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オールウェイズ Always (1989)

スペンサー・トレーシー主演、ダルトン・トランボ脚本で1943年に公開された”A Guy Named Joe”のリメイク。
スティーヴン・スピルバーグ(製作、監督)が長年温めていた企画であり、消火活動中に飛行機事故死したパイロットの死後も恋人を想い続ける姿を描く、主演リチャード・ドレイファスホリー・ハンタージョン・グッドマン、そしてオードリー・ヘプバーンの遺作となったファンタジー・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー

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スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:キャスリーン・ケネディ
製作
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
原作:ダルトン・トランボ”A Guy Named Joe”
脚本:ジェリー・ベルソン
編集:マイケル・カーン

撮影:ミカエル・サロモン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
リチャード・ドレイファス:ピート・サンディッチ
ホリー・ハンター:ドリンダ・ダーストン
ジョン・グッドマン:アル・ヤッキー
ブラッド・ジョンソン:テッド・ベイカー
オードリー・ヘプバーン:ハップ
ロバーツ・ブロッサム:デイヴ
キース・デヴィッド:パワーハウス
デイル・ダイ:ドン
マージ・ヘルゲンバーガー:レイチェル
ブライアン・ヘイリー:アレックス

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1989年製作 122分
公開
北米:1989年12月22日
日本:1990年4月14日
製作費 $31,000,000
北米興行収入 $43,858,800
世界 $74,134,800


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
無鉄砲な飛行をして周囲を心配させる、森林消火隊飛行士ピート・サンディッチ(リチャード・ドレイファス)は、恋人で飛行場の管制官をするドリンダ・ダーストン(ホリー・ハンター)に、誕生日のプレゼントをする。

ピートは同僚で友人のアル・ヤッキー(ジョン・グッドマン)から、消火専門のパイロット養成学校の教官に誘われるが、今の現場を離れる気はなかった。

その時、男勝りのドリンダが、ピートのプレゼントのドレスを着込んで現れ、ピートはうっとりと彼女を見つめる。

その夜、ピートは、ドリンダから飛行士になりたいと言われるが、彼はそれに反対する。

ピートの身を案ずるドリンダは、今の職を捨てて教官になることを勧める。

二人の意見は対立するがピートが折れて、教官になることに決めドリンダはそれを喜ぶ。
...全てを見る(結末あり)

しかし、アルから山火事発生で出動の依頼が入り、非番だと断ったピートだったが、同僚の入院を知り現場に飛び立とうとする。

ドリンダはピートを見送りに行き、彼は火災現場に向かうが、エンジンが出火したアルの飛行機を助けるため、無理な飛行をした彼の機体は爆発してしまう。

その後ピートは、天国で、ハップ(オードリー・ヘプバーン)という天使に出会い、自分が死んでドリンダが悲しんでいることを知らされる。

ピートは、自分の人生は終わったのだとハップに率直に言われて、月日の経った下界に降り立ち、アルが始めた飛行士養成学校に向かう。

そしてピートは、その生徒となったテッド・ベイカー(ブラッド・ジョンソン)に、自分の能力を伝授することにする。

テッドは、訓練でアルに消化剤をかけてしまい、養成所を去るように言われる。

しかし、気のふれた老人から、一度会って一目惚れしてしまったドリンダに会えると言われ養成所に戻る。

ピートの死から立ち直れないドリンダと再会したアルは、現実を受け入れようとしない彼女を叱咤激励し、自分の飛行場に連れて行く。

ふとしたことから、ピートは、ドリンダが近くに来たことに気づく。

そこに現れたテッドとドリンダが接近するのを見て、彼女に、今でも愛していることを伝えようとする。

ある日、テッドとドライブしていたドリンダは、心臓麻痺で倒れたスクールバスの運転手を救ったテッドを見て、頼りなさそうだった彼を見直す。

そして、トーストも焼けないドリンダは、無理してテッドを食事に招待し、ピートのことばかり話しながらも彼と踊り始める。

それを見ていたピートは居た堪れなくなり、ハップにこの場から立ち去らせてくれと頼む。

ドリンダは、突然、流れてきたピートとの想い出の曲、”煙が目にしみる”(Smoke Gets In Your Eyes)を聞き、テッドとの踊りを止めてしまう。

ピートにプレゼントされたドレスに着替えたドリンダは、その曲を流して独り踊りだし、ピートがそれに寄り添う。

その後、ピートはハップの元に戻り、苦しい胸の内を語り始める。

”生きて良かった”と思い、喜びの心があるのなら、得たものを次に手渡し、ドリンダに別れを告げるべきで、それによって自由になれるというのがハップの言葉だった。

やがて、テッドも、ピートの無鉄砲さを受け継いだような飛行士になっていた。

そんな時、大きな山火事が発生し、消化隊が孤立したという連絡が、アルの元に入る。

テッドが現場に飛び、それを追うように、ドリンダもアルの制止を振り切り飛び立ち、その機にピートも同乗する。

ドリンダは強引な飛行で消火活動を続け、ピートに支えられ、見事に消化隊の救出路を確保することに成功する。

消化の成功の連絡を入れ、無線を切ったドリンダは、”愛している”という天からのピートの声を聞く。

油圧が落ち、湖に着水したドリンダは機内に閉じ込められるが、ピートに導かれて水面に浮かび上がる。

そして、ピートはドリンダに別れを告げ、彼女をテッドの元に向わせて、自らは安堵の表情で天国に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
無鉄砲な飛行で周囲を心配させる、森林消火隊飛行士ピート・サンディッチは、彼の身を案ずる、恋人で管制官のドリンダに、パイロット養成学校の教官になることを勧められる。
ピートはそれを拒むものの、ドリンダのためを思い、仕方なく教官になることを決心する。
そんな時、非番だったピートは、同僚のアルからの連絡を受け、火災現場に向かうい、無理な飛行をして機体は爆発してしまう。
死亡したピートは、天国でハップという天使に出会い、ドリンダが悲しんでいることを知らされる。
下界に降りたピートは、アルが始めた飛行士養成学校で、生徒のテッドに自分の能力を伝授しようとする。
一方、ピートの死から立ち直れないドリンダは、アルに現実を受け入れるよう励まされ、彼の飛行場に向かう。
ドリンダが、近くに来たことに気づいたピートは、彼女に今でも愛していることを伝えようとする。
そんな時ドリンダは、あることがきっかけで身近にいるテッドを見直し、彼との親交を深めようとする。
それを見たピートは居た堪れなくなり、ハップにこの場から離れたいことを伝えるのだが・・・。
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興行的には、同年5月に公開されたスピルバーグ作品「インディ・ジョーンズ/最後の聖」(1989)に遠く及ばなかったが、彼らしい心温まるヒューマン・ドラマに仕上がっている。

美しい音楽は、もちろんスピルバーグ作品の常連ジョン・ウィリアムズが担当している。

スピルバーグ作品は、「未知との遭遇」(1977)以来12年ぶりとなるリチャード・ドレイファスは、アカデミー主演賞を受賞した「グッバイガール」(1977)以後は低迷していた時期で、外見も急激に老け込んでしまったように見えるが、彼の個性を生かした庶民受けする役柄を好演はしている。

一方、ホリー・ハンターは、小柄ながらパワフルな演技で、一気に才能を開花させ始め、本作以後に頂点を極めることになる。

主人公よりも彼女の役に重点が置かれていて、主人公の死後、悲しみを乗り越え強く生きようとする、頼もしいジョン・グッドマンと共に、見事な演技を見せてくれる。

出番は少ないがオードリー・ヘプバーンの、落ち着いた、説得力ある演技が非常に印象的で、彼女の遺作となった作品でもある。

主人公にドリンダ(H・ハンター)の未来を託されるブラッド・ジョンソン、その同僚キース・デヴィッドなどが共演している。


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