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馬と呼ばれた男 A Man Called Horse (1970)

アメリカ先住民スー族に捕らわれの身となったイギリス人の運命を描く、主演リチャード・ハリスジュディス・アンダーソン他共演、監督エリオット・シルヴァースタインによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:エリオット・シルヴァースタイン

製作:サンディ・ハワード
原案:ドロシー・M・ジョンソンA Man Called Horse
脚本:ジャック・デウィットジャック・デウィット

撮影:ロバート・B・ハウザー
編集:フィリップ・A・アンダーソン
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
ジョン・モーガン:リチャード・ハリス

バッファロー・カウ・ヘッド:ジュディス・アンダーソン
バティース:ジーン・ガスコン
イエロー・ハンド:マヌ・トゥポー
ランニング・ディア:コリンナ・ツォッペイ
ブラック・イーグル:エディ・リトル・スカイ
ジョー:ダブ・テイラー
エド:ジェームズ・ギャモン

アメリカ 映画
配給 National General Pictures

1970年製作 115分
公開
北米:1970年4月28日
日本:1970年4月18日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
19世紀、アメリカ中西部。
イギリス人のジョン・モーガン(リチャード・ハリス)は、生まれながらの不自由ない生活に満足できず、この地にを訪れて狩猟生活を続け5年が経っていた。

川で体を洗っていたモーガンだったが、彼と行動を共にしていたジョー(ダブ・テイラー)やエド(ジェームズ・ギャモン)は、監視していた先住民スー族に殺される。

全裸のモーガンは、族長のイエロー・ハンド(マヌ・トゥポー)に捕えられ、首に縄をかけられて馬と同じ扱いを受ける。

途中でモーガンは逃亡するものの、イエロー・ハンドは難なく彼を捕えて首に縄をかける。
...全てを見る(結末あり)

部族の集落に戻ったイエロー・ハンドは、母親バッファロー・カウ・ヘッド(ジュディス・アンダーソン)に、白人を捕えたことを知らせる。

モーガンは”馬”だと言われたバッファロー・カウ・ヘッドは、彼を自分の所有物にしようとする。

翌朝、馬を奪ってその場を逃れようとしたモーガンだったが、たちまち見つかりそれを諦める。

イエロー・ハンドは、モーガンに槍を渡して自分を刺すよう指示するが、彼が何もしないことを確認して部族の者達を下がらせる。

我慢の限界に達したモーガンは、自分が馬ではなく人間だと訴えるが、それが理解されるはずもなかった。

仕方なくモーガンはバッファロー・カウ・ヘッドの元に戻り、自ら首に縄をかける。

その後モーガンは、5年もの間、部族に囚われの身となっている白人バティース(ジーン・ガスコン)から、家族は殺され、逃亡を図ったために片足を切られたことを知らされる。

更に、この場から逃げても、周囲には狂暴な他の部族がいるということだった。

モーガンは逃亡するためにバティースに協力を求め、まず、部隊を編成する必要があることなどを考える。

イエロー・ハンドの妹ランニング・ディア(コリンナ・ツォッペイ)が、他の部族長ブラック・イーグル(エディ・リトル・スカイ)の求婚を断ったことを知ったモーガンは、彼女に接近しようとする。

バッファロー・カウ・ヘッドの指示に従い労働を続け、部族の生活にも慣れてきたモーガンは、ランニング・ディアとも親交を深める。

ある日、他部族の男二人を倒し頭の皮を剥いだモーガンは、馬も奪い英雄として称えられる。

モーガンは、バッファロー・カウ・ヘッドの息子となることを拒むが、イエロー・ハンドにランニング・ディアとの結婚を認められる。

部族の一員、そして勇者になるための儀式に耐えたモーガンは、イエロー・ハンドや男達を前に、自分が部族長になることを断言する。

その勇気を見せるよう求められたモーガンは、更に苦業に耐えてそれを示す。

イエロー・ハンドはランニング・ディアをモーガンの元に導き、二人はテントに入り愛し合う。

その後イエロー・ハンドは、ブラック・イーグルに妻を連れ去られてしまい、戦いの誓いを立てる。

バティースは、逃亡する絶好の機会だと喜ぶが、モーガンはその気にはなれない。

モーガンは、バティースが部族と5年間も暮らしながら、彼らを理解しないことを非難する。

やがてモーガンは、ランニング・ディアから子供が生まれることを知らされて喜ぶ。

数日後、チャンスを窺っていたブラック・イーグルの部族の襲撃を受けたイエロー・ハンドらは、それを迎え撃つ。

しかし、イエロー・ハンドとバティースは命を落とし、追われるランニング・ディアをモーガンが助けようとする。

モーガンはブラック・イーグルを倒すが、ランニング・ディアが傷つけられる。

ランニング・ディアをテントに運んだモーガンは、彼女の死を見届ける。

部族民と共に悲しみに暮れるモーガンは、全てを失ったバッファロー・カウ・ヘッドに、息子になることを伝える。

移動する部族民を見送ったモーガンは、ランニング・ディアに別れを告げて、十数人の男達と共に旅立つ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
19世紀、アメリカ中西部。
祖国イギリスでの何不自由ない生活に満足できず、狩猟生活をするジョン・モーガンは、先住民スー族に捕えられ”馬”として扱われ部族の村落に連れて行かれる。
モーガンを捕えた族長イエロー・ハンドは、母親バッファロー・カウ・ヘッドに”馬”を与える。
首に縄をかけられ馬として扱われたモーガンは、逃亡するものの難なく捕えられる。
モーガンは、5年もの間、部族の囚われの身となっている白人バティースに、逃亡のための協力を求める。
イエロー・ハンドの妹ランニング・ディアと親しくなり、部族の男として認められれば、脱出のための部隊を編成することも可能かと考えたモーガンは、彼女との親交を深めるのだが・・・。
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1950年に雑誌”Collier’s”に掲載されたドロシー・M・ジョンソンの短編及び、1968年に再版された”A Man Called Horse”を基に製作された作品。

今観るとそれほど新鮮に思えない内容なのだが、先住民を描く作品にようやく変化が見られるようになった当時を考えると、異色作と言える作品でもある。

正統派西部劇に分類できる作品ではなく、野蛮人に思える先住民を次第に理解していく、知力、体力と共に勇気も備える男の生き様を描く、見応えあるドラマに仕上がっている。

痛快西部劇「キャット・バルー」(1965)でも見事な演出を見せたエリオット・シルヴァースタインは、今回も各個性を生かし、特に主人公の心情についての細やかな描写も注目。

エデンの東」(1955)などで知られるレナード・ローゼンマンの音楽も印象的。

先住民に虐げられながらも、逞しく生き抜き勇者として描かれる主人公を熱演するリチャード・ハリスの演技は高く評価された。

部族長(マヌ・トゥポー)の母親役の名女優ジュディス・アンダーソン、部族に捕らわれていた白人ジーン・ガスコン、主人公の妻となるコリンナ・ツォッペイ、他部族の族長エディ・リトル・スカイ、主人公と狩猟生活を送るダブ・テイラージェームズ・ギャモン等が共演している。


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