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アンナ・カレニナ Anna Karenina (1948)

1877年に発表された、レフ・トルストイの小説”アンナ・カレーニナ”を基に製作された作品。
ロシア政府高官夫人と青年将校との恋を描く、監督、脚本ジュリアン・デュヴィヴィエ、主演ヴィヴィアン・リーラルフ・リチャードソンキーロン・ムーア他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ヴィヴィアン・リー / Vivian Leigh / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ

製作:アレクサンダー・コルダ
原作:レフ・トルストイアンナ・カレーニナ
脚本
ジュリアン・デュヴィヴィエ

ジャン・アヌイ
ガイ・モーガン
撮影:アンリ・アルカン
編集:ラッセル・ロイド
音楽:コンスタント・ランバート

出演
アンナ・カレニナ:ヴィヴィアン・リー

アレクセイ・カレーニン:ラルフ・リチャードソン
アレクセイ・ヴロンスキー:キーロン・ムーア
ステファン・オブロンスキー:ヒュー・デンプスター
ドリー・オブロンスキー:マリー・カーリッジ
キティ:サリー・アン・ハウズ
コンスタンティン・リョーヴィン:ニオール・マッギニス
ニコライ:マイケル・ガフ
ベティ:マーティタ・ハント
ヴロンスキー大佐:オースティン・トレヴァー
医師:マイケル・メドウィン

イギリス 映画
配給
British Lion Films & London Films(イギリス)
20世紀FOX(北米)
1948年製作 110分
公開
イギリス:1948年9月27日
北米:1948年4月27日
日本:1951年9月11日
製作費 £700,000
イギリス興行収入 ₤149,410


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1870年代、ロシアモスクワ
アンナ・カレニナ(ヴィヴィアン・リー)は、兄ステパン・オブロンスキー(ヒュー・デンプスター)とドリー(マリー・カーリッジ)の夫婦仲の諍いの仲裁のため駅に到着する。

アンナは、ホームに現れた若い将校アレクセイ・ヴロンスキー(キーロン・ムーア)と目が合い、彼が、同席していた母親を迎えに来たことを知る。

その時、男性が汽車に轢かれる事故が起きる。

ステパンの家に向かったアンナは、もう手遅れだと言うドリーを説得して夫と話し合いをさせる。

アンナは、地主であるコンスタンティン・リョーヴィン(ニオール・マッギニス)との恋を諦めたドリーの妹キティ(サリー・アン・ハウズ)に、婚約者であるヴロンスキーが素敵な男性であることを伝える。
...全てを見る(結末あり)

ステパンとドリーが仲直りをしたことで安心したアンナは、舞踏会の招待の確認に来たヴロンスキーと再び顔を合わせる。

舞踏会の夜。
キティは、現れたアンナに心を奪われている様子のヴロンスキーの態度を気にする。

気分を害したキティはその場を早々に引き上げ、家に戻ったアンナは、サンクトペテルブルグに帰ることをドリーとステパンに伝え汽車に乗る。

途中で停車した駅で車両を降りたアンナは、ヴロンスキーが自分を追ってきたことと彼の愛を知り戸惑う。

サンクトペテルブルグ
アンナは、夫である政府高官アレクセイ・カレーニン(ラルフ・リチャードソン)に迎えられ、ヴロンスキーは彼に挨拶する。

その頃、失意のキティは寝込んでしまい、彼女はドリーに慰められながら意地を張るものの心の傷は癒えない。

アンナは、気遣いはあるものの自分を単なる妻としか扱わないカレーニンとの生活に退屈し、ヴロンスキーのことを考える。

社交界では、アンナとヴロンスキーの関係が話題になりつつあった。

カレーニンが付き添えず、ヴロンスキーらとオペラを鑑賞したアンナは、社交の場に立ち寄る。

アンナは、自分を諦めてほしいと苦しい胸の内をヴロンスキーに伝える。

しかし、アンナは去ってほしいとも言えず、その場に現れたカレーニンは二人の関係を察する。

帰宅したアンナは、行動を慎むようにとカレーニンに言われ、身に覚えがないことだと答える。

カレーニンの警告も気にしなくなったアンナは、その後もヴロンスキーとの親交を深める。

競馬場で障害レースに出場するヴロンスキーをアンナは見守る。

アンナはカレーニンが現れたことに気づくが、ヴロンスキーが落馬したために気を失いそうになる。

周囲も気にしないアンナを見ていられないカレーニンは、彼女を連れて自宅に向かう。

ヴロンスキーを愛し自分を嫌いだと言い切るアンナを見限ったカレーニンは、彼女と離婚し息子の親権を渡さないことを考え弁護士に相談する。

カレーニンは、アンナの浮気の証拠を手に入れるよう弁護士に言われ、彼女からヴロンスキーの手紙を奪い取る。

離婚と息子を奪われることをカレーニンから伝えられたアンナはショックを受ける。

カレーニンは仕事でモスクワに向かい、アンナはヴロンスキーのことしか考えられなくなる。

上官に相談したヴロンスキーは、結婚すれば解決することだと言われそれを決意する。

その後、アンナは観劇の会場で倒れてしまい、モスクワのカレーニンに死の床だと言う電報を送る。

死産して様態が悪いアンナに、到着したカレーニンは寄り添う。

アンナは、恋をしたのは自分ではなく別人だと伝え、カレーニンに許しを請う。

カレーニンは、その様子を見ていたヴロンスキーに、アンナが自分を必要としていることが分かったため許す気になったことを伝える。

絶望したヴロンスキーは銃を手にするが、死ぬことはできなかった。

地主のコンスタンティンは、惹かれていたキティがヴロンスキーに心を奪われたため領地に戻っていた。

ステパンとドリー連れられその場に現れたキティは、コンスタンティンに謝罪して愛を伝える。

回復したアンナは、コンスタンティンとキティの結婚式に出席せず、カレーニンが式に出席している間に屋敷を出て、迎えに来たヴロンスキーの元に向かう。

ベニスでの生活を始めたアンナだったが、ロシアが恋しくなったことをヴロンスキーに伝え二人は帰国する。

二人の噂は世間に広まり、カレーニンはアンナに息子と会わせようとしない。

屋敷の使用人に会ったアンナは、カレーニンが、自分が死んだと息子に伝えていることを知りショックを受ける。

カレーニンの留守中に息子に会えたアンナだったが、戻ったカレーニンは離婚に同意せず彼女を追い払う。

世間の目を気にするヴロンスキーが同伴しないまま、一人でオペラ鑑賞に出掛けたアンナは、周囲の視線が気になり席を立つ。

別の桟敷席で母親らと共にその様子を見ていたヴロンスキーは、苦しむアンナの支えになることを伝え、カレーニンに手紙で離婚の件を話すよう助言する。

モスクワ
離婚できれば結婚するというヴロンスキーだったが、彼の人生に邪魔になると気を使うアンナと考えのすれ違いが生じ始める。

ドリーに相談したアンナは、出産直後のキティに会い、彼女が自分を恨むどころか感謝していることを知る。

そこにヴロンスキーが現れ、アンナは夫に会ったことを非難されて罵られる。

帰宅したアンナは、ヴロンスキーがサンクトペテルブルグに向かったことを知り、捨てられる不安と苦しい現実からの逃避を考え正常な精神状態でなくなる。

汽車に乗ったアンナは、ヴロンスキーとの思い出の停車駅で車両から降り、雨の中、考えを巡らせながら線路に降りる。

全てを失い放心状態となったアンナは、発車する汽車の前に立ち身を投ずる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1870年代、ロシアモスクワ
アンナ・カレニナは、兄ステパンとドリー夫妻の諍いの仲裁のため駅に到着する。
母親を迎えに来た青年将校ヴロンスキーに見詰められたアンナは、彼が気になる存在となる。
ドリーの妹キティの婚約者であったヴロンスキーだったが、アンナに心を奪われてしまう。
そして、夫である政府高官カレーニンとの生活に退屈するアンナも、次第にヴロンスキーに惹かれていくのだが・・・。
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何度も映画化されている物語であり、イギリスを代表する女優として世界的な名声を得たヴィヴィアン・リーの主演作ということもあり、大いに期待された作品。

年齢的にも円熟期を迎え、かなり役にのめり込み、画面からも意欲が伝わるヴィヴィアン・リーの熱演であったが、ジュリアン・デュヴィヴィエの演出がやや単調であり、彼女を含めた役者達の演技に頼り過ぎのようにも思える。

とは言え、ヒロインの夫、兄とその妻、彼女の妹、その夫となる地主の関係など、複雑に絡み合う登場人物を丁寧に描写する演出にも注目。

そんな中で、ヒロインの夫を俗物的に演ずるラルフ・リチャードソンの深い演技が印象に残る。

ヒロインと愛し合う青年将校キーロン・ムーア、ヒロインの兄ヒュー・デンプスター、その妻マリー・カーリッジ、その妹サリー・アン・ハウズ、彼女と結婚する地主ニオール・マッギニス、他マイケル・ガフマーティタ・ハントなどが共演している。


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