イギリス人作家ピーター・メイルが30年の親交があるリドリー・スコットに勧められて執筆し2004年に発表した”A Good Year”を基に製作された作品。 豪腕金融トレーダーがおじとの思い出の地で美しくのどかな自然の中で体験する人々との触れ合いや恋を描く、監督リドリー・スコット、主演ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール、アルバート・フィニー、アビー・コーニッシュ他共演によるコメディ・タッチのラブ・ロマンス。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:リドリー・スコット
製作総指揮
ブランコ・ラスティグ
ジュリー・ペイン
リサ・エルジー
製作:リドリー・スコット
原作:ピーター・メイル”A Good Year”
脚本:マーク・クライン
撮影:フィリップ・ル・スール
編集:ドディ・ドーン
音楽:マーク・シュトレイテンフェルド
出演
マックス・スキナー:ラッセル・クロウ
ファニー・シュナル:マリオン・コティヤール
ヘンリー:アルバート・フィニー
クリスティ・ロバーツ:アビー・コーニッシュ
チャーリー・ウィリス:トム・ホランダー
マックス・スキナー(少年期):フレディ・ハイモア
フランシス・デュフ:ディディエ・ブルドン
リュディヴィーヌ・デュフロ:イザベル・カンディエ
ジェマ:アーチー・パンジャビ
ナタリー・オーゼ:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
ナイジェル卿:ケネス・グラナム
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2006年製作 117分
公開
北米:2006年11月10日
日本:2007年8月4日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $7,458,270
世界 $42,064,020
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
利益追求のためには手段を選ばない攻撃的トレーダー、マックス・スキナー(ラッセル・クロウ)は、今日も、巨額の利益を得て仲間と喜びを分かち合う。
帰宅したマックスは、子供の頃、南フランスのプロヴァンスで夏を共に過ごした思い出のある、おじヘンリー(アルバート・フィニー)の死の報せを受ける。
身寄りのないヘンリーは、財産をマックスに遺したのだが、 今の彼には、おじの財産は興味のないものだった。
マックスは、不動産業者のチャーリー・ウィリス(トム・ホランダー)と、その財産を売却して利益を得ようと考える。
プロヴァンスに飛んだマックスは、豆粒のような小型車(smart)を手配され、道に迷い散々な目に遭ってしまう。 ようやくヘンリーの屋敷に着いたマックスだったが、次第に昔の思い出が甦る。 翌日、マックスは、財産の件で公証人のナタリー・オーゼ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)の元に向かう。 途中、自転車に乗った女性ファニー・シュナル(マリオン・コティヤール)を轢きそうになるが、マックスは電話中で、それに気づかなかった。 オーゼに会ったマックスは、残されたブドウ畑を即座に売り渡すことを伝える。 ブドウ園をヘンリーに任されていた、フランシス・デュフロ(ディディエ・ブルドン)にも、土地を売却すると冷たく言い残し、マックスは帰国しようとする。 帰り際に屋敷の記念撮影をしたマックスは、プールの飛び込み台が折れて落下し、ロンドンの同僚ジェマ(アーチー・パンジャビ)からの電話も受けられなくなってしまう。 そこに、通りがかったファニーがsmartに気づき、プールのマックスを見つける。 ファニーは、自転車転倒の腹いせに彼を見捨て、プールに注水して帰ってしまう。 注水されたプールから、ようやく出られたマックスは、即座に仕事の電話をジェマに入れるのだが、上司は憤慨して、彼は1週間の停職になってしまう。 土地と屋敷の売却を迫るチャーリーに、マックスは屋敷の手直しが必要だと言って3日間の猶予をもらう。 売却した後も、その土地でワイン作りを続けさせるという条件を出し、デュフロと和解したマックスは、彼と協力して屋敷の修繕を始める。 そんな時、ヘンリーの娘クリスティ・ロバーツ(アビー・コーニッシュ)が現れる。 チャーリーは相続で揉めることを心配するが、マックスはオーゼの意見を聞き入れて、裁判沙汰にならないように、彼女を手厚くもてなすことにする。 その帰り道、町でファニーを見かけたマックスは、プールで見捨てられたことを責める。 しかし、自分が怪我をしたことを、一歩も引かずにまくし立てるファニーに、マックスは惹かれてしまう。 そしてマックスは、ファニーが働いているレストランに出向き、忙しくて手が回らない彼女の手伝いをする。 店を閉めて帰ろうとするファニーをマックスは誘うが、簡単に断られてしまう。 それでも食い下がるマックスに、ファニーは日曜の夜に会うことを約束する。 デュフロの妻リュディヴィーヌ・(イザベル・カンディエ)に、夕食の招待を受けたマックスは、同席したクリスティが本当におじヘンリーの娘か疑い始める。 そんなマックスの態度に、気分を害したクリスティは、一人で屋敷に帰ろうとする。 酔ったクリスティをマックスは送り届け、そして、おじしか知らない自分の呼び名を、彼女が口にするのを聞く。 その後、マックスが、ブドウ園に価値がないことを知り、売却しようとしていることを知ったクリスティは、彼に愛想を尽かす。 ファニーとのデートの日、チャーリーが屋敷の様子を見に現れるが、マックスは、そそくさと彼女の元にでかけてしまう。 そして、食事をした二人は、屋敷に戻り一夜を共にするが、 翌朝ファニーは、土地を売れば別れがくるとマックスに言い残し仕事に向かう。 マックスは、ファニーと別れたくないために、土地を売らずに維持することを考えるが、チャーリーは売却を急かす。 ファニーへの気持ち、度々脳裏を過ぎるおじヘンリーとの想い出、マックスの心は揺れ動く。 チャーリーはクリスティに惹かれ、屋敷を出て行こうとするのを引き止めるが、彼女は旅立って行く。 子供の頃、おじの代筆をしていたマックスは、クリスティに全てを託すという遺書を書き、ヘンリーのサインをして旅立つ彼女に渡していた。 土地と屋敷は売却されマックスはロンドンに帰るが、留守中に彼の部署が大損害を出してしまっていた。 社長ナイジェル卿(ケネス・グラナム)に、その責任を問われたマックスは、 高額な退職金か、共同経営者の選択を迫られる。 そして、会社を辞めたマックスは、プロヴァンスのファニーの元に戻る。 クリスティは、デュフロと衝突しながらも助け合い、ワイン作りを共同で始る。 マックスとファニーも屋敷に住み、プロヴァンスの満ち足りた生活を満喫する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロンドン。
利益追求のためには手段を選ばない、攻撃的トレーダー、マックス・スキナーは、南フランス、プロヴァンスに住む、おじヘンリーの死を知らされ、財産を遺される。
おじの財産に興味のないマックスは、不動産業者チャーリーと手を組み、それを売却して利益を得ようと考える。
プロヴァンスに飛んだマックスは、苦労してようやくヘンリーの屋敷に着くと、次第に昔の思い出が甦る。
翌日、マックスは、財産の件で公証人の元に向かい、途中、自転車に乗った地元女性ファニーを轢きそうになるが、彼は電話中でそれに気づかなかった。
ブドウ園をヘンリーに任されていたデュフロにも、土地を売却すると言い残し、マックスは帰国しようとする。
しかし、帰り際に記念撮影をしたマックスは、誤ってプールに落下してしまう。
通りがかったファニーがそれに気づくが、事故を無視した腹いせに、彼女はマックスを見捨ててしまう。
マックスはロンドンに連絡が出来なくなり、1週間の停職になってしまう。
そんな時、おじヘンリーの娘だと言うクリスティが現れ、マックスは揉め事を嫌い彼女を手厚く持て成す。
その後、町でファニーを見かけたマックスは、彼女をプールの件で責める。
しかし、自分が怪我をした被害者だと言って、一歩引かないファニーに、マックスは惹かれてしまう・・・。
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原題”A Good Year”は、本作のキーポイントとなる、ぶどう園、そしてワインの”当たり年”という意味。
プロヴァンスの美しい自然はもとより、リドリー・スコットの、多彩な登場人物それぞれの個性を繊細に描く、彼の作品にしては異色の内容が非常に興味深い。
マネーゲームの堅苦しい雰囲気で始まるドラマは、主人公が地元の女性に心を奪われるあたりから、コメディ・タッチに急変し、その後ラストでは心洗われるような、清々しい気持ちになれる作品。
敵対心を露にする、イギリス人とフランス人の、互いの文化や、仕事に自信と誇りを持ちながらの争いを、コミカルに描いているところも面白い。
主人公の乗るカワイイsmartや、雰囲気のある便箋やインク、ペン等、様々な小道具が効果的に使われている。
最近のリドリー・スコット作品に軒並み出演しているラッセル・クロウは、トレーダー役よりも、やや野暮ったい男性に変貌するプロヴァンスの時の表情の方が彼には似合い、いつになくコミカルで軽妙な演技を見せてくれる。
勝気だが実に魅力的な地元女性役のマリオン・コティヤール、貫禄十分に影の主人公、自由人のおじを演ずる名優アルバート・フィニー、その娘で財産を継ぐことになるアビー・コーニッシュ、後半、人情味も見せる主人公の友人役のトム・ホランダー、少年時代の主人公を演ずるフレディ・ハイモア、ブドウ園の管理人ディディエ・ブルドンとその妻役イザベル・カンディエ、主人公の同僚アーチー・パンジャビ、地元の公証人ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、主人公の上司役のケネス・グラナムなどが共演している。