2005年に発表された、ニック・ホーンビィの小説”A Long Way Down”を基に製作された作品。 自殺するために向かったビルの屋上で出会った4人の奇妙な関係を描く、監督パスカル・ショメイユ、主演ピアース・ブロスナン、トニ・コレット、イモージェン・プーツ、アーロン・ポール、ロザムンド・パイク、サム・ニール他共演のコメディ・ドラマ。 |
・ロザムンド・パイク / Rosamund Pike / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:パスカル・ショメイユ
製作
フィノラ・ドワイヤー
アマンダ・ポージー
製作総指揮
ダリオ・ズーター
クリストフ・ダニエル
マルク・シュミットハイニー
トーステン・シューマッハー
ニック・ホーンビィ
原作:ニック・ホーンビィ”A Long Way Down”
脚本:ジャック・ソーン
撮影:ベン・デイヴィス
編集
バーニー・ピリング
クリス・ギル
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演
マーティン・シャープ:ピアース・ブロスナン
モーリーン・トンプソン:トニ・コレット
ジェス・クライトン:イモージェン・プーツ
ジョン・ジュリアス”JJ”マグワイア:アーロン・ポール
ペニー:ロザムンド・パイク
クリス・クライトン:サム・ニール
キャシー・ミラー:タペンス・ミドルトン
チャズ・ジョンソン:ジョー・コール
マティ・トンプソン:ジョセフ・アルティン
イギリス/ドイツ 映画
配給
ライオンズゲート
マグノリア・ピクチャーズ
2014年製作 96分
公開
イギリス:2014年3月21日
北米:2014年7月11日
日本:未公開
製作費 $22,700,000
北米興行収入 $13,350
世界 $7,176,350
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン、ニューイヤーズ・イヴ。
元テレビ司会者のマーティン・シャープ(ピアース・ブロスナン)は、梯子を持って”フリート・タワー”に向かう。
未成年者と性交渉をしたスキャンダルで全てを失ったマーティは、屋上に向かい自殺しようとする。
そこに、難病の息子の介護をする孤独な女性モーリーン・トンプソン(トニ・コレット)が現れ、自殺の順番を待つ。
飛び降りることができないマーティンは、モーリーンに挨拶する。
マーティンに見覚えがあるモーリーンだったが、その話は今はしたくないと言われる。
そこにジェス・クライトン(イモージェン・プーツ)が現れて飛び降りようとするが、マーティンに制止される。 有名人のマーティンに気づいたジェスは、彼を変態呼ばわりする。 ミュージシャンでピザの配達をするアメリカ人のジョン・ジュリアス”JJ”マグワイア(アーロン・ポール)も現れたために自己紹介を始めた4人だったが、ジェスが再び飛び降りようとしたためにマーティンが梯子を落としてしまう。 雨が降り始め、車に戻ったマーティンは、三人とは関わりたくないと思うものの、バスを待っていたモーリーンを乗せる。 バイクが動かないJJと歩いていたジェスも乗せたマーティンは、三人を送ろうとする。 ジェスは、ビルの屋上に行った理由を一言で話すことを提案し、マーティンは”不名誉”、モーリーンは”孤独”であり、JJから理由を訊かれたジェスは”愛”だと答える。 チャズ・ジョンソン(ジョー・コール)という男に捨てられたと話すジェスは、JJから、自分はガンを患っていると言われる。 ジェスをクラブの前で降ろしたマーティンだったが、モーリーンから彼女が心配だと言われたために引き返す。 クラブに向かったマーティンらは手分けをしてジェスを捜し、新年を迎える。 ドラッグでハイになっている男がチャズだと気づいたマーティンは、ジェスに殺されると言われる。 JJが意識を失っていたジェスを言見つけて、マーティンらは彼女を病院に運ぶ。 マーティンらはジェスのことを心配しながら待機し、モーリーンは、帰って息子マティ(ジョセフ・アルティン)に特別な朝食を作らなければならないと話す。 治療を受けたジェスが現れ、マーティンらは彼女を気遣う。 6週間後のバレンタインデーまで生きることを提案したジェスは、三人に契約書にサインさせる。 その後、ジェスは三人が約束を守っているかを監視しする。 政治家である父親のクリス(サム・ニール)からの電話で呼び出されたジェスは、今回の自殺がマスコミの間で話題になっていると言われる。 そこにマーティンが現れ、ジェスは、マスコミに話したのはチャズだと考える。 クリスは、マスコミが大騒ぎしていることをマーティンに伝え、ジェスはその場を去る。 クライトン家は、ジェスの姉も失踪していたために大問題になり、ジェスはマスコミに追われてクリスと話す気になれない。 モーリーンの家に呼ばれたジェスは、その場にいたマーティンとJJと共に今後の対策を考える。 マーティンから話をでっち上げることを提案された三人は、自分達のことを全国紙に記事にしてもらおうとする。 その後、マーティンと番組で組んでいたペニー(ロザムンド・パイク)の司会で、マーティンらはかつて自分が司会をしていた番組に、モーリーン、ジェス、JJと共に出演する。 マーティンの未成年者に対する性犯罪について彼と話したペニーは、”マット・デイモン”似の天使を見たと言うジェスに質問する。 しつこく質問するペニーに苛立ったジェスは、彼女を罵倒して席を立ちスタジオを去る。 心配して付いてきたJJと共に姉の失踪現場に向かったジェスは、彼がガンではないことを見抜き、JJはそれを認める。 その後、クリスの政敵の策略だと思われる過激な報道に悩まされたマーティンらは、国外逃亡を考えてテネリフェ島に向かおうとする。 出国の際に動揺して躊躇したモーリーンを励ますマーティンらは、彼女を連れて旅立つ。 テネリフェ島。 昼間から気になっていたキャシー・ミラー(タペンス・ミドルトン)に話しかけられたJJは、見たことがある顔だと言われる。 最近の報道だと思ったJJだったが、バンドのことだと言われ、”アルト・ジェイ”の前座をした時の話をされる。 驚くJJは、キャシーに自己紹介をして意気投合する。 ガンを患っているというウソをついたことを話したJJは、本当の理由はないと言って、皆と契約書にサインしたことをキャシーに伝える。 キャシーと愛し合ったJJは夜中に目覚め、トイレに起きた彼は、バスルームにジェスがいたために驚く。 愛し合うつもりだったが女性がいたと言うジェスは、キャシーが記者だと気づいているかJJに確認する。 キャッシーのバッグのボイスレコーダーを持ち出して海岸に向かったJJは、それを海に投げ込み、泳いで沖に向かう。 ホテルに戻ったJJは、朝食中のマーティンらにガンだというのはウソだったことを話す。 マーティンからビルの屋上に来た理由を訊かれたJJは、それに答えようとせずに、現れたキャシーは記者だと伝える。 自分の質問に答えようとしないJJを非難するマーティンは興奮し、騒ぎになる。 帰国して家に戻ったモーリーンは元の生活に戻り、いつものようにマティの世話をする。 マーティンらとは空港で別れ、契約書は無意味なものとなったが、モーリーンは三人がどうしているか気になる。 その後、マティの容態が悪化し病院に運んだモーリーンは、心配して駆け付けてくれたマーティンに感謝する。 ジェスもクリスと共に現れ、待合室で皆と話したモーリーンは、ビルの屋上に行った理由は、マティのことを苦にしたためではないことを話す。 理由はいくらでもあるように思えるが明確に言えるものはなく、心に従っただけだと話すモーリーンは、マティを愛していないわけではないことを伝える。 主治医からマティは回復すると言われたモーリーンは喜び、心筋梗塞だったことを知らされる。 自分がマティを救ったと言われたモーリーンは、彼が死んだら自分も死ぬ気だったことを主治医に伝える。 母子の絆を語る医師の話を聞いたジェスとクリスは、手を握り合う。 今日がバレンタインデーであることをマーティンに伝えたジェスは、JJを捜しに行く。 クリスと共にJJが働いていた店に向かったジェスは、辞めたと言われる。 JJのアパートを訪ねたモーリーンは、管理人に話して部屋に入れてもらい、飛び降り自殺の記事を集めている彼が死のうとしていると考える。 フリート・タワー。 理由もなく怯えていたことに疲れたと言うJJは、自分を変えようとしてもできなかったと二人に伝える。 マーティンは自分も昔は同じだったと話し、そこにジェスも現れる。 バレンタインデーまで待ったが何も変わらないと話すJJは、マーティンとジェスから全てが変わったと言われる。 モーリーンから、自分達が来ることは分かっていたはずだと言われたJJは、4人はチームで運命を共にするべきだであり、これが始まりだと話すマーティンに説得される。 320日後、ニューイヤーズ・イヴ。 友人に誘われたモーリーンはその場を去り、マーティンらは新年を祝うためにチャットを切る。 ジェスは、その場にいるJJと愛を確かめ合う。 ソファで眠っていた娘に話しかけたマーティンは、年が明けたことを伝えてベッドに連れて行く。
...全てを見る(結末あり)
4人は楽しい時間を過ごし、夜になり、ガンのことを隠しているJJは、その話題になったために席を外す。
屋上に向かったマーティンは、飛び降りようとするJJと話し、そこにモーリーンも現れる。
4人はネットでチャットを楽しみ、飛び降りなかったJJは皆に感謝する。
*(簡略ストー リー)
ロンドン、ニューイヤーズ・イヴ。
元テレビ司会者のマーティン・シャープは、未成年者との性交渉によるスキャンダルで全てを失い、”フリート・タワー”に向かい自殺しようとする。
屋上で、難病の息子の介護に疲れた孤独なモーリーンや風変わりな若い女性ジェス、ピザの配達をするミュージシャンのJJと出会ったマーティンは、自殺を思いとどまる。
そんな4人は、ジェスの提案で、バレンタインデーまで生きるという契約書を作り、それにサインして別れる。
その後も互いが気になる4人は、今回の件がマスコミに知られて騒動になったため、その対策などを考えながら奇妙な友情で結ばれるのだが・・・。
__________
自殺しようとしたビルの屋上で出会った4人が、互いを気にしながら関係を持つうちに、それぞれが生きる意味を見つける姿を描きつつ、社会への皮肉を込めたブラック・コメディ。
極限状況でたまたま出会った4人が、自殺を思いとどまったことにより、人生を見つめ直しながら友情を深め、それぞれの考えが次第に変化していく姿が、ヒューマニズムと共に愉快に描かれた作品。
人気スターによる豪華競演も注目で、個性豊かな役柄をそれぞれが好演し、その個性を生かし偏ることなくバランスよく描く、パスカル・ショメイユの小気味よい演出と人間描写が見所の作品でもある。
人気テレビ番組の司会者から、スキャンダルで全てを失い絶望するピアース・ブロスナン、難病の息子(ジョセフ・アルティン)の介護のため、人との接することもなく孤独な女性トニ・コレット、愛を求める風変わりな女性を怪演するイモージェン・プーツ、政治家であるその父親サム・ニール、何をしてもうまくいかないミュージシャンのアーロン・ポール、マーティン(ピアース・ブロスナン)と組んでいたテレビ司会者ロザムンド・パイク、4人が旅行した場所でJJ(アーロン・ポール)に近づき情報を得る記者タペンス・ミドルトン、ジェス(イモージェン・プーツ)の恋人ジョー・コールなどが共演している。