自堕落な生活を送る元大学教授と亡くなった同居人女性の娘そして作家志望の青年の奇妙な交流を描く、主演ジョン・トラボルタ、スカーレット・ヨハンソン、ガブリエル・マクト、デボラ・カーラ・アンガー共演のドラマ。 |
・ドラマ
・スカーレット・ヨハンソン / Scarlett Johansson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:シェイニー・ゲイベル
製作:ボブ・ヤーリ
原作:ドナルド・エヴァーレット・キャップス”Off Magazine Street”
脚本:シェイニー・ゲイベル
撮影:エリオット・デイヴィス
編集
リサ・フラックマン
リー・パーシー
音楽:ネイサン・ラーソン
出演
ボビー・ロング:ジョン・トラボルタ
パースレーン”パーシー”ウィル:スカーレット・ヨハンソン
ローソン・パインズ:ガブリエル・マクト
ジョージアナ:デボラ・カーラ・アンガー
リー:クレイン・クロフォード
セシル:デイン・ローデス
ジュニア:デヴィッド・ジェンセン
アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2004年製作 119分
公開
北米:2004年12月29日
日本:2007年4月7日
北米興行収入 $159,170
世界 $1,841,260
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2002年、ニューオーリンズ。
自堕落な毎日を送るボビー・ロング(ジョン・トラボルタ)は、同居していた女性ロレーンの葬儀に、同居人のローソン・パインズ(ガブリエル・マクト)と共に参列する。
フロリダ州、パナマ・シティ。
恋人リー(クレイン・クロフォード)に、ボビーから連絡があったと言われたパースレーン”パーシー”ウィル(スカーレット・ヨハンソン)は、母親が死んだことを知らされて驚く。
ローソンとジョージアナ(デボラ・カーラ・アンガー)のバーに寄ったボビーは、三人で亡くなったロレーンの冥福を祈る。
母親が死んだことを知らされずに憤慨したパーシーは、リーと別れてニューオーリンズに向かう。 ロレーンの家に着いたパーシーは、昼だというのにまだ寝ていたローソンに迎えられ、母の葬儀が終わったことを知らされる。 寝ていたボビーにも一応歓迎されたパーシーだったが、アルコール漬けの二人と暮らす気はなく、出て行こうとする。 ローソンはパーシーに、ロレーンの形見だと言って、彼女が大切にしていた本の入ったバッグを渡す。 その後、母の本を読んだパーシーは、ボビーから贈られたものがあることに気づき、二人の関係などを知りたくなり家に戻る。 外出していたボビーとローソンが戻り、パーシーは、その場に住むことを伝える。 ボビーは、ロレーンの家ではあるが出て行くことを拒み、ローソンがパーシーに部屋を提供する。 パーシーは、ボビーが優秀な英文学の大学教授だったことと、ローソンが作家志望だということを知る。 翌日、散歩に出たパーシーは、母ロレーンを知り、自分の命名を手伝ったというセシル(デイン・ローデス)に声をかけられる。 自分の名前が”スベリヒユ/パースレーン”からとったと言われて、パーシーはそれをセシルから渡される。 ジョージアナのバーに寄り食事をして、ロビーや仲間達が集う場所で、彼の意味不明な話を聞いたパーシーは家に戻る。 その後パーシーは、ロレーンを皆と同じように愛していたセシルとは親交を深めるが、自分を追い出そうとするボビーとは衝突する。 学校にも通わず、働こうともしないパーシーと言い合いになったボビーは、妻に捨てられ子供にも会えないことを追求されてショックを受ける。 アラバマ州。 フレンチ・クオーターで職探しをしたパーシーは、それに付き合ったローソンから、医療現場で働きたいという自分の夢に協力すると言われる。 姿を消していたボビーが戻り、彼はパーシーに、苦労して手に入れた進級の証明書を渡す。 ボビーとローソンは、パーシーが学校に通い始めるための準備をする。 パーシーは、ボビーに感謝しながら登校するが、初日で挫折しそうになる。 その後、パーシーは学校に馴染み、冬となり、三人の平穏な生活が続く。 ある日の夜、外で飲んでいた三人だったが、ローソンが家を出てジョージアナと暮らす考えを伝える。 パーシーとローソンが惹かれ合っていることに気づいていたボビーは、嫌味を言ってその場の雰囲気を壊す。 9年間もボビーの指示に従いながら原稿を書き、助手のような生活をしていたローソンは彼に失望して席を立つ。 一緒に店を出たジョージアナを送ったローソンは、何も言わずにその場を去る。 家に戻ったボビーは、自分のせいでローソンが出て行くことを嘆き孤独になることを恐れるが、パーシーが彼を気遣う。 暖炉の前にいたローソンに寄り添うパーシーは、彼が出て行かないことを確認して、ボビーと会った頃の話を聞かされる。 美しい妻と息子がいたボビーは、ローソンの友人の女性と関係を持ち、家族との時間が減った。 息子の野球の試合の日、ローソンがボビーをバーに誘ったことで、あるトラブルに巻き込まれてしまう。 ボビーは、息子の試合に間に合わずに信頼を失い、妻に見捨てられて、ローソンと共にこの地に来たのだった。 ローソンは、ボビーが今のようになってしまったのは、その時に誘った自分に責任があると悔やむ。 パーシーとローソンは、その場に横たわり一夜を過ごし、それに気づいたボビーは、そこにあった彼の原稿を読もうとする。 翌朝、ボビーとローソンは謝罪し合い、パーシーや仲間達と共に楽しいクリスマスを過ごす。 その後、血尿が止まらないボビーを、ローソンは検査入院させる。 学生とデートをしたパーシーは、ボビーらの友人である元バンドマンだったジュニア(デヴィッド・ジェンセン)が、歌手だった母と組んで、親しい関係だった話を聞かされる。 腎臓疾患などの結果が出たボビーを迎えに来たローソンは、イヴの夜のパーシーとのことを聞かれる。 何もなかったと答えるローソンだったが、パーシーが、ロレーンの娘だということを忘れるなとボビーに忠告される。 春になり、その場に現れたリーは、弁護士からの手紙をパーシーに見せて、権利が切れることから、ボビーらを追い出して一緒に暮らすことを提案する。 パーシーは、ボビーらのお陰で学校にも行き、まともな生活をしてると言って、二人を虫けら呼ばわりするリーを追い払う。 しかし、パーシーはボビーとローソンの荷物を家の外に出し、権利の件の手紙を置いて二人と決別しようとする。 ボビーは、何日もパーシーに会えないことで苛立つが、家が売りに出されてしまう。 仲間達と共に家の壁などを塗り替え、パーシーの機嫌を取ろうとするボビーだったが、彼女は話をしようともしない。 引っ越す準備をしていたパーシーは、母ロレーンに書いた手紙を出せないまま、それをまとめて彼女に送った小包を見つける。 内容を見たパーシーは、ボビーが自分の父親だったことに気づき、手伝っていたセシルにそれを問い質す。 それとなくそう思っていたセシルは、自分がロレーンを愛していたにも拘らず、ボビーが現れて全てが狂ったことをパーシーに話す。 酒に溺れ施設に入り街に戻ったロレーンは、コンサートを開き、母親に預けたパーシーと、ボビーを呼び会わせようとしたのだが、二人は現れなかったのだった。 ローソンといたボビーの元に向かったパーシーは、彼が自分の父親だったことを伝える。 動揺したボビーは、出て行こうとするパーシーを引き止め、彼女は、自分の思い出があるはずで、それを知りたいことを伝える。 ボビーは、短い間だったが、パーシーの幼かった頃を覚えていると言って彼女を抱きしめる。 パーシーは涙しながら、家を売らないことをボビーに伝える。 ボビーとローソンは身なり整えて、セシルやジュニアと共に、自分達の”娘”パーシーの卒業式に向かう。 パーティーも開かれ、壇上に上がったボビーは、パーシーを誇りに思うことを伝え、彼女が大学に通うことを涙ながらに語り、多くを教わったことに感謝する。 そして、ボビーは、パーシーを壇上に呼び寄せてダンスを踊る。 ”ニューオーリンズ大学”に通うパーシーは、亡くなった母ロレーンと父ボビーの墓前に、出版されたローソンの著書”A Love Song for Bobby Long”を置く。
...全てを見る(結末あり)
古巣”オーバーン大学”のキャンパスに向かい、家族に電話したボビーだったが、妻と話すことはできずに電話を切る。
*(簡略ストー リー)
2002年、ニューオーリンズ。
自堕落な生活を送る英文学の元大学教授ボビー・ロングと作家志望の青年ローソンは、亡くなった同居人女性ロレーンの葬儀を済ませる。
母の死を知らなかったパーシーは、ボビーとローソンの住む家に向かう。
アル中の二人が、母の家に居座ろうとするために、パーシーは形見の本を受取りその場を去る。
しかし、その本を読み、ボビーと母の関係が気になり知りたくなったパーシーは、彼らと同居することになるのだが・・・。
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ドナルド・エヴァーレット・キャップスの著書”Off Magazine Street”を基に製作された作品。
大スターのジョン・トラボルタ、若手期待のスカーレット・ヨハンソンとガブリエル・マクト、豪華競演が注目の感動作ではある。
ごてごてしている訳ではないが、複雑で奇妙な人間関係が淡々と進む展開、文学的表現が多く、脚本の良し悪しが問われるのだが、監督を兼ねるシェイニー・ゲイベルの演出と脚本は、役者の演技に頼り過ぎと言えなくもない、可もなく不可もなく・・と言ったところだろうか。
主人公と二人の同居人、それぞれの個性は興味深いのだが、どこか理解不能な場面が多い。
冒頭からそうであろうと思われる、主人公と少女の親子関係が分かり、その修復により、一気にほぼ全てが解決するクライマックスはまずまず盛り上がる。
ビッグネームの出演作にも拘わらず、拡大公開もされず、商業的には成功しなかった。
堕落した人生に喜びを見出すために、文学の知識だけでそれを乗り切ろうとしているような中年男性を演ずるジョン・トラボルタは、渾身の演技で元教授役を熱演する。
子役から着実なキャリアを重ね、前年辺りからさらに注目を集めていた頃のスカーレット・ヨハンソンは、二人の同居人との出会いで、人生が大きく変わる少女を好演しゴールデングローブ賞にネミネーとされた。
二人の同居人ガブリエル・マクト、彼との関係は進展しない友人のデボラ・カーラ・アンガー、パーシー(S・ヨハンソン)の恋人役のクレイン・クロフォード、主人公の友人デイン・ローデスとデヴィッド・ジェンセンなどが共演している。