処女航海で沈没した豪華客船”タイタニック”の悲劇を描く、監督ロイ・ウォード・ベイカー、主演ケネス・モア、マイケル・グッドリーフ、ローレンス・ネイスミス、ケネス・グリフィス、デヴィッド・マッカラム、タッカー・マクガイア他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロイ・ウォード・ベイカー
製作:ウィリアム・マッキティ
原作:ウォルター・ロード”A Night to Remember”
脚本:エリック・アンブラー
撮影:ジェフリー・アンスワース
編集:シドニー・ヘイヤーズ
音楽:ウィリアム・オルウィン
出演
チャールズ・ライトラー二等航海士:ケネス・モア
トーマス・アンドリューズ:マイケル・グッドリーフ
エドワード・J・スミス船長:ローレンス・ネイスミス
ジャック・フィリップス無線通信士:ケネス・グリフィス
ハロルド・ブライド無線通信士:デヴィッド・マッカラム
マーガレット “モリー”ブラウン:タッカー・マクガイア
ジョセフ・ブルース・イズメイ:フランク・ロートン
ウィリアム・マクマスター・マードック一等航海士:リチャード・リーチ
マーフィー:ジョン・カーニー
マーティン・ギャラガー:リチャード・クラーク
ジェームズ・ファレル:パトリック・マカリーニー
アーサー・ロストロン船長(カルパチア):アンソニー・ブッシェル
ハロルド・トーマス・コッタム無線通信士(カルパチア):アレック・マコーエン
クラーク:ロナルド・アレン
クラーク夫人:ジル・ディクソン
シリル・エヴァンス無線通信士(カリフォルニアン):ジェフリー・ベイルドン
チャールズ・ジョーキン:ジョージ・ローズ
ロバート・ルーカス:ジョン・メリヴェール
リズ・ルーカス:オナー・ブラックマン
アーサー・ゴドフリー・ポウヘン:ロバート・エアーズ
ジェイ・イエーツ:ラルフ・マイケル
アーチボルド・グレイシー4世大佐:ジェームズ・ディレンフォース
スタンレー・ロード船長(カリフォルニアン):ラッセル・ネイピア
シルヴィア・ライトラー:ジェーン・ダウンズ
リチャード卿:パトリック・ワディントン
レディ・リチャード:ハリエット・ジョンズ
ホイル:レドモンド・フィリップス
ウィリアム・オラフリン:ジョセフ・トメルティ
ジョセフ・ボックスホール四等航海士:ジャック・ワトリング
ジェームズ・ポール・ムーディ六等航海士:マイケル・ブライアント
ヘンリー・ティングル・ワイルド航海士長:ハワード・ラング
ロウ操舵手:シリル・チェンバレン
ファレル夫人:ビー・ダフェル
ベンジャミン・グッゲンハイム:ハロルド・ゴールドブラット
三等航海士(カルパチア):ジェラルド・ハーパー
客室乗務員:トーマス・ヒースコート
ジョン・ヘンリー”ハリー”ヘスケス二等機関士:アンドリュー・キア
ハロルド・ロウ五等航海士:ハワード・ペイ
ハーバート・ストーン二等航海士(カリフォルニアン):ハロルド・シドンズ
ブル:ジュリアン・ソマーズ
ブル夫人:ロザムンド・グリーンウッド
ハイケンズ(バンドマスター):アーサー・グロス
ウォレス・ハートリー(バンドリーダー):チャールズ・ベルチエ
ジョセフ・G・ベル機関士長:エマートン・コート
エディス・ラッセル:テレサ・ソーン
少年:ジョン・モルダー・ブラウン
ウィリアム・T・ステッド:ヘンリー・キャンベル
ひげを生やした船員:ラリー・テイラー
船員:レイ・オースティン
食堂責任者:エドワード・マリン
客室乗務員:ビクター・ウッド
船員:リチャード・ショー
かまたき:ジャック・スチュワート
エヴァンス:オルウェン・ブルックス
ベンジャミン・グッゲンハイムの付き人:ポール・ハードウィック
客室乗務員:デスモンド・リュウェリン
イギリス 映画
配給 The Rank Organisation
1958年製作 123分
公開
イギリス:1958年7月3日
北米:1958年12月16日
日本:1958年11月28日
製作費 £500,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1911年5月31日。
世界最大の豪華客船”タイタニック”は進水する。
1912年。
列車に乗っていたタイタニックの二等航海士チャールズ・ライトラー(ケネス・モア)は、妻シルヴィア(ジェーン・ダウンズ)に船について語る。
その頃、タイタニックの処女航海の準備が進められていた。
タイタニックに乗船するリチャード卿夫妻(パトリック・ワディントン/ハリエット・ジョンズ)は、使用人や施設の子供たちに見送られて屋敷を出発する。
新婚のクラーク夫妻(ロナルド・アレン/ジル・ディクソン)も、新婚旅行でタイタニックに乗船する予定だった。
3等客としてタイタニックに乗船するマーフィー(ジョン・カーニー)、マーティン・ギャラガー(リチャード・クラーク)、ジェームズ・ファレル(パトリック・マカリーニー)らも旅立つ。 ライトラーは、シルヴィアとの別れを惜しみながらタイタニックに向かう。 4月10日、サウサンプトン。 2人の話を聞いていたエドワード・J・スミス船長(ローレンス・ネイスミス)は、ウィリアム・マクマスター・マードック一等航海士(リチャード・リーチ)に乗員を持ち場に着かせる。 不沈船と言われたタイタニックは、2200人以上の乗客乗員を乗せて出航する。 4月14日、日曜日。 ハーバート・ストーン二等航海士(ハロルド・シドンズ)と位置を確認したロード船長は、急がずに航行しようと考える。 タイタニック。 流氷警報を確認したスミス船長は、それを気にするイズメイに通信文を渡し、注意することを伝える。 カリフォルニアン。 タイタニック。 食堂に向かったリチャード卿夫妻は、アメリカ人の富豪夫人マーガレット “モリー”ブラウン(タッカー・マクガイア)の近くのテーブルに案内される。 かまたき(ジャック・スチュワート)と話したアンドリューズは、異状ないことを確認する。 ブライドと交代したジャック・フィリップス無線通信士(ケネス・グリフィス)は、群氷多数と巨大氷山の目撃の警報を受け取るものの、報告せずに他の通信文と一緒にしてしまう。 電信を打ち続けるフィリップスは、氷山警報の上に通信文を重ねてしまう。 スミス船長に異状がないことを伝えたライトラーは、ジェームズ・ポール・ムーディ六等航海士(マイケル・ブライアント)に、見張り所に氷の監視を怠らないよう伝えることを指示する。 氷原を確認したカリフォルニアンのロード船長は船を停止させ、付近にいる船(タイタニック)に停船を知らせるようエヴァンスに指示する。 タイタニック。 船内に向かったライトラーは、富豪を相手にカードをする、ギャンブラーのジェイ・イエーツ(ラルフ・マイケル)のことを気にする。 カリフォルニアン。 タイタニック。 カリフォルニアンのストーンは、巨大船が15キロの場所を航行していることを、眠っていたロード船長に伝える。 モールス信号で船名を確認することを、ロード船長はストーンに指示する。 タイタニック。 機関室などが浸水し、乗員は避難する。 騒ぎに気づいたものの、客はさほど心配せず、浸水箇所では排水作業が始まる。 うたた寝をしていたアンドリューズは、船長に呼ばれてブリッジに向かう。 ブリッジに現われたイズメイは、予定が遅れることを気にする。 スミス船長から氷山に衝突したことを知らされたアンドリューズは、ダメージを調べるために浸水箇所に向かう。 甲板に出たマーフィーらは、氷山のかけらを蹴って遊び始める。 騒ぎで目覚めたライトラーは、何事が起きたか考える。 機関室を調べたアンドリューズは、乗員を避難させるようジョセフ・G・ベル機関士長(エマートン・コート)に指示する。 フィリップスは、騒ぎに気づき起きて来たブライドに手伝ってもらうことにする。 5区画が洪水状態であることをスミス船長に報告したアンドリューズは、結論を訊かれ、沈没することを伝える。 沈没まで約1時間半しかないことを知ったスミス船長は、2200名あまりにたいし、救命ボートに乗れる人数は1200名だとアンドリューズから知らされる。 ブリッジに戻ったスミス船長は、ライトラーらを前に退船準備を始めることを伝える。 スミス船長は、マードックは乗客の集合、ライトラーには救命ボートの用意、ジョセフ・ボックスホール四等航海士(ジャック・ワトリング)は乗員の指揮、ムーディにはライトラーの補佐を命じ、ブリッジには2名残す。 パニックを起こさず沈着冷静に行動するようにと伝えたスミス船長は、ボートには女性と子供から乗せるよう指示する。 スミス船長は、大袈裟すぎると考えるイズメイに、アンドリューズも沈没すると言っていると伝える。 絶対に沈まないと言うイズメイは、ボートも足りないとスミス船長に伝えて顔色を変える。 甲板長らに事態を説明したライトラーは、ボートを吊りだす準備を始める。 通信室に向かったスミス船長は、救助要請と救難信号を送るようフィリップスに指示する。 カリフォルニアンのストーンは、停泊している船(タイタニック)に気づくのだが、モールス灯で呼びかけても応答がないことを知る。 エヴァンスは眠っていたために、タイタニックの救難信号に気づかなかった。 タイタニック。 乗員たちは、暖かい服装で救命胴衣を着けて甲板に出るよう乗客たちに伝える。 3等の客室では浸水する部屋もあり、乗員の話を聞かない客も多かった。 指示に従う乗客は集まり始め、船が少しずつ傾き始める。 カルパチア。 コッタムに起こされたアーサー・ロストロン船長(アンソニー・ブッシェル)は、タイタニックが沈没することを知り、進路を変更する。 ロストロン船長は、できるだけ早く向かうと返信するようコッタムに指示する。 タイタニック。 スミス船長は、15キロ先の船(カリフォルニアン)からの応答がないことを、ブライドに確認する。 5分間隔で遭難信号弾を打ち上げさせるよう、スミス船長はムーディに指示する。 ライトラーは、左舷ボートの用意ができたことをスミス船長に報告し、女性と子供から乗せて降ろすよう指示される。 カリフォルニアン。 タイタニック。 乗客は順番にボートに乗り始めるが、船内の方が安全だと言い張る者もいた。 ベル機関士長は、一人でも多くの人命を救うため、排水作業を続ける。 乗客のロバート・ルーカス(ジョン・メリヴェール)から状況を訊かれたアンドリューズは、1時間で沈むので、夫人と3人の子供をボートに乗せるようにと伝える。 部屋に戻ったルーカスは、妻のリズ(オナー・ブラックマン)から外の騒ぎのことを訊かれ、船が氷山に衝突したためにニューヨーク到着は遅れると伝える。 ルーカスは、女性と子供はボートに乗るようにという船長命令に従うようリズに伝えて、子供たちを起こす。 浸水箇所の隔壁は破れ、乗員は上に避難する。 マーフィーら3等客は、1等の通路から甲板に向かうことを許されなかった。 機関室に向かったベルは、乗員から助かるか訊かれ、最善を尽くして作業し、単独で脱出することも考えるよう指示し、カルパチアが到着することを伝える。 カルパチアのロストロン船長は、すべての蒸気を推進に回すよう指示し、救助の準備をさせる。 タイタニック。 カリフォルニアン。 タイタニック。 マーフィーらは2等にたどり着くが、甲板の方向が分からない。 ボートに着いたルーカスは、別れるのを嫌がるリズに、命令するのはこれが初めてだと言って、心配する彼女を説得して指示に従わせる。 リズはライトラーの誘導でボートに乗り、娘たちと眠っている息子トムに別れを告げたルーカスは、覚悟を決める。 ルーカスからトムを預かったライトラーはリズに渡し、ボートを降ろす。 それを見守るルーカスは、リズと子供たちに手を振る。 1等に着いたマーフィーらは、甲板に向かう。 甲板に出たハートリーらは、その場で演奏を始める。 ブタのお守りを取りに船室に戻ったエディス・ラッセル(テレサ・ソーン)は、宝石箱を持って行こうとしなかった。 その頃イエーツらは、最悪の結果を考えつつゲームを続ける。 スミス船長は、カルパチアが3時半頃到着することをフィリップスから知らされ、間に合わないと考え、近くの船を探すよう指示する。 ボックスホールから、付近の船が気づかないと言われたスミス船長は、ロウ操舵手(シリル・チェンバレン)にモールス灯で救助を要請するよう指示する。 スミス船長は、ボックスホールにボートを手伝うことを指示し、ヘンリー・ティングル・ワイルド航海士長(ハワード・ラング)に銃の用意をさせる。 マーフィーらは甲板に着き、女性だけがボートに乗せられる。 クラークは、嫁入り道具など荷物を持っていけないため、すべてを失うことを悲しむ妻に、自分がいることを伝える。 ライトラーは、ボートに船員が一人しか乗っていないことをブラウン夫人に指摘され、ヨットマンだと言う男性を乗せる。 甲板に向かえない乗客らは、乗員らと揉めて騒ぎを起こす。 クラークは、別れたくないという妻を説得することができない。 ライトラーは、13歳だという少年をボートに乗せて、母親の面倒を見させる。 レディ・リチャードは、リチャード卿と一緒にボートに乗る方法を考える。 ルールを守らずにボートに乗った男性を降ろしたライトラーは、マードックの元に向かうよう指示される。 船室にいたベンジャミン・グッゲンハイム(ハロルド・ゴールドブラット)は、付き人(ポール・ハードウィック)と共に甲板に上がろうとする。 1等に行けない者たちは、扉を壊して上に向かう。 ライトラーらは、暴動に備えて銃の準備をする。 排水作業をしていた者たちも退避することになる。 3等の女性も上がることを許可され、男たちも向かうももも、ボートがなかった。 最後の信号弾を打ち上げたロウは、気づいてもらえないことを残念に思い、スミス船長は、マードックを手伝うよう彼に指示し、彼方の船(カリフォルニアン)を見つめながら神に祈る。 妹に手紙を書いたイエーツは、ボートに乗る女性にそれを渡し、投函してほしいと伝えてラウンジに戻る。 乗客を誘導していたイズメイは、降ろされる女性たちのボートに乗ってしまう。 フィリップスに状況を聞いたスミス船長は、電力が残り少ないことを伝えて、カルパチアに連絡し続けることを指示する。 カルパチア。 電力不足で通信もあとわずかとなり、タイタニックが到着時間を聞いていると言われたロストロン船長は、2時間だとコッタムに伝える。 ボートに乗ろうとする乗客は騒ぎ始め、混乱を鎮めるためにライトラーは上空に向けて銃を発砲する。 沈没時に巻き込まれる恐れがあるため船から離れる必要があり、ブラウン夫人は、体が暖まると言って率先してオールを漕ごうとする。 残りが折り畳みボート2艘だと知ったライトラーは、船が沈む時に浮かすことを考え、その準備をする。 誰も聴いていないことを承知しながら、ハートリーは演奏を続ける。 ラウンジに向かったアンドリューズは暖炉の前で考え込み、その場にいたクラーク夫妻に、予備のボートに乗れると伝える。 クラークから向かうようにと言われた妻はそれを拒み、アンドリューズに結婚しているか尋ねる。 していると答えたアンドリューズは、自分の妻なら指示に従ってくれると夫人に伝える。 アンドリューズに子供がいることを確認したクラーク夫人は、従う理由が分かったと伝える。 アンドリューズは、最後には救命胴衣を着けて船から脱出し、舷側からロープで降り離れてボートに向かうようにと伝える。 白いものを身につけていると目立つと2人に伝えたアンドリューズは、その場を去る。 クラークは、アンドリューズが死を覚悟していると考えるが、妻と共に諦めなかった。 発電機が停止したことを知ったベルは、乗員を避難させる。 電力が切れたことに気づいたフィリップスとブライドは、任務は果たしたと言うスミス船長から退船するよう指示される。 しかしフィリップスは、諦めずに通信を続ける。 救命胴衣を奪おうとした乗員を殴り倒したフィリップスは、ブライドと共に脱出しようとする。 船首が水中に沈み始め、折り畳みボートは落下してしまい、諦めたライトラーは右舷に向かう。 スミス船長は、退船するよう乗客と乗員に指示する。 船内はパニックになり、船尾に向かう乗客は水中に落下する者もいた。 ハートリーから役目は果たしたと言われたバンドメンバーは退船しようとするものの、彼が演奏を続けたために戻る。 避難するボートの乗客は、ハートリーらの演奏と共にその歌声を聴く。 船は急激に傾き、落下したクラーク夫妻は転覆したボートに向かい、水中のライトラーがそれを誘導する。 アンドリューズは退船しようとせず、船のきしむ音を聴きながら覚悟を決める。 母親とはぐれた少年(ジョン・モルダー・ブラウン)は、老紳士に抱きかかえられる。 船内の照明が消えて乗客の叫び声が聴こえ、ルーカスは妻子の乗るボートを見つめる。 船は沈み始め、折れた煙突はクラーク夫妻の上に落下する。 船尾のマーフィーらは、神に祈るしかなかった。 沈没したタイタニックは水面から姿を消し、それを見つめるリチャード卿夫妻はうなだれる。 悲しむ乗客に声をかけたブラウン夫人は、溺れかけている乗客を助けようとする。 船員に反対されたブラウン夫人だったが、それを無視して救助に向かう。 ボートに余裕がないと言うリチャード卿夫妻も、救助には反対する。 カリフォルニアン。 それをロード船長に伝えたストーンは時刻を伝え、日誌に記録しておくことを指示される。 転覆したボートにたどり着くものの乗せてもらえないイエーツは、その場にいたライトラーに別れを告げて離れていく。 転覆したボートに乗り指揮を執ったライトラーは、ブライドからカルパチアのことを聞き、マーフィーらを助けながら冷静に対処する。 死んだ者は仕方なく海に流すよう指示したライトラーは、灯りが見えたために笛を吹く。 その笛に気づいた他のボートは、それに近づく。 カルパチア。 前方の灯りを見つけたロストロン船長は、信号弾を打ち上げるよう指示する。 ブラウン夫人は信号弾に気づき、他のボートでも火を燃やして合図する。 乗客はカルパチアの到着を喜ぶが、ライトラーは犠牲者のことを考えると辛かった。 そのことをアーチボルド・グレイシー4世大佐(ジェームズ・ディレンフォース)と話したライトラーは、速度を上げずに早く氷山に気づけいていれば衝突もなかったと話し後悔する。 規則以上に救命ボートを装備していれば事態も変わっていたと言うライトラーに対し、大佐は、最善を尽くしたので自分を責めるべきでなく、神ではないのだからと伝える。 ライトラーは、遭難の怖さは体験して知っているが、今回は別だと大佐に伝える。 不沈船だと確信していたタイタニックが沈んだことが信じられないと言うライトラーは、もう何に対しても確信は持たないと伝える。 夜が明けて、救助された乗客は、犠牲者に祈りを捧げる。 ロストロン船長に呼ばれたライトラーは、現場を見ておきたかっただろうと言われ、1体の遺体が収容されただけで、あとは潮に流されたことを知らされる。 ライトラーは、生存者は705名で、1500名が犠牲になったことを知る。 ロストロン船長は、カリフォルニアンから協力すると言う電信を受け取ったことをコッタムから知らされ、人間のできることはすべてやり尽くしたと返信するよう指示する。 ライトラーとロストロン船長は、静かな海を見つめる。 犠牲者の死は無駄ではなかった。
...全てを見る(結末あり)
タイタニックの設計者である造船会社”ハーランド・アンド・ウルフ”の常務取締役兼設計部門部長トーマス・アンドリューズ(マイケル・グッドリーフ)は、船を所有する海運企業”ホワイト・スター・ライン”の経営者ジョセフ・ブルース・イズメイ(フランク・ロートン)と話をする。
”カリフォルニアン”のシリル・エヴァンス無線通信士(ジェフリー・ベイルドン)は、先行の船からの流氷報告をスタンレー・ロード船長(ラッセル・ネイピア)に伝える。
ハロルド・ブライド無線通信士(デヴィッド・マッカラム)から船長への伝言を預かった食堂責任者(エドワード・マリン)は、イズメイらと食事をするスミス船長にそれを渡す。
タイタニックの位置などを確認するエヴァンスは、引き続き流氷警報を出す。
3等客のマーフィーは、女性を誘い踊り楽しい時間を過ごす。
マードックと交代したライトラーは、見回りを始める。
停船位置を付近の船(タイタニック)に知らせたエヴァンスだったが、通信状態が悪く、それを受けたフィリップスはメッセージを遮り、”レース岬と通信中だ”と伝えただけだった。
船室に戻ったライトラーは、床に落ちたシルヴィアの写真を戻して眠ろうとする。
見張所から前方の氷山のことを知らされたマードックは、それを回避しようとするものの、避け切れずに船の右舷が接触する。
2隻に連絡がついたものの遠すぎるため、フィリップスは、ブライドから新しい遭難信号”SOS”を知らされてそれを試す。
三等航海士(ジェラルド・ハーパー)と話していたハロルド・トーマス・コッタム無線通信(アレック・マコーエン)は通信室に戻り、氷山に衝突したタイタニックからの”SOS”を受信する。
ブライドは、カルパチアから急行するという連絡がきたことをスミス船長に知らせ、90キロの位置で4時間かかることを伝える。
ストーンは信号弾を確認するものの、打ち上げられた理由を理解できなかった。
バンドリーダーのウォレス・ハートリー(チャールズ・ベルチエ)は、乗客を落ち着かせるために演奏を始める。
ライトラーは、口出しして邪魔をするイズメイを下がらせ、最初のボートを海面に降ろす。
6発目の信号弾を確認したストーンは、それをロード船長に伝え、モールス灯を使うよう指示される。
その信号を確認するものの、ボックスホールは理解できなかった。
救助した者の収容準備をするロストロン船長は、コッタムから、タイタニックが船首から沈んでいるという報告を受ける。
ストーンは、信号弾を打ち上げていた巨船が姿を消したことに気づく。
現地に到着したロストロン船長は、何も見つけることができないまま氷山を確認する。
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現在では、乗客全員を収容できる救命ボートと通信士の24時間態勢が義務付けられ、国際流氷監視隊が世界の人々の安全を守っている。
*(簡略ストー リー)
1912年4月10日、サウサンプトン。
不沈船と言われた世界最大の豪華客船”タイタニック”は、2200名余りの乗客乗員を乗せて出航する。
順調に目的地に向かうスミス船長は、氷山警報を受けて警戒しながら航行を続ける。
速度を下げなかったことと、無線の不備で連絡が伝わらなかったことが重なり、タイタニックは氷山に接触して船体が損傷する。
船の設計者であるアンドリューズは損害を調べ、1時間半で沈没することをスミス船長に伝える。
スミス船長は、チャールズ・ライトラー二等航海士らに退船の準備を始めさせ、通信士フィリップスとブライドに遭難信号を送るよう指示するのだが・・・。
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1955年に発表された、ウォルター・ロードの著書”A Night to Remember”を基に製作された作品。
20世紀初頭に起きた、世界最大の悲劇と言える大惨事”タイタニック号沈没事故”を描いたドラマ。
当時の記録をできるだけ忠実に再現した物語は、沈没に至るまでの船内の人々や乗員の行動を事実を基にして淡々と描いている。
不運が重なったために起きた海難事故の詳細や、乗客乗員のそれぞれのドラマも繊細なタッチで描かれ、沈没までの緊迫感を含め、徹底してリアリズムを追及した本作は高い評価を得た。
*事実とは違い、船体は二つに折れずに船首から沈む。
ニュースフィルムなどを使った巨大船の迫力映像や、沈没していく船のセットなども素晴らしく、見応えある作品に仕上がっている。
第16回ゴールデングローブ賞では、外国映画賞を受賞した。
冷静な対応で一人でも多くの乗客を救おうとするタイタニックのチャールズ・ライトラー二等航海士ケネス・モア、タイタニックの設計者である造船会社”ハーランド・アンド・ウルフ”の常務取締役兼設計部門部長トーマス・アンドリューズのマイケル・グッドリーフ、エドワード・J・スミス船長のローレンス・ネイスミス、ジャック・フィリップス無線通信士のケネス・グリフィス、ハロルド・ブライド無線通信士のデヴィッド・マッカラム、ウィリアム・マクマスター・マードック一等航海士リチャード・リーチ、船を所有する海運企業”ホワイト・スター・ライン”の経営者ジョセフ・ブルース・イズメイのフランク・ロートン、酒を飲み続けるパン焼き主任チャールズ・ジョーキンのジョージ・ローズ、ジョセフ・ボックスホール四等航海士のジャック・ワトリング、ジェームズ・ポール・ムーディ六等航海士のマイケル・ブライアント、ヘンリー・ティングル・ワイルド航海士長のハワード・ラング、操舵手のシリル・チェンバレン、ハロルド・ロウ五等航海士ハワード・ペイ、二等機関士のアンドリュー・キア、ジョセフ・G・ベル機関士長エマートン・コート、客室乗務員のトーマス・ヒースコートとデスモンド・リュウェリン、食堂責任者のエドワード・マリン、かまたきのジャック・スチュワート、ひげを生やした船員のラリー・テイラー、バンドリーダーのウォレス・ハートリーのチャールズ・ベルチエ、人間味のある富豪夫人マーガレット “モリー”ブラウンのタッカー・マクガイア、3等乗客のジョン・カーニー、リチャード・クラーク、パトリック・マカリーニー、新婚夫婦ロナルド・アレンとジル・ディクソン、妻子を救おうとするジョン・メリヴェールと妻オナー・ブラックマン、救助に向かうカルパチアのアーサー・ロストロン船長アンソニー・ブッシェル、ハロルド・トーマス・コッタム無線通信士のアレック・マコーエン、三等航海士のジェラルド・ハーパー、タイタニックからの遭難信号に気づかないカリフォルニアンの無線通信士ジェフリー・ベイルドン、タイタニックの生存者アーサー・ゴドフリー・ポウヘンのロバート・エアーズ、ギャンブラーのラルフ・マイケル、生存者として生還するものの後遺症で8か月後に亡くなる大佐アーチボルド・グレイシー4世のジェームズ・ディレンフォース、タイタニックの付近に停船していたものの救助要請に気づかないカリフォルニアンのスタンレー・ロード船長のラッセル・ネイピア、二等航海士のハロルド・シドンズ、主人公チャールズ・ライトラーの妻ジェーン・ダウンズ、自己中心的な貴族パトリック・ワディントンと妻ハリエット・ジョンズ、乗客のレドモンド・フィリップス、ジョセフ・トメルティ、ベンジャミン・グッゲンハイムのハロルド・ゴールドブラット、その付き人ポール・ハードウィック、ジュリアン・ソマーズとその妻ロザムンド・グリーンウッド、エディス・ラッセルのテレサ・ソーン、少年のジョン・モルダー・ブラウン、ジャーナリスト、ウィリアム・T・ステッドのヘンリー・キャンベル、他オルウェン・ブルックスなどが共演している。