1946年に発表された、ロバート・ペン・ウォーレンのピューリッツァー賞受賞小説”All the King’s Men”を基に製作された作品。 行政の不正や役人の汚職などの一掃を唱える男の権力の掌握とその指導力に翻弄される人々を描く、製作、監督、脚本ロバート・ロッセン、主演ブロデリック・クロフォード、ジョン・アイアランド、ジョーン・ドルー、マーセデス・マッケンブリッジ他共演による社会派ドラマの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・ロッセン
製作:ロバート・ロッセン
原作:ロバート・ペン・ウォーレン”All the King’s Men”
脚本:ロバート・ロッセン
撮影:バーネット・ガフィ
編集:アル・クラーク
音楽:ルイス・グルーエンバーグ
出演
ウィリー・スターク:ブロデリック・クロフォード
ジャック・バーデン:ジョン・アイアランド
アン・スタントン:ジョーン・ドルー
トム・スターク:ジョン・デレク
セイディ・バーク:マーセデス・マッケンブリッジ
アダム・スタントン:シェパード・ストラドウィック
ルーシー・スターク:アン・シーモア
モンテ・スタントン判事:レイモンド・グリーンリーフ
タイニー・ダフィ:ラルフ・ダムキー
ドルフ・ビズバリー:ウィル・ライト
バーデン夫人:キャサリン・ウォーレン
フロイド・マカヴォイ:ゴードン・ローデス
シュガー・ボーイ:ウォルター・バーク
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1949年製作 109分
公開
北米:1949年11月8日
日本:1976年9月25日
■ アカデミー賞 ■
第22回アカデミー賞
・受賞
作品賞
主演男優賞(ブロデリック・クロフォード)
助演女優賞(マーセデス・マッケンブリッジ)
・ノミネート
監督
助演男優(ジョン・アイアランド)
脚本・編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
新聞記者ジャック・バーデン(ジョン・アイアランド)は、市民の味方で善人として人気のある郡の出納官ウイリー・スターク(ブロデリック・クロフォード)の取材を上司から命ぜられる。
故郷で待つ恋人アン・スタントン(ジョーン・ドルー)と会う予定があったジャックだったが、仕事を優先させるように言われてそれに従う。
カノマ市。
汚職による小学校の不正建設などを追及する街頭演説をするスタークは、それを中止するよう警告を受け、従わないために逮捕されてしまう。
それを指示した、郡政官のリーダー、タイニー・ダフィ(ラルフ・ダムキー)に没収されたカメラを返すよう要求したジャックは、彼らが地域を牛耳っていることを知る。 釈放されたスタークは、翌日も同じ場所で演説を行うと言い放ち、言論の自由だと答えるダフィに記者であるジャックを紹介する。 その場にいた言語に障害がある青年シュガー・ボーイ(ウォルター・バーク)をからかうダフィを非難したスタークは、ジャックと共に立ち去る。 ジャックを自宅に招待したスタークは、妻ルーシー(アン・シーモア)と父親を紹介して、食事をしながら話し込む。 養子である息子トム(ジョン・デレク)のことや、教師だったルーシーとスタークの出会いを、ジャックは興味深く聞く。 ジャックは、選挙に立候補したスタークが、真実を民衆に伝えることに価値があるというルーシーの支えの下で、信念を持ち生きていることも知る。 そこにトムが戻り、父親を手伝いビラ配りをしていた彼が殴られたことを知ったスタークは、自宅に石を投げられても怯まず闘い抜く決意を示す。 スタークに真実と誠実さを感じたジャックは、それを記事にして上司に渡し、休暇をとり故郷に向かう。 母親(キャサリン・ウォーレン)に歓迎されたジャックは、相容れない関係の義父フロイド・マカヴォイ(ゴードン・ローデス)への挨拶も早々に切り上げアンの屋敷に向かう。 ジャックは、アンの兄で医師のアダム(シェパード・ストラドウィック)と伯父で判事のモンテ・スタントン(レイモンド・グリーンリーフ)に迎えられる。 アンに気づいたジャックは彼女にキスし、その後、二人は楽しい日々を過ごす。 ジャックを歓迎するパーティーが開かれ、母親は息子の将来についてを考える。 今の仕事で満足していることを伝えたジャックだったが、スタークの記事についてフロイドから皮肉を言われる。 平民の感情を煽るスタークも全て金で動かせる自分が支配できるというフロイドに、グラスの酒を浴びせたジャックは席を外す。 母親は、力になってくれるはずのフロイドに謝罪しるようジャックを説得するが、彼はそれを拒む。 アンに後を任せた母親は席に戻り、ジャックはこの場の者達が現実を軽視していると言って嘆く。 ジャックは自分と暮らすことをアンに提案し、何かを成し遂げる者に憧れるという彼女の意見を聞く。 人生に迷うジャックの支えになりたいと考えたアンは、彼についていくことを伝え愛を確かめる。 自分の考えの弱さに気づいたジャックは、待っていてほしいとアンに伝え、必ず迎えに来ると約束する。 社に戻ったジャックは、スタークが落選したことを知る。 スタークはめげることなく、ルーシーの指導で法律を学び、努力の結果、法学士となり、貧しい人々のために働く。 何事も思うようにはいかなかったスタークだったが、彼が懸念していた小学校の欠陥建築により、避難訓練中に非常階段が壁から外れる事故が起き、多数の児童が死亡する。 市民達は、スタークの語った言葉が正しかったことを認め、彼の支持者は急速に増える。 スタークは、小学校の事件に対する損害賠償請求を郡に求め、州の汚職を追及する。 ジャックは、時の人とまでなったスタークの記事を集中して書くよう指示される。 州知事選が迫り、有力候補は票を割るためにダミー候補を立てることを考え、ダフィはある男を紹介しようとする。 訪ねて来たジャックから政治を諦めたのかと聞かれたスタークは、今は法律家として働き資金を貯める必要があると答える。 そこに現れたダフィは、スタークを知事候補に推薦することを伝える。 選挙戦は始まり、スタークの遊説に同行したジャックは、今回の件の発案者であるスタッフのセイディ・バーク(マーセデス・マッケンブリッジ)に、スタークがダミー候補であるかを確認する。 いずれにしても、原稿棒読みのスタークの最悪の演説では勝ち目はなく、ジャックは、彼に民衆の心を掴む方法を教えようとする。 スタークは自信を失うが、セイディは、彼が真実を知ったのかをジャックに尋ねる。 自分がおとりだとセイディから知らされたスタークは、それが真実だとジャックにも言われてショックを受け、飲めない酒を煽る。 一晩スタークと過ごしたセイディは、酔い潰れている彼を前に、大物になる可能性があることをジャックに伝える。 二日酔いのまま、自分が主催するバーベキューの演説会場に向かったスタークは、ジャックに支えられながら何とかステージに上がる。 紹介されたスタークは、いつものように原稿を取り出して演説を始めるが、目の前の民衆を前にそれを投げ捨て、心に思うことを話し始める。 スタークは、腐った考えの持ち主と自分を利用した者達を市民の立場から批判し、その首謀者であるダフィをその場から追放してしまう。 役人に見下されている市民達が立ち上がる番だと興奮しながら語るスタークは、選挙戦に全力を尽くすことを約束して聴衆の支持を受ける。 その後、スタークの言葉は人々の心を捉え、勝利は目前となる。 ダフィらの妨害工作も強まる中、記事を書き続けたジャックは、新聞社にも手が回ったことを知り辞職する。 結果、スタークは僅差で敗れてしまうが、彼は勝ち方を学んだと言って余裕を見せる。 その後、ジャックが職を転々する一方、スタークは着実に足固めをして選挙の準備を始め、多額の資金を投じたキャンペーンを行う。 資金の出所は不明で、スタークと多くの者達との裏取引も噂されるようになる。 4年後、スタークは、シュガーを直属の部下兼ボディガード、セイディを秘書に、そしてダフィまでもが彼を支える立場になっていた。 再会したジャックを参謀にしたスタークは、市民の支持があるために金など必要ないことを彼に伝える。 ジャックの故郷を訪れたスタークは、元州知事の息子アダムから様々な取引について質問され、知事になるためなら悪魔とも取引すると語る。 総合病院建設を望むアダムの善意を確かめたスタークは、善は悪の中から生まれると言って、その善悪は誰が決めると聞かれたため自分自身だと答える。 スタークは、出席者に自分への支持を強く求め、アンは彼の言葉に惹かれて憧れるようになる。 そして、市民の期待に応えたスタークは知事に当選し、演説よりも行動することを人々に伝え、医療費無料の総合病院の建設などを約束する。 それをジョンと聞いていたアンは、実現の可能性を考えるが、その場にいたアダムは機嫌取りだと言い切る。 その後スタークは、敵対する役人を一掃して強引な政策を始め、州は激変する。 スタークの生活も派手な行いが問題ともなり、フットボール場を建設して息子トムの出場を誇りに思い、人々はそれでも満足した。 スタークの愛人となっていたセイディは、女性問題が新聞沙汰になる彼に嫉妬して憤慨する。 そんな時、ダフィと同じ郡政官から監査官になっていたドルフ・ビズバリー(ウィル・ライト)が、助成金を横領して逮捕されてしまい、スタークはそれに対処する。 関係を持つようになっていたアンに休養ができたことを伝えたスタークは、ビズバリーを呼びだし解雇して追放する。 その場に呼ばれた、検事総長の椅子を与えられていたスタントン判事は、弾劾手続きが進む中、尚も各方面に裏で手を回すスタークに幻滅する。 スタークが正しいとしか言えない立場のジャックの真意を見抜くスタントンは、検事総長を辞職することを伝える。 それが臆病である証拠だと指摘したスタークは、スタントンが裏切らないことを確かめ握手を求める。 スタントンはそれを無視してジャックにも辞職を促し、言葉を返せない彼に間違っていると言い残しその場を去る。 セイディはスタークに従い、スタントンをよく知るジャックは、彼は口にしたことは守るとスタークに語る。 スタークは動揺するジャックを落ち着かせて、その言葉を信じると伝える。 その頃アンは、離婚も考えるスタークとの関係に疑問を感じ始め、セイディは二人に嫉妬する。 スタントンがメディアと接触していることをセイディからから知らされたスタークは、ジャックの管理する、関係者の弱みを握る情報リストにスタントンを入れるよう指示する。 脅されたジャックは仕方なくアンの元に向かい、スタントンの過去を探ろうとする。 総合病院の院長になる予定であるアダムは、スタークとの関係を絶つようジャックに助言する。 自分がスタントン一族であり、それを利用しているスタークの考えを知るアダムは院長を断る気でいた。 ジャックはスタークを擁護するが、アダムは、スタークが悪そのものであり、指示する市民はそれを知らないだけだと語る。 アンは、病院建設を望みながらプライドに固執する兄アダムを批判する。 過去の裁判記録を調べたジャックは、ついにスタントンの弱みを見つける。 野心のためなら何でも利用するスタークが、なぜ自分達、そしてアンと付き合っているかを知るべきだと、ジャックはセイディに忠告される。 スタークは、アダムが院長を断ろうとしている件で情報を集めるようジャックに指示する。 かつての正義感のかけらも感じない父親に失望していたトムは、スタークに反抗する。 フットボールの練習も休む回数が多く酒浸りのトムは、恋人とドライブ中に事故を起こす。 恋人の父親はトムが飲酒運転だったと主張し、その件を本人に聞こうとするが、スタークが対応しようとする。 スタークは否定するものの、トムは飲酒運転を認めて恋人の父親に謝罪する。 トムに助言を断られたスタークは、恋人の父親を買収しようとするが、最初の演説の時とは人が変わったと言われる。 スタークはシュガーに父親を尾行させ、その様子を見ていたルーシーは夫に失望する。 トムの恋人は死亡し、記者に囲まれたスタークは自分が被害者であると答える。 その後、スタークはトムのフットボールの試合を見に行くが、事故の件で人々に非難される。 怪我が癒えないトムは、試合に出ることをスタークに強要され、激しいタックルを受け負傷して退場する。 スタークは自分の行為を後悔し、トムを専門医に診せようとする。 治療をしたアダムは、意識不明のトムが回復しても障害が残ることをスタークに伝える。 スタークは、今までのことは忘れて最善を尽くしてほしいとアダムに伝え、望み通りにすると付け加える。 望みはあるが金では買えないと答えたアダムは、専門医を待たずに自分に手術を任せてもらえるかをスタークに問い、ルーシーがそれを許可する。 アダムが自分とアンの関係を知っているのかを気にするスタークだったが、ジャックはそれを否定する。 ジャックは、病院の外にいたアンになぜスタークと関係を持ったのかを尋ねる。 スタークに何かを感じたというアンは、彼が自分との結婚も考えていることを話す。 一応スタークを支持する意思を伝えたアダムは、口を出さないという条件で総合病院院長を引き受け、建設現場を視察する。 やがて、スタークは強大な権力を手にして全国に名は知れ渡る。 記者を引き連れ、父親の家で静養するトムと付き添うルーシーを訪ねたスタークは、それさえも自分の宣伝に使う。 その場で父親への贈り物のラジオを聴いていたスタークは、トムの恋人の父親が殴り殺されたという事件を知る。 スタントン判事は、直ちに殺人事件として州を告訴したということだった。 スタークはそれに対抗するため、ルーシーとトムを強引に州都に連れ帰ろうとするがそれを拒まれる。 自分の考えを理解してもらえず苛立ち嘆くスタークだったが、ルーシーがトムを説得して二人は夫に同行する。 議会は知事に対して不信任案を提出し、スタークはスタントンを陥れることを考える。 スタークは民衆に語り掛け、敵対する勢力を徹底的に叩き、そしてスタントンの元に向かう。 スタントンは、ジャックに説得されるものの考えは変わらなかった。 後から現れたスタークは、ある企業の顧問になった経緯をスタントンに尋ねる。 ジャックは、スタークがそれを誰から聞いたのか疑問に思う。 スタントンは、25年前のことではあるがその件を認めて、知事側に票を投ずることを翌朝まで待つようスタークに伝える。 そこにアダムとアンが戻り、ジャックは、今回の件を彼女がスタークに話したことに気づく。 その時、銃声が聞こえて、アダムが書斎で倒れているスタントンの死を確認する。 ジャックは引き上げるスタークに同行せず、何も話さないという約束を破ったことでアダムに責められるが、それを否定して立ち去る。 アダムは、アンが伯父スタントンの過去の秘密をスターク話したことに気づき彼女を問い詰める。 その後、スタークの弾劾に反対する支持者によるパレードが行われ、ジャックはそれを見守りながら旅立とうとする。 ジャックは、現れたアンから、スタークとの関係を理解してくれないアダムを説得してほしいと言われる。 スタークに捨てられたと言うアンを見捨てようとしたジャックだったが、仕方なくアダムを捜す。 スタークの弾劾の是非についての投票が始まり、ある議員が、圧力と脅迫による茶番だと意見する。 支援者が掛け声で動くだけの人々だと言われたスタークは、窓の外に向かって手を振り声援を受け、共に闘おうと呼びかける。 投票の結果スタークは勝利し、人々の前に立った彼は、勝利したのは自分ではなく支援者であることを告げる。 人々の権利と意思を阻むものは許さないと断言するスタークは、ジャックに歩み寄り建物内に向かう。 そこに現れたアダムはスタークを銃撃するが、シュガーに射殺される。 ジャックとアンは、倒れ込んだアダムに歩み寄り記者を追い払う。 混乱してその場を離れようとするアンを追ったジャックは、アダムの死を無駄にしてはいけないと言って、未だにスタークを信じている民衆にそれを伝えるべきだと説得する。 ジャックを呼んだスタークは、”もう少しで世界の頂点だったのに、なぜ・・・”と言い残して息を引き取る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
役人や行政の不正や汚職を追及していた田舎町の出納官ウィリー・スタークを、上流階級出身の記者ジャック・バーデンが取材することになる。
ジャックは、貧しい人々の立場で考える、正義感溢れるスタークの行動に共感して記事にする。
スタークの知名度は一気に上がり、郡政官のリーダー、ダフィは彼に目を付け、州知事選の票を割るためのダミー候補として彼を立候補させてしまう。
ダフィの指示を受けていたスタッフのセイディとジャックから、真相を知らされたスタークはショックを受けるものの、思うことを言葉にする彼の演説は貧しい人々の心を捉える。
僅差で敗れたスタークだったが、勝ち方を学んだ彼は4年後を見据えて行動を開始すえう。
再び立候補した選挙戦でスタークは、記者を辞めていたジャックを参謀にして勝利する。
ジャックは、権力を握り全てを支配しながら、かつて追求した不正やスキャンダルに自ら手を染めするスタークの変貌に疑問を感じながらも、彼と共に行動を共にするのだが・・・。__________
政治ネタを娯楽化することが伝統文化のようなアメリカ社会の中で、制作、監督、脚本を兼ねるバイタリティ溢れるロバート・ロッセン自身が主人公とダブってしまうような、過激でパワフルな演出は見応え十分だ。
”赤狩り”により追放されながら、その後、ハリウッドに復帰し「ハスラー」(1961)などの名作を残した、ロバート・ロッセンの逞しさが感じられる作品。
ロバート・ペン・ウォーレンの原作”All the King’s Men”のタイトルから分かるように、これはマザーグースの”Humpty Dumpty”の一節(”..all the king’s men”)を基にしている。
主人公は、裏工作などにより登場人物のほぼ全てを自分の支配下に置いていくという凄まじい内容に驚かされる。
このタイトルは、「大統領の陰謀」All the President’s Men(1976)でも引用された。
2006年に監督、脚本スティーヴン・ザイリアン、主演ショーン・ペン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット他共演によりリメイク作「オール・ザ・キングスメン」が公開された。
*スティーヴン・ザイリアンはそれを否定しているが明らかにリメイクだ。
第22回アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞(ブロデリック・クロフォード)、助演女優賞(マーセデス・マッケンブリッジ)を受賞した。
・ノミネート
監督
助演男優(ジョン・アイアランド)
脚本・編集賞
2001年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
ロバート・ロッセンは当初、主人公にジョン・ウェインの起用を予定するが、ウェインは、物語の内容に愛国心がないと言ってそれを拒否した。
ところが、この役を受けたブロデリック・クロフォードはアカデミー主演賞を受賞し、同年「硫黄島の砂」で同賞にノミネートされていたウェインは受賞を逃し、授賞式の最中に会場を去ったのは有名な話だ。
ジョン・ウェインは、コロンビアのハリー・コーンを嫌っていることも知られているため、内容云々以前に出演を拒否したのかもしれない。
民衆の立場になることは根底に置きながら、全てを自分の支配する世界に巻き込む、野心家である主人公を熱演するブロデリック・クロフォード、無名時代から主人公を見守る、彼の視点でドラマは展開する、上流階級出身の元記者で選挙参謀を好演するジョン・アイアランド、彼の恋人でありながら、野心家に憧れ主人公に惹かれる令嬢ジョーン・ドルー、主人公の養子ジョン・デレク、デビュー作でいきなりアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演賞をダブル受賞する、主人公の秘書兼愛人のマーセデス・マッケンブリッジ、主人公に利用される医師シェパード・ストラドウィック、その伯父で主人公に反旗を翻す判事レイモンド・グリーンリーフ、主人公の妻アン・シーモア、郡政官から主人公の部下となるラルフ・ダムキー、同じくウィル・ライト、ジャック(ジョン・アイアランド)の母親キャサリン・ウォーレン、その夫ゴードン・ローデス、主人公の側近兼ボディガードのウォルター・バークなどが共演している。