1939年に発表された、アガサ・クリスティの小説”そして誰もいなくなった”を基に製作された作品。 孤島の別荘に招待され姿なき殺人者を捜し謎を解こうとする人々を描く、製作、監督ルネ・クレール、主演バリー・フィッツジェラルド、ウォルター・ヒューストン、ルイス・ヘイワード他共演のミステリー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ルネ・クレール
製作:ルネ・クレール
原作:アガサ・クリスティ”そして誰もいなくなった”
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:ルシアン・アンドリオ
編集:ハーベー・メンジャー
音楽:マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ
出演
フランシス・J・クインキャノン:バリー・フィッツジェラルド
エドワード・G・アームストロング医師:ウォルター・ヒューストン
フィリップ・ロンバード/チャールズ・モーリー:ルイス・ヘイワード
ウィリアム・ヘンリー・ブロア:ローランド・ヤング
ヴェラ・クレイソーン:ジューン・デュプレ
ニキータ”ニッキー”スタロフ:ミシャ・オウア
ジョン・マンドレイク将軍:C・オーブリー・スミス
エミリー・ブレント:ジュディス・アンダーソン
トーマス・ロジャース:リチャード・ヘイドン
エセル・ロジャース:クイーニー・レナード
フレッド・ナラコット:ハリー・サーストン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1945年製作 97分
公開
北米:1945年10月30日
日本:1976年8月7日
製作費 $1,000,000
北米興行収入 $1,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イングランド、デヴォン。
船乗りフレッド・ナラコット(ハリー・サーストンボート)のボートで離れ狐島に向かう8人は、自分達を招待した”U.N.オーウェン”を誰も知らなかった。
8人を島で降ろしたナラコットは、オーウェンの別荘を管理するトーマス・ロジャース(リチャード・ヘイドン)に手紙を渡す。
トーマスの妻エセルは、ヴェラ・クレイソーン(ジューン・デュプレ)を部屋に案内する。
ヴェラは、隣り部屋のエミリー・ブレント(ジュディス・アンダーソン)に挨拶して、オーウェン夫人の秘書として雇われたことを伝える。
自分のことを夫人から聞いていないかエセルに尋ねたヴェラは、数日前に来たばかりで夫人には会っていないと言われ、使用人は夫と二人だけだということを知る。
オーウェンのことを客から訊かれたトーマスは、夫妻は遅れているのが8時には来ると答える。
フランシス・J・クインキャノン判事(バリー・フィッツジェラルド)は、ロシア人のニキータ”ニッキー”スタロフ(ミシャ・オウア)から自己紹介されたために挨拶する。
エドワード・G・アームストロング医師(ウォルター・ヒューストン)、フィリップ・ロンバード(ルイス・ヘイワード)、ジョン・マンドレイク将軍(C・オーブリー・スミス)もそれに続く。 ウィリアム・ヘンリー・ブロア(ローランド・ヤング)に挨拶したロンバードは、荷物のイニシャルが違うと言われ、友人の”チャールズ・モーリー”から借りたと伝える。 それが気になるブロアは、隣り部屋のロンバードを監視する。 多すぎる客への対応に苛立つエセルは、調理した料理を床に落としてしまうが、それを運ぶトーマスにバレやしないと伝える。 オーウェン夫妻がいないまま食事は始まり、島を”インディアン島”という理由を考えたロンバードは、トーマスから、島がインディアンの頭の形に似ているからだと言われる。 テーブルに飾られていた10体のインディアンの人形が話題になり、ピアノの上に童謡の楽譜があったことをヴェラは皆に話す。 食事後、楽譜を見てピアノを演奏するスタロフは、インディアンの動揺を歌う。 8人は、10人の小さなインディアンが一人ずつ減っていく奇妙な歌を聴きながら過ごす。 トーマスがかけたレコードから聴こえるオーウェンの言葉に耳を澄ます8人は、自分達の罪を告発される。 マンドレイクは妻の愛人メンスフィールドを、エミリーは甥のピーターを死に追いやった。 アルコール依存症と言えるアームストロングは、患者のクリース夫人を死なせた。 スタロフは、フレッドとルーシー・マーロウを殺害した。 ヴェラは、姉の婚約者バークレイを殺害した。 クインキャノンは、敵意を抱くシートンに絞首刑を宣告した。 ロンバードは、東アフリカで部族民21人を殺害した。 ブロアは、虚偽の証言により無実のランダーを殺した。 トーマスとエセルは、元主人であるブレディ夫人を殺害した。 それを訊いたエセルは卒倒してしまう。 10人は罪を問われ、ブロアがレコードを止める。 レコードをかけたトーマスは、オーウェンの指示に従っただけだと皆に伝えて、メモをクインキャノンに渡す。 来なければよかったと言ってエセルはヒステリーを起こし、アームストロングから休ませるようにと言われたトーマスは、彼女を連れて行く。 指示書にサインしてあるオーウェンのことを誰も知らないためにスタロフは驚き、自分は仕事で呼ばれたので違うと伝える。 別室で尚も興奮するエセルを落ち着かせようとするトーマスに、アームストロングは睡眠薬を渡す。 クインキャノンから、ここに来た理由を話し合っていたと言われたアームストロングは、医者嫌いのオーウェン夫人の診察をするために客を装い来たと伝える。 代理人を通してそれぞれが招待されている中で、ロンバードだけがオーウェンから連絡を受けていることが気になるクインキャノンは、その説明を彼に求める。 その前に、来た理由をロンバードから訊かれたブロアは、オーウェンから仕事を依頼された探偵だと皆に伝える。 各自の招待状に”U.N.オーウェン”とサインされているのが”U.N.O/Unknown”(不明)だと、アームストロングとクインキャノンは気づく。 告発は真実だと言うスタロフは、二人を車で轢き殺してしまったことを話す。 自分達を島に招待した理由が分からないと言うクインキャノンに、これは異常者の行いだと伝えたアームストロングは、島を離れることで意見が一致する。 電話がないので、月曜までの3日間は船は来ないとことを知ったスタロフは、島を出る必要はなく、今回の謎を解く提案をしてグラスの酒を飲み干す。 その直後にスタロフは苦しみながら倒れ、アームストロングが彼の死を確認する。 その後、インディアンの人形が一体壊れていることに気づいたトーマスは、それをクインキャノンに知らせて、島には他に誰もいないのかと訊かれる。 いないと言われたクインキャノンは、自分は信じるが警察はどう思うか分からないとトーマスに伝える。 スタロフのグラスを調べようとしたアームストロングは、指紋がつくと言ってそれを制止するブロアから、中身を確認するよう指示される。 それが硝酸だと知ったアームストロングは、ブロアから自殺かもしれないと言われ、調べるのが君の仕事ではないかと伝える。 翌朝、エセルの様子がおかしいことに気づいたトーマスは、アームストロングを呼ぶ。 食卓のインディアンの人形が8体になっていることに気づいたクインキャノンは、エセルが亡くなったことをアームストロングから知らされる。 歌の通りに二人が死んだことが偶然かを考える8人は、警戒し始める。 鍵穴でロンバードの部屋を覗きながら、隠れているはずのオーウェンを探すべきだと伝えたブロアは、彼が銃を持っていることを知る。 二人の話を聞いたアームストロングは、ブロアの部屋を鍵穴から覗き、それにクインキャノンが気づく。 部屋から出たロンバードはクインキャノンに気づき、ブロアも現れ、4人は島に隠れていると思われるオーウェンを探そうとする。 4人は、屋敷内にオーウェンがいないことを確認する。 ポーチで編み物をしていたエミリーは、海岸で海を眺めるマンドレイクに、ヴェラが歩み寄る姿を双眼鏡で確認する。 難聴のマンドレイクに話しかけたヴェラは、自分を妻と思い話しかけてきた彼のことを気遣う。 エミリーは、海岸に向かったクインキャノンらの姿を見つめる。 オーウェンを見つけられずに妄想かと思う4人は、スタロフは自殺かもしれないと考える。 ブロアは、エセルの死について、アームストロングの過投薬の可能性を指摘する。 自分はミスしないと反論するアームストロングだったが、ブロアから、オーウェンの告知では以前、患者を死なせたと言われる。 10体の人形がカギだと考えるクインキャノンは、同意するロンバードと共に、オーウェンの居場所を考える。 夕食の時間になり、マンドレイクの姿が見えないために捜しに行ったロンバードは、彼がナイフで背中を刺され殺されているのを発見して皆に伝える。 アームストロングは殺人だと考え、自分達を犯罪者と思うオーウェンが刑を執行していると話すクインキャノンの言葉に動揺する皆は、トーマスから、人形がまた1体消えていることを知らされる。 オーウェンは自分達の中の誰かだと考えるクインキャノンは、皆にそれを伝える。 クインキャノンとアームストロングは、自分たち全員が容疑者だという見解の下に今回の件を語り、警戒しなければ全員が死に、オーウェンだけが生き残ると考える。 ヴェラに誰が怪しいと思うか尋ねたロンバードは、アームストロングだと言う彼女に、自分はクインキャノンだと伝える。 それぞれがオーウェンが誰かを考える中、無記名投票をしてみるが、各人に一票入りトーマスだけが2票となる。 犯人だと思われたトーマスは、自分が配った酒を飲まなかった者かもしれないとアームストロングから言われる。 納得いかないトーマスは、配った酒を飲んで毒入りでないことを証明しようとして苛立ち、皆になだめられる。 酔ったトーマスは、以前に元主人を殺したことをされながら、用意した食事を出す。 その後、エミリーとヴェラは眠るために部屋に向かい、ロンバードとブロアが安全のためについて行く。 アームストロングを警戒するクインキャノンは、トーマスを相手に話しをしようとする。 疑われたことを気にするトーマスは、自分が屋敷にいない方が安全だと思われているので薪小屋で寝ると言って出て行く。 入り口の鍵をかけ、食堂の人形が7体あることを確認したクインキャノンは、その場の鍵もかける。 誰かが鍵を持っているわけにいかないため、トーマスの元に向かったクインキャノンら4人は、彼に食堂の鍵を渡す。 屋敷に戻った4人は、警戒しながら眠る。 翌朝、浜辺を散歩したエミリーは、海藻を拾って戻ろうとする。 エミリーがいないことに気づき、入り口が開いていたために驚いたクインキャノンらは、戻った彼女から海藻を見せられ、編み物の参考になるかもしれないと言われる。 人の気配がしたために外に出たアームストロングらはトーマスだと思い、ロンバードが、斧で頭を割られて倒れている彼の死体を見つける。 外にいたエミリーは疑われても気にすることなく、鍵のかかった食堂に入ったクインキャノンは、人形が6体になっていることを確認して、何者かがどうやって入ったのか疑問に思う。 食堂に入れるトーマスが犯人だと考えたブロアだったが、ロンバードから、彼が自分で斧を振り上げて死んだことになると言われる。 エミリーが出たように外に行くことは簡単で、犯人はトーマスを殺して鍵を奪ったとクインキャノンは考える。 ブロアから、鍵はトーマスのポケットにあったと言われたクインキャノンは、犯人は死体のポケットにそれを戻したのだろうと伝える。 クインキャノンは、散歩中に戻したのかもしれないと言ってエミリーを牽制する。 ブロアとロンバードは、状況を詳しく分析し過ぎるクインキャノンのことを疑う。 今朝の様子や、海藻から編み物を連想するエミリーを疑うブロアとアームストロングの意見を聞いたクインキャノンは、二階にいる彼女をヴェラに呼んでもらおうとする。 返事がないためにエミリーの部屋に向かったクインキャノンらは、彼女が注射器で毒を打たれて死んでいることに気づく。 アームストロングの注射器が盗まれていることを知ったクインキャノンは、童謡に従って殺している犯人は異常だと言うロンバードらに、残りの5人のうちの一人が犯人だと伝える。 ロンバードが銃を持っていることを知ったクインキャノンらは隠している場所に向かい、それがなくなっていることに気づく。 その後、ロンバードから二人でいれば安心だと言われたヴェラは、ブロアに監視を頼んであると伝える。 発電機の調子が悪いことを知ったブロアは、薪小屋に見に行く。 ヴェラと別れたロンバードは、彼女の居場所を知らないと言うクインキャノンから、ブロアが薪小屋に行ったことを知らされてその場に向かう。 照明の光が不安定な中、屋敷に二人だけのクインキャノンとアームストロングは互いを警戒する。 薪小屋にいたブロアにヴェラのことを訊いたロンバードは、答えようとしない彼を脅す。 互いをオーウェンと思うクインキャノンとアームストロングは、助けてくれるなら協力すると伝える。 現れたヴェラと共に屋敷に戻ろうとしたロンバードは、ブロアから、発電機の修理が終わるまで待つようにと言われる。 尚も警戒するクインキャノンとアームストロングは、照明が消えたのは、犯人が故意にやったと考える。 これで自分達の結束が強まったと言うクインキャノンは、犯人捜しで協力し合い真実を話すことでアームストロングと意見が一致する。 食事の際、オーウェンの告発通りシートンの死は自分に原因があると言うクインキャノンは、無実の彼に恨みはなかったが、弁護士を破滅させたかったと皆に話す。 オーウェンの話は事実だと言うアームストロングは、クリース夫人の手術を行った際に酔っていたことを認めるものの、殺人ではないと伝える。 自分は誰も殺していないと言うブロアは、ランダーは無実だったが、人違いをした自分の証言で彼は死んだと話す。 オーウェンの告発は否定しないと言うロンバードの話の途中で、動揺するヴェラは席を外そうとする。 寒いと言うヴェラにクインキャノンは、暖炉の火を点けるなら薪小屋に行かなければならないので、コートを取りに行くようにと伝える。 二階に上がったヴェラの叫び声が聞こえたため、その場に向かったロンバードらは、銃声もしたと思いながら、倒れていた彼女から事情を聞く。 誰かがいたと言われたブロアらは部屋を調べて、照明に海藻がかけられていることに気づく。 海藻を持ち込んだエミリーの死体が部屋にあることを確認したアームストロングとブロアは、クインキャノンがいないことに気づく。 ロンバードから、姿が消えた後に銃声が聞こえたと言われたブロアは、暗闇で殺そうとしたと考えクインキャノンを疑う。 一階に向かったロンバードは、階段に落ちていた自分の銃を見つける。 クインキャノンに近づいたアームストロングは、彼が額を撃ち抜かれて死んでいることを皆に伝える。 銃の弾丸を確認したロンバードは、犯人が一発で殺したと考える。 そして、食堂の人形は4体になっていた。 ヴェラがアームストロングに疑われたため、ロンバードは彼女を庇う。 事態を見抜いたクインキャノンはすべてを話してくれたと、アームストロングは皆に伝える。 アームストロングから、罪を告白してもらいたいと言われたヴェラは、否定しても信じてもらえないと伝える。 信じると言われたヴェラは、殺していないと伝えて自分の部屋に入る。 自分たちは罪を認めたので断罪に興味がないと言うアームストロングは、罪を犯していない者がオーウェンだとブロアに伝えて納得させる。 ブロアから判事は無念だろうと言われたアームストロングは、彼は自分たちを救ったと伝えて、ヴェラの部屋に鍵をかけて眠ることにする。 ロンバードから、推理に欠陥があると言われたアームストロングは、自分を犯人だと考える彼にあり得ないと伝える。 夜中にロンバードが外にいることに気づいたヴェラは、彼から銃を渡されて部屋に入れる。 外にいた理由を訊かれたロンバードは、オーウェンを待ち伏せしたかったと答える。 犯人はアームストロングかブロアであり、殺しに来ると言われたヴェラは、ロンバードを警戒して銃を向ける。 自分が犯人かもしれないとロンバードに伝えたヴェラは、もしそうなら、疑われないようにどんな罪でも認めたはずだと言われる。 ヴェラがバークレイを殺していないことを確認したロンバードは、自分が殺したと身内に罪をなすりつけられたことを知る。 犯人は姉であり彼女も死んだと言うヴェラに、ロンバードは、無実の者を呼んだオーウェンのミスだと伝える。 何者かが現れる気配を感じたロンバードは、身を潜めるものの、去ったので様子を見に行く。 ドアに鍵がかかっていたために、銃をヴェラに渡したまま窓から1階に向かおうとしたロンバードは、自分の名前は別にあると伝えてその場を去る。 二階に戻りヴェラの部屋を開けたロンバードは、部屋にいない者が犯人だと言ってブロアを起こす。 部屋にいないアームストロングが犯人だと言うロンバードは、二人と共に1階に向かう。 人形が3体であることを確認したロンバードらは、アームストロングが自分が死んだと思わせたいのだろうと考えながら、童謡の口笛を聴く。 夜が明けて、屋敷の外にいたブロアは、アームストロングの居場所の見当がついたとロンバードに伝える。 双眼鏡で海岸の方向を見ていたブロアはすべてを理解するが、何者かが倒した建物の石細工の下敷きになり死亡する。 部屋から出てきたロンバードとヴェラは、廊下を誰かが歩く音やドアの音を聴いたことを話す。 人形が2体になっていることに気づかないまま外に出た二人は、ブロアの死体を見つけてヴェラは叫び声をあげる。 双眼鏡があったために、ブロアが海を見ていたと考えるロンバードは、アームストロングが犯人だと思いながら、不思議だと言ってヴェラを海岸に連れて行く。 アームストロングのヒップフラスコを見つけたロンバードとヴェラは、近くに倒れている彼の死体を見つける。 残ったのは自分たち二人だけであるため、誰がブロアを殺したのかを考えたロンバードとヴェラは、最終的な決着がつくと言いながら互いを警戒する。 ヴェラに銃を向けられたロンバードは、銃を渡したのはミスだと言われ、自分の名は”チャールズ・モーリー”だと彼女に伝える。 ロンバードは友人で自殺したと言うモーリーは、それが理由でオーウェンを調べに来たとヴェラに伝えるものの信じてもらえない。 そうでなければ君がオーウェンということになると言うモーリーは、考えたくないと伝える。 それでも信じてもらえないモーリーは、あることが閃き、自分を撃つようにとヴェラに指示して、彼女はそれに従う。 ロンバードがヴェラに撃たれたことを確認した犯人は、1体残った人形を見つめながら童謡を口笛で吹く。 屋敷に戻ったヴェラは、天井からかけられた首吊り用のロープに気づき、口笛を吹くクインキャノンを見て驚く。 ゲームは終わりだと言うクインキャノンは、”一人のインディアンが最後に残った”、”彼が首を吊り誰もいなくなった”とヴェラに伝えてロープを指差す。 拒否した場合のことは考えてあると言うクインキャノンは、計画を成功させるためには招待客の中から協力者を選び、その役をアームストロングにさせたことを話す。 皆でエミリーの部屋に向かうと見せかけて戻った自分とアームストロングは、銃を発砲して階段に置き、額を撃たれて死んだフリをしたと、クインキャノンはヴェラに伝える。 クインキャノンは、自分が死んだと言う医師のアームストロングの言葉を皆は信じたと話す。 浜辺で待つアームストロングを殺害し、酒のせいで溺れたように見せかけたと話すクインキャノンは、病気の自分は余命わずかだと宣告されたとヴェラに伝える。 痛みに苦しみ死ぬより、善行をやり遂げて世を去りたいと言うクインキャノンは、毒入りの酒を飲もうとする。 自分を殺す方法を尋ねたヴェラは、最後のインディアンは首を吊って死ぬと言われる。 酒を飲んだクインキャノンは、絞首刑になるより、誰も見ていない場所で首を吊って死ぬ方がいいと言いながら現れたモーリーに気づく。 女を信じるなとモーリーに伝えたクインキャノンは、息を引き取る。 信じてくれたから解決できたと言うモーリーは、自分を信じてくれた理由をヴェラから訊かれ、オーウェンも見抜けない理由だと答える。 何者かがいることに気づいたヴェラは叫び声をあげるが、それは迎えに来たナラコットだった。 準備はできているとナラコットに伝えたモーリーは、他の客のことを訊かれる。 任せるとナラコットに伝えたモーリーは、ヴェラと共にボートに向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
イングランド、デヴォンからボートで孤島に向かった8人は、招待してくれた”オーウェン”のことを誰も知らなかった。
判事のクインキャノンや医師のアームストロングら8人と使用人のロジャース夫妻は、夕食後にオーウェンのメッセージを聴き、各人は罪を告発される。
”10人の小さなインディアン”の人形とそれに関連する童謡のことを知ったクインキャノンらは、やがて誰もいなくなるという予告と共に、姿なき殺人者に襲われることになる・・・。
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第二次大戦時にハリウッドに移っていたルネ・クレールが製作を兼ねて監督した作品で、ダドリー・ニコルズが脚本を担当している。
その後、何度も映画化されることになる、アガサ・クリスティの同名小説の最初の映画化作品。
ハリウッドを代表する名優バリー・フィッツジェラルドやウォルター・ヒューストン他の個性を活かした内容であり、サスペンス的にはややソフトに仕上げられているが、姿なき謎の殺人者捜索が展開する中で随所に挿入されるユーモアなど、ルネ・クレールらしい演出が楽しめる作品。
イギリス公開時のタイトルは”Ten Little Indians”であり、ドラマの中で登場する童謡は印象的で、食卓に置かれたインディアン人形が殺される客人と共に消えていくことで、効果的な小道具として使われている。
すべてを計画した犯人だった判事を飄々と演ずるバリー・フィッツジェラルド、彼の意見に賛同して犯人を探すものの実は利用されていた医師のウォルター・ヒューストン、自殺した友人を装い招待客として事態を探るルイス・ヘイワード、虚偽の証言により無実の男を殺した私立探偵のローランド・ヤング、姉の愛人を殺したことになっている女性ジューン・デュプレ、ロシア人の殺人者ミシャ・オウア、妻の愛人を殺した将軍のC・オーブリー・スミス、甥を死に追いやった女性ジュディス・アンダーソン、屋敷の使用人で元主人を殺した夫妻リチャード・ヘイドンとクイーニー・レナード、船乗りのハリー・サーストンなどが共演している。