南北戦争下、食料供給ための南北の軍による牛の争奪戦に巻き込まれる牧畜業者と指揮官の戦いと友情を描く、監督エドワード・ドミトリク、主演ウィリアム・ホールデン、リチャード・ウィドマーク、パトリック・オニール他共演の戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ドミトリク
製作
ソル・C・シーゲル
レイ・デヴィッド
撮影:ジョセフ・マクドナルド
編集:ハロルド・F・クレス
脚本:フランクリン・コーエン
音楽:ジョニー・グリーン
出演
アルバレス・ケリー:ウィリアム・ホールデン
トム・ロシター大佐:リチャード・ウィドマーク
リズ・ピカリング:ジャニス・ルール
アルバート・ステッドマン少佐:パトリック・オニール
チャリティ・ワーウィック:ヴィクトリア・ショウ
アンガス・ファーガスン:ロジャー・C・カーメル
ハッチャー軍曹:リチャード・ラスト
タワーズ伍長:アーサー・フランツ
パターソン伍長:ハリー・ケリーJr.
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1966年製作 116分
公開
北米:1966年10月
日本:1966年11月12日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1864年、南北戦争下、バージニア州。
牧畜業者であるアイルランド系メキシコ人のアルバレス・ケリー(ウィリアム・ホールデン)は、北軍の食料を確保するための牛を運び終わる。
アルバート・ステッドマン少佐(パトリック・オニール)に10日遅れたことで責められたケリーは、命令変更により牛をリッチモンドの農場まで運ぶよう指示される。
同じく食料不足である、片目を失っている南軍のトム・ロシター大佐(リチャード・ウィドマーク)は、ケリーの牛を監視しながらそれを奪うことを考える。
チャリティ・ワーウィック(ヴィクトリア・ショウ)の屋敷に立ち寄ったケリーとステッドマンは、敷地内に野営することなどを許される。 ロシターの部下は牧童を襲い、牛を数頭手に入れて食料にする。 ステッドマンはケリーに約束の金を支払い、二人はチャリティから夕食の招待を受ける。 牧童の一人が襲われて意識不明になり、肉を焼いた跡が見つかったという報告を受けたステッドマンは、それを確認するために席を外す。 ケリーは美しいチャリティに惹かれ、主人を亡くして2年になる彼女も同じ思いだった。 二人は寄り添いキスをするのだが、そこにロシターらが現れ、ケリーはチャリティに騙されたことに気づく。 ケリーはロシターに現金を奪われて連行され、チャリティは後ろめたさを感じながらその場を去る。 チャリティの部屋に向かったステッドマンは、彼女がケリーを売った理由を確かめる。 リッチモンドの軍本部に連れて行かれたケリーは、兵士や市民を飢えさせないために牛が必要であることをロシターから知らされる。 金は二倍払うと言われても、兵士が牧童の代わりを務められそうもないことを指摘したケリーは、その話に乗る気になれない。 奪われた金を燃やそうとして指まで撃たれたケリーは、仕方なくロシターの指示に従い、兵士達を牧童にする訓練を始める。 ダンス・パーティーに招かれたケリーは、ロシターの婚約者リズ・ピカリング(ジャニス・ルール)が気になる。 封鎖突破船の船長アンガス・ファーガスン(ロジャー・C・カーメル)を紹介されたケリーは、リズが一人になったために近づき、相談があると言われて会う約束をする。 真夜中、見張りのハッチャー軍曹(リチャード・ラスト)を連れて娼館に向かったケリーは、女を選び部屋に向かう。 女に金を渡して窓から部屋を出たケリーは、リズの家に向かう。 リズは、軍人であることを気にして結婚を遅らせてきたロシターが、もう一方の目を失い失明することを恐れていることを知り、それを思うと辛いという悩みをケリーに打ち明ける。 資金難で苦しむリズは、全てに嫌気がさしたためにこの場を逃れたいことをケリーに伝え、彼は力になれると言って約束する。 ホテルに向かいファーガスン船長を呼び出したケリーは、女性とそのメイドを船に乗せるよう現金を渡して交渉を成立させて、リズに感謝される。 ケリーが南軍のために牛を運ぼうとしているという情報を得た北軍司令部は、その可能性を否定するものの、ステッドマンは警戒する。 ファーガスンにケリーが金を払ったことを知っていたロシターは、船が出てしまったと言ってケリーを笑い者にする。 しかし、その金がリズの逃亡に使われたことを知ったロシターは激怒する。 部下が現れたために作戦を説明したロシターは出発の命令を出し、ケリーには必ず決着をつけると言い切る。 川に架かる橋を渡るロシターは、牛の通過には耐えられない可能性がるとケリーに指摘され、橋を補強させる。 作業中に逃亡したケリーは、追ってくるハッチャーを振り切るが、ロシターに見つかってしまう。 チャリティの屋敷に着いたロシターは貯蔵庫に隠れ、彼女から北軍の情報を得る。 その場にケリーらも到着するが、翌朝、敵軍兵を捕えて殺したという報告を受けたステッドマンは、貯蔵庫に誰かが隠れていることに気づく。 ステッドマンは、ロシターに続きケリーが貯蔵庫から現れたために思わず笑ってしまうが、敵に包囲されて逆に捕えられてしまう。 その場を制圧したロシターは、ステッドマンが逃げたことを確認し、牛を運ぶようケリーに命ずる。 司令部に到着したステッドマンは、警告したはずだと言って司令官を非難するが、部隊を与えられて追跡を始める。 ステッドマンを追ったパターソン伍長(ハリー・ケリーJr.)だったが、逃げられたことをロシターに伝える。 敵が橋に向かったという報告を受けたロシターは、牛を沼地に向かわせる。 二手に分かれて敵を挟み撃ちにするというロシターの作戦も聞いたケリーは、馬鹿げた話だと言って、牛を無事に運ぶ方法はあると伝える。 一応それを信用したロシターは、中佐に任命していたケリーの指揮に従うようハッチャーらに指示する。 橋の手前で待ち構えるステッドマンの部隊に対し、ケリーは牛を兵力と考えて暴走させる。 無事に橋を渡ったロシターらは、橋に爆薬を仕掛ける。 点火を任されたハッチャーは、橋を渡ろうとしたケリーの馬を撃つ。 ロシターがハッチャーを銃撃するものの撃たれてしまい、爆薬は点火されて橋は爆破され、ケリーはその直前に川に飛び込む。 パターソンの手当てを受けたロシターは、敵の進行が阻止されたことを知り、ハッチャーを責めようとはしなかった。 ロシターは、不本意ながらケリーの行動を評価して感謝する。 そしてケリーは牛を運ぶために移動を始める。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1864年、南北戦争下、バージニア州。
牧畜業者であるアイルランド系メキシコ人のアルバレス・ケリーは、北軍の食料を確保するための牛を運び終わる。
しかしケリーは、同じく食料不足に陥っていた南軍のロシター大佐に捕えられ、自分が運んだ牛を北軍から奪い移送させることを強要される。
報酬も得られるビジネスではあったが、ケリーは、兵士に牧童の代わりが務まるとは思えず気が進まない。
その訓練をするよう指示されたケリーは、終わりの見えない戦争や、それに従事する婚約者ロシターとの関係に疲れたリズの逃亡に手を貸す。
それを知ったロシターは激怒するが、任務を優先し、ケリーを伴い北軍の陣地に向い牛を奪う作戦を決行する・・・。
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南北戦争を舞台にした物語ではあるが、テーマが、食料確保のための牛の争奪戦というところが面白い。
女が絡む双方の騙し合い、いがみ合いながらも築かれる友情、迫力ある牛の大群による暴走シーン、そしてユーモアも交えた展開・・・娯楽の要素満載の内容に加え、エドワード・ドミトリクの歯切れのいい演出によりまずまず楽しめる作品。
主演のウィリアム・ホールデンは、牛飼いらしく腕っ節も強く、またダンディでもあり、彼の魅力を十分に生かした役柄で好演している。
彼は、この後、50代になり急激に老けてしまった印象がある。
エドワード・ドミトリク作品の「ワーロック」(1959)で、悪党から郡保安官補になる役の好演が記憶に残るリチャード・ウィドマークは、強引なまでの行動力もやや空回りす時もある、人間味溢れる役柄の南軍大佐を熱演している。
ロシター(リチャード・ウィドマーク)の婚約者で、主人公の手助けで土地を離れるジャニス・ルール、北軍少佐パトリック・オニール、南軍に協力する農場主ヴィクトリア・ショウ、封鎖突破船の船長ロジャー・C・カーメル、主人公を監視する軍曹リチャード・ラスト、伍長アーサー・フランツとハリー・ケリーJr.などが共演している。