って採ってきてほしいとクレアとヘイリーに頼む。 クレアがそれを遠慮したため、イルカにつかまったヘイリーは沖のブイに向かう。 愛は素晴らしいと言うアクアマリンは、以前この近くの海で見かけたカップルのことをクレアに話す。 それが両親のことだと気づいたクレアは悲しくなるが、愛し合っていた二人のことを考えて、楽しく生きるべきだとアクアマリンに励まされる。 ヘイリーはヒトデを持ち帰り、それをイヤリングにしたアクアマリンはヒトデに話しかけられる。 そこに現れたマージョリー(タミン・サーソク)から、レイモンドがセシリアと海祭に行くと言われたアクアマリンは、彼女を追い払う。 レイモンドが自分を選ばなかったために憤慨したアクアマリンは、クレアとヘイリーの制止も聞かずに、帰ると言って走り去ってしまう。 これで全てが終りだと言って諦めるヘイリーに、アクアマリンを引き止めるよう指示したクレアはレイモンドを捜す。 ビーチの波打ち際にいたアクアマリンを呼び止めたヘイリーは、出て行った父親のことを話し、うまくいかない愛もあることを伝える。 人生は複雑で思い通りにいかないが、恋はした方がいいと言うヘイリーは、奇跡は起こせると伝えてアクアマリンを説得する。 レイモンドに会ったクレアは、アクアマリンを誘いながらセシリアと海祭に行こうとすることを非難する。 ボーイフレンドと夕陽を見るために、アクアマリンが飛んで帰ったはずだ言うレイモンドに、彼女には相手はいないと伝えたクレアは、その場にいたセシリアが嘘をついたと気づく。 セシリアは、近くにいたヴィンスにクレアをプールに落とすよう指示し、彼女は取り乱してしまう。 レイモンドがそれを制止し、クレアは泣きながらその場を去る。 セシリアを非難するレイモンドはクレアを追い、アクアマリンと話したいことを伝える。 アクアマリンはバスタブに入り尾ひれがついた状態でいたが、そこに、レイモンドを案内してクレアが現れる。 驚いたレイモンドはバルコニーに向い、彼が話したいと言っていることを、クレアはアクアマリンに伝える。 アクアマリンはレイモンドと海祭でデートすることになり、クレアとヘイリーと共に喜ぶ。 ビーチで海祭が始り、現れたアクアマリンの美しさにレイモンドは見とれてしまう。 二人は楽しい時を過ごしてダンスをしていたが、そこにセシリアが現れる。 クレアとヘイリーがセシリアを追い払うが、日暮れになったためにアクアマリンを連れて帰ろうとする。 夕陽を前に再び帰ろうとするアクアマリンに花火を見ようと言って誘うレイモンドは、翌朝、桟橋で会うことを約束する彼女にキスされる。 自転車で給水塔に向かうアクアマリンらを追ったセシリアらは、三人が何をするのかを考える。 花火が始り、アクアマリンはタンクからそれを眺め、レイモンドは彼女のことを想う。 給水塔を監視していたセシリアはハシゴを上り始め、待ちくたびれたマージョーリーは車を運転して帰ってしまう。 タンクを覗いたセシリアは、アクアマリンが人魚だったために驚き、扉に鍵をしてその場から逃げる。 車がないことに気づいたセシリアは、ボルトが緩んでいたハシゴを外してしまう。 ビーチに戻ったセシリアは、アクアマリンが人魚だったことをマージョリーに話すものの信じてもらえなかった。 セシリアの話を聞いていたレナードは、プールで拾ったペンダントのことを調べる。 翌朝セシリアは、テレビのお天気キャスターである父ストーム(ショーン・ミカレフ)に、給水塔から泣き声がすると言って騒ぎ始める。 引っ越しするしかないと諦めるヘイリーだったが、クレアは絶対に中止になると言い切る。 母の邪魔をしたくない気持ちと、一人で生きていくことも考えなくてはならないと言うヘイリーは、それを理解しようとしないクレアと口論になりその場を去る。 泣きながらテレビを見たクレアは、ストームが給水塔から中継をしていることを知る。 ヘイリーにそれを知らせたクレアは給水塔に向い、閉じ込められている子を救うために通報したとと言うセシリアが、ストームからインタビューされていることを確認する。 タンクは調べられるものの、その場からはビニールのイルカしか見つからなかった。 人魚がいたと言うセシリアの話を信じる者はいるはずがなく、ストームは彼女から車のキーを奪い、目立ちたがろうとする性格を直すよう痛烈に非難される。 クレアとヘイリーは、アクアマリンを捜すために桟橋に向かう。 レナードに助け出されたアクアマリンは彼に感謝し、いつも一人だったレナードは、彼女と話せたことがうれしかったと伝える。 レナードからペンダントを渡されたアクアマリンは、助けてくれたために彼の願い事を訊く。 その後、桟橋で待っていたレイモンドに声をかけたアクアマリンは、カイトサーフィンに誘われる。 桟橋の下で様子を見ていたクレアとヘイリーは、上に向い望遠鏡で二人を見る。 自分を愛しているかを尋ねたアクアマリンは、まだ一度しか会っていないために戸惑うレイモンドから、もっと色々なことを知りたいと言われる。 それが愛していないことだと判断したアクアマリンは悲しみ、気遣うレイモンドはゆっくり知り合いたいと彼女に伝える。 その時、現れたセシリアがアクアマリンを海に突き落とし、彼女は人魚に戻ってしまう。 海は荒れ始め、沖に流されるアクアマリンをレイモンドが助けようとする。 クレアもヘイリーと共に、アクアマリンを救おうとして海に飛び込む。 ブイにたどり着いたアクアマリンに追いついたクレアとヘイリーは、これが父との約束だと言われる。 願い事をしようとするヘイリーは、ここに残ってほしいとアクアマリンに伝える。 愛はなかったと言うアクアマリンに諦めるのは早いと言うクレアは、なぜそこまで自分を思ってくれるのかと尋ね、友達は助け合うもので愛しているからだと言われる。 アクアマリンの喜びの涙で天候は回復し、愛は本当にあったと証明されたと、彼女はクレアとヘイリーに伝える。 願いを叶えると言われたクレアは、残ってほしいとアクアマリンに伝えるが、海に家族がいると言われる。 願い事はとっておくようにと言うアクアマリンは、この場やオーストラリアにも泳いで行くとクレアとヘイリーに伝える。 結婚式をやめるために帰ると言うアクアマリンは、ヒトデのイヤリングをクレアとヘイリーに渡して別れを告げる。 サーフボードでたどり着いたレイモンドは、人魚だったことが信じられないとアクアマリンに伝える。 隠していたことを謝罪したアクアマリンは、驚いただけだと言われ、再会を約束する二人はキスする。 ビーチに戻ったクレアとヘイリーは、アクアマリンに願いを叶えてもらったレナードが、同僚のボニー(ルル・マクラッチー)と交際を始めたことを知る。 レイモンドから声をかけられたクレアとヘイリーは、最高の女の子で尊敬していると言われて、頬にキスされる。 そしてクレアは、旅立つヘイリーとの再会を約束して別れる。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
親友同士のクレア・ブラウンとヘイリーは、楽しい夏の日を過ごしていた。
両親を海の事故で亡くしたクレアは、祖父母の経営するビーチ・クラブで暮らし、ヘイリーと共に監視員をしているレイモンドに憧れていた。
しかし、海洋生物学者の母ジニーの仕事の都合で、ヘイリーは3日後にオーストラリアへ引っ越すことになっていたため、彼女はクレアとの別れが辛かった。
そんなある夜、嵐の後のプールに落ちてしまったクレアは、何かに見つめられて驚き、レイモンドに助けられる。
その夜、クレアとヘイリーは、プールにいた人魚アクアマリンに気づき、彼女が父親の決めた結婚式から逃げて来たことを知る。
3日以内に新しい愛を見つければ結婚をやめさせられるアクアマリンに協力して、それが実現すれば、願いを叶えてくれると言われたクレアとヘイリーは、あることを考える。
ヘイリーの引っ越しの中止を願い事にしようとしたクレアとヘイリーは、アクアマリンが愛を手に入れる手助けをしようとするのだが、何とアクアマリンはレイモンドに恋してしまう・・・。
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2001年に発表された、アリス・ホフマンの小説”Aquamarine”を基に製作された作品。
主人公の二人エマ・ロバーツとジョジョが幼く見えるので、キッズムービーのようにも思える内容なのだが、ファンタジックな雰囲気で展開する楽しいコメディには仕上がっている。
物語の舞台設定は一応アメリカのようなのだが、ロケはオーストラリアのクイーンズランド州、ゴールドコーストで行われ、オーストラリア人俳優も多く出演している。
別れることが考えられないため、恋を犠牲にして現れた人魚のために奮闘する二人の少女の健気な姿や、両親の死や離婚を経験した辛い立場の二人の気持ちを理解する、孤独だったスタッフの協力などもヒューマンタッチで描かれホロリとさせてくれるシーンもある。
また、主人公二人の最初の願いは叶わないのだが、大人へと成長するため試練のように、友情を深めながら別れることになるラストも爽やかに描かれている。
小柄であり自転車に乗る姿などから小学生のように見える、主人公を演ずるエマ・ロバーツ、オーストラリアに引っ越すことになる彼女の親友ジョジョ、愛を手に入れようとする人魚を愉快に演ずるサラ・パクストン、主人公と人魚が恋をする好青年ジェイク・マクドーマン、主人公らに意地悪をするアリエル・ケベル、その父親でお天気キャスターのショーン・ミカレフ、ヘイリー(ジョジョ)の母親クローディア・カーヴァン、人魚を助ける孤独だったビーチ・クラブのスタッフ、ブルース・スペンス、彼と親交を深めることになる同じスタッフのルル・マクラッチー、セシリア(アリエル・ケベル)の友人タミン・サーソク、主人公の祖父母ロイ・ビリングとジュリア・ブレイクなどが共演している。