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めぐり逢い An Affair to Remember (1957)

レオ・マッケリーが1939年に監督した「邂逅」のリメイク作品。
船上で出会い半年後に再会する約束をした男女の運命の恋を描く、製作、監督、原案、脚本レオ・マッケリー、主演ケーリー・グラントデボラ・カー他共演のラブ・ロマンスの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ケイリー・グラント / Cary Grant / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:レオ・マッケリー

製作:ジェリー・ウォルド
原案
レオ・マッケリー
ミルドレッド・クラム
脚本
レオ・マッケリー
デルマー・デイヴィス
ドナルド・オグデン・ステュワート
撮影:ミルトン・R・クラスナー
編集:ジェームズ・B・クラーク
衣装デザイン:チャールズ・ルメイアー
音楽:ヒューゴ・フリードホーファー

出演
ニッコロ”ニッキー”フェランテ:ケーリー・グラント
テリー・マッケイ:デボラ・カー
ケネス・ブラッドリー:リチャード・デニング
ロイス・クラーク:ネヴァ・パターソン
ジャヌー:キャスリーン・ネスビット
本人:ロバート・Q・ルイス
ネッド・ハサウェイ:チャールズ・ワッツ
クールベ:フォーチュニオ・ボナノヴァ
テリー・マッケイの歌声:マーニ・ニクソン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1957年製作 119分
公開
北米:1957年7月11日
日本:1957年10月23日
製作費 $2,100,000
北米興行収入 $3,800,000


アカデミー賞
第30回アカデミー賞

・ノミネート
撮影・衣裳デザイン・歌曲・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
プレイボーイで有名なニッコロ”ニッキー”フェランテ(ケーリー・グラント)は、遂に結婚を決意し、大富豪令嬢である婚約者ロイス・クラーク(ネヴァ・パターソン)と”6億ドル”の元に向かうことが、ラジオのパーソナリティーであるロバート・Q・ルイスにより伝えられる。

オーシャン・ライナー”コンスティチューション”。
ヨーロッパからニューヨークに向うニッキーが乗船していることを知った乗客達は驚く。

付き合っていたガブリエラからの電話を受けたニッキーは、婚約を知り怒り心頭の彼女から非難される。

電話を切ったニッキーはタバコ入れがないことに気づき、それを手にしていた女性テリー・マッケイ(デボラ・カー)に声をかける。
...全てを見る(結末あり)

タバコ入れは自分の物だと伝えたニッキーは、その証拠として中に献辞が書かれているとテリーに伝える。

それを見たテリーは、ニッキーが噂の男性だと気づき、ガブリエラからのフランス語で書かれた熱いメッセージを確認して、タバコ入れを渡す。

今に誰かに殺されると言い残して去るテリーに、困っているため相談に乗ってほしいと伝えたニッキーは、彼女を部屋に誘う。

警戒するテリーはニッキーを自分の部屋に招き、口説く彼を牽制する。

飾ってある写真を見て、テリーに恋人がいることを知ったニッキーはその場を去ろうとするが、彼女と食事をすることになる。

二人は翌日も話をするが、噂になると考えたテリーは、一人旅は寂しいと言うニッキーの誘いを断り別れる。

そんな二人を撮影したカメラマンは、フィルムを抜き取られて海に捨てられるが、隠れて再び撮影する。

その夜、バーで一緒になった二人は、周囲の目を気にしてレストランに向かい、別々に席に着く。

既に噂になっている二人が隣り合わせで座っているため、その場の人々は払い始め、見世物になっているとニッキーに伝えたテリーは席を立つ。

翌日、二人はプールで一緒になり、”ヴィルフランシュ=シュル=メール”に到着することを知ったニッキーは、女性に会うことをテリーに伝える。

それが祖母だと言ってもテリーが信じないため、ニッキーは彼女を連れて上陸する。

馬車で高台にある祖母ジャヌー(キャスリーン・ネスビット)の屋敷に向かったニッキーは、彼女がいないために、テリーに外交官だった祖父が世界中を回ってこの場に隠居したことを話す。

祖父が眠るチャペルから現れたジャヌーはニッキーに気づき、彼を抱きしめて歓迎する。

婚約のことを知っていたジャヌーは、その場にいたテリーが婚約者だと思う。

それを否定したニッキーは、テリーをジャヌーに紹介する。

チャペルに興味を持ったテリーは、ジャヌーの許可を得てその場に向かい、ニッキーもお祈りするようにと言われる。

テリーと共に祈りを捧げたニッキーは、使用人である友人のマリウスとの再会を喜ぶ。

ニッキーがマリウスの家族に会う間、ジャヌーと話したテリーは、居間の美術品などに感心する。

壁に飾られた絵がニッキーが描いたものだと知ったテリーは、彼に画才があることに驚く。

多才ではあるがニッキーのことが心配なジャヌーは、いつか大きな代償を払うことになると話す。

しかし、自分といれば大丈夫な気がするとジャヌーから言われたテリーは戸惑う。

いい孫であるニッキーは、女性次第で素晴らしい人生が送れるはずだとジャヌーは付け加える。

そこに戻ったニッキーは、テリーから意味ありげなことを言われ、持参した祖父の自画像をジャヌーに贈る。

素晴らしい夫の絵を見て驚いたジャヌーは感激し、ニッキーに画才があることをテリーに確認する。

三人はグラスを手にし、ジャヌーは、ニッキーとテリーの航海の無時を祈る。

船の汽笛が聴こえたニッキーは、ピアニストであるジャヌーの演奏が聴きたいと伝え、テリーがそれに合わせて歌う。

演奏しながらニッキーとテリーの愛を確信するジャヌーは、再び聴こえた汽笛に寂しさを感じる。

汽笛は嫌いだと言いながらニッキーに寄り添われたジャヌーは、ショールをかけてくれたテリーに、いつかあなたに譲ると伝える。

ニッキーと共に船に戻ろうとしたテリーは、ジャヌーを抱きしめて別れを告げる。

船に戻ったテリーは、忘れられない美しい日を過ごせたことで感動したことを伝えて、ニッキーに感謝する。

寄り添うニッキーを拒もうとしたテリーだったが、気持ちを抑えきれずに彼とキスする。

涙するテリーから荒海に乗り出すと言われたニッキーは、二人の進路は変わったと伝える。

部屋に戻り悩むテリーは、一緒に問題を考えようと言って現れたニッキーに、寂しいが一人で考えるべきだと伝えて彼に帰ってもらう。

その後二人は、共に過ごしたい気持ちを抑え、人目を気にしながら行動する。

航海も終りに近づき、部屋に現れた乗客のネッド・ハサウェイ(チャールズ・ワッツ)からニッキーのことを訊かれたテリーは、会ってもいないと伝える。

そこにニッキーが現れたために、テリーは気まずい思いをする。

ハサウェイから写真にサインをしてほしいと頼まれたニッキーは、それをテリーに見せて、自分達の写真が船内で売られていることを知る。

苦労したのが無駄だったと言うニッキーとテリーは、肩の荷が下りたために堂々と振る舞うことにあいて、最後の夜を楽しむ。

その後、二人は人目を気にすることなくダンスをして過ごすが、”オールド・ラング・サイン”の合唱が始めり、ニッキーとテリーは今後のことを話す。

自分で稼いだことがないニッキーは、半年、何かを必死にやってみるので、その後、結婚してほしいとテリーに伝える。

嬉しい言葉だと言うテリーは、部屋でじっくり考えてみたいと伝え、翌朝、返事をすると答える。

結婚は自分のような女にとっては大事なことだと言うテリーは、子供が好きだというニッキーの考えを確認して部屋に向かう。

ニューヨーク
翌朝、デッキで話し合ったニッキーとテリーは、半年間、努力して、7月1日の午後5時に”エンパイア・ステート・ビル”の天文台で会う約束をする。

船は港に到着し、テリーは、恋人のケネス・ブラッドリー(リチャード・デニング)に気づき、ニッキーはそれを確認する。

ニッキーも、記者達に囲まれながら現れたロイスから手を振られ、テリーはそれを気にする。

二人は婚約者と恋人に迎えられ、ニッキーは、知られないようにしながらテリーの手にキスしてその場を去る。

ロイスの屋敷に着いたニッキーは話をしようとするが、その場で待っていたルイスのインタビューを受けることになり、それは”CBS”でテレビ放送される。

その放送を見ていたテリーは、現れたケネスから、以前と雰囲気が変わったと言われ、テレビを消されてしまう。

戸惑いながら放送を見たいことを伝えたテリーは、ケネスと共に、ルイスにインタビューされるニッキーとロイスの番組を見る。

ニッキーと同じ船に乗っていたテリーに彼のことを尋ねたケネスは、惹かれたかを問う。

ジョークだと伝えたケネスだったが、半年後に結婚すると言うニッキーの言葉が気になり、もう一度、テリーに彼に惹かれたかを尋ねる。

テリーがそれを否定しないために驚いたケネスは、ニッキーの悪い噂を知っているにも拘らず、気持ちが抑えられなかったと言う彼女の考えが理解できない。

故郷に帰り歌手に戻りニッキーを待つと言うテリーに、彼に養ってもらうのは無理だと考えるケネスは、自分と結婚してほしいと伝える。

テリーのニッキーへの愛が変わらないことを知ったケネスは、その場を去る。

その後、画家となることを考えたニッキーは、友人の画商クールベ(フォーチュニオ・ボナノヴァ)から、”ニッキー”の名前を出せば売れると言われるものの、それを断る。

故郷ボストンに帰り、かつてのようにクラブに戻ったテリーは、人気歌手となる。

画家だけでは生活ができないニッキーは、看板の絵描きなどの仕事もしていた。

半年後、ニューヨークに向かったテリーは、それを知ったケネスとブティックで再会するが、ニッキーとの約束の時間が迫り、結婚すると伝える。

これ以上何も言わないと伝えたケネスは、幸せを祈り彼女と別れる。

タクシーで”エンパイア・ステート・ビル”に向かったテリーは、車から降りた直後に、急いでいたために事故に遭ってしまう。

エンパイア・ステート・ビル
102階の展望台でテリーを待っていたニッキーは、彼女が現れないために戸惑う。

病院に運ばれ、駆けつけたケネスに見守られるテリーは、ニッキーのことを話して取り乱す。

夜になり、雷雨の外を眺めるニッキーは諦めて、エレベーターに乗る。

テリーが一生、歩行困難になる可能性があることを知ったケネスは、神父に全てを話して落ち着いた彼女から、教会の仕事を世話してもらったと言われる。

船で旅立った失意のニッキーはヴィルフランシュ=シュル=メールに着き、亡くなったジャヌーの屋敷に向かう。

ジャヌーやテリーのことを想うニッキーは、ジャヌーがテリーに送ろうとしていたショールをマリウスから渡される。

回復して教会の合唱隊の指導を始めたテリーは、子供達と過ごす時間で心が癒されるようになる。

ニューヨークに戻り絵を描き続けたニッキーは、ショールを羽織ったテリーを描いた絵をクルーべに気に入られる。

ロイスからの電話を受けたニッキーは、バレエ鑑賞に誘われる。

公演終了後、ケネスと共に席にいたテリーに気づいたニッキーは驚き、二人は挨拶だけする。

気を失いそうになったテリーは、全てを話すべきだと言うケネスを制止し、車いすで劇場を出る。

帰宅途中、援助を申し出るケネスから、再びニッキーに話すべきだと言われたテリーは、いずれも断る。

今の体ではニッキーに負担をかけるだけだと言うテリーは、歩けるようになったら彼の元に向かうとケネスに伝える。

ロイスと別れた後で、テリーのことを考えながら街を歩くニッキーは、”エンパイア・ステート・ビル”を見つめる。

翌日、体調を崩したテリーは、クリスマスのコンサートに付添えないことを見舞いに来た子供達に伝え、歌声を確認して皆を励ます。

クリスマスを一人で過ごそうとしていたテリーは、ニッキーが訪ねて来たために驚く。

素っ気ないニッキーは、電話帳で偶然”テリー・マッケイ”を見つけたため、約束を破ったことを謝るつもりで訪ねたと、ソファーに座ったままのテリーに伝える。

エンパイア・ステート・ビル”には行かなかったと言ってテリーを牽制するニッキーは、戸惑いながら話す彼女にどのくらい待ったかなどを尋ねる。

夜中まで待ち許す気になれなかったと言うテリーは、雷雨の中で待っていたことを確認するニッキーに、その通りだと答える。

家に帰り酔おうとしたと伝えたテリーだったが、でも飲めなかったとニッキーから嫌みのような言い方をされる。

自分のミスだと伝えたニッキーは、責めたいだろうとテリーに問うが、どちらかが来なければ、よほどの事情だったはずだと言われる。

これ以上質問はなしにしたいと言うテリーの考えを理解できないニッキーは、彼女が結婚もしていないことを不思議に思う。

また船旅に出ると言うニッキーは、会う女性ごとに半年後に会おうことを提案して待たせると話す。

話題を変えたニッキーは、テリーにクリスマスプレゼントを渡す。

それがジャヌーのショールだったために、彼女が亡くなったことを知ったテリーは悲しむ。

ショールを羽織ったテリーの手にキスして去ろうとしたニッキーは、その姿を描いたことを伝える。

最高傑作だったその絵を見せたかったと伝えたニッキーは、金を受け取らずに手放したことをテリーに話す。

画商の話では、若い女性がその絵を気に入り、自分の心が見えると言ってくれたために手放したと話すニッキーは、彼女は体が不自由だったと言われたことを思い出す。

あることに気づいたニッキーは寝室に向かい、その絵が飾られていることを確認して全てを理解する。

そんな目で見つめないでほしいとテリーから言われたニッキーは、黙っていた理由を尋ねる。

自分の不注意だと言うテリーは、ニッキーがいる、天国に一番近い場所ばかり見ていたことを伝える。

あなたに絵が描けるなら、自分も必ず歩けるようになると言うテリーに、きっと歩けると伝えたニッキーは、彼女の涙を拭きながら抱きしめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
プレイボーイで有名なニッコロ”ニッキー”フェランテデの大富豪令嬢との結婚が世間で話題になっていたが、ヨーロッパからニューヨークに向う彼は、船上で美しい女性テリーに出会う。
いつものようにテリーを口説き始めたニッキーだったが、彼女に恋人がいることを知る。
それでも諦めきれないニッキーは、停泊した船を降りてテリーを祖母のジャヌーに紹介し、楽しい時を過ごす。
ニッキーにとって運命の人になる可能性があるとジャヌーから言われたテリーは、心揺れ動き彼の愛を受け入れてしまう。
ニューヨークに戻ったニッキーとテリーは、互いに半年間、努力をして”エンパイア・ステート・ビル”の展望台で再会する約束をするのだが・・・。
__________

1939年に公開された、製作、監督、原案レオ・マッケリーによる「邂逅」を、自らメイクした作品。

恋に落ちた互いに恋人がいる男女が、アクシデントにより再会を果たせなかったものの、運命の絆により結ばれるまでを描くラブ・ロマンスの秀作。

第二次大戦と戦後の混乱を挟んだ旧作と本作を、社会状況の変化なども描写する内容を含めて比較するのも面白い。

正にはまり役とも言える、ケーリー・グラントのユーモアのセンスや独特の雰囲気を生かし、軽快且つ繊細な人間描写も冴える、レオ・マッケリーによる得意のヒューマン・タッチの演出も光る作品。

ヒロインのデボラ・カーは、上品で洗練された美しさが際立つ女性を見事に演じている。
多くを語らず全てを主人公に理解させる、映画史上に残ると言っていい、素晴らしいラスト・シーンは涙なしでは見られない。

第30回アカデミー賞では、撮影、衣裳デザイン、歌曲、作曲賞にノミネートされた。

本作は、クラブのステージ歌手だったヒロインの歌がふんだんに盛り込まれる内容となっていて、デボラ・カーの歌声は、前年の「王様と私」(1956)でも彼女の声を担当したマーニ・ニクソンに注目したい。
マーニ・ニクソンはその後、ナタリー・ウッドオードリー・ヘプバーンの歌声を担当したことで知られている。

ヒロインの考えを尊重して潔く手を引き、彼女を支え見守る恋人のリチャード・デニング、主人公の婚約者ネヴァ・パターソン、主人公の祖母キャスリーン・ネスビット、ラジオ、テレビのパーソナリティーで本人役のロバート・Q・ルイス、船上の乗客チャールズ・ワッツ、主人公の友人である画商のフォーチュニオ・ボナノヴァなどが共演している。


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