1877年に発表された、レフ・トルストイの小説”アンナ・カレーニナ”を基に製作された作品。 ロシア政府高官夫人と青年士官との恋を描く、製作デヴィッド・O・セルズニック、監督クラレンス・ブラウン、主演グレタ・ガルボ、フレドリック・マーチ、モーリン・オサリヴァン、フレディ・バーソロミュー、ベイジル・ラスボーン、レジナルド・オーウェン他共演のドラマ。 |
・グレタ・ガルボ / Greta Garbo / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:クラレンス・ブラウン
製作:デヴィッド・O・セルズニック
原作:レフ・トルストイ”アンナ・カレーニナ”
脚本
クレメンス・ダン
サルカ・ヴィアテル
S・N・バーマン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ロバート・カーン
音楽:ハーバート・ストサート
出演
アンナ・カレニナ:グレタ・ガルボ
アレクセイ・ヴロンスキー伯爵:フレドリック・マーチ
キティ:モーリン・オサリヴァン
セルゲイ:フレディ・バーソロミュー
カレニン:ベイジル・ラスボーン
ヴロンスカヤ伯爵夫人:メイ・ロブソン
スティーヴァ・オブロンスキー:レジナルド・オーウェン
ドリー:フィービー・フォスター
ヤシュヴィン:レジナルド・デニー
レヴィン:ジャイルズ・アイシャム
リリ:ジョーン・マーシュ
カルタソフ夫人:エセル・グリフィス
マトヴェ:ハリー・ベレスフォード
タニア:コーラ・スー・コリンズ
ソロキナ王女:メアリー・フォーブス
コード:ハリー・アレン
マホティン:ミシャ・オウア
カレニン家の使用人:サラ・パッデン
士官:ハリー・コーディング
執事:オラフ・ヒュッテン
アメリカ 映画
配給 MGM
1935年製作 95分
公開
北米:1935年8月30日
日本:1936年4月3日
製作費 $1,152,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1870年代、ロシア、モスクワ。
兵士達と会合を開いていた護衛部隊の士官アレクセイ・ヴロンスキー伯爵(フレドリック・マーチ)は、友人スティーヴァ・オブロンスキー(レジナルド・オーウェン)が、妻ドリー(フィービー・フォスター)でない女性と同席していることに気づき声をかける。
ウォッカを飲み続けるゲームが始まり、ヴロンスキーは最後まで倒れなかった。
スティーヴァとサウナに向かったヴロンスキーは、サンクトペテルブルクから訪ねて来る母を駅に迎えに行くことを伝える。
スティーヴァは、政府高官カレニン(ベイジル・ラスボーン)の妻で、妹のアンナ・カレニナ(グレタ・ガルボ)を自分も迎えに行くことをヴロンスキーに伝える。
駅のホームに向かったヴロンスキーは母(メイ・ロブソン)の車両を確認し、降りてきた女性(グレタ・ガルボ)と目が合い、その美しさに心奪われる。 母と車内で一緒だったその女性がアンナだと知ったヴロンスキーは、彼女に挨拶する。 幼い息子のことを話すアンナに、彼女の兄スティーヴァと一緒だと伝えたヴロンスキーは、彼を呼びに行く。 ヴロンスキーらと別れスティーヴァとその場から去ろうとしたアンナは、作業員が列車の下敷きになったことを知り、悪い予感がする。 浮気によりドリーと問題を起こしたスティーヴァの相談を受けに来たアンナは、彼の屋敷に向かう。 その日は部屋から出てこないというドリーと二人で話したアンナは、スティーヴァの浮気相手が子供の家庭教師だということを知る。 スティーヴァに悪気はなく、家族のことを大切にしているとドリーに伝えたアンナは、許してあげるべきだと言って彼女を説得する。 訪ねて来たドリーの妹キティ(モーリン・オサリヴァン)は、姉を悲しませるスティーヴァを責める。 部屋から出てきたアンナはキティに挨拶し、スティーヴァとドリーに話し合いをさせる。 キティと金曜日に開かれる舞踏会の話をしたアンナは、彼女がヴロンスキーに惹かれていることを知る。 今朝、駅でヴロンスキーには会ったと伝えたアンナは、戸惑いながら、好青年レヴィン(ジャイルズ・アイャム)のことをどう思うかキティに尋ねる。 結婚相手とは思えないと答えたキティは、ヴロンスキーの印象をアンナに尋ね、魅力的で優しいと言われたために嬉しく思う。 部屋から出てきたスティーヴァは、作戦は成功したとアンナに伝える。 舞踏会当日、会場に着いたアンナは、スティーヴァからレヴィンを紹介される。 レヴィンからダンスに誘われたキティは、彼から愛していると言われるが、ヴロンスキーが気になる。 アンナに挨拶したヴロンスキーは、彼女をダンスに誘うものの遠慮すると言われ、キティと踊る。 二人が気になるレヴィンは、スティーヴァから、キティが自分の妻になる予感がしているらしいとドリーが言っていたことを知らされて安心する。 レヴィンから結婚の話をされたキティは興味を示さず、何人もの士官に声をかけらえる。 再びヴロンスキーに誘われたアンナは断れず、ダンスの相手をする。 二人を見たキティは気分を害し、レヴィンと踊る。 マズルカに合わせて踊るヴロンスキーは、自分の気持ちをアンナに伝える。 それに興味を示さないアンナは、ヴロンスキーから食事に誘われるものの、その場を去る。 列車でサンクトペテルブルクに向かうアンナは、停車駅で外の空気を吸いに行き、現れたヴロンスキーが自分を追ってきたことを知る。 アンナに気持ちを伝えたヴロンスキーだったが、彼女に拒まれる。 サンクトペテルブルク。 ヴロンスキーから声をかけられたアンナは、彼をカレニンに紹介する。 屋敷に戻ったアンナは、息子セルゲイ(フレディ・バーソロミュー)を抱きしめる。 表面上は理想の夫婦だったが、アンナとカレニンとの関係は冷めきっていた。 その後、お茶会の場で人目も気にせずアンナと行動を共にするヴロンスキーは、彼女からキティとの結婚を勧められる。 諦めようとしないヴロンスキーに迫られたアンナは、それを拒む。 二人の件でか婦人ら忠告されたカレニンは、平静を装う。 その夜カレニンは、夜中になってもアンナが帰宅しないために苛立つ。 ヴロンスキーの気持ちを受け入れたアンナは、彼に愛を伝える。 帰宅したアンナは、ベッドで寂しがるセルゲイにキスして眠らせ、カレニンと話をする。 カレニンから、ヴロンスキーとの件が噂になっていることで意見されたアンナは、立場をわきまえ息子を傷つけず夫婦の絆を守るようにと警告される。 嫉妬ではないと言うカレニンはその場を去り、アンナにとってはすべて手遅れだった。 母から、アンナとの関係でうまく立ち振る舞うべきだと言われたヴロンスキーは、世間の噂など気にしなかった。 友人のヤシュヴィン大尉(レジナルド・デニー)と話したヴロンスキーは、アンナとの件を将軍が心配し、連隊からの除隊も考慮中ということを知らされる。 軍よりアンナを選ぶと将軍に伝えるようヤシュヴィンに指示したヴロンスキーは、その場を去る。 カレニン邸に向かいアンナに会ったヴロンスキーは、すべてを捨てて結婚してほしいと伝え、彼女と抱き合う。 そこに現れたセルゲイはヴロンスキーに挨拶し、今日、行われる馬のレースの話をする。 セルゲイを乗馬に向かわせたアンナは、息子のことを忘れていたとヴロンスキーに伝える。 アンナから、決断には時間が必要だと言われたヴロンスキーは、自分はすべてを捨てられるとアンナに伝える。 アンナがセルゲイのことにこだわるため、諦めたヴロンスキーは立ち去る。 ヴロンスキーを追うアンナだったが、乗馬をするセルゲイに呼ばれる。 カレニンと共に競馬場に向かったアンナは、障害レースに出場するヴロンスキーを見守る。 ヴロンスキーが落馬したために動揺するアンナを連れて屋敷に戻るカレニンは、恥をかかされたと彼女に伝える。 アンナからヴロンスキーを愛していると言われたカレニンは、あくまでも離婚を拒む。 ヴロンスキーと会うことを禁じたカレニンは、従わなければセルゲイを失うことになるとアンナに伝える。 それには耐えられないアンナは、名誉と自分のことしか考えないカレニンを批判し理解を求めるが、聞き入れてもらえない。 屋敷でヤシュヴィンと話していたヴロンスキーは、アンナが訪ねて来たことを知り、彼に帰ってもらう。 互いの愛を確かめたアンナとヴロンスキーは、旅立つ決心をする。 その後、キティとレヴィンの結婚式が行われる。 イタリア、ヴェネツィア。 カレニンは、アンナを恋しく思うセルゲイに、母は亡くなったと伝える。 セルゲイに会いたいアンナは、帰国したいことをヴロンスキーに伝える。 サンクトペテルブルグに戻ったヴロンスキーは、ヤシュヴィンにオスマン帝国との情勢を確認し、いつでも軍に戻るつもりだと伝える。 カレニンに手紙を出したアンナは、セルゲイと会うことを許してもいらえない。 オペラ観賞のために劇場に向かったアンナとヴロンスキーは、たちまち人々の注目を集める。 現れたヤシュヴィンから、母が呼んでいると言われたヴロンスキーは、彼女の席に向かう。 その間、隣席のカルタソフ夫人(エセル・グリフィス)がアンナを侮辱したため、ヴロンスキーは彼女の夫に説明を求め、悪気はなかったと言われ謝罪される。 自分は死んだことになっていて、セルゲイに会うことができないために嘆くアンナを、ヴロンスキーは気遣う。 セルゲイの誕生日に屋敷に向かったアンナは、息子を抱きしめて話をする。 カレニンが帰宅し、涙するセルゲイと別れたアンナは去ろうとする。 セルゲイの誕生日だと言っても聞き入れてもらえないアンナは、カレニンに罵倒されながらその場を去る。 田舎暮らしをしていたヴロンスキーは、ヤシュヴィンからの手紙を受け取り、オスマン帝国との戦争が近いことを知り、義勇兵として戦おうとする。 それを知ったアンナは、戦争を理由に自分から逃げる気だと言ってヴロンスキーを非難する。 愛を優先して語るアンナの言葉を遮り、男には友人や仕事が大事なこともあると言うヴロンスキーは、彼女に別れを告げる。 ヴロンスキーを引き留めなかったことを後悔したアンナは、モスクワのドリーの家に向かうという手紙を彼に送る。 モスクワ。 甥からセルゲイのことを訊かれたアンナは動揺する。 アンナを励ましたスティーヴァは、会合があるために出かけようとする。 別れを告げるアンナの言葉が気になるスティーヴァは、彼女に声をかけてその場を去る。 ドリーは、セルゲイのことで辛い思いをしているアンナに、どんな人生にも償うべき罰があると伝える。 現れた執事(オラフ・ヒュッテン)から、既に駅に向かったヴロンスキーに手紙は渡せなかったと言われたアンナは、ドリーにその件は話さずに駅に向かう。 アンナと話せなかったキティは残念に思い、悲しい表情の彼女が気になる。 駅のホームに向かい、兵士たちが乗る列車に近づくアンナは、ヴロンスキーが、母に伴う若い女性リリ(ジョーン・マーシュ)に別れを告げている姿を見てショックを受ける。 絶望したアンナは夜までその場で過ごし、発車した列車に身を投げる。 その後、アンナの死の意味を考えるヴロンスキーは、最後に彼女を無視したことを後悔し、この罪を一生背負っていくだろうとヤシュヴィンに話す。 ヤシュヴィンから運命だったと言われたヴロンスキーは、アンナと別れる際に許しを請おうとしたものの、突然、愛が冷めたことを伝える。 アンナは許してくれると言われたヴロンスキーは、彼女にしか分からないとヤシュヴィンに伝える。 アンナの写真を見つめるヴロンスキーは、彼女のことを想う。
...全てを見る(結末あり)
夜明けに到着したアンナは、夫カレニンに迎えられる。
愛を語り合うアンナとヴロンスキーは、夢のような時間を過ごす。
スティーヴァに迎えられたアンナは、ドリーや子供が生まれたドリーとレヴィンと話をする。
*(簡略ストー リー)
1870年代、ロシア、モスクワ。
政府高官カレニン夫人であるアンナ・カレニナは、護衛部隊の青年士官ヴロンスキーと出会う。
美しいアンナに惹かれたヴロンスキーは、彼女に好意を伝えるものの、夫と息子がいる身の彼女に受け入れてもらえない。
サンクトペテルブルグに戻り、最愛の息子セルゲイと過ごす時間を楽しみにするアンナだったが、地位と家柄だけを気にするカレニンとの関係は冷めきっていた。
そんなアンナは、やがて、自分にすべてを捧げると言うヴロンスキーの愛を受け入れてしまうのだが・・・。
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レフ・トルストイの代表作である原作を基に、1927年のサイレント映画でもアンナ・カレニナを演じたグレタ・ガルボが、再び同じ役を演じたことで話題になった作品。
人間を超越した雰囲気があるグレタ・ガルボは、どことなく愛が似つかわしくないとい・・・というところがまた彼女らしくもあり、ニューヨーク映画批評家協会賞の主演女優賞を受賞している。
ガルボは、ロマンスよりも息子に愛情を注ぐシーンの方が表情が豊かであり、撮影当時29歳の彼女の母性を感じさせてくれる演技は注目だ。
ガルボと言えばクラレンス・ブラウンということになる、彼の演出は本作ではやや単調なのだが、デヴィッド・O・セルズニックの豪華嗜好はふんだんに盛り込まれ、衣装なども含めセットの素晴らしさなどは見どころの一つだ。
主人公との愛を掴むものの、男として歩む道を選び別れるアレクセイ・ヴロンスキー伯爵のフレドリック・マーチ、主人公の兄スティーヴァ・オブロンスキーのレジナルド・オーウェン、そのドリーのフィービー・フォスター、その妹キティのモーリン・オサリヴァン、彼女と結婚する青年ジャイルズ・アイシャム、主人公の息子を演ずる名子役フレディ・バーソロミュー、主人公の夫である政府高官カレニンのベイジル・ラスボーン、ヴロンスキーの母親メイ・ロブソン、ヴロンスキーの友人である士官のレジナルド・デニー、ヴロンスキーに惹かれる女性ジョーン・マーシュ、オペラ会場で主人公を侮辱する夫人エセル・グリフィス、他ハリー・ベレスフォード、コーラ・スー・コリンズ、メアリー・フォーブス、ハリー・アレン、ミシャ・オウア、サラ・パッデン、ハリー・コーディング、オラフ・ヒュッテンなどが共演している。