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捨身の一撃 A Lawless Street (1955)

町を支配しようとする悪党に立ち向かう連邦保安官の戦いを描く、監督ジョセフ・H・ルイス、主演ランドルフ・スコットアンジェラ・ランズベリー他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ジョセフ・H・ルイス

製作:ハリー・ジョー・ブラウン
原作:ブラド・ワード”The Marshal of Medicine Bend”
脚本:ケネス・ガメット
撮影:レイ・レナハン
編集:ジーン・ハヴリック
音楽:ポール・ソーテル

出演
ケイレム・ウェア連邦保安官:ランドルフ・スコット
タリー・ディッキンソン:アンジェラ・ランズベリー
ハマー・ソーン:ワーナー・アンダーソン
コーラ・ディーン:ジーン・パーカー
エイモス・ウィン医師:ウォレス・フォード
コーディ・クラーク:ジョン・エメリー
エイサフ・ディーン:ジェームズ・ベル
モリー・ヒギンズ:ルース・ドネリー
ケント町長:ハリー・アントリム
ハーレー・バスカム:マイケル・ペイト
ドゥーリー・ブリオン:ドン・メゴワン
ブリオン夫人:ジャネット・ノーラン
ディンゴ・ブリオン:フランク・ハグニイ

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1955年製作 78分
公開
北米:1955年12月15日
日本:1957年2月2日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
コロラド準州
連邦保安官ケイレム・ウェア(ランドルフ・スコット)に恨みを持つディンゴ・ブリオン(フランク・ハグニイ)は、町に着く。

ホテルに住むウェアの食事の世話をするモリー・ヒギンズ(ルース・ドネリー)は、ディンゴを見かけた住人から知らされ、いつものようにホウキの柄で天上を叩き、二階のウェアに合図する。

着替えてカレンダーを破ったウェアは、女優である妻タリー・ディッキンソン(アンジェラ・ランズベリー)の写真を見て、一階の食堂に向かう。

モリーからディンゴのことを知らされたウェアは、冗談を言いながらホテルを出る。

ウェアは、馬車で現れた町の名士で牧場主のエイサフ・ディーン(ジェームズ・ベル)と妻コーラ(ジーン・パーカー)に声をかける。

用事があるディーンと別れたコーラは、関係を持つ劇場の経営者ハマー・ソーン(ワーナー・アンダーソン)と話し、今夜、上演されるショーに招待してもらえることになる。
...全てを見る(結末あり)

酒場の経営者コーディ・クラーク(ジョン・エメリー)と話をしたウェアは、ソーンとコーラの関係やディンゴのことを話す。

ソーンは、舞台監督のウィリスと共に到着した劇団を歓迎する。

タリーとの再会を喜ぶソーンは、有名女優である彼女を皆に紹介し、求婚することを伝える。

タリーに挨拶したウェアは初対面のように話し、アパッチ・ウェルズのことを話題にして、何とか生き延びていると伝える。

床屋にヒゲを剃りに行ったウェアは、現れたディンゴが銃を抜いたために、隠し持っていた小型拳銃で彼を射殺する。

エイモス・ウィン医師(ウォレス・フォード)を呼んだウェアは、現れたクラークの店のおごりだと皆に伝える。

ディンゴの葬儀代を集めるようクラークに指示したウェアは、自分の分を渡す。

保安官事務所に向かったウェアは、現れたディーンから治安を守っていることを感謝される。

ウィンがディンゴの所持品を持って現れ、ウェアは、その中に20ドル金貨5枚があったことも知る。

自分を殺すための報酬であることは明白であり、ウェアは、町を出るべきだと言うウィンに、どこにいても同じであり、苦しみに耐え抜いて生き延びて見せると伝える。

そこに、ディンゴの妻(ジャネット・ノーラン)と義弟で巨漢のドゥーリー(ドン・メゴワン)が現れる。

面倒を起こすつもりはないと言うドゥーリーは、ウェアからディンゴの所持品を受け取るものの、投げ捨ててしまう。

過ぎたことだと言うディンゴの妻は、ウェアから金貨を受け取り、夫を殺したことで苦しむことになると彼に伝える。

金貨を奪い取ったドゥーリーはそれも投げ捨て、ディンゴが稼げる額でない汚い金だと義姉に伝える。

恨んではいないが近づくなと言うドゥーリーは、銃は所持しないが、銃で自分を止めることはできないとウェアに伝えてその場を去る。

金貨を拾ったウェアはそれをウィンに預け、ディンゴの葬儀代のためにクラークに渡すよう指示する。

牢屋に入ったウェアは、久しぶりに熟睡しようとする。

その夜、ウェアは、ウィンらと共にタリーのショーを楽しむ。

メモを受け取ったウェアはタリーの部屋に向かい、戻って来た彼女と話す。

アパッチ・ウェルズで怯えながら暮らすのは辛かったと言うタリーは、別れたことを後悔しながらウェアと抱き合う。

その様子を見てしまったコーラは、現れたソーンに、タリーに求婚したのは傷ついたが、関係は変わらないことを確認する。

タリーが指輪を持っていることを知ったウェアは、ソーンに結婚していることを話すつもりの彼女との愛を確かめる。

部屋を出たウェアは、ウィンから、ドゥーリーがクラークの酒場で暴れていることを知らされその場に向かう。

葬儀代をドゥーリーに渡しに行ったと言うクラークは、それを拒み怒りだしたので、銃で脅して逃げたことをウェアに話す。

クラークを殴ったドゥーリーは、銃を手にしたウェアに、銃では止められないと言ったはずだと伝えて格闘になる。

巨漢で怪力のドゥーリーと対等に戦ったウェアは、彼を連行して牢屋に入れる。

その様子を見ていたタリーは、アパッチ・ウェルズの悪夢が甦る。

保安官事務所まで何とか歩いて行ったウェアは、ウィンの治療を受ける。

翌朝ウェアは、殺し屋のハーレー・バスカム(マイケル・ペイト)が現れたことに気づく。

右腕の痛みを堪えながら朝食をとったウェアは、自分を気遣ってくれるモリーに感謝する。

ソーンとクラークとビジネスの話をしたバスカムは、5000ドルでウェアを始末してほしいと言われ、高額過ぎる報酬が気になる。

町を作ったのはディーンであり、彼がウェアを呼び寄せたと言うソーンは、自分の町にしたいことをバスカムに伝える。

バスカムは話に裏があると気づき、ソーンは、鉱山が再開して町が潤えば利益を得られるという話をする。

利益の1/3を要求したバスカムは、意見するクラークを脅し、2人に考える時間を与える。

保安官事務所にいたブリオン夫人と話したウェアは、ドゥーリーと素手で戦った者はいないと言われ、二度と間違いはさせないと約束する彼女の頼みを聞き入れる。

ドゥーリーを釈放したウェアは、義姉の力になり支えるよう彼に伝える。

男たちがウェアとドゥーリーのことを話す内容を聞いてしまったタリーは、心が沈む。

クラークに雇われた男がウェアにナイフを投げるものの、それを外してしまう。

男からそれを知らされたクラークは、彼を射殺する。

ウェアは、自分を殺そうとした男を射殺してやったと言うクラークを牽制する。

その様子も見て町を出る決心をしたタリーは、引き止めるウェアの話を聞こうとしない。

シカゴに向かい離婚すると言うタリーは、ウェアに指輪を渡して別れを告げる。

タリーの部屋から出てきたウェアを気にするソーンは、バスカムから、2人がアパッチ・ウェルズで結婚した過去を知らされる。

ウィンと食事をしたウェアは、現れた刺客のバスカムが自分を恨んでいるという話をする。

クラークの酒場でウィンを脅していたバスカムは、現れたウェアと対決することになる。

銃の携帯は禁止だと言われたバスカムは、ウェアより一瞬早く銃を抜き彼を倒す。

町が解放されたと言って喜ぶクラークは、店のおごりだと皆に伝る。

ウィンは、まだ息があるウェアをドゥーリーに運ばせる。

町を支配しようと考えるソーンとクラークは、バスカムと共に酒場の主人などを脅し、権利を奪おうとして従わない者は容赦なく殺す。

好きなだけ飲むようにと客に伝えたソーンは、鉱山が再開することも知らせる。

ソーンは町長(ハリー・アントリム)と話し、バスカムを保安官にするよう議会での話し合いを求める。

ディーンの元に向かったソーンは、牧童たちを懲らしめる。

ウェアが死んだことをディーンに伝えたソーンは、町のことに口出すなと警告する。

自分やコーラにも口を出すなとソーンに伝えたディーンは、決闘を受けて立つつもりだった。

町の実力者の妻に手を出すことが目的だったと言うソーンは、コーラには興味がないとディーンに伝えて立ち去る。

昔に戻ってしまったことを嘆くディーンは、出て行くと言うコーラに、その必要はないと伝る。

町に向かったコーラは、保安官事務所にいたウィンから、ウェアが殺されたことを知らされる。

自分のせいだと言って後悔するコーラは、関係を持っていたソーンが考えていた、町を乗っ取る計画を知っていたことをウィンに伝る。

自分の評判が落ちるのを覚悟して証言することをコーラに確認したウィンは、彼女を見送り、意識が戻らないウェアの様子を気にする。

ウェアの部屋に向かったタリーはモリーから彼の話を聞き、ウィンからウェアが生きていることを知らされて戸惑う。

ウィンは、ウェアの力になろうとせずに町を出ようとするタリーと、それ以上話す気はなかった。

タリーは、町が落ち着くまでいてほしいという、ソーンから受け取ったメモを確認する。

保安官事務所に向かったタリーは、ウェアと話したいとウィンに伝える。

自分といると不幸になると考えるウェアはタリーのためを思い、彼女に会おうとしなかった。

夜になり、回復したウェアは外に向かう。

ソーンとバスカムと共に酒場にいたクラークは、通りが静かになったことを気にする。

慌てて入って来た酒場の主人から、ウェアが生きていると言われたソーンは、それを信じなかった。

気になるクラークは、別の酒場の店主もウェアが現れたと言ったため、バスカムがしくじったと思う。

クラークは、ウェアと2度戦って勝った者はいないとバスカムに伝る。

外からバスカムに警告するウェアは、発砲してきた彼を、倒れながら射殺する。

ウェアは、店じまいさせて客を帰す。

ソーンとクラークは、金を持って逃げようとする。

ソーンの部屋に向かったタリーは、外に現れたウェアに、待伏せされていることを知らせる。

ソーンの逃亡を阻止しようとしたタリーは、押し倒される。

迎えに来たクラークは、ウェアと間違えたソーンに射殺される。

馬車で逃げようとしたソーンは、駆け付けたディーンと牧童たちに捕らえられる。

ディーンは、力を合わせて立ち向かわなかったことをウェアに謝罪する。

自分はもう必要ないと言うウェアはディーンにバッジを渡し、全員が団結して闘っていくべきだと伝える。

翌日、モリーに別れを告げたウェアは、ウィンに感謝して、タリーと共に旅立つ。

出発したウェアから箱を受け取ったウィンは、中身の銃とガンベルトを確認して微笑む。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
コロラド準州
連邦保安官のケイレム・ウェアは、女優のタリーと結婚していたのだが、危険な日々が続くことに耐えきれなかった彼女と別々の生活を選んだ過去があった。
巡業で町に着いたタリーはウェアとのことは隠し、劇場の経営者のソーンから求婚される。
町を支配しようとするソーンと酒場の経営者クラークは、殺し屋バスカムを雇い、ウェアの殺害を企てるのだが・・・。
__________

1953年に発表された、ブラド・ワードの小説”The Marshal of Medicine Bend”を基に製作された作品。

SF、ミュージカル、フィルム・ノワール、そして西部劇など、幅広い分野を手掛けていたジョセフ・H・ルイスが、引退間際に監督した作品。

職務を果たし過酷な日々を送る連邦保安官の苦悩と、彼の力を頼らずに団結して悪に立ち向かい、町を守ることに目覚める人々の勇気ある姿を描いた正統派西部劇として、見応えある作品に仕上がっている。

西部の華と言える艶やかな女優とそのショー、大男による迫力ある酒場での格闘、町を支配しようとする悪党の悪だくみに加担する残虐な殺し屋の登場など、西部劇の醍醐味を存分に味わえる作品でもある。

主演のランドルフ・スコットは、無法化しかける町の治安を守る、正義感ある連邦保安官を熱演している。

有名な女優であり主人公と結婚するものの、怯える日々に耐えられずにいたアンジェラ・ランズベリー、町を支配しようとする劇場の経営者ワーナー・アンダーソン、彼と手を組む酒場の経営者ジョン・エメリー、主人公に町の治安維持を任せる名士である牧場主ジェームズ・ベル、その妻ジーン・パーカー、主人公に協力する勇気ある医師のウォレス・フォード、主人公の食事の世話をする婦人ルース・ドネリー、町長のハリー・アントリム、悪党に雇われる殺し屋マイケル・ペイト、主人公に兄(フランク・ハグニイ)を殺されるものの協力者となる巨漢のドン・メゴワン、その義姉ジャネット・ノーランなどが共演している。


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