1992年に発表された、コーマック・マッカーシーの小説”All the Pretty Horses”を基に製作された作品。 カウボーイになるためにメキシコに向かった青年の成長を描く、製作、監督ビリー・ボブ・ソーントン、主演マット・デイモン、ヘンリー・トーマス、ペネロペ・クルス、ルーカス・ブラック他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ビリー・ボブ・ソーントン
製作
ロバート・サレルノ
ビリー・ボブ・ソーントン
製作総指揮
ジョナサン・ゴードン
サリー・メンケ
原作:コーマック・マッカーシー”All the Pretty Horses”
脚本:テッド・タリー
撮影:バリー・マルコウィッツ
編集:サリー・メンケ
音楽
ラリー・パクストン
マーティ・スチュアート
クリスティン・ウィルキンソン
出演
ジョン・グレイディ・コール:マット・デイモン
レイシー・ロリンズ:ヘンリー・トーマス
アレハンドラ・ヴィラリアル:ペネロペ・クルス
ジミー・ブレヴィンズ:ルーカス・ブラック
ドン・ヘクター・デ・ラ・ロチャ:ルーベン・ブラデス
J・C・フランクリン:サム・シェパード
コール:ロバート・パトリック
ドナ・アルフォンサ:ミリアム・コロン
ラウル警部:ジュリオ・オスカー・メチョソ
判事:ブルース・ダーン
マリア:エリザベス・イバーラ
ジョン・グレイディ・コール(少年期):ジェシー・プレモンス
アメリカ 映画
配給
コロンビア・ピクチャーズ(北米)
ミラマックス(世界)
2000年製作 116分
公開
北米:2000年12月25日
日本:2001年6月30日
製作費 $57,000,000
北米興行収入 $15,540,350
世界 $18,133,500
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1949年、テキサス州、サンアンジェロ。
祖父に育てられた青年ジョン・グレイディ・コール(マット・デイモン)は、長く暮らした牧場での生活を今後も望んでいた。
祖父の死により牧場は母のものになり、彼女はその土地を石油会社に売却することを考える。
離婚している父コール(ロバート・パトリック)は全てを手放していたため、何の権利がないことを弁護士のJ・C・フランクリン(サム・シェパード)から知らされたジョンは、農場を離れるしかなかった。
それを親友のレイシー・ロリンズ(ヘンリー・トーマス)に話したジョンは、メキシコで真のカウボーイになる決心をしたことを伝えて彼をそれに誘う。 そして、ジョンはレイシーと共に、馬で150マイル先のメキシコ国境を目指す。 暫くしてつけられていることに気づいた二人は、13歳の少年ジミー・ブレヴィンズ(ルーカス・ブラック)に近づき言い寄る。 つけてはいないというジミーを馬泥棒と決めつけたジョンとレイシーは、彼を置いて先を急ぐ。 国境の”リオ・グランデ川”に着いた二人は、川を渡る前に馬を休ませる。 その後、現れたジミーを連れて、ジョンとレイシーは川を渡る。 数日、何も食べていないジミーに食事を与えたジョンとレイシーは、彼が義父の仕打ちに耐えられずに逃げてきたことを知る。 銃を持っていたジミーが射撃の腕を自慢するため、レイシーはそれを確かめる。 財布を投げたレイシーは、ジミーがそれを難なく撃ち抜いたたために驚く。 ある民家で自家製の酒を手に入れた三人は、それを飲んで酔い、楽しい時を過ごす。 三人は出発し、やがて雷雨が近づき、家族が何人も雷で死んでいるジミーはそれを恐れる。 雷雨になり、やり過ごした三人だったが、ジミーの馬が姿を消してしまう。 ある村で馬を見つけたジミーは、それを奪い返そうとする。 日の出前まで待つようにとジョンに言われたジミーは、仕方なくそれに従う。 厄介なジミーと別れるチャンスだとレイシーに言われたジョンだったが、彼を見捨てられずにそれを拒む。 ところが、ジミーが指示を無視して馬を奪ってしまい、彼が追っ手を引き付ける間にジョンとレイシーは森に向かう。 翌朝、ジミーのことを心配しながら出発したジョンとレイシーは、牛を移動させるカウボーイに出会い牧場に向かう。 途中ジョンは、美しい女性(ペネロペ・クルス)が同行していたため惹かれてしまう。 ジョンとレイシーは、大牧場主のドン・ヘクター・デ・ラ・ロチャ(ルーベン・ブラデス)の牧場で雇われることになり、見かけた女性が、その娘アレハンドラ・ヴィラリアルであることを知る。 短期間で多くの荒馬を馴らしたジョンとレイシーは、仲間達の注目を集める。 その仕事ぶりをロチャに認められたジョンは、サラブレッドの種馬から牛追い馬を作る話をされて、意見を求められる。 ロチャに気に入られたジョンは厩舎に移り、アレハンドラと初めて言葉を交わし、意識し合う仲になる。 購入したサラブレッドをロチャから任されたジョンは、それに乗りたいというアレハンドラの頼みを聞いてしまう。 ロチャのおばドナ・アルフォンサ(ミリアム・コロン)に呼ばれたジョンは、アレハンドラの評判が落ちるような行為はしないようにと言われ、交際を禁じられる。 その夜、眠っていたジョンは、おばと会った件を聞きに来たアレハンドラの気持ちを確かめる。 アレハンドラと共に川に向ったジョンは彼女と愛し合い、その後もロチャの態度を気にしながら密会を続ける。 その行為を良く思わないレイシーはジョンに忠告し、やがてアレハンドラは、自家用機で街に向かわされる。 数日後、ジョンとレイシーは、突然、現れた警官に逮捕される。 連行されて牢屋に入れられたジョンとレイシーは、その場にジミーがいたために驚く。 殺人を犯したと言うジミーは、その件をジョンとレイシーに話す。 レイシーは痛めつけられ、ラウル警部(ジュリオ・オスカー・メチョソ)に尋問されたジョンは、ジミーが盗まれた馬を取り戻しただけだと言っても信じてもらえない。 警察がジミーを殺すつもりだとレイシーに知らせたジョンは、それを黙っているよう言われたことを伝える。 サルティーヨの刑務所に移送されるジョンらは、途中でトラックから降りるようラウルに言われる。 ラウルはジミーだけを連れて行き、彼に弟を殺された男に仇を討たせようとする。 銃声が聞こえた後でラウルらは戻り、ジミーが投げたブーツの中の金をジョンは持ち去る。 刑務所に着いたジョンとレイシーは、怖気づいて殺せなかった男の代わりにジミーを撃ったことを、ラウルから知らされる。 この場では何でも金で解決させるしかないとラウルに言われたジョンとレイシーは、容赦なく囚人に痛めつけられる。 レイシーが刺されたため、金を払いナイフを手に入れていたジョンは、襲ってきた男を傷つけられながらも殺す。 その後、ドナが金を払い釈放されたジョンは、無事だったレイシーと共に街に向かう。 レイシーと別れたジョンは牧場に戻り、警察は以前にも馬の盗難の件で来ていたのだが、ロチャが追い払っていたことをドナから知らされる。 今回、釈放に手を貸したのは、アレハンドラを諦めさせるのが目的だったと知ったジョンは、従う気のないことをドナに伝える。 それを予測していたドナは、今回の件を了承しているアレハンドラは必ず約束を守るとジョンに伝え、彼女の電話番号を渡す。 ジョンからの電話を受けたアレハンドラは会えないと答えるが、死を覚悟しているとまで彼に言われ、サカテカスで待つよう伝える。 アレハンドラに会ったジョンは、ロチャの心を傷つけ辛い思いをした話を聞き、彼女を慰める。 結婚してテキサスに行くことを提案されたアレハンドラだったが、誇りに代えた約束を破る訳にはいかないと言ってジョンと別れる。 ラウルの元に向ったジョンは彼を銃で脅し、レイシーらと牢屋で過ごした際にもその場にいた老人を解放する。 自分達の馬のいる場所を聞きラウルに案内させたジョンは、その場にいた者達と銃撃戦になる。 足を撃たれたジョンは、ラウルを人質にして馬と共にその場から逃れる。 野営をしたジョンは傷の手当をして、抵抗したラウルを手錠で鞍に繫ぎ、気を失ってしまう。 翌朝、牢屋から救った老人らに起こされたジョンは、食料を渡される。 ジョンに別れを告げた老人は、ラウルを連れ去る。 旅を続けたジョンは、”リオ・グランデ川”を渡りテキサスに戻る。 街道で車が故障し修理していた保安官に銃を売ろうとしたジョンは、逮捕されてしまう。 馬の件を保安官に追及されたジョンは、判事(ブルース・ダーン)に事情を話して信じてもらい釈放される。 その夜、判事の家を訪ねたジョンは、メキシコの刑務所で、襲ってきた相手を殺したことを話す。 警官も殺そうとしたことを話したジョンは、少年を連れて行き撃ったためだと言ってその理由を語る。 それを止めなかったことを後悔していたジョンは、制止すれば状況が変わったと思うかを判事に聞かれて、それを否定する。 正しくない行いだったと認めるジョンは、自分が特別だと言った判事の言葉も否定する。 自分を責め過ぎると指摘する判事は、うまくやっていけると言ってジョンを励ます。 その後、レイシーの牧場に向かったジョンは、馬を取り戻したことを彼に伝える。
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*(簡略ストー リー)
1949年、テキサス州、サンアンジェロ。
青年ジョン・グレイディ・コールは、祖父の死により牧場を失い、カウボーイになるためメキシコに向かうことを決める。
親友レイシーを誘ったジョンは、途中で風変わりな少年ジミーに出会う。
国境を越えた三人だったが、ジミーが馬を盗まれ、それを奪い返そうとした際にジョンとレイシーはジミーと別れる。
大牧場主ロチェの牧場で雇われたジョンとレイシーは、順調に仕事をこなす。
ロチェの娘アレハンドラと親交を深めたジョンは、彼女の大おばドナに交際を禁じられてしまう。
気持を抑えきれず愛し合う二人だったが、ある日、ジョンとレイシーは警官に逮捕されてしまい、入れられた牢屋でジミーと再会する・・・。
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「スリング・ブレイド」(1996)で監督、脚本を担当し主演を演じて高く評価され、アカデミー脚色賞を受賞したビリー・ボブ・ソーントンの監督第二作。
若手スターとして脚光を浴びていたマット・デイモンが主演し、新旧、実力派スターの競演も注目された作品。
ノスタルジックな雰囲気を漂わせて始まるドラマは、西部劇タッチでもあり、孤独に近い人生を歩む青年が、人の生き死にや恋など様々な体験をして成長していく姿を描く内容とはなっている。
将来が見えない若者の心情を切実に描く、ビリー・ボブ・ソーントンの確かな演出は評価できるのだが、その内容をカバーする深みという部分で、今一歩、心に訴えるものが欠けているようにも思える。
様々な体験をして成長し、結局は故郷に戻る青年を好演するマット・デイモン、その親友のヘンリー・トーマス、主人公と愛し合う大牧場主の娘ペネロペ・クルス、主人公達と行動を共にする少年を独得の個性で演ずるルーカス・ブラック、主人公達を雇う牧場主ルーベン・ブラデス、弁護士サム・シェパード、主人公の父親ロバート・パトリック、牧場主のおばミリアム・コロン、警部ジュリオ・オスカー・メチョソ、思慮深い態度で主人公に接する判事ブルース・ダーン、主人公の少年時代ジェシー・プレモンスなどが共演している。