上流階級の婦人を相手にするジゴロが殺人事件に巻き込まれながら真実の愛を手に入れるまでを描く、製作ジェリー・ブラッカイマー、監督、脚本ポール・シュレイダー、主演リチャード・ギア、ローレン・ハットン、ヘクター・エリゾンド他共演のサスペンス・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ポール・シュレイダー
製作総指揮:フレディ・フィールズ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ポール・シュレイダー
撮影:ジョン・ベイリー
編集:リチャード・ハルゼー
音楽:ジョルジオ・モロダー
主題歌:ブロンディ”コール・ミー”
出演
ジュリアン・ケイ:リチャード・ギア
ミシェル・ストラットン:ローレン・ハットン
サンデイ刑事:ヘクター・エリゾンド
アン:ニーナ・ヴァン・パラント
リサ・ウィリアムズ:K・キャラン
リオン:ビル・デューク
チャールズ・ストラットン:ブライアン・デイヴィス
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1980年製作 117分
公開
北米:1980年2月8日
日本:1980年10月25日
製作費 $4,800,000
北米興行収入 $22,743,670
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カリフォルニア。
上流階級の婦人相手に日々を過ごすジゴロ、ジュリアン・ケイ(リチャード・ギア)は、仲介人のアン(ニーナ・ヴァン・パラント)の家に向かう。
仕事を受けたジュリアンは、自分を一流のジゴロに育ててくれたアンに恩は感じているのだが、思い描く人生を歩みたいとも考え始めていた。
そんな時ジュリアンは、仲間のリオン(ビル・デューク)からある仕事を頼まれる。
アンの仕事で、富豪夫人と共に”ビバリーヒルズ・ホテル”に向かったジュリアンは、彼女に気にいられたことを連絡してバーに向かう。
フランス語を話す、魅力的な女性ミシェル・ストラットン(ローレン・ハットン)に話しかけたジュリアンは、勘違いしたと言ってその場を去ろうとする。 しかし、政治家の夫チャールズ(ブライアン・デイヴィス)との仲も冷めていたミシェルは、欲求を満たそうとバーに来ていたため、彼女はジュリアンを引き止める。 ミシェルは、ベッドを共にすることを率直に語るのだが、ジュリアンはそれを拒み席を外す。 翌日ジュリアンは、リオンの件でパーム・スプリングスに向かい、妻の性欲を満たす姿を見ていたいだけだという男の要求に応える。 リオンに会い手数料を渡したジュリアンは、同じ仕事を頼まれるもののそれを断る。 アンのような、大きな仕事は出来ないリオンだったが、富裕層ばかりの相手は、危険も伴うと言ってジュリアンに忠告する。 ある夜、突然、部屋に現れたミシェルに冷たい態度を取るジュリアンだったが、自分をさらけ出す彼女に優しく語り掛け、そして二人は愛し合う。 その後、客のリサ・ウィリアムズ(K・キャラン)と過ごしたジュリアンは、パーム・スプリングスで相手にした女性が殺害されたことを新聞記事で知る。 ジュリアンは、再び現れたミシェルに、生きる世界が違うと伝えるのだが、二人は部屋に向かい愛し合う。 殺人事件を調べ始めた市警のサンデイ刑事(ヘクター・エリゾンド)は、被害者の関係者を訪ね、ジュリアンの元にも向かう。 サンデイに質問されたジュリアンだったが、法に触れかねない仕事をしている彼は、多くを語ることを拒む。 しかしサンデイは、多少のことは目をつぶることを約束して、ジュリアンに協力を求める。 客の婦人と共に、ミシェルの夫ストラットン上院議員の演説会に向かったジュリアンは、彼女と挨拶だけする。 数日後、ミシェルが街で自分をつけていることに気づいたジュリアンは、偶然出くわしたような振りをして、彼女を誘い話をする。 ジュリアンは、立場上、世間体を気にする夫と別れられないと言うミシェルに、自分の考えを通すようにと助言する。 サンデイはジュリアンに会い、事件当時、一緒にいたというリサが、彼のアリバイを否定していることを伝える。 被害者の殺害写真を見せられたジュリアンは、彼女と会った時の夫婦の様子などを話す。 帰宅したジュリアンは、部屋が荒らされていることを知りアンの元に向かう。 アンは、リオンの仕事をしたジュリアンを批判し、今更泣きつくなと彼を責める。 男目当てのスウェーデン人が到着することを伝えたアンは、殺人のことをジュリアンに尋ねるが、彼は明確な答えを返せない。 ミシェルに、足を洗うことを勧められたたジュリアンだったが、それが容易ではないことと、アリバイがない自分が殺人を疑われていることを話す。 サンディと約束した面通しで、ジュリアンは事件当日の目撃者に確認されてしまう。 もう一人も確認されていたため、どちらかが犯人だと言うサンデイは、ジュリアンの部屋から、被害者の指紋だらけの所持品が見つかっていることも伝える。 ジュリアンが犯人だと考えるサンデイだったが、弁護士と共に彼を帰す。 リサの元に向かったジュリアンは、関係を話されたことで迷惑と考える彼女と夫に追い払われる。 その後、ストラットン議員の事務所の者につけられたジュリアンは、それに気づき、直接、連絡するようにと電話番号を教える。 議員に会ったジュリアンは、殺人の容疑をかけられたためにミシェルに近づき、自分を利用しようとしたと彼に言われる。 ミシェルとの手切れ金を断ったジュリアンは、自分を人間のクズだと言う、権力を振りかざす議員に、妻に二度と近づくなと警告される。 リオンの元に向かったジュリアンは、アリバイ作りで彼に協力を求める。 数日後ジュリアンは、訪ねてきたミシェルと愛を確かめ合うが、彼女は2か月間ローマに向かうことを伝える。 不審な青年を目撃したジュリアンは、帰宅して部屋を調べ、いじられた気配のある車に、被害者の盗まれた宝石が隠されていることに気づく。 数日間、部屋に戻らないジュリアンは、リオンが被害者の夫と接触していることを知る。 アンのいるクラブに向かったジュリアンは、警察に追われていることを伝えるが、客の相手をしなかったことで彼女に責められる。 その場でミシェルを見つけたジュリアンは、彼女から、夫の圧力で凶器が見つかり、逮捕されることを知らされる。 ミシェルや夫にとって、身の破滅を招く大スキャンダルになると伝えたジュリアンは、彼女に別れを告げてその場を去る。 行き詰まったジュリアンは、リオンに会い、黒幕の彼に言い寄る。 しかしリオンは、既に凶器も見つかった現状で、犯人にされるのは確実だとジュリアンに伝える。 ジュリアンは、専属になり分け前の条件も呑み、どんな仕事でもするとまで言うものの、リオンに見捨てられる。 なぜ自分がハメられたかと尋ねるジュリアンに、派手に稼ぎ過ぎて味方をなくした彼を、以前から嫌っていたと言い放ち、リオンは彼を追い払おうとする。 ジュリアンは、部屋から出て行った青年を、バルコニーから見つめるリオンに襲いかかり、誤って彼を落下死させてしまう。 逮捕されたジュリアンは、サンデイの質問に何も答えなかった。 その後、ミシェルの面会を受けたジュリアンは、これが最後だと言って彼女と別れる。 ジュリアンは、ミシェルの依頼で現れた弁護士にも何も語ろうとしなかった。 警察に出向いたミシェルは、事件当夜、ジュリアンが自分といたことを証言する。 再びジュリアンに面会したミシェルは、証言したことを知らせて、家には戻れないことを伝える。 なぜこんなことをしたのかをミシェルに尋ねたジュリアンは、こうするしかなかったと言われて、彼女に愛を告げられる。 そしてジュリアンは、自分が探し求めていた女性がミシェルだと気づき安堵する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
カリフォルニア。
上流階級の婦人相手のジゴロ、ジュリアン・ケイは、自分を育てくれた仲介人のアンには内緒で、仲間のリオンから仕事を頼まれる。
ある日ジュリアンは、政治家の妻である魅力的な女性ミシェルと出会い、夫婦関係が冷めてめている彼女に誘われるもののそれを断る。
翌日、リオンの仕事を受けたジュリアンは、妻の性欲を満たして欲しいと言う夫からの依頼を受けるが、その後、彼女は殺害される。
事件を捜査する、サンデイ刑事に容疑者として疑われ質問されたジュリアンは、仕事柄、法すれすれの行為をしている彼は、多くを語れない。
その後、ミシェルと愛し合うようになるものの、アリバイもないジュリアンは、何者かに罠にかけられていることに気づき、やがて窮地に追い込まれる・・・。
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「タクシードライバー」(1976)の脚本などで知られる、ポール・シュレイダーの監督と脚本、1970年代の半ばからキャリアを重ねていたリチャード・ギアがブレイクし、彼のその後の活躍を決定づけた作品。
しかし、サスペンスではあるが、ストーリーや展開に今一緊張感もなく平凡な内容で、とにかく、公開当時、世の女性はリチャード・ギアに魅了されてしまった・・・ということに尽きる作品。
ファンには叱られてしまうが、公開当時は男でも惚れてしまうスタイリッシュな主人公・・、今観ると、それほど衝撃を受けるような魅力的な男性には思えないところに30年の月日を感じてしまう。
ハリウッドのヒットメイカーとなる、ジェリー・ブラッカイマーの初期製作作品でもある。
ジョルジオ・モロダーの”思わせ振り”な音楽、そして、主題歌、ブロンディの”コール・ミー”は大ヒットした。
最後まで主人公を見捨てない、ミステリアスな存在でもある上院議員夫人ローレン・ハットン、殺人事件を捜査する刑事ヘクター・エリゾンド、主人公を育てた仲介人ニーナ・ヴァン・パラント、主人公の客である富豪夫人K・キャラン、事件の黒幕ビル・デューク、上院議員のブライアン・デイヴィスなどが共演している。