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アリス・イン・ワンダーランド Alice in Wonderland (2010)

ルイス・キャロルの原作「不思議の国のアリス」(1865)と「鏡の国のアリス」(1871)を基にして製作された作品。
不思議の国の体験をしたアリスの大人へと成長していく微妙な女心を描く、製作、監督ティム・バートン、主演ジョニー・デップミア・ワシコウスカヘレナ・ボナム=カーターアン・ハサウェイアラン・リックマンマイケル・シーンクリストファー・リーティモシー・スポール他共演のファンタジー・コメディ超大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー

ティム・バートン / Tim Burton 作品一覧
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ミア・ワシコウスカ / Mia Wasikowska / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ティム・バートン

製作総指揮
クリス・レベンゾン

ピーター・M・トビーアンセン
製作
リチャード・D・ザナック

ティム・バートン
ジョー・ロス
スザンヌ・トッド
ジェニファー・トッド
原作:ルイス・キャロル
脚本:リンダ・ウールヴァートン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:クリス・レベンゾン
美術・装置
ロバート・ストロンバーグ

カレン・オハラ
衣装デザイン:コリーン・アトウッド
音楽:ダニー・エルフマン

出演
マッド・ハッター:ジョニー・デップ

アリス・キングスレー:ミア・ワシコウスカ
赤の女王/イラスベス:ヘレナ・ボナム=カーター
白の女王/ミラーナ:アン・ハサウェイ
アブソレム:アラン・リックマン
白ウサギ:マイケル・シーン
チェシャ猫:スティーヴン・フライ
ジャバウォッキー:クリストファー・リー
三月ウサギ:ポール・ホワイトハウス
ヤマネ/マリアムキン:バーバラ・ウィンザー
ベイヤード:ティモシー・スポール
イロソヴィッチ・ステイン:クリスピン・グローヴァー
トウィードルダム/トウィードルディー:マット・ルーカス
ドードー鳥:マイケル・ガフ
チャールズ・キングスレー:マートン・チョーカッシュ
ヘレン・キングスレー:リンゼイ・ダンカン
アスコット卿:ティム・ピゴット=スミス
アスコット夫人:ジェラルディン・ジェームズ
ヘイミッシュ・アスコット:レオ・ビル

アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

2010年製作 108分
公開
北米:2010年3月5日
日本:2010年4月17日
製作費 $200,000,000
北米興行収入 $334,185,210
世界 $1,024,299,010


アカデミー賞 ■
第83回アカデミー賞

・受賞
美術・衣装デザイン賞
・ノミネート
視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
6歳のアリスは、奇想天外な夢ばかり見る少女だった。

そんなアリスの語る夢を、父親チャールズ・キングスレー(マートン・チョーカッシュ)は優しく聞いてあげる。

13年後。
19歳になったアリス・キングスレー(ミア・ワシコウスカ)は、最愛の父を亡くしていた。

アリスは、領主アスコット卿(ティム・ピゴット=スミス)の野外パーティーに招かれていたため、母親のヘレン(リンゼイ・ダンカン)と共にその屋敷に向かう。

遅れて到着した二人はアスコット卿に迎えられるが、夫人(ジェラルディン・ジェームズ)には嫌味を言われてしまう。
...全てを見る(結末あり)

亡くなったキングスレーの会社を買い取ったアスコット卿は、妻の無礼をヘレンに謝罪する。

そこでアリスは、アスコット卿の子息ヘイミッシュ(レオ・ビル)からプロポーズされることになっていた。

アスコット夫人に個人的に話をされたアリスは、白ウサギを見かける。

その後、来客の前でヘイミッシュにプロポーズされたアリスは、貴族に嫁ぐことに疑問を感じ混乱してしまう。

プロポーズを受ける気になれないアリスは、再び現れたウサギを追って森に向かう。

アリスは、ある木の根に穴が開いているのを見つけて、それを覗き込み、誤って転落してしまう。

落下した部屋のドアが小さいため、外に出られないアリスは、テーブルの上の薬瓶を見つけ、それを飲むと体が縮小し始める。

小さくなり過ぎたアリスは、テーブルの上の鍵を取るために、今度はケーキを食べる。

天井まで背が伸びてしまったアリスは、再び薬を飲み縮小し、ようやく部屋の外に出ることができる。

アリスは、その不思議な光景の世界で、白ウサギ(マイケル・シーン)、ヤマネ/マリアムキン(バーバラ・ウィンザー)、ドードー鳥(マイケル・ガフ)、そして双子の兄弟トウィードルダムとトウィードルディー()に出会う。

白ウサギらは、彼女が、かつてここに来たことのあるアリスかということで議論をしていた。

そして白ウサギらは、芋虫のアブソレム(アラン・リックマン)に意見を求める。

そこでアリスは、”アンダーランド”の絵暦を見せられ、今日が、暴君の独裁者、赤の女王/イラスベス(ヘレナ・ボナム=カーター)の時代の”グリブリッグの日”だと知らされる。

さらにアリスは自分が、赤い女王の守り神である怪物のジャバウォッキー(クリストファー・リー)を、”ヴォーパルの剣”で倒す日の、”フラブジャズの日”を見せられる。

結局アブソレムは、彼女が本物のアリスとは”殆ど違う”という結論に達する。

アリスはこれが夢だと言って、いつものように自分をつねってみるが目覚めない。

そこに、赤の女王の臣下”ハートのジャック”イロソヴィッチ・ステイン(クリスピン・グローヴァー)が差し向けた、赤の騎士団と野獣バンダースナッチが現れ、アリスらに襲い掛かる。

マリアムキンがバンダースナッチの目玉をくり貫き、アリスはその場を逃れるが、イロソヴィッチは絵暦”予言の書”を手に入れる。

城に戻ったイロソヴィッチは、アリスが支配に対する脅威になることを赤の女王に告げ、彼女はアリスを捕らえるよう命ずる。

一方、森をさ迷うアリスは、チェシャ猫(スティーヴン・フライ)に出会う。

チェシャ猫は、アリスを帽子職人マッド・ハッター(ジョニー・デップ)と三月ウサギ(ポール・ホワイトハウス)のお茶の席に案内する。

アリスとの再会を喜んだハッターは、赤の女王を倒す計画の”フラブジャズの日”には、妹の白の女王/ミラーナ(アン・ハサウェイ)が王座に就き、踊って祝うことを告げる。

そこにイロソヴィッチが現れたため、ハッターはアリスを縮めてティーポットに隠す。

イロソヴィッチを追い払ったハッターは、アリスの言動が以前とは違うことに気づく。

赤の女王の悪行に対し、殺意まで感じるハッターだったが、アリスはそこまでしたい彼の真意を知りたがる。

それを思い起していたハッターは、赤の騎士団の気配を感じ、アリスを帽子に乗せ放り投げて逃がし、自分は身代わりになり捕らえられてしまう。

アリスを守るために現れたベイヤード/ブラッドハウンド(ティモシー・スポール)は、彼女を白の女王の元に連れて行こうとする。

しかし、アリスは捕らえられたハッターを助けるために、ベイヤードの背に乗り赤の女王の城に向かう。

城の内部に侵入したアリスは、白ウサギに背が伸びるケーキをもらうが、食べ過ぎて巨大な体になり、赤の女王に見つかってしまう。

赤の女王は、アリスの身元を知らないため、一応は彼女を歓迎する。

捕らえられていたハッターは、彼自身の処刑を遅らせるために、女王に帽子を作ろうとしてそれを了承される。

ベイヤードは白の女王の元に向かい、アリスが戻ってきたことを伝える。

その頃ハッターは、ジャバウォッキーを倒すために必要な”ヴォーパルの剣”が、城の内部にあることをアリスに知らせて、それを白ウサギと捜すよう彼女に指示する。

捕らえられていたトウィードルダムとトウィードルディーに出くわし、白ウサギに助けを求めたアリスは、バンダースナッチの巣にある箱に剣が隠されているのを知る。

マリアムキンがくり貫いた目玉を使い、バンダースナッチを手懐けたアリスは、箱の中のヴォーパルの剣を手に入れる。

イロソヴィッチは、城に現れた娘(アリス)に誘惑されたことを赤の女王に知らせ、女王は彼女を殺すよう命ずる。

ハッターを逃がそうとしていたアリスだったが、そこにイロソヴィッチが現れる。

その時マリアムキンが、思わず”アリス、逃げて”と叫んでしまい、イロソヴィッチは、彼女が赤の女王を破滅に追いやる者だと気づく。

アリスは、イロソヴィッチと赤の騎士団に囲まれてしまうが、バンダースナッチが現れて彼女を救い城を脱出してしまい、それを知った赤の女王は激怒する。

アリスはバンダースナッチの背中に乗り、白の女王の城に向かいヴォーパルの剣を渡す。

白い女王は縮み薬を作りアリスに飲ませ、彼女は普通の大きさに戻る。

アブソレムに会ったアリスは、今ではほ”とんどアリス”になったと言われ、ジャバウォッキーと戦う勇気を与えられる。

その間、チェシャ猫がハッターを処刑から救い、彼は赤の女王に反旗を翻す者を募る。

そして、白ウサギやトウィードルダムとトウィードルディーと城を抜け出したハッターは、アリスのいる白い女王の城に着く。

翌日、女王の戦士を決めようとして、ハッターやチェシャ猫などが名乗り出るが、それがアリスでなけらばならないことが分かる。

アリスは、白の女王に勝利させる確信を持てないまま、再びアブソレムに会う。

アブソレムはアリスに、かつて”ワンダーランド”と呼ばれていたこの地に、彼女が来たことがあることを思い出させる。

そしてアリスは、これが記憶の世界で、夢でないことを理解し、ヴォーパルの剣自身が戦ってくれることを伝える。

予言にあったその日、”フラブジャスの日”。
赤の女王と、白の女王姉妹双方の決戦の準備が始まり、赤と白の両軍は、チェス版のような戦場に集結して相対する。

両軍から選ばれた戦士、鎧を身に着けヴォーパルの剣を手にした白のアリス、それに対する赤のジャバウォッキーが立ち向かい、アンダーランドの運命を決する戦いは始まる。

両軍入り乱れての戦いの中、アリスはジャバウォッキーの首を剣で切り落とし、それを見た両軍の兵士達は武器を捨て、王冠が白の女王に渡る。

赤の女王とイロソヴィッチは、白の女王に”アウトランド”への追放を命ぜられ、ハッターは”フラブジャスの日”を祝い、予告通り踊り始める。

アリスはジャバウォッキーの血液で、人間の世界に戻れることになる。

ハッターは、アリスをアンダーランドに引き止めようとするが、彼女は再び戻ってくることを約束して帰る決断をする。

ジャバウォッキーの血液を飲み干したアリスは、落下した穴から這い上がり、彼女を待つパーティー会場に向かう。

人々の前に現れたアリスは、結婚をしないことと、自分で道を切り開いて生きることを告げる。

はっきりと自己主張する、アリスに感心したアスコット卿は、彼女と書斎で事業についての話し合いをする。

そして、中国への通商航路を提案されたアスコット卿は、アリスを見習いとして自分の事業に参加させようとする。

やがて、出港の時を迎えたアリスは、アンダーランドでサナギになったアブソレムが、美しい蝶となり現れたことに気づく。

アリスは、アブソレムが、旅立ちを見守るように大空に飛んでいくのを見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
奇想天外な夢を見続けていたアリスは、成長して領主アスコット卿の子息にプロポーズされる。
それをためらったアリスは、白ウサギを目撃して森に向かい、木の根の穴に落ちてしまう。
アリスは、不思議な世界”アンダーランド”に舞い込んだ白ウサギやマリアムキン、トウィードルダムとトウィードルディー、そして芋虫のアブソレムらに出会う。
彼らは、アリスが、かつてこの地に来たことがある”アリス”かということで議論を始める。
その後アリスは、この国の独裁者、赤の女王の守り神である怪物のジャバウォッキーを倒し、妹の白の女王に支配権を渡す日、”フラブジャズの日”を預言書により知らされる。
チェシャ猫に出会ったアリスは、赤の女王を打倒する計画の持ち主である、帽子職人のハッターのお茶会に案内される。
その後アリスは、自分を守るために赤の女王に捕らえられたハッターを助けるために、勇敢にも女王の城に向かう・・・。
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製作費2億ドルをかけた超大作、ティム・バートンの映像感覚や、その奇抜なアイデアが活かされた視覚的に見事な仕上がりとなった作品。

北米のみで約3億3400万ドル、全世界では何と10億ドルを超すメガヒットとなった。

第83回アカデミー賞では、美術、衣装デザイン賞を受賞した。
・ノミネート
視覚効果賞

しかし物語は単調で、キャラクターも事前の宣伝を見過ぎていたせいか、お馴染みダニー・エルフマンの音楽を含め新鮮味に欠けている。
頼みのジョニー・デップも脇役に徹している感じで、彼のファンには、それが満足出来るかで価値が決まるだろう。

”大人のアリス”を意識した主演ミア・ワシコウスカは、殆ど笑顔を見せないことで賛否両論もあり、”キッズ映画”に傾倒し過ぎるのを嫌った、製作者の意図も感じられる。

さてさて、劇場での問題の3D映像だが、部分的に奥行きと飛び出す場面がある程度に留まり、やや控えめな感じはする。
3Dメガネを外していてもOKかなという作品。

見事なメイクや色彩感覚を邪魔する3Dメガネは考えもので、その煩わしさに到っては苦痛としか言いようがないほどの代物で、作品の面白さを半減させている。

それはメガネを外してみれば一目瞭然で、美しい映像が薄暗く見える3Dメガネで、その神秘の世界は台無しになってしまっている。

私のように、コンタクトではなく映画観賞の時だけメガネをかける者にとっては、極端に言えば拷問されているようなもので、耐え難いこと極まりない。

劇場によって3Dメガネの方式が違うようだが、早くどこの劇場も2Dを選ばせてくれるような方法をとって欲しい。
300円プラスして観る価値は全くない!

上記のように主演はアリスなので、ジョニー・デップは要所要所でインパクトのある演技を見せるものの、彼に過大な期待をして観に行くと期待が外れる。

容姿に特徴があるヘレナ・ボナム=カーターの演ずるキャラクターも楽しいが、予告で見せる強烈な印象は、本編では意外に控えめに思える。

いかにも思わせ振りな身振りや発する言葉で、楽しそうに白の女王を演じているアン・ハサウェイ、芋虫アブソレムのアラン・リックマン、白ウサギ、マイケル・シーン、ジャバウォッキーの大御所クリストファー・リー、チェシャ猫のスティーヴン・フライ、三月ウサギ、ポール・ホワイトハウスブラッドハウンド犬ベイヤード、ティモシー・スポール、ヤマネのバーバラ・ウィンザー、赤の女王の臣下役のクリスピン・グローヴァー、双子のトウィードルダムとトウィードルディー役のマット・ルーカス、本作が遺作のドードー鳥のマイケル・ガフ、アリスの父親マートン・チョーカッシュ、母親リンゼイ・ダンカン、アスコット卿ティム・ピゴット=スミス、夫人のジェラルディン・ジェームズ、子息のレオ・ビル、などが共演している。


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