人類史上初の世界征服を成し遂げたアレキサンダー大王の32年の生涯を描く、製作、監督、脚本オリヴァー・ストーン、主演コリン・ファレル、アンジェリーナ・ジョリー、ヴァル・キルマー、アンソニー・ホプキンス、ジャレッド・レト、ロザリオ・ドーソン、ジョナサン・リース=マイヤーズ、クリストファー・プラマー他共演による歴史ドラマの超大作。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:オリヴァー・ストーン
製作
モリッツ・ボーマン
ジョン・キリク
トーマス・シューリー
イアイン・スミス
オリヴァー・ストーン
製作総指揮
ポール・ラッサム
マティアス・ダイル
ピエール・グルンステイン
脚本
オリヴァー・ストーン
クリストファー・カイル
レータ・カログリディス
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集
トム・ノードバーグ
ヤン・エルヴェ
アレックス・マルケス
音楽:ヴァンゲリス
出演
アレキサンダー:コリン・ファレル
オリンピアス:アンジェリーナ・ジョリー
フィリッポス2世:ヴァル・キルマー
プトレマイオス1世:アンソニー・ホプキンス
ヘファイスティオン:ジャレッド・レト
ロクサネ:ロザリオ・ドーソン
カッサンドロス:ジョナサン・リース=マイヤーズ
クレイトス:ゲイリー・ストレッチ
アリストテレス:クリストファー・プラマー
フィロタス:ジョセフ・モーガン
ペルディッカス:ニール・ジャクソン
ダレイオス:ラズ・デガン
パルメニオン:ジョン・カヴァノー
クラテロス:ロリー・マッキャン
アレキサンダー(少年期):コナー・パオロ
アッタロス:ニック・ダニング
アンティゴノス:イアン・ビーティー
スタテイラ:アネリーズ・エスム
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2004年製作 175分
公開
北米:2004年11月24日
日本:2005年2月5日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $34,293,770
世界 $167,298,190
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
紀元前323年6月10、ペルシャ、バビロン。
アレクサンドロス3世が死去する。40年後、エジプト、アレキサンドリア。
エジプト王プトレマイオス1世(アンソニー・ホプキンス)は、アレキサンダーに仕えて後継者となったことから話を始め、その生涯を書き残そうとする。
マケドニア、ペラ。
王フィリッポス2世(ヴァル・キルマー)と蛇崇拝のディオニューソスの信者である妃オリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)との間に生またアレキサンダーは、不仲の両親の元で育ち愛に飢えていた。
8年後。
プトレマイオスやカッサンドロス、ヘファイスティオンらと共に戦う術を習得したアレキサンダー(コナー・パオロ)は、フィリッポスがギリシャから招いた哲学者アリストテレス(クリストファー・プラマー)から、世界支配についてや様々なことを学ぶ。
世界が劣等ペルシャ人に支配されていることに疑問を抱くアレキサンダーは東方への夢を語るが、アリストテレスは、その危険性を伝える。 ある日、荒馬を買うことを諦めたフィリッポスに、アレキサンダーは、それを自分のために買ってほしいと言って頼む。 自分なら乗りこなせると言うアレキサンダーの意見を聞き入れたフィリッポスは、周囲の不安を余所に馬に近づく息子を見守る。 馬が自分の影に怯えているいことに気づいたアレキサンダーは、”ブケパロス”と名付けて語りかけ、見事に乗りこなして人々を驚かせる。 フィリッポスから戦いの歴史などを教わったアレキサンダーは、自分にも神が裁きを下す日が必ず来ると言われる。 8年後。 アレキサンダーは、王妃の座を追われて家族と共に殺されると母オリンピアスから言われる。 それを否定するアレキサンダーに、マケドニアの女を娶り息子を産ませることで陰謀を回避できる言って、オリンピアスは妃を迎えるよう提案する。 フィリッポスに関する話にうんざりするアレキサンダーは、幼い頃から一緒に過ごした気がしないオリンピアスの愛に飢えていた。 自分の感情ではなく民のために行動するようにと、オリンピアスはアレキサンダーに助言する。 アレキサンダーがヘファイスティオン(ジャレッド・レト)に好意を抱くことを理解しつつも、オリンピアスは、東方を目指すなら世継ぎを残すべきだと伝える。 ヘファイスティオンとの関係を愛と言い、父が自分を傷つけることはしないと考えるアレキサンダーの楽観的な意見に、オリンピアスは同意しない。 フィリッポスの婚礼の際、王の妃となった姪の子が世継ぎだと言うアッタロスの言葉に憤慨したアレキサンダーは、彼と争いになる。 それを鎮めたフィリッポスは、自分が正当な世継ぎだと言って興奮するアレキサンダーを擁護しない。 王位を狙うオリンピアスに洗脳されていると言うフィリッポスは、身内となるアッタロスに謝罪するようアレキサンダーに命ずる。 それを拒んだアレキサンダーは、母の再婚の儀には招待するとフィリッポスに伝えて、その場を去ろうとする。 フィリッポスに引き留められたアレキサンダーは、それを無視しようとするが、王は剣を抜いて襲いかかる。 椅子を跨げずに転んでしまったフィリッポスに対し、これがペルシャと戦おうとする者かと侮辱するアレキサンダーは、王に追放されてしまう。 アレキサンドリア。 全ギリシャの覇権を握ったアレキサンダーは、東方に遠征しペルシャ支配下の国を次々と解放し、西アジアからエジプトを支配し”ファラオ”と呼ばれた。 その後アレキサンダーは、ペルシャ帝国の王ダレイオスの軍とバビロンの近くで対峙することになる。 紀元前331年、ペルシャ、ガウガメラ。 パルメニオン(ジョン・カヴァノー)とその息子フィロタス(ジョセフ・モーガン)、ペルディッカス(ニール・ジャクソン)、カッサンドロス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)、プトレマイオス、ヘファイスティオン(ジャレッド・レト)、クレイトス(ゲイリー・ストレッチ)に、アレキサンダーは、少数で敵を倒す計画の指示を出す。 敵を壊滅させなければ返り討ちに遭い故郷に戻れないと言うパルメニオンらに、バビロンが故郷になるとアレキサンダーは答える。 アレキサンダーは、カッサンドロスから夜襲を提案されるものの、その戦法を採用しようとはしない。 体制を整えるべきだと意見するパルメニオンだったが、ダレイオスが卑怯者でなけらば、必ず自分の前に現れると言い切るアレキサンダーは、考えを変える気はない。 戦いを前にしたアレキサンダーとヘファイスティオンは、互いのために命を捧げることを誓い、愛を確かめ合う。 10月1日。 カッサンドロスとヘファイスティオンに進軍するよう命ずるアレキサンダーが右翼に移動する様子を、ペルシャ王ダレイオス(ラズ・デガン)は警戒する。 中央のマケドニア軍は、”ファランクス/密集方陣”で前進を始め、それを誤った戦術だと判断したダレイオスは攻撃を開始する。 敵軍に右翼を警戒させたアレキサンダーは、カッサンドロスの部隊に後を任せて方向を変える。 左翼のマケドニア軍を率いるパルメニオンは、兵力が不足しているため、アレキサンダーに援軍を要請するようフィロタスに命ずる。 傷を負いながら敵と剣を交えるアレキサンダーは、ダレイオスの姿を確認して襲い掛かるものの逃亡を許す。 それを追う準備を始めようとしたアレキサンダーは、現れたフィロタスから援軍を要請される。 ダレイオスを追跡すれば自軍が全滅する可能性があり、アレキサンダーはパルメニオンは救う。 史上最大の帝国を滅ぼしたアレキサンダーは、25歳で全世界の王となった。 バビロン。 アレキサンダーは、逃亡したダレイオスを捕えなければ戦いは終わらないと考える。 ダレイオスの長女スタテイラ(アネリーズ・エスム)から、家族の命を助けてほしい言われたアレキサンダーは、現状のままの王女の地位と、自分の家族と同じ扱いをすることを保証する。 その後、ヘファイスティオン以外の側近を警戒するようにというオリンピアスからの手紙を受け取ったアレキサンダーは、母がバビロンに来るのを望んでいることを知る。 単なる征服者ではなく、民に自由を与えることが必要だと考えるアレキサンダーは、愛を伝えたヘファイスティオンから、世界制覇に夢中になり自分から離れていきそうな気がして怖いと言われれる。 アレキサンダーは、決して離れないと言ってヘファイスティオンを抱きしめる。 ペルシャ北東部。 その後も”アレキサンドリア”を建て、アジアでは抵抗する者がいなくなったアレキサンダーは、バクトリアの王女ロクサネ(ロザリオ・ドーソン)に心奪われる。 ロクサネを妃にすることをパルメニオンらに反対されたアレキサンダーは、アジアを対等に扱い富を分け与えることをカッサンドロスからも批判される。 愚かな優越感だと言ってカッサンドロスに反論するアレキサンダーは、受け継がれた文化を蔑視する部下らを罵倒してその場を去る。 ロクサネの結婚の儀は行われ、アジア人を差別しない考えが変わらないことを、アレキサンダーは部下達の前で語る。 ヘファイスティオンから、世継ぎが産まれることを望んでいると言われて抱き合ったアレキサンダーは、ロクサネにその姿を見られる。 ヘファイスティオンを愛しているのかをロクサネから聞かれたアレキサンダーは、愛には様々な形があると言って彼女を抱こうとする。 抵抗して剣を奪いアレキサンダーに襲いかかったロクサネは、愛のために死ぬと言う彼に剣を渡す。 世継ぎを産んでくれと言われたロクサネは、アレキサンダーを受け入れて愛し合う。 オリンピアスの忠告に耳を貸そうとしないアレキサンダーは、暗殺計画に気づき、首謀者フィロタスを処刑する。 アレキサンダーは、クレイトスらをパルメニオンの元に向かわせて暗殺する。 ヒンドゥークシュ山脈。 一旦、故郷に帰ることをプトレマイオスに提案されたアレキサンダーだったが、彼は世界の果てを目指す。 インド。 支配地を返還して同盟国にする アレキサンダーの考えに、兵士達は反発した。この地では憎まれているだけだと言うロクサネはアレキサンダーを批判し、バビロンに戻ることを提案する。 宴の席で、バクトリア総督となるクレイトスの挑発的な言葉に激怒したアレキサンダーは、彼を槍で刺し殺す。 暴君になってしまったと考えて苦しむアレキサンダーを、皆が偉大な王として認めると言って、ヘファイスティオンは彼を励ます。 8年前、マケドニア。 同行を希望するアレキサンダーを下がらせたフィリッポスは、娘のクレオパトラの婚礼の祝宴のため劇場に向かう。 フィリッポスに近づいた護衛兵のパウサニアスは、王の腹部を剣で刺す。 オリンピアスはその姿を見守り、アッタロスの摂政の座はなくなる。逃亡したパウサニアスは、追っ手に殺害される。 ヘファイスティオンは新王アレキサンダーを称え、オリンピアスの野望は叶う。不名誉な即位と、王の死に平然としていたオリンピアスに不満を訴えるアレキサンダーは、暗殺の黒幕を暴こうとする。それが自分だということを否定した オリンピアスは、アレキサンダーにフィリッポスが父親でないことを伝える。単なる武将だったフィリッポスと違い、征服者になるとアレキサンダーに伝えたオリンピアスは、父親は最高神のゼウスだと言って納得させようとする。 邪悪な心の持ち主だと罵られたオリンピアスは、それがアレキサンダーにも宿っていると伝え、王らしく振る舞うよう言い聞かせる。 パルメニオンの協力でアッタロスを殺害し、一族を破滅させると言うオリンピアスを、アレキサンダーは軽蔑する。 なぜ母をそこまで憎むのかとアレキサンダーに問うオリンピアスは、神を味方にして世界を手に入れるようにと言って説得し、息子と抱き合う。 その後アレキサンダーは、二度とオリンピアスに会わなかった。 オリンピアスは、アレキサンダーが北方に遠征している間に、フィリッポスの妃の一人である、アッタロスの姪エウリュディケとその幼子を殺害する。 アレキサンダーは、仕方なくアッタロスの処刑を命じた。 インド。 クラテロス(ロリー・マッキャン)は、4万の兵がわずかとなった今、今後も東に向かおうとするアレキサンダーに意見する。 アレキサンダーはクラテロスの考えを尊重するものの、最後に妻や子と過ごしたいという彼らに、堕落した生き方を求めていると言って、王を見捨てた者として記憶に残ると伝える。 アジアの兵と共に前進し続けると言うアレキサンダーは、不満を訴える兵士に対し、報酬は十分に与えたことを伝えて1か月の猶予を求める。 納得しない兵士はアレキサンダーを非難し、父王フィリッポスの暗殺も指揮したと言って罵る。 激怒したアレキサンダーは、自分の考えに従わない兵士を見限る。その後、アレキサンダーは海を目指して南下し、反乱の首謀者を容赦なく殺害して部隊は分裂し、彼は誰にも好かれていなかった。 巨大な怪物”像”を従えた敵との戦いに挑んだアレキサンダーは、総攻撃を受けるものの、愛馬ブケパロスが彼を守る。 ヘファイスティオンやクラテロスらが、矢を受けたアレキサンダーを救う。回復したアレキサンダーは兵士達に称えられ、故郷に帰ることを伝える。 バビロンに戻ったアレキサンダーは、新たに二人の妻を娶ったが、異国への想いは再燃する。 突如病に倒れたヘファイスティオンを見舞ったアレキサンダーは、未来を語りながら彼の死を見届ける。 回復させられなかった医師の処刑を命じたアレキサンダーは、ヘファイスティオンを嫌っていたロクサネを呪うが、彼女が身籠っていることを知る。その後、アラビア遠征を計画していたアレキサンダーは、祝宴の席で倒れる。 紀元前323年6月10日。 その死によって激しい戦争が40年も続き、カッサンドロスはギリシャ、クラテロスとアンティゴノスは西アジア、セレウコスとペルディッカスは東アジア、プトレマイオスはエジプトを支配し、帝国は4分割された。 カッサンドロスは7年後にオリンピアスを処刑し、12年の間にアレキサンダーの血筋を断つことに成功し、ロクサネとその息子である王位継承者アレクサンドロス4世も殺害した。 アレキサンドリア。 あれ以上アレキサンダーに従うことはできなかったと言うプトレマイオスは、勝ち得た財宝がアジア人の懐に消えことを嘆く。 人種の融合や調和と言っていたアレキサンダーがしたことは異民族の征服と支配であり、プトレマイオスは、自分を含め誰一人としてそれを信じなかったと語る。 夢想家の夢に翻弄された自分達が始末しないと、その夢に殺されると言ったところで、プトレマイオスは、その部分の文章を削除させて、老人のたわごとだと伝える。 アレキサンダーが高熱と衰弱により死んだと書き直させたプトレマイオスは、マケドニアに残り家族を持てば尊敬されただろうが、それは彼の人生ではないと語る。 生涯、恐れから逃げようとして戦ったアレキサンダーは、自由な人間になれたのだが、彼の悲劇は、理解しない者達への苛立ちと孤立にあり、ギリシャと異民族の調和は失敗に終わったと考える。 アレキサンダーの失敗は、他の者達の成功よりも栄光に満ち、人々が記憶するのは、壮大な夢を追った偉大な人間の栄光であり、その名は”メガスアレキサンドロス/アレキサンダー大王”と言って、プトレマイオスは、その物語を締めくくる。
...全てを見る(結末あり)
19歳になるアレキサンダー(コリン・ファレル)は、摂政の座を狙うアッタロス(ニック・ダニング)の陰謀で、北方の蛮族との戦いに向かうことになる。
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フィリッポスは暗殺され、アレキサンダーは20歳でマケドニアの王となり、各都市は反乱を起こし、ペルシャがそれを支援したことをプトレマイオスは語る。
4万の兵で25万の敵を相手に一気に攻めてダレイオスを倒すことを考えるアレキサンダーは、それに否定的なアンティゴノス(イアン・ビーティー)の意見を退ける。
ガウガメラの戦い)
愛馬ブケパロスに乗り兵に語りかけるアレキサンダーは、恐怖を捨て去れば死を克服できると言って、自由と栄光、そしてギリシャのために戦うことを誓いゼウスに祈りを捧げる。
征服者となったアレキサンダーは民の歓迎を受け、かつて蛮人と教えられた者達の造った都市の素晴らしさに驚く。
アレキサンダーは、臣下ベッソスに裏切られて死んだダレイオスに敬意を表する。
15万の兵を率いて未知の世界に入ったアレキサンダーは、世継ぎができないことで自尊心が傷ついた。
初めて見る”サル”という人間に似た動物に驚きながら、何十日も続く雨に苦しみ、アレキサンダーは、黄金と栄光を手に入れる夢は消え去った。兵士達は苛立ち抵抗する現地人を皆殺しにして、腐った水が飲めないために強い酒をあおった。
全ギリシャの覇権を手にしたフィリッポスは、ペルシャ侵攻軍の指揮をアレキサンダーに任せる。護衛なしで劇場に入ろうとしたフィリッポスは、信頼できるクレイトスが守ってくれることをアレキサンダーに伝える。
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この場から更に進み海に出て船を造り、エジプトに向かう考えを伝えたアレキサンダーだったが、賛同者がほとんどいない。
後継者を聞かれたアレキサンダーは、”最強の者・・・”と呟き、32年の生涯を閉じる。短い人生でアキレスや神々に匹敵する栄光を手にしたアレキサンダーは、不滅の名声を得た。
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自分達がアレキサンダーを殺したと語るプトレマイオスは、皆が無言のまま同意していたことを付け加える。
*(簡略ストー リー)
エジプト王プトレマイオス1世は、世界征服を成し遂げ若くしてこの世を去ったマケドニア王アレクサンドロス3世についてを語る。
マケドニア。
王フィリッポス2世と妃オリンピアスとの間に生まれたアレキサンダーは、不仲の両親の元で育ち愛に飢えていた。
成長したアレキサンダーは、父フィリッポスの暗殺により王に即位し、全ギリシャの覇権を手中にして東方に遠征する。
そして、史上最大の帝国ペルシャを倒したアレキサンダーは、25歳で全世界の王となり、更にアジアへと進出するのだが・・・。
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25歳で世界制覇を成し遂げたアレキサンダー大王の、謎に包まれたその生涯を描くドラマ。期待の若手スターや実力派を起用し、壮大なドラマに仕上げたオリヴァー・ストーンの意気込みは感じられる。
しかし、アレキサンダー大王やその周囲で起きる出来事の、その時代における神秘性の追及も空回りという雰囲気で、一流の映画人によるハリウッド映画らしくない、手抜きとまでは言わないまでも、中途半端な人物描写など、心に訴えるものがない。1億5000万ドルをかけた超大作ではあるが、映像やセット、衣装なども平凡であり、壮大な史劇のスケール感も今一歩物足りないというところだろうか。
北米興行収入は約3400万ドルに留まり、全世界では約1億6700万ドルのヒットとはなるものの、製作費をようやく回収できた程度であり、商業的に成功したとは言えない。
また、ラジー賞では、作品賞以下、主要部門にノミネートされてしまった。熱演はするものの、ブロンドが似合わないために損をしているように思える。
アレキサンダーを演ずるコリン・ファレル、こちらもその母には見えないオリンピアスのアンジェリーナ・ジョリー、更にメイクが今一のフィリッポス2世役ヴァル・キルマー、流石に重厚な演技を見せる物語の語部で、古代エジプト王プトレマイオス1世のアンソニー・ホプキンス、アレキサンダーと親密な関係にあったと言われる武将ヘファイスティオンのジャレッド・レト、アレキサンダーの妃ロクサネのロザリオ・ドーソン、哲学者アリストテレスのクリストファー・プラマー、マケドニアの武将カッサンドロスのジョナサン・リース=マイヤーズ、クレイトスのゲイリー・ストレッチ、フィロタスのジョセフ・モーガン、その父パルメニオンのジョン・カヴァノー、ペルディッカスのニール・ジャクソン、ダレイオスのラズ・デガン、アンティゴノスのイアン・ビーティー、クラテロスのロリー・マッキャン、マケドニアの摂政の座を狙うアッタロスのニック・ダニング、ペルシャの王女スタテイラのアネリーズ・エスム、アレキサンダーの少年期コナー・パオロなどが共演している。