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A.I. Artificial Intelligence (2001)

2001年に発表された、ブライアン・オールディスの短編”Super-Toys Last All Summer Long”を基に製作された作品。
人工知能を持つ最新子供型ロボットの愛を求める姿を描く、製作、監督、脚本スティーヴン・スピルバーグ
主演ハーレイ・ジョエル・オスメントジュード・ロウフランセス・オコナーウィリアム・ハートブレンダン・グリーソン他共演のSF映画。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF

スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ

製作
スティーヴン・スピルバーグ

キャスリーン・ケネディ
ボニー・カーティス
製作総指揮
ヤン・ハーラン

ウォルター・F・パークス
原作:ブライアン・オールディスSuper-Toys Last All Summer Long
原案:スタンリー・キューブリック

脚本
イアン・ワトソン

スティーヴン・スピルバーグ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
デヴィッド:ハーレイ・ジョエル・オスメント

ジゴロ・ジョー:ジュード・ロウ
モニカ・スウィントン:フランセス・オコナー
ヘンリー・スウィントン:サム・ロバーズ
マーティン・スウィントン:ジェイク・トーマス
アレン・ホビー教授:ウィリアム・ハート
ジョンソン=ジョンソン卿:ブレンダン・グリーソン
テディ:ジャック・エンジェル
Dr.ノウ:ロビン・ウィリアムズ
スペシャリスト:ベン・キングスレー
ブルー・フェアリー:メリル・ストリープ
コメディアン:クリス・ロック
車の青年:エイドリアン・グレニアー

アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(北米)
ドリ ームワークス(世界)
2001年製作 146分
公開
北米:2001年6月29日
日本:2001年6月30日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $78,616,690
世界 $235,927,000


アカデミー賞 ■
第74回アカデミー賞
・ノミネート
作曲・視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
21世紀後半。
地球温暖化で極地の氷が解けて海面が上がり、多くの都市が消滅した。

数千万の人々はさ迷い、先進国の政府は妊娠に許可制度を設け、その結果、食料や資源を消費しないロボットが開発され、社会や経済を成り立たせるための必要不可欠な存在となった。

ニュージャージー
”サイバートロニックス”社で人間型ロボットを開発したアレン・ホビー教授(ウィリアム・ハート)は、決められた”親”に対して真の”愛”を抱き続けることができる、子供型のロボットを創造することを考える。

妊娠許可を得られない夫婦のために子供ロボットが与えられた場合、大人に責任が生じるのではないかと質問されたホビーは、神も愛を期待してアダムを創ったはずだと答える。

20か月後。
”サイバートロニックス”の社員であるヘンリー・スウィントン(サム・ロバーズ)と妻モニカ(フランセス・オコナー)は、不治の病で冷凍保存状態にある息子マーティン(ジェイク・トーマス)の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)

ヘンリーは、回復する見込みのない息子は無理でも、苦しむモニカをは救える可能性があることを主治医に言われる。

ホビーは、新型子供ロボットのテストのため、従業員のヘンリーを選ぶことを部下から提案される。

ヘンリーはそれを承諾し、家に子供ロボットのデヴィッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)を連れ帰り、モニカを驚かせる。

動揺して取り乱すモニカは、子供の代用品であるデヴィッドを受け入れる気になれない。

その後モニカは冷静になり、人間にしか見えないデヴィッドを観察して気持ちが変わる。

デヴィッドを引き取るかを思案するモニカは、初期状態から、自分達を親と認識させるためのインプットが必要であり、それを実行すると、子供は一生、親を愛し続けることをヘンリーから知らされる。

それにより転売することはできず、手放したい場合は会社が引き取り廃棄するということだった。

デヴィッドとの生活を始めたモニカは、彼に馴染むことができなかったが、戻らぬマーティンのことなどを考えると寂しさが募る。

心を決めたモニカは、マニュアルに従いデヴィッドに設定をインプットする。

それを追えたデヴィッドは表情が変わり、名前でしか呼んでなかったモニカを”ママ”と呼び、二人は固く抱き合う。

デヴィッドに愛情を感じ始めたモニカは、彼にクマのぬいぐるみのロボット”テディ”(ジャック・エンジェル)を与える。

そんな時、奇跡のようなことが起き、マーティンが回復して冷凍保存から目覚め帰宅する。

マーティンはデヴィッドを、兄弟としてではなくテディのようにおもちゃのように扱う。

デヴィッドに意地悪をするマーティンは、モニカに”ピノキオの冒険”を渡して読んでもらったり、わざと食事をさせたりする。

ホウレン草を食べてしまったデヴィッドは故障してしまい、メンテナンスを受ける。

マーティンに母モニカの髪の毛を切ってくるように指示されたデヴィッドは、それを持っていると彼女の愛が得られると言われる。

それを実行したデヴィッドはモニカに気づかれ、ヘンリーに責められる。

デヴィッドは、モニカに愛されたかったと言うのだが、危険を感じたヘンリーは、デヴィッドを手放そうと考える。

モニカは、そうなれば廃棄処分となるデヴィッドのことを考えると辛い。

マーティンの誕生パーティーの日、他の子供にメカの特性を試されたデヴィッドは怯えてしまう。

デヴィッドは、マーティンにしがみついてプールに落ちてしまう。

マーティンは窒息寸前でヘンリーらに助けられ、デヴィッドはプールに取り残される。

デヴィッドを手放す気になったモニカだったが、彼が廃棄されることを気の毒に思う。

モニカはデヴィッドをドライブに連れ出し、会社には向かわず、テディと共に森の中に置き去りにしようとする。

ピノキオのように本当の人間になると言って泣き出すデヴィッドを、仕方なくモニカは突き放し車で走り去る。

ジゴロ・ロボットのジョー(ジュード・ロウ)は、ある殺人事件に巻き込まれて逃亡する。

デヴィッドは、ピノキオを人間にした”ブルー・フェアリー”を捜そうと考え森をさ迷う。

人間の前でロボットを壊す”フラッシュ・フェア”が始まることを知らされたデヴィッドは、その主催者であるジョンソン=ジョンソン卿(ブレンダン・グリーソン)に、その場にいたジョーらと共にを捕えられ、テディは取り残される。

フラッシュ・フェア会場。
その場に侵入しようとしたテディは、紛失物取扱所に連れて行かれてしまう。

その場から逃れたテディを拾った少女は、檻に閉じ込められているデヴィッドが人間であることをスタッフの父親に知らせる。

ジョンソンは、デヴィッドを確認したスタッフが貴重なメカだと言う意見を無視し、彼をショーの舞台に連れて行く。

ジョーはデヴィッドについて行き、二人は硫酸をかけられそうになる。

命乞いをするデヴィッドが、ロボットと思えないと言う者が現れ、ジョンソンは観客から猛烈な非難を受け、スタッフがデヴィッドとジョーを解放する。

ホビーは、亡き息子をモデルにして造ったデヴィッドが発見されたことを知り安心する。

デヴィッドは、ブルー・フェアリーを見つけて人間になれば、母親が自分を愛してくれるとジョーに話す。

ブルー・フェアリーが女だと知ったジョーは、”ルージュ・シティ”に向かいDr.ノウ(ロビン・ウィリアムズ)に会おうとする。

ジョーは、青年(エイドリアン・グレニアー)らの車に便乗してルージュ・シティに向かう。

デヴィッドは、ホログラフィックの質問装置Dr.ノウにブルー・フェアリーについてを問い、それがおとぎ話の”ピノキオの冒険”に登場する妖精であることを知る。

おとぎ話が本物ならば事実だと考えたデヴィッドは、カテゴリーの真実とおとぎ話を足して質問するようジョーに促される。

デヴィッドは、ブルー・フェアリーがどのようにしてロボットを人間の子供にするのかを聞き、”アレン・ホビー教授”が秘密を記していることを知る。

ブルー・フェアリーがいる場所、地の果て”マンハッタン”に向かおうとするデヴィッドは、引き止めるジョーと別れようとする。

そこに警官が現れ、ジョーは連行されてしまい、デヴィッドはジェットコプターを奪い飛び立とうとする。

護送車に接触したことでジョーはその場から脱出し、ジェットコプターに乗り込みマンハッタンに向かう。

立ち入り禁止区域である水没したマンハッタンに到着した二人は、”ロックフェラー・センター”に着陸してホビー教授を捜す。

ホビーの部屋と思われる場所に入ったデヴィッドは、その場にいた自分のコピーに母親を奪われると考える。

怒りを露わにしたデヴィッドは、自分は特別だと叫びながらコピーを壊してしまう。

そこにホビーが現れ、ブルー・フェアリーを捜しているデヴィッドに、本物の人間であると伝える。

自分がブルー・フェアリーであり、Dr.ノウに細工をしてこの場に来るように仕向け助けたと言うホビーは、大きな成功を収めたことをデヴィッドに話す。
ホビーは、デヴィッドの本当の親である開発チームのメンバーを呼ぼうとする。

デヴィッドは、試作を終えて、自分と同じ型のロボットが次々と造られ、少女型も完成していることを知る。

混乱するデヴィッドはビルの外に向かい、階下の水面に身を投げる。

その姿をジェットコプターから目撃していたジョーは、デヴィッドを助ける。

デヴィッドは、ブルー・フェアリーを水中で見たことをジョーに伝える。

ジョーは現れた警察に回収され、デヴィッドは、ジェットコプターで再び水中に向かう。

コニーアイランドで”ピノキオ”のアトラクションを見つけたデヴィッドは、ついにブルー・フェアリーを見つける。

しかし、”ワンダー・ホイール”が倒れてジェットコプターは下敷きになり、テディは閉じ込められてしまったことをデヴィッドに伝える。

デヴィッドは、自分を人間にしてほしいと言って、目の前のブルー・フェアリーに願い続ける。

やがて氷河期となり2000年の時が流れ、高度に進歩したメカがマンハッタン周辺を調査する。

デヴィッドはメカに発見され起動し、ブルー・フェアリーに近づく。

氷河期になる前に残骸の下敷きになったデヴィッドが、人間を知っているだろうと考えるメカは彼に興味を持つ。

しかし、デヴィッドが触れたブルー・フェアリーの像は、粉々に砕けてしまう。

メカはデヴィッドの記憶をチェックして、かつて彼が生活した空間を再現する。

デヴィッドは家に戻り、現れたブルー・フェアリー(メリル・ストリープ)に、人間の子供になり母親に愛されながら暮らしたいことを伝える。

ブルー・フェアリーは、2000年が経ち母親は亡くなったことをデヴィッドに伝える。

誰かを甦らせてあげると言われたデヴィッドは、母親の遺体の一部が必要であることを知らされる。

現れたテディは、モニカの髪の毛を切ったことをデヴィッドに思い出させる。

テディは、落とした髪の毛を持っていることをデヴィッドに知らせる。

髪の毛を受け取ったデヴィッドは、それをブルー・フェアリーに渡す。

ブルー・フェアリーは、願いをかなえることをデヴィッドに伝える。

メカのリーダー(ベン・キングスレー)は、プロジェクトを組み人間の再生を試み、1日だけそれが実現できるように成ったことをデヴィッドに伝える。

デヴィッドは、1日が永遠に続く可能性を語りながら、母親の元に導かれる。

眠っていたモニカを起こしたデヴィッドは、彼女のためにコーヒーを入れる。

デヴィッドは幸せを実感し、モニカとの最高の一日を過ごす。

誕生日がなかったデヴィッドのために、モニカはケーキを作って祝う。

外は薄暗くなり、デヴィッドはモニカをベッドに寝かせて、彼女が愛し続けていてくれたことを知る。

モニカは永遠の眠りにつき、デヴィッドも傍に横たわり、生れて初めて夢の生れる場所に旅立つ。

テディもベッドに上がり、二人をいつまでも見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
21世紀後半。
”サイバートロニックス”社のホビー教授は、社員であるヘンリーとモニカ夫妻に、開発した最新子供型ロボット”デヴィッド”を提供することを決める。
ヘンリーは、不治の病の息子マーティンが冷凍保存されていたために、辛い日々を送るモニカが喜ぶと考えて期待する。
しかしモニカは、子供の代用品であるデヴィッドを受け入れる気にならない。
その後、人間にしか見えないデヴィッドを観察して考えを変えたモニカは、一生、親を愛し続けることとなる設定を彼にインプットする。
単なるメカから”息子”になったデヴィッドは、モニカの愛を求める。
そんな時、奇跡的にマーティンが回復して帰宅することになり、デヴィッドを弟として扱わないマーティンは、嫌がらせに近い行為をする。
そのことがきっかけとなり、”メカ”が危険なものと思えるようになったヘンリーはデヴィッドを手放すことを考え、仕方なくモニカもそれに従う。
モニカは、デヴィッドが廃棄処分になることを憐れに思い、彼を森に置き去りにする。
モニカと別れたデヴィッドは、ジゴロ・ロボットのジョーと知り合い、”ピノキオ”の物語に登場する、人形を人間の子供にする”ブルー・フェアリー”を捜そうとするのだが・・・。
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スタンリー・キューブリックの企画として予定されたものの、彼の死去によりスティーヴン・スピルバーグ製作、監督、脚本で製作された作品。

企画、原案のスタンリー・キューブリックは、最初からスティーヴン・スピルバーグに監督を任せるつもりだったというのが真実らしい。

当然ながら、物語から展開、そして雰囲気までが紛れもないスピルバーグ・タッチで、彼のファンならばそれで満足かもしれないが、これがキューブリックの考える映像感覚による作品であったらどのようになっただろうとばかり考える約2時間半でありました。

いかにもスピルバーグが好きそうな”ピノキオ”の物語をモチーフにした内容、”愛、愛、愛・・・”を連呼する、悪く言えば押しつけがましい親子の姿など・・・、それが全く受け入れられない方も多かったのではないでしょうか。

第74回アカデミー賞では、作曲、視覚効果賞にノミネートされた。

1億ドルをかけた超大作で、北米興行収入は約7900万ドルと期待外れに終わるが、全世界では約2億3600万ドルのヒットとなった。

シックス・センス」(1999)の誰もが認める名演で高い評価を受けたハーレイ・ジョエル・オスメントが、”愛”という感情をインプットされた難しい役どころの少年ロボットを見事に演じている。

主人公に協力するジゴロ・ロボットのジュード・ロウ、主人公の”母親”となるフランセス・オコナー、その夫サム・ロバーズ、息子のジェイク・トーマス、ロボット開発者のウィリアム・ハート、ロボットに敵意を示す興行主ブレンダン・グリーソン、ぬいぐるみロボットの(声)ジャック・エンジェル、ホログラフィックの質問装置のロビン・ウィリアムズ、高度に進化したメカのベン・キングスレー、ブルー・フェアリーのメリル・ストリープ、破壊されるロボットのクリス・ロック、主人公らを車に乗せる青年エイドリアン・グレニアーなどが共演している。


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