16世紀末に発表された、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇”真夏の夜の夢”を基に製作された作品。 妖精に惑わされる恋に悩む男女が巻き起こす騒動を描く、製作、監督、脚本マイケル・ホフマン、出演ケヴィン・クライン、ミシェル・ファイファー、ルパート・エヴェレット、スタンリー・トゥッチ、ドミニク・ウェスト、アンナ・フリエル、キャリスタ・フロックハート、クリスチャン・ベール、デヴィッド・ストラザーン、ソフィー・マルソー、サム・ロックウェル他共演のロマンチック・コメディ・ファンタジー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・ホフマン
製作
マイケル・ホフマン
レスリー・アーダング
製作総指揮:アーノン・ミルチャン
原作:ウィリアム・シェイクスピア”真夏の夜の夢”
脚本:マイケル・ホフマン
撮影:オリヴァー・ステイプルトン
編集:ガース・クレイヴン
音楽:サイモン・ボズウェル
出演
ニック・ボトム:ケヴィン・クライン
ピーター・クインス:ロジャー・リース
フランシス・フルート:サム・ロックウェル
ロビン・スターヴェリング:マックス・ライト
トム・スナウト:ビル・アーウィン
スナッグ:グレゴリー・ジバラ
ロビン・グッドフェロー/パック:スタンリー・トゥッチ
オベロン:ルパート・エヴェレット
タイタニア:ミシェル・ファイファー
ハーミア:アンナ・フリエル
ライサンダー:ドミニク・ウェスト
ヘレナ:キャリスタ・フロックハート
ディミトリアス:クリスチャン・ベール
シーシアス:デヴィッド・ストラザーン
ヒポリタ:ソフィー・マルソー
イジアス:バーナード・ヒル
フィロストレート:ジョン・セッションズ
イギリス/アメリカ 映画
配給
20世紀FOX
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
1999年製作 116分
公開
イギリス:1999年9月24日
北米:1999年5月14日
日本:2000年4月1日
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $16,072,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
19世紀、イタリア王国、トスカーナ、モンテ・アテナ。
広大な宮殿で、シーシアス公爵(デヴィッド・ストラザーン)とアマゾンの女王ヒポリタ(ソフィー・マルソー)の結婚式の準備が進められていた。
ヒポリタと話していたシーシアスは、イジアス(バーナード・ヒル)から声をかけられて話を聞く。
娘のハーミア(アンナ・フリエル)との結婚を許したディミトリアス(クリスチャン・ベール)をシーシアスに紹介したイジアスは、その場にいた青年ライサンダー(ドミニク・ウェスト)が、彼女の心を迷わせていると伝える。
ディミトリアスとの結婚か死を選ぶかを決める特権をシーシアスに求めたイジアスは、ライサンダーの気持ちを無視する。
身分ではディミトリアスに劣らないと言うライサンダーは、ハーミアを愛する気持ちは勝るとシーシアスに訴える。
ディミトリアスは、ネダーの娘ヘレナ(キャリスタ・フロックハート)に言い寄り夢中にさせたと伝えたライサンダーは、シーシアスもその噂を聞いていることを知る。 結婚を拒んだ場合に自分が受ける罰をシーシアスに尋ねたハーミアは、死か修道女を選ぶしかないと言われる。 愛せない者に身を捧げるよりも、その方がましだと言われたシーシアスは、新月までに決めるようにとハーミアに伝える。 イジアスの考えに従うことを望むシーシアスは、考え直すようにとハーミアに伝えて、イジアスとディミトリアスを別室に呼ぶ。 ライサンダーは、涙して悩み悲しむハーミアを励ます。 ディミトリアスを訪ねるものの無視されたヘレナは、親友のハーミアとライサンダーから駆け落ちすることを知らされる。 別れを告げるハーミアとライサンダーから、ディミトリアスとの幸せを願うと言われたヘレナは、二人の愛の深さを羨む。 シーシアスの婚礼の余興で演劇コンクールが行われることになり、その優勝者には年金が与えられることが告示される。 職工で三流役者でもあるニック・ボトム(ケヴィン・クライン)は、友人で大工のピーター・クインス(ロジャー・リース)、修理屋のフランシス・フルート(サム・ロックウェル)、鋳掛け屋トム・スナウト(ビル・アーウィン)、仕立屋のロビン・スターヴェリング(マックス・ライト)、指物師スナッグ(グレゴリー・ジバラ)らと共にコンクールの演しものを考える。 ハーミアとライサンダーのことをディミトリアスに伝えれば、彼が二人を追って森に行くと考えたヘレナは、それを実行して夜になるとその場に向かう。 その頃、森の妖精王のオベロン(ルパート・エヴェレット)は、女王タイタニア(ミシェル・ファイファー)とインドから連れて来た”とりかえ子”のことなどで言い争いになる。 妖精のパック(スタンリー・トゥッチ)を呼んだオベロンは、最初に見た者に恋をする汁(媚薬)を手に入れために、魔法の真紅の花を摘んでくるようにと指示する。 オベロンは、それをタイタニアの目に垂らし、彼女が恋に夢中になっている間に子供を引き渡させることを考えていた。 そこに、自転車に乗ったディミトリアスとヘレナが現れる。 ディミトリアスに追い払われそうなヘレナを気の毒に思ったオベロンは、立場を逆にしてあげようと考える。 花を摘んで戻ったパックに、その汁をタイタニアの目に垂らすことを伝えたオベロンは、アテナの若者に同じことをして、寂しい女性に恋すようにさせると言って、彼の元に向かわせる。 眠ったタイタニアに花の汁を垂らしたオベロンは、彼女の頬にキスしてその場を去る。 森を通り抜けようとするハーミアとライサンダーは、その場で休むことにする。 離れて眠ることにしたハーミアは、全裸で迫るライサンダーに、節度をわきまえるようにと伝えて納得させる。 アテナの若者が見つけられないパックは、眠っているライサンダーとヘレナに気づき、彼女を可哀そうな女性だと思う。 ライサンダーの目に汁を垂らしたパックは、彼の自転車に興味を持ち乗り去ってしまう。 そこにディミトリアスを追うヘレナが現れ、彼に置いて行かれてしまう。 ライサンダーに気づいたヘレナは死んでいるのかと思い、彼を起こす。 いきなりヘレナに愛を伝えたライサンダーは、ハーミアのことを訊かれ、興味がないと言っても信じてもらえない。 からかわれていると思ったヘレナは、侮辱を受けたと言って憤慨し、自転車に乗ってその場を去る。 眠っているハーミアに二度と近づくなと語り掛けたライサンダーは、彼女の自転車に乗ってヘレナを追う。 悪夢から目覚めたハーミアは、ライサンダーがいないことに気づく。 森に着いたボトムらは稽古の準備を始め、その近くを通るパックは、タイタニアの寝床の近くにいる彼らをからかおうとする。 パックにロバにされてしまったボトムは、驚いたクインスらが逃げてしまったために一人になる。 耳が生えていることに気づかないボトムは、不思議に思いながら歌い始め、目覚めたタイタニアから愛を告げられる。 戸惑うボトムは、妖精たちが現れたために去ろうとするが、タイタニアは彼を逃がさない。 タイタニアは、妖精たちと共にボトムを手厚くもてなす。 その頃、タイタニアは目覚めただろうと考えるオベロンは、パックから、彼女がバケモノに恋をしたことを知らされる。 それを喜んだオベロンは、アテナの若者の件をパックに確認する。 そこにハーミアとディミトリアスが現れ、彼女は、眠っているライサンダーをディミトリアスが殺したと考え、彼を非難する。 オベロンから、ディミトリアスが汁を垂らしたアテナの若者か訊かれたパックは、女性は同じだが男性は違うと答える。 何もしていないと言っても信じてもらえないディミトリアスは、暫く落ち着いて考えようとする。 ディミトリアスの目に媚薬を垂らすように指示したオベロンは憤慨し、ヘレナを捜して連れてくることをパックに命ずる。 タイタニアに誘われたボトムは、彼女と愛し合う。 媚薬をディミトリアスの瞳に垂らしたオベロンは、戻ってきたパックから、ヘレナが来ることを知らされる。 ライサンダーにしつこく付きまとわれたヘレナは迷惑に思い、彼の言葉を信じようとしない。 目覚めたディミトリアスは、ヘレナを見つめながら愛を語り始める。 それをライサンダーが邪魔するため、二人にからかわれていると思ったヘレナは、その場を去ろうとする。 ディミトリアスと共にヘレナを追うライサンダーは、現れたハーミアを追い払おうとする。 その様子を見たヘレナは、ハーミアまでグルだと思い彼女を非難し、自転車に去ろうとするものの転んでしまう。 ライサンダーから、自分は嫌いであり、愛しているのはヘレナだと言われたハーミアはショックを受ける。 ハーミアから裏切り者だと言われて罵倒されたヘレナは、襲い掛かる彼女と泥水の中に落ちる。 このまま帰らせてくれればすべて忘れると言う、ヘレナの言葉に納得しないハーミアだったが、ライサンダーから馬鹿にされてしまう。 ライサンダーは、ディミトリアスと決着をつけようとする。 泥水から上がろうとするハーミアから手を貸してほしいと言われたヘレナは、それを無視してその場を去る。 ドジったパックを責めるオベロンは、アテナの若者と指示されただけだと言われ、二人の決闘を阻止するために暗闇を広めるように命ずる。 ライサンダーの目に草の汁を垂らすことをパックに指示したオベロンは、タイタニアの元に向かいインドの少年を連れてきて、彼女を呪いを解こうとする。 闇の中で相手を見つけられないライサンダーとディミトリアスは、その場で休む。 歩き疲れたハーミアとヘレナも、休むことにする。 オベロンは、寝床で仲睦まじくするタイタニアとボトムの様子を見守る。 知らぬうちに四人で眠っていた男女を見つけたパックは、ライサンダーに草の汁を垂らす。 戻ったパックに愚かな二人だと伝えたオベロンは、眠っているタイタニアに草の汁を垂らし、目覚めた彼女から、ロバに恋をした夢を見たと言われる。 その場にロバがいたために驚いたタイタニアだったが、オベロンに迫れられて愛し合う。 翌朝オベロンは、タイタニアとの愛を確かめる。 狩りをしていたシーシアスは、ヒポリタが全裸で眠る男女4人を見つけたことを知り、イジアスから娘のハーミアらだと言われる。 4人を起こしたシーシアスは、恋敵であるはずのライサンダーとディミトリアスが、仲良く相手と眠っていた理由を尋ねる。 ライサンダーの話を聞く気のないイジアスは、ディミトリアスから、どうして考えが変わったかは不明だがハーミアへの愛は消えたと言われる。 ディミトリアスのヘレナへの愛を知ったシーシアスは、4人の気持ちを確認して、自分とヒポリタと共に3組で結婚式を挙げることにする。 野原で元の姿に戻り目覚めたボトムは、指輪を見つけて、不思議な夢を見たことをとやかく考えるのをやめる。 シーシアスの挙式が終わったことを知ったクインスらは、ボトムがいないために芝居ができないことを悲しむ。 そこにボトムが戻り、クインスらと芝居の準備をして宮殿に向かう。 祝宴が始まり、4人の恋人たちの話を聞いたヒポリタは奇妙に思うが、シーシアスから、恋に夢中になった若者たちの馬鹿げたおとぎ話だと言われる。 4人が揃って同じ気持ちになったのには、何か理由があるはずだとヒポリタは考える。 シーシアスに祝福されたライサンダーは同じ言葉を返すが、イジアスは不満だった。 祝宴係のフィロストレート(ジョン・セッションズ)から余興の参加者のリストを見せられたシーシアスは、お勧めできないと言われるものの、ボトムら職人の演劇を選ぶ。 それを知ったクインスは、動揺しながら仲間達に選ばれたことを伝える。 塀役のスナウトが口上として登場して演劇は始まる。 アクシデントもあり、即興を含めた奇妙な内容にクインスは頭を抱えるものの、楽しんだシーシアスは満足したことを職人たちに伝える。 シーシアスら6人の恋人たちは寝室に向かい、妖精に見守られながら愛し合う。 家に戻ったボトムは、指輪を見つめながら、その場に現れた妖精の光がタイタニアでないかと思う。 夏の世の夢を語ったパックはその場を去る。
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*(簡略ストー リー)
19世紀、イタリア王国、トスカーナ、モンテ・アテナ。
結婚を控えるシーシアス公爵は、貴族の娘ハーミアが父の決めた相手ディミトリアスとの結婚を望まず、ライサンダーを愛していることを知る。
シーシアスに説得されたハーミアだったが、ライサンダーと駆け落ちすることを決める。
それを知ったハーミアの親友でディミトリアスに惹かれるヘレナは、彼にそれを伝える。
その揉め事を知った森の妖精王オベロンは、ディミトリアスがヘレンに恋するようにと考え、魔法の媚薬を使うことを妖精のパックに命ずる。
インドの子供の件で女王タイタニアと諍いを起こしていたオベロンは、タイタニアにもその媚薬を使い惑わせようとする。
そんな時、シーシアスの婚礼の余興の演劇コンクールに参加しようとした職工のボトムは、仲間達と共に森で稽古を始める。
彼らをからかったパックは、ボトムをロバの姿に変えていまい、その場で目覚めたタイタニアは彼に恋してしまう・・・。
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親の意思に従わなければならず、自分たちで結婚相手が決めらえない恋に悩む男女と職工の役者が、ドジな妖精の魔法のせいで巻き起こす騒動を描く、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇”真夏の夜の夢”を基に製作された作品。
若手監督として期待されていたマイケル・ホフマンが、製作と脚本を兼ねたロマンチック・コメディ・ファンタジー。
物語の舞台をイタリア王国、トスカーナの19世紀に設定しているため、自転車や蓄音機などが重要な小道具として使われているところなどが興味深い。
国際的な豪華スター競演による作品であり、多くの登場人物が平均的な役割を演じていることにも注目したい。
職工仲間達と共に芝居の準備をする中で、模倣により妖精の女王タイタニア(ミシェル・ファイファー)と恋に落ちるニック・ボトムのケヴィン・クライン、彼と共に芝居の準備をする大工ピーター・クインスのロジャー・リース、同じく修理屋フラーンシス・フルートのサム・ロックウェル、仕立屋ロビン・スターヴリングのマックス・ライト、鋳掛け屋トム・スナウトのビル・アーウィン、指物師スナッグのグレゴリー・ジバラ、ドジな妖精ロビン・グッドフェロー/パックのスタンリー・トゥッチ、妖精の王オベロンのルパート・エヴェレット、恋する男女、ハーミアのアンナ・フリエル、彼女を愛し駆け落ちをするライサンダーのドミニク・ウェスト、ハーミアの友人ヘレナのキャリスタ・フロックハート、ハーミアの結婚相手だったが、魔法をかけられてヘレナを愛するようになるディミトリアスのクリスチャン・ベール、アテナを統治する公爵シーシアスのデヴィッド・ストラザーン、その妻となるアマゾンの女王ヒポリタのソフィー・マルソー、ハーミアの父イジアスのバーナード・ヒル、祝宴係のジョン・セッションズなどが共演している。