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エンゼル・ハート Angel Heart (1987)

謎の男から人捜しの依頼を受けたしがない私立探偵が連続殺人事件に巻き込まれる姿を描く、監督、脚本アラン・パーカー、主演ミッキー・ロークロバート・デニーロリサ・ボネットシャーロット・ランプリング他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:アラン・パーカー
製作総指揮
マリオ・カサール

アンドリュー・G・ヴァイナ
製作
アラン・マーシャル

エリオット・キャストナー
原作:ウィリアム・ヒョーツバーグ
脚本:アラン・パーカー
撮影:マイケル・セレシン
編集:ジェリー・ハンブリング
音楽:トレヴァー・ジョーンズ

出演
ハリー・エンゼル:ミッキー・ローク

ルイ・サイファー:ロバート・デニーロ
エピファニー:リサ・ボネット
マーガレット・クルーズマーク:シャーロット・ランプリング
イーサン・クルーズマーク:ストッカー・フォンテリュー

トゥーツ・スウィート:ブラウニー・マギー
ワインサップ:ダナ・フローレック
ファウラー医師:マイケル・ヒキンズ
コニー:エリザベス・ウィットクラフト

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1987年製作 112分
公開
北米:1987年3月6日
日本:1987年6月13日
製作費 $17,000,000
北米興行収入 $17,185,630


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1955年1月、ニューヨーク
落ちぶれた私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)は、弁護士ワインサップ(ダナ・フローレック)の紹介で黒人教会に呼ばれ、ルイ・サイファー(ロバート・デニーロ)という、爪を伸ばした異様な雰囲気の男に会う。

物腰の穏やかなサイファーは、第二次大戦で重傷を負った往年の人気歌手、ジョニー・フェイヴァリット捜しをエンゼルに依頼する。

怪我の後遺症で戦争神経症になったはずの、ジョニーの生死を、サイファーは確認したいということだった。

早速、病院に向かったエンゼルは、ジョニーが1943年に病院を移ったという記録だけを知る。
...全てを見る(結末あり)

しかし、その記録が、当時まだなかったボールペンで書かれていたことを不審に思ったエンゼルは、ジョニーの主治医だったファウラー医師(マイケル・ヒキンズ)の家に侵入して、彼の帰りを待つ。

モルヒネ中毒のファウラー医師は、男女がジョニーを連れ出し、その代償に2万5000ドルを受け取り、彼が入院していることを偽装していたことをエンゼルに話す。

食事に出たエンゼルが戻ると、ファウラー医師は殺されていたため、エンゼルは自分の指紋をふき取りその場を立ち去る。

サイファーに会ったエンゼルは、殺人の容疑で、自分が警察に追われかねないことを伝え手を引こうとするが、5000ドルの報酬に引かれて調査を続けることにする。

女友達のコニー(エリザベス・ウィットクラフト)からの情報で、占い師のマーガレット(シャーロット・ランプリング)とジョニーが親しかったことを知ったエンゼルは、彼の知人関係を洗い始める。

マーガレットを捜しに、ニューオリンズに向ったエンゼルは、客を装い彼女と接触するが、私立探偵だということがバレてしまい追い出される。

ジョニーの愛人だった女性を捜しに行ったエンゼルは、亡くなった彼女の娘エピファニー(リサ・ボネット)と会う
が、情報は得られなかった。

ギター弾きで、ジョニーのバンド仲間トゥーツ・スウィート(ブラウニー・マギー)に会ったエンゼルは、突然、何者かに、そのクラブから放り出されてしまう。

エンゼルはトゥーツの後を付けるが、彼が向かった場所で、エピファニーがヴードゥー教の信者であることを知る。

トゥーツを待ち伏せしたエンゼルは、エピファニーが13歳の時から、ヴードゥー教の巫女だったことを、彼から聞き出す。

翌朝、エンゼルのホテルに刑事が現れ、トゥーツが殺されたことを知らされる。

再びマーガレットを訪ねたエンゼルは、心臓をえぐり取られた彼女の惨殺死体を見つける。

マーガレットの父イーサン(ストッカー・フォンテリュー)の手下につけられていたエンゼルは、町からから出て行くよう袋叩きに遭う。

エピファニーの元に向かったエンゼルは、再び何も情報を得られず、サイファーの伝言を受けて教会に向かう。

エンゼルはサイファーに状況を説明するが、宗教絡みで気味の悪いジョニー捜しに不安を感じる。

宿で待っていたエピファニーと、エンゼルはベッドを共にするが、彼は無意識のうちにエピファニーの首を絞めてしまい、その瞬間に正気に戻る。

刑事にマーガレットとの関係を聞かれたエンゼルは、街角で見かけたイーサンの手下を追いかける。

銃撃されたエンゼルは、直接イーサンの元に向かい、彼の娘マーガレットとジョニーが何かの魔術に夢中になり、二人を引き離そうと、ファウラー医師を買収したということを知らされる。

ジョニーは魔王に生贄を捧げるため、タイムズスクェアで若い兵隊を選び、彼を切り刻み心臓を食べたとイーサンは言うのだが、その時、何者かが彼を殺す。

エンゼルはマーガレットの家に向かい、その兵隊の認識票を探し、そこに現れたサイファー、つまりルシファー”魔王”から、エンゼルこそが他人の記憶で生きてきたジョニーだということを知らされる。

ファウラーやトゥーツ、そして、マーガレットを殺したのもジョニーで、彼の部屋で、エンゼルの認識票が置かれたエピファニーの死体が発見される。

そしてジョニーは、刑事に、エピファニーが自分の娘だと告げて、やがて訪れる自分の死を覚悟する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1955年1月、ニューヨーク
落ちぶれた私立探偵のハリー・エンゼルは、ルイ・サイファーという、異様な雰囲気の男に会う。
サイファーは、第二次大戦で重傷を負った往年の人気歌手”ジョニー・フェイヴァリット”捜しを、エンゼルに依頼する。
病院に向かったエンゼルは、ジョニーが移ったという記録だけを知る。
それを不審に思ったエンゼルは、ジョニーの主治医が、報酬を受け取り、彼が入院していることを偽装していたこと知らされる。
しかし、主治医は殺され、自分が殺人の容疑者になりかねないため、エンゼルは、この件から手を引こうとする。
サイファーは、5000ドルの報酬を提示して、エンゼルはそれに引かれて調査を続けることにする。
その後、ジョニーが、占い師のマーガレットと親しかったことを知ったエンゼルは、彼女と接触するためにニューオリンズに向うのだが・・・。
__________

1978年に発表された、ウィリアム・ヒョーツバーグの小説”Falling Angel”を基に製作された作品。

魔界と宗教、さらには猟奇的な殺人事件が続く血生臭い映像や、ニューオリンズの蒸し暑さや、うっとうしい雨などから、目的を探し当てることのできない主人公の苛立ちが、ひしひしと感じられ、監督アラン・パーカーの演出と脚本は、イギリス人ながら、アメリカ独特の情景を見事に映し出している。

その後は低迷し、再び復活するのに長い年月がかかる、若き日のミッキー・ロークは、落ちぶれた感じや男臭さが実に新鮮であり、イメージが一変してしまう、前の彼の魅力が十分生かされている。

それほど多くの出演場面がある訳ではないのだが、他を圧倒する存在感を示すロバート・デニーロが登場すると、そのシーンに、一気に緊張感が走るあたりはさすがだ。
冷静な物腰が、さらに不気味さを感じさせる。

実は主人公”悪魔”の娘だったリサ・ボネット、妖艶な占い師シャーロット・ランプリングが、呆気なく殺されてしまい、登場場面が少なかったのが残念だ。


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