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オール・ザット・ジャズ All That Jazz (1979)

ボブ・フォッシーの自伝的作品。
病に蝕まれた体を酷使しながら死を意識し幻想の中で自分の人生を回想していくミュージカル演出家兼映画監督の生き様を描く、監督、脚本、振付ボブ・フォッシージェシカ・ラングリーランド・パーマー他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)


スタッフ キャスト ■
監督:ボブ・フォッシー

製作:ロバート・アラン・アーサー
製作総指揮:ダニエル・メルニック
脚本
ロバート・アラン・アーサー

ボブ・フォッシー
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
美術・装置
フィリップ・ローゼンバーグ

トニー・ウォルトン
エドワード・スチュアート
ゲーリー・J・ブリンク
衣装デザイン:アルバート・ウォルスキー
編集:アラン・ハイム
振付:ボブ・フォッシー
音楽:ラルフ・バーンズ

出演
ロイ・シャイダー:ジョー・ギデオン
ジェシカ・ラング:アンジェリーク
リーランド・パーマー:オードリー・パリス
クリフ・ゴーマン:デヴィス・ニューマン
アン・ラインキング:ケイト・ジャガー
エリザベート・フォルディ:ミシェル・ギデオン
ベン・ヴェリーン:オコナー・フラッド
マイケル・トーラン:バリンジャー医師
マックス・ライト:ジョシュア・ペン
ウィリアム・レマッシーナ:ジョンシー・ヘクト
デボラ・ジェフナー:ヴィクトリア・ポーター
ジョン・リスゴー:ルーカス・サージャント
サンダール・バーグマン:ダンサー

アメリカ 映画
配給
20世紀FOX
コロンビア・ピクチャーズ
1979年製作 123分
公開
北米:1979年12月20日
日本:1980年8月2日
北米興行収入 $37,823,680


アカデミー賞 ■
第52回アカデミー賞

・受賞
編集・美術・衣装デザイン・音楽賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ロイ・シャイダー
脚本・撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
疲れきった体に鞭打ち、ブロードウェイの演出家ジョー・ギデオン(ロイ・シャイダー)は、新作ショーのダンサー、オーディションを始め、数百名の応募者の中から5人をピックアップする。

ギデオンは、別れた妻オードリー(リーランド・パーマー)と娘のミシェル(エリザベート・フォルディ)との約束を破り、再び仕事に向かう。

映画監督でもあるギデオンは、連日のハードな仕事で肉体も精神的にも限界に達し、薬やタバコが手放せない状態が続く。

そして、ギデオンにつきまとうように、アンジェリーク(ジェシカ・ラング)という美しい天子が、幻覚として彼の前に現れる。

同棲しているダンサーのケイト(アン・ラインキング)は、そんなギデオンを見限り、ツアーの誘いを受けようとするが、彼はそれを引き止める。
...全てを見る(結末あり)

ギデオンは、子供時代からストリップ劇場などで働き、現在までショー・ビジネス一筋の男だった。

そんなギデオンが心休まる時は、娘ミッシェルのバレエのレッスンをしてあげる時だけだった。

ダンサー達に指導する自信を、失いかけたギデオンは、新しいステージの主演である元妻オードリーに浮気歴を追求され、そんな刺激をきっかけに、新たな発想を得ながらショーを完成させていく。

しかし、プロデューサー達はそれが気に入らず、ギデオン自身も満足いくものではなかった。

シャワーを浴び興奮剤を飲み、目薬を差して鏡に向い、”ショー・タイム”と言って毎日を始めるギデオンだったが、日に日に咳き込む量が多くなる。

打ち合わせの最中、体調に異変を感じたギデオンは、病院の医師から、狭心症の発作で冠状動脈に危険があることを告げられる。

2~3週間の入院を勧められたギデオンは、激怒して興奮したためその場で倒れてしまう。

ショーは4ヶ月の延期となり、スタッフとキャストは、自宅待機となってしまう。

その間、ギデオンの後を追う新鋭の演出家ルーカス・サージャント(ジョン・リスゴー)が頭角を現してくる。

やがてギデオンは回復するが、医師の忠告を無視して、病院内での喫煙や飲酒、そして女遊びを始めてしまう。

試写会では評判の良かった映画も、評論家に酷評され、ギデオンの体調は再び悪化する。

その後ギデオンは、心臓の切開手術を受けるのだが、プロデューサー達は、彼が死んだ場合には100万ドルの保険金が入り、ショーは、ブロードウェイ史上初めて、1日も公演されずに利益を得られることを知る。

手術を終えたギデオンは、昏睡状態の中で、自分の死を題材にした、ショーの構想が頭の中を駆け巡る。

集中治療室から、個室に運ばれたギデオンは意識を取り戻し、看護師の目を盗み病室を抜け出してしまう。

病室に戻され拘束されたギデオンは、死を前にして自分の意識の中で、ブロードウェイのスター、オコナー・フラッド(ベン・ヴェリーン)と共演し、ショーそして人生のフィナーレを迎えようとする。

そして、家族や知人達に別れを告げたギデオンは、人生にも別れを告げて、アンジェリークの元に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ブロードウェイの著名な演出家兼映画監督のジョー・ギデオンは、連日のハードな仕事で、肉体、精神的に限界に達していたため、薬やタバコが手放せない状態が続いていた。
そしてギデオンの前には、自分につきまとうような、アンジェリークという美しい天子が、幻覚として現れるようになっていた。
そんなギデオンが、唯一心休まるのは、娘ミッシェルのバレエのレッスンをしてあげる時だけだった。
プロデューサー達、そして自分自身が満足出来るステージを、完成させることに自信が持てないギデオンは、体調を崩して倒れてしまう。
静養が必要となったギデオンだったが、彼は医師の忠告を無視して、不摂生を続けてしまう・・・。
__________

15歳の少年時代から振り付け師として活躍していたボブ・フォッシーの自伝的作品で、現実と幻覚の世界を行き来する主人公の姿を幻想的に描いたミュージカル。

好き勝手に生きているように見える主人公の、ショーや映画に懸ける情熱、そして志半ばで病に倒れながら、意識の中で自分の人生の幕切れをショーにしてしまう、プロ根性の凄まじさが見事に伝わってくる。

第52回アカデミー賞では作品賞以下9部門にノミネートされ、編集、美術、衣装デザイン、音楽賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ロイ・シャイダー
脚本・撮影賞

また、カンヌ映画祭ではパルム・ ドールを受賞した。

2001年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

多くの楽曲の中で、その後スタンダードとなった”On Broadway”は心に残る名曲だ。

主人公を熱演し、アカデミー主演賞にノミネートされた、ロイ・シャイダーの一世一代の演技は、タフな役などが似合う彼のイメージを一新し、その気迫溢れる名演は新鮮であり見応えもある。

幻覚の中で、主人公に付きまとう天使役のジェシカ・ラング、元妻でショーの主役を演ずるリーランド・パーマー、愛人アン・ラインキング、愛娘役のエリザベート・フォルディ、新鋭の演出家で若き日のジョン・リスゴーなどが共演している。


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