第二次大戦下のイタリア戦線における連合軍による”アンツィオの戦い”を描く、製作ディノ・デ・ラウレンティス、監督エドワード・ドミトリク、ドゥイリオ・コレッティ、主演ロバート・ミッチャム、ピーター・フォーク、ロバート・ライアン、アール・ホリマン、アーサー・ケネディ他共演の戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督
エドワード・ドミトリク
ドゥイリオ・コレッティ(イタリア・バージョン)
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
原作:ウィンフォード・バウハン=トーマス”Anzio”
脚本:H・A・L・クレイグ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
編集:ピーターテイラー
音楽:リズ・オルトラーニ
出演
ディック・エニス:ロバート・ミッチャム
ジャック・ラビノフ伍長:ピーター・フォーク
カーソン中将:ロバート・ライアン
エイブ・スティムラー軍曹:アール・ホリマン
ウォリー・リチャードソン二等兵:マーク・ダモン
ジャック・レスリー少将:アーサー・ケネディ
アルベルト・ケッセルリンク元帥:ヴォルフガング・プライス
ムービー二等兵:レニ・サントーニ
ドイル二等兵:ジョセフ・ウォルシュ
チェリーニ二等兵:ジャンカルロ・ジャンニーニ
アンディ二等兵:トーマス・ハンター
ヘンドリクス大佐:ウェイド・プレストン
ルーク・ハワード少将:アーサー・フランツ
マーシュ少将:アンソニー・スティール
スターキー少将:パトリック・マギー
バーンズ大尉:ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ
エミリア:エルサ・アルバーニ
アウグスト・フォン・マッケンゼン将軍:トニオ・セルヴァルト
アメリカ/イタリア 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1968年製作 118分
公開
北米:1968年7月24日
日本:1968年7月13日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1944年1月、第二次大戦下、ナポリ。
従軍記者のディック・エニス(ロバート・ミッチャム)は、アメリカ陸軍レンジャー部隊に同行していた。
エニスは、エイブ・スティムラー軍曹(アール・ホリマン)に声をかけられ、ラピード川で2000の兵が全滅したことを話し、大量虐殺だと言って司令官を批判する。
*モンテ・カッシーノの戦い
部隊に乱入したジャック・ラビノフ伍長(ピーター・フォーク)が、ケンカを始める。
司令官のヘンドリクス大佐(ウェイド・プレストン)が現れ、6時間後に出港し、命令は乗艦後に知らせることを隊員たちに伝える。
エニスを呼び止めたヘンドリックスは、ラピード川の記事により司令官が解任され本国に召還されたことを話し、死んだ兵士に代わり書い他と言われるものの納得できない。
翌日、港に向かったエニスは部隊と合流し、イギリス、カナダ軍と共に出港を待つ。
救急トラックで港に着いたラビノフは、荷台に乗せてきた、仲良くなった地元の女性たちとの別れを惜しむ。
到着したカーソン中将(ロバート・ライアン)は、ジャック・レスリー少将(アーサー・ケネディ)指揮下のレンジャー部隊が、ドイツ軍の背後から攻撃を仕掛ける作戦のことを記者たちに伝える。 その場にいたエニスが、上陸地点が”アンツィオ”だと知っていたため、カーソンは隠しておけないと考える。 レスリーは作戦の詳細を話し、カーソンは、ローマには時間をかけて侵攻することを伝える。 陣地を固めて敵の反撃に備えるのが目的だと話すレスリーは、エニスから作戦の成功について訊かれ、安全の確保がそれにつながると答える。 船団は出港し、エニスと話したレスリーは、部下の生命を守るために慎重に任務を遂行すると伝える。 生き残るために戦うのが戦争だと付け加えたレスリーは、目的地到着が近いことを知らされる。 1月22日。 無抵抗のまま上陸は成功し、エニスは部隊と共に内陸に向かう。 ヘンドリックスは部隊指揮官バーンズ大尉(ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ)に状況を確認し、偵察を希望するエニスに許可を出す。 エニスは、ムービー二等兵(レニ・サントーニ)と共にジープで出発し、途中で、ドイツ兵を殺したラビノフを拾う。 イタリア戦線ドイツ司令部。 エニスらは敵に遭遇しないままローマに到着し、屋敷の住人と話し、親衛隊と憲兵を残して敵が去った街は無防備だということを知る。 ムービーは、その場にいた美しい娘に惹かれてしまう。 イギリス軍のスターキー少将(パトリック・マギー)とマーシュ少将(アンソニー・スティール)は、抵抗がないうちに進軍するべきだと考える。 しかしレスリーは、敵を挑発して刺激することを避けるために偵察も許可せず、拠点を固めることに重点を置き、誘き出そうとしているケッセルリンクの罠にははまらないと、スターキーとマーシュに伝える。。 戻ったエニスから、無防備のローマまでの状況を知らされたレスリーだったが、動こうとしなかった。 その頃、アウグスト・フォン・マッケンゼン将軍(トニオ・セルヴァルト)と共に前線を視察したケッセルリンクは、敵が動かない間に防衛線を整えることを考え、イタリア人を徴用して夜間に極秘作業を行わせる指示を出す。 チステルナ近郊の動きを知ったケッセルリンクは、防衛を強化する。 出撃準備をするヘンドリックスは、レスリーからチステルナの防備は手薄だと言われ、バーンズやスティムラーらの大隊を移動させる。 途中、ラビノフと合流したバーンズは、彼を道案内にして前進する。 チステルナに着いた部隊は、待伏していた敵から降伏を求められる。 それを拒んだバーンズは射殺され、激しい戦いが始まる。 エニスも撃たれと思われたが、死んだふりをして攻撃を逃れ、彼らは側面に逃れる。 廃墟に隠れたたエニスらは、火炎放射器を装備した戦車が近づいたために、その場から離れようとする。 地雷原に気づいたエニスは、瓦礫を使って通り道を確保し、林の中に逃れる。 生き残ったスティムラーら7人は、部隊がほぼ全滅した場所を監視しながら、本部に連絡しようとする。 司令部に無線が通じたエニスは、2大隊が全滅して7人が残り、760人が戦死したことを伝えて、進撃を躊躇したレスリーを批判し、臆病者呼ばわりする。 憤慨したスティムラーらは、無線機を壊してしまう。 その後スティムラーらは、森の中の捕虜収容所と建設作業現場を見つける。 スティムラーは、チェリーニ二等兵(ジャンカルロ・ジャンニーニ)とアンディ二等兵(トーマス・ハンター)、ドイル二等兵(ジョセフ・ウォルシュ)とムービーと行動を共にし、ラビノフにはエニスとリチャードソン二等兵(マーク・ダモン)を任せて二手に分かれる。 夜になり、エニスらは敵の夜間の極秘作業に気づき、強固な防衛線を確認する。 詳しく探ることになったエニスは、有刺鉄線が張りめぐらされている場所で出口が見つからなくなり、その場で夜明けを待つ。 翌朝エニスは、現れた犬に案内させてその場から脱出する。 エニスは、犬の飼い主である敵兵に見つかりそうになるが、リチャードソンが敵兵を射殺する。 敵に見つかり降伏したリチャードソンは、奪われた息子の写真を取り戻そうとして、抵抗したために射殺される。 それを見ていたエニスはその場を離れ、スティムラーらの元に戻り、リチャードソンが死んだことを知らせる。 空き家を見つけたスティムラーらは、住人の女性シビリオと娘ディアナとアンナがいることに気づき、チェリーニが通訳してアンツィオの状況を聞く。 スティムラーらは、敵が自分たちを海に追い返そうとしていることを知り、シビリオらに歓迎されて食事をする。 アンナと話したエニスは、戦場であるこの場から避難するよう勧めるが、自分たちの家だと言うアンナは、ドイツ軍の強制労働で連行された父が戻るまで留まるつもりだった。 ラビノフが突然、発作を起こし、エニスは、日本兵の手榴弾攻撃を受けた時の破片が腹部に残っていることを知る。 徴兵の際は隠していたと話すラビノフは、戦争が好きだから志願したとエニスに伝える。 その後、敵が現れ、スティムラーらは屋根裏に隠れる。 調べに来た敵兵を殺し銃撃戦になったスティムラーらは、その場から逃げようとするものの、アンナらは家に留まる。 司令部を目指すスティムラーらは、数人の敵狙撃兵に狙われ、ドイルとアンディが射殺される。 スティムラーが銃弾を受けて、チェリーニが射殺される。 ムービーに援護させて狙撃兵を狙おうとしたラビノフも射殺される。 それまで武器を持つことを拒んでいたエニスは、”トミーガン”を手にして敵の注意を引く。 ムービーが1人を倒し、戦闘機の銃弾を避けながら、エニスは最後の敵兵を射殺する。 生き残ったスティムラー、エニス、ムービーはその場を離れる。 司令部に向かったエニスは、ルーク・ハワード少将(アーサー・フランツ)に防衛線についてなどを報告する。 後任のハワードに指揮を任せたレスリーは、解任されて帰還することをエニスに伝える。 戦地からレスリーを批判したエニスは、これが戦争だと考える。 エニスは、連合軍が勝つと言うレスリーに、戦争は単なるゲームであり何も解決しない、残念ながら、面白いから戦うという考えが事実だと伝える。 その後、敵防衛線を突破した連合軍はローマを解放し、カーソン将軍らは市民に歓迎され、エニスとスティムラーは、その様子を見守る。
...全てを見る(結末あり)
艦砲射撃が始まり、その後、兵士たちは上陸用舟艇に乗り込み陸を目指す。
敵の上陸を知った司令官のアルベルト・ケッセルリンク元帥(ヴォルフガング・プライス)は、偵察機の情報などを参考にして、”ゲーリング師団”他を呼び戻し、無防備地帯での反撃体制を整える。
*(簡略ストーリー)
1944年1月、第二次大戦下、ナポリ。
従軍記者のディック・エニスは、アメリカ陸軍レンジャー部隊と共に、ローマ侵攻のための作戦に参加する。
無抵抗のままアンツィオ上陸に成功した司令官のレスリー少将は、拠点を固めて攻撃態勢を整えるために進撃を行おうとしない。
ラビノフ伍長らと偵察に出たエニスは、ローマまで敵に遭遇せず、街が無防備であることを知る。
部隊に戻ったエニスから、その状況を知らされたレスリーだったが、敵を挑発して刺激することを避けようとする。
そん中、大隊は、チステルナに向けて移動を始めるのだが・・・。
__________
1961年に発表された、ウィンフォード・バウハン=トーマスの著書”Anzio”を基に製作された作品。
第二次大戦下、イタリア戦線における連合軍による”アンツィオの戦い”を描く戦争ドラマ。
ディノ・デ・ラウレンティスが製作し、エドワード・ドミトリクとドゥイリオ・コレッティ(イタリア・バージョン)が監督した作品であり、撮影はイタリア各地で行われた。
邦題は”大作戦”という大袈裟なタイトルなのだが、大規模な作戦全体が描かれているわけではなく、アメリカ陸軍レンジャー部隊(第3レンジャー大隊)の一部隊の活躍が主な内容となっているため、戦争映画のスケールとしては物足りない気はする。
第3レンジャー大隊が、767名のうち6名しか帰還できなかった(743名が捕虜)”チステルナの戦い”を再現したシーンが、最大の見せ場と言える。
主演のロバート・ミッチャムは、戦争の本質について考えながら、レンジャー部隊に同行する従軍記者を好演している。
戦いを好み大胆な行動で部隊をリードする伍長のピーター・フォーク、作戦の総司令官である中将ロバート・ライアン、部隊の軍曹アール・ホリマン、消極的な作戦行動が大規模な損害を招き解任される司令官の少将アーサー・ケネディ、ドイツ軍・イタリア戦線司令官アルベルト・ケッセルリンク元帥のヴォルフガング・プライス、部隊員のマーク・ダモン、レニ・サントーニ、ジョセフ・ウォルシュ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、トーマス・ハンター、部隊司令官の大佐ウェイド・プレストン、作戦司令部参謀の少将アーサー・フランツ、イギリス軍少将のアンソニー・スティールとパトリック・マギー、部隊指揮官の大尉ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ、イタリア人女性エルサ・アルバーニ、ケッセルリンクと共に前線を視察するアウグスト・フォン・マッケンゼン将軍のトニオ・セルヴァルトなどが共演している。