犬猿の仲の親子がクリスマスを過ごすことになり絆を取り戻すまでを描く、主演ジョエル・マクヘイル、ロビン・ウィリアムズ、ローレン・グレアム、クラーク・デューク、オリヴァー・プラット、キャンディス・バーゲン他共演、監督トリストラム・シャピーロによるコメディ・ドラマ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:トリストラム・シャピーロ
製作
トム・ライス
ベン・ナーン
製作総指揮:マイケル・フリン
脚本:マイケル・ブラウン
撮影:ジョヴァンニ・ランパッシ
編集:クリスチャン・キナード
音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演
ボイド・ミッチラー:ジョエル・マクヘイル
ミッチ・ミッチラー:ロビン・ウィリアムズ
ルアン・ミッチラー:ローレン・グレアム
ネルソン・ミッチラー:クラーク・デューク
浮浪者のサンタクロース:オリヴァー・プラット
ショーナ・ウェルンケ:ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ
デイヴ・ウェルンケ:ティム・ハイデッカー
ドナ・ミッチラー:キャンディス・バーゲン
ダグラス・ミッチラー:ピアース・ガニォン
ヴェラ・ミッチラー:ビービー・ウッド
ランス・ウェルンケ:ライアン・リー
パム・ウェルンケ:アマラ・ミラー
グレン:ジーン・ジョーンズ
ズブロッキー:マーク・プロクシュ
ファハド:アミール・アリソン
スノー・グローブのスノーマン(声):ジェフリー・タンバー
アメリカ 映画
配給
Phase 4 Films
Entertainment One Films
2014年製作 88分
公開
北米:2014年11月7日
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
シカゴ。
夢のない気難しい父ミッチ(ロビン・ウィリアムズ)の影響を受けずに成長し、良き父親となったボイド・ミッチラー(ジョエル・マクヘイル)は、妻ルアン(ローレン・グレアム)と娘ヴェラ(ビービー・ウッド)、息子ダグラス(ピアース・ガニォン)と平穏な暮らしをしていた。
弟のネルソン(クラーク・デューク)からの電話を受けたボイドは、子供が生まれたことを知らされ、洗礼式をクリスマス・イヴにやると言われたために驚く。
クリスマス・イヴを実家で過ごさなければならないボイドは、当然、困惑するが、子供達のために我慢することをルアンに約束する。
ボイドが来ることが不満なミッチも、家族と過ごせれば満足だと言う妻ドナ(キャンディス・バーゲン)に八つ当たりする。 ウィスコンシン州。 先についていた娘ショーナ・ウェルンケ(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)に嫌みを言うミッチは、家族の写真を撮ると言うドナにカメラを探してほしいと言われて苛立つ。 実家に到着したボイドは母ドナに迎えられ、父ミッチからも一応、声をかけられる。 記念写真を撮った家族は教会に向かい、自分の子ではないものの育てると言うネルソンは、兄と同じボイド言う名を付けることをスピーチで伝える。 その後食事となり、早速、ミッチと衝突したボイドは帰ろうとする。 子供達のために我慢する約束だとルアンに言われたボイドは、仕方なく出発を諦める。 クリスマスに相応しい時間を過ごそうとするボイドは、ダグラスとヴェラ、ショーナの息子ランス(ライアン・リー)と娘パム(アマラ・ミラー)を集めて、本の朗読を始める。 子供達が眠った後で、ボイドは、子供達のプレゼントを家に忘れてきたことに気づく。 ショーナの夫デイヴ(ティム・ハイデッカー)は、”トイザらス”に行くことを提案するが、既に閉店しているとショーナに言われる。 ミッチに嫌みを言われたボイドは憤慨し、二人は争い始める。 軍隊経験で”心的外傷後ストレス障害”となり、騒ぎを見てパニックを起こしたネルソンは姿を消してしまう。 プレゼントを家に取りに行こうとしたボイドは、クリスマスが1日遅れたことにすればいいとルアンに言われる。 しかし納得できないボイドは、7時頃までに帰るので子供達に気づかれないようにしてほしいとルアンに伝えて出発する。 ところが、暫くして車が故障したボイドは実家に電話をして、ボイドが現れたので追い払おうとする。 ダグラスのためだとミッチに言われたボイドは、仕方なく車に乗り家に向かう。 子供の頃、サンタクロースなどいないと言われて夢を壊されたボイドは、自分は喘息持ちだと伝えてタバコを捨てるようにとミッチに指示する。 二人のことを気にするドナは、ミッチの飲酒を放置した自分に、親子仲が悪くなった責任があるとショーナに言われる。 夕方、サンタクロースはいないとランスに言われダグラスは、ツリーの下のプレゼントを見れば、サンタクロースがいると分かるとヴェラに慰められる。 ガソリンスタンドに寄ったボイドは、トイレで浮浪者のサンタクロース(オリヴァー・プラット)に会い妙なことを言われる。 その後ボイドは、ミッチの知人であるガソリンスタンドのオーナーのグレン(ジーン・ジョーンズ)が、来る度に父が自分を褒めているという話を聞く。 ボイドとミッチの争いを見て動揺し、パニックを起こしたネルソンの姿が見えないことに気づいたドナは息子を捜す。 パニックになるとネルソンは道路の真ん中でも寝てしまうと言うドナは外に出て彼を捜し、横たわっている人影を確認して車に轢かれたために驚く。 それがサンタクロースの人形だったことで安堵したドナは、騒ぎで起きた子供達を寝かせる。 ダグラスにサンタクロースはまだ来ないと伝えたルアンは、ボイドと話したいと言う息子に、ミッチとマッサージ中だと伝える。 ガソリンスタンドで会ったサンタクロースの話をしたボイドは、誰もいなかったとミッチに言われる。 ボイドは、昼間の警官ズブロッキーに、速度違反で再び止められてしまう。 ネルソンが、ミッチの仕事道具である荷台の簡易トイレの中にいることをズブロッキーに知らされたボイドとミッチは驚き、ドナに電話するよう指示する。 眠れない子供達は、ゲームなどをして遊び始める。 家に着いたボイドは、入り口の鍵を車に付けたままだったことに気づき、ガラスを割ってしまう。 スペアの鍵があることに気づいたミッチは、それをボイドに渡し、三人は中に入る。 プレゼントがないことを不思議に思うボイドは、人の気配を感じたために居間に向う。 愛犬に餌をやることを頼んでおいたアフガニスタン人のファハド(アミール・アリソン)が、勘違いして家族を連れてきていることに驚いたボイドは、ルアンに電話をしてそれを伝える。 理解を示すようにと言われたボイドはルアンと口論になり、電話を切ってしまう。 ボイドらが戻らない場合を考えて、ドナは、プレゼントを用意しようとする。 早食いの特技を持つランスは、今から鍛えれば自分の能力を超えられると言って、ダグラスにピクルスの早食いをさせる。 それが1973年のピクルスだと知ったダグラスは、足の感覚がなくなってしまう。 飾ってあった家族の写真の中の自分を消してあることに気づいたミッチは、ショックを受けてボイドを恨む。 ダグラスのプレゼントを家族のものしようとするファハドを責めるボイドは、子供達にネイルガンで手に釘を打たれてしまう。 ネルソンがファハドと話す姿を見て驚いたボイドは、彼がアフガニスタン派遣予定のためダリー語を習ったことを知る。 何んとかプレゼントを確保したボイドは出かけようとするが、ショックを受けていたミッチはいじけてしまう。 食べたピクルスのせいで、ダグラスは興奮して眠れない。 屋根裏で古いおもちゃのブリッジ・ゲームを見つけたドナは、ミッチとの生活の苦労をルアンに訊かれる。 酒癖の悪いミッチに手を焼いたと答えるドナは、仕事ばかりしているボイドと半年も愛し合っていないことを伝えるる。 自分を写真から削ったことでミッチは意見し、簡易トイレのTシャツで写る父を恥じたとボイドに言われる。 子供の頃に女優”ビアトリス・アーサー”に入れ込んでいたボイドは彼女を描き、芸術家を目指していた時期もあったとドナから聞いたルアンは、ミッチがそれをからかっていただけと知り憤慨する。 ひがむミッチをバカにするボイドは、いい人生を求め過ぎていることを批判され、子育ての原則として、父親ならどうするかを考え、出た答えの逆をすると伝える。 二人の言い争いを聞いていたネルソンは発作を起こしそうになり、ボイドは再び警官ズブロッキーに追われてしまう。 頭に血が上り興奮したボイドは、パトカーを振り切ろうとして暴走を始める。 落下した簡易トイレに衝突したズブロッキーは、追跡を諦める。 冷静になったミッチは息子達に謝罪し、30年間、飲んだくれていなければ、もっと早く言えたのにと伝えて自分の非を認める。 自分とは違い優秀なボイドは素晴らしい男だと伝えたミッチは、再び謝罪して息子を抱きしめる。 ネルソンもそれに加わったために前方を見ていなかったボイドは、何かを轢いてしまう。 車を降りたボイドは鹿だと思うが、それが、ガソリンスタンドで会ったサンタクロースだったために、人生が終わったと言って絶望する。 自分が罪を被ることを考えたミッチは、そうはさせないと言うボイドに、相手が誰も知らない男なので、貸しのある友人に頼んで塩酸で死体を溶かしてしまう方法を伝える。 そんなことはできないと言うネルソンとボイドは、穴を掘って埋めることを考えるが、時間がかかりそうなので死体を燃やそうとする。 チェーンソーで死体をバラバラにしようとしたミッチだったが、サンタクロースは起き上がり、バーボンはあるかと尋ねる。 スノー・グローブのスノーマン(ジェフリー・タンバー/声)に話しかけられたダグラスは、サンタクロースはいないと言われてショックを受ける。 ラジエーターの故障で間に合わないと判断したボイドは、ルアンに電話をしようとするが、諦めるべきではないとネルソンに言われる。 クリスマスの奇跡に賭けるしかないと言うミッチは、サンタクロースにクルマを貸してほしいと伝える。 サンタクロースからスノーモービルを見せられたボイドらは、それに乗って家に向かう。 夜が明けて目覚めたダグラスら子供達は、居間のプレゼントを見に行く。 自分へのプレゼントがないためにがっかりするダグラスは、サンタクロースが家を間違えたのかもしれないと言うヴェラに慰められる。 到着したボイドは、ダグラスの様子を窓から見て、このままプレゼントを渡せば、サンタクロースがいないことがバレてしまうと考えて躊躇する。 ミッチは、まだその場にいたサンタクロースに頼んで、プレゼントを家の中に運ばせる。 サンタクロースのために用意しておいたバーボンが残っていることを確認したダグラスは、サンタクロースがプレゼントを持って現れたために驚く。 サンタクロースは、その場にあったバーボンを飲みダグラスに話しかけられ、プレゼントを渡してその場を去る。 いい案ではなかったが、とにかく頑張ったと言うミッチは、良い父親だとボイドに伝える。 プレゼントのロリを見たダグラスは、雪がないので遊べないと言って、ルアンから、サンタクロースが落していったというプレゼントを受け取る。 それが、遊んでみたかったブリッジ・ゲームだったためにダグラスは喜び、苦労したにも拘らず、息子がソリに興味を示してくれなかったことで、ボイドはショックを受ける。 それでも、ルアンの気遣いに感謝したボイドは、彼女に今までのことを謝罪する。 その後、家族は外で過ごすが、ソリに乗せられたダグラスは、家の中でブリッジがしたいとボイドに伝える。 その時、雪が舞い落ち、ボイドとダグラスは空を見つめる。
...全てを見る(結末あり)
スピード違反をしてしまったボイドはパトカーに止められ、警官ズブロッキー(マーク・プロクシュ)に違反切符を切られてしまう。
*(簡略ストー リー)
シカゴ。
良き父親であるボイド・ミッチラーは、夢のない気難しい父ミッチを恨み疎遠だったのだが、弟ネルソンの子供の洗礼式に呼ばれ、クリスマスを実家で過ごすことになる。
気乗りしないボイドだったが、子供達のために我慢することを妻ルアンに約束して、娘ヴェラと息子ダグラスと共にウィスコンシン州の実家に向かう。
母ドナに歓迎されたボイドは、洗礼式を済ませ、食事中にいきなりミッチと言い争いになり、家に帰ろうとする。
我慢する約束だったため仕方なく留まったボイドだったが、ダグラスのプレゼントを忘れてきてしまったことに気づく。
家に向いプレゼントを取りに行くことにしたボイドだったが、途中で車が故障してしまう。
連絡を受けたミッチは、ダグラスのためだと言って、ボイドと共にいがみ合いながら彼の家に向かうのだが・・・。
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犬猿の仲の父子が絆を取り戻すまでを、”奇跡を起こすクリスマス”をテーマに描く、ハートウォーミング・コメディ。
親子仲の修復に絡んでくる浮浪者がサンタクロース姿であるため、彼の力により”奇跡”が起きる雰囲気で展開する終盤は、ファンタジックでもある。
2014年8月にロビン・ウィリアムズが他界しているため、遺作ではないが死後に公開された作品で、エンドロールの最後に、本作が彼に捧げられていることが明記される。
そんなことを考えながら観ていると、精神不安や体調が思わしくなかったのか、ロビン・ウィリアムズの演技にやや精彩が欠けているような感じを受ける。
クリスマスが舞台の作品であり、子供達が幸せを感じる描写を強調したいためか、主題である親子関係の修復の感動はあっさりと描かれ、それほどの盛り上がりもなく終わってしまうのも残念だ。
魅力的なキャスティングにも拘らず、拡大公開もされず、商業的には思わしくなかった作品。
日本では未公開で、亡くなったロビン・ウィリアムズに敬意を表してか邦題には彼の名がついているが、主演ではない。
社会的な成功者でもあり良き父にこだわるジョエル・マクヘイル、頑固で気難しいその父親ロビン・ウィリアムズ、主人公の妻ローレン・グレアム、主人公の弟クラーク・デューク、主人公らに関わる浮浪者のサンタクロース、オリヴァー・プラット、主人公の母親キャンディス・バーゲン、主人公の妹ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、その夫ティム・ハイデッカー、その息子ライアン・リー、娘のアマラ・ミラー、主人公の息子ピアース・ガニォン、娘のビービー・ウッド、ガソリンスタンドの店主ジーン・ジョーンズ、パトロール警官のマーク・プロクシュ、主人公と交流があるアフガニスタン人のアミール・アリソン、スノー・グローブのスノーマンの声ジェフリー・タンバーなどが共演している。