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アガサ Agatha (1979)

1926年に実際に起きた推理小説作家アガサ・クリスティの12日間の失踪事件を題材に描く、監督マイケル・アプテッド、主演ダスティン・ホフマンヴァネッサ・レッドグレイヴティモシー・ダルトン他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・アプテッド

製作
ジャーヴィス・アステア

ガブリック・ロージー
脚本
キャサリン・タイナン

アーサー・ホプクラフト
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
編集:ジム・クラーク
衣装デザイン:シャーリー・ラッセル
音楽:ジョニー・マンデル

出演
ウォーリー・スタントン:ダスティン・ホフマン

アガサ・クリスティヴァネッサ・レッドグレイヴ
アーチーボルド”アーチー”クリスティ大佐:ティモシー・ダルトン
イブリン・クローリー:ヘレン・モース
ナンシー・ニール:セリア・グレゴリー
ジョン・フォスター:ポール・ブルックス
ケンウォード:ティモシー・ウェスト
シャーロット・フィッシャー:キャロリン・ピックルズ
ウィリアム・コリンズ:トニー・ブリットン

イギリス 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1979年製作 98分
公開
北米:1979年2月9日
日本:1979年10月
北米興行収入 $7,500,000


アカデミー賞 ■
第52回アカデミー賞

・ノミネート
衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1926年12月、サニングデール
人気作家アガサ・クリスティ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、言葉を刻んだグラスを、夫アーチー(ティモシー・ダルトン)に贈るが、彼はそれに関心を示さない。

二人は、アガサの新作”アクロイド殺し”の出版記念式典に向かおうとする。

アーチーは、秘書のナンシー・ニール(セリア・グレゴリー)に言葉をかけるが、アガサは二人の関係に気づいていた。

その後、式典は始まり、会場にいたアメリカ人コラムニストのウォーリー・スタントン(ダスティン・ホフマン)は、アガサの哀しげな表情に気づきながら、彼女とのインタビューの準備を進める。

翌日、アガサは朝帰りをしたアーチーから、ナンシーを愛していることを伝えられ、離婚を切り出される。

ショックを受け、アーチーに泣いてすがるアガサだったが、彼はそれを振り払い外出しようとする。
...全てを見る(結末あり)

その直後にスタントンが現れるが、彼はアーチーに追い返されてしまう。

メイドから、アーチーがナンシーとハロゲイトのバレンシア・ホテルに向かったことを知らされたアガサは、屋敷を出て車を走らせるが、街道で事故を起こしてしまう。

翌日、車だけが発見され、警察のケンウォード本部長補(ティモシー・ウェスト)が現場に駆けつけるが、アガサの姿はなかった。

記者のジョン・フォスター(ポール・ブルックス)から、アガサの失踪を知らされたスタントンは現場に急行する。

そこに、マスコミのスキャンダル合戦を嫌うアーチーも現れるが、ケンウォードは自殺も視野に入れた本格的な捜査を始めようとする。

その頃、ハロゲイトに到着したアガサは、”テレサ・ニール”という名前で”オールド・スワン・ホテル”にチェックインする。

ラウンジでイブリン・クローリー(ヘレン・モース)という女性に出会ったアガサは、腰痛治療を偽りスパで療養することを伝え、彼女を利用することを考える。

やがて、アガサの失踪は大々的に報道され、スタントンもそれに関連したコラムを投稿する。

アーチーは、ケンウォードの捜査をあからさまに妨害していたが、情報収集に飛び回るフォスターは、両者の動きなどをスタントンに報告していた。

スタントンは、クリスティ邸のメイドの話から、アガサが新聞に広告を出していることを知る。

それを調べハロゲイトに向かい、アガサと同じホテルに宿泊したスタントンは、彼女に接触する。

夫が亡くなったというアガサに、スタントンは探りを入れ、その様子を記事にしていく。

その地に現れたナンシーを確認したアガサだったが、彼女はスタントンに悩みを見抜かれ心を開こうとする。

その後アガサは、治療のための電気椅子で、人が殺せるかということを確かめる。

そしてアガサは、その操作方法を確かめ、ナンシーの予約を操作し、抵抗器に細工をする方法を知る。

翌日、治療に現れたナンシーにスタントンが近づき、1時間後にホテルで会うことを約束する。

アガサが電気椅子の準備を始めた頃、ケンウォードが現れ、彼女の部屋を調べ始める。

そこに居合わせたスタントンは、アガサが燃やそうとした、計画のメモ帳を見つける。

スタントンは治療室に急ぐが、その頃、装置の細工を終えたアガサは椅子に座り、ナンシーにスイッチを入れさせようとする。

ナンシーがスイッチを入れた瞬間、スタントンが飛び込んで来るが、アガサは意識を失ってしまう。

スタントンの必死の呼びかけに、何とかアガサは意識を取り戻す。

その後、スタントンはアガサを静かな町のホテルに連れて行くが、彼女は尚も夫アーチーを取り戻したいということを伝える。

回復したアガサの元に戻ったアーチーは、妻が記憶喪失だったことを公表する。

会見場にいたスタントンは、アーチーが献身的な夫だったと認め敬意を表する。

アガサは、帰国の支度をしていたスタントンの元を訪れ、記者会見の発言に感謝する。

それが自分のためだと言うスタントンは、アガサ失踪に関する記事を彼女に渡す。

スタントンは、アガサに愛を告げるが、夫を選んだはずの彼女は、結局、離婚を決意したと聞かされる。

そんなアガサをスタントンは、読者を驚かす彼女の小説のようだと評する。

荷造りを手伝ったアガサは、スタントンの鞄に記事の原稿を入れ、二人は別れを告げる。

そしてスタントンは、アーチーと旅立つアガサを駅のホームで見送る。
__________

アガサとアーチーは2年後に離婚し、その後、彼はナンシーと結婚した。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
人気作家アガサ・クリスティは、夫アーチーと秘書ナンシーの関係に気づいていたが、夫から離婚を切り出されショックを受ける。
二人が、保養地ハロゲイトに向かったことを知ったアガサは、それを追うものの車で事故を起こしてしまう。
その後アガサは失踪してしまい、彼女とのインタビューを予定していたアメリカ人コラムニストのウォーリー・スタントンは事件を追う。
警察の捜査が始まる中で、ハロゲイトに到着したアガサは、名前を偽り治療目的でホテルに宿泊し、”復讐”への計画を練り始める。
スタントンも、アガサの動きを察知して現地に向かい、彼女に接触し今回の失踪を記事にし始めるのだが・・・。
__________

実力派俳優として地位を築きつつあったダスティン・ホフマンや、同じく現在でも活躍し続ける、彼と同じ年のヴァネッサ・レッドグレイヴの組み合わせが話題になった作品。

多くの作品が映画化されたアガサ・クリスティ本人に関する、実話に基づくドラマというのは興味深いのだが、ミステリー・サスペンスとしての緊迫感や仕掛け他、マイケル・アプテッドの演出は今一物足りなさも感じる。
まだ30代の彼は、翌年「歌え!ロレッタ愛のために」(1980)で一気にその才能を開花させて、ドキュメンタリー作家としての評価だけでなく実力を示し現在に至っている。

ヴィットリオ・ストラーロの巧みなカメラワーク、アカデミー賞にノミネートされた、当時を見事に再現した衣装などは素晴らしい。

さすがのダスティン・ホフマンも、ややミスキャスト気味であり、人気急上昇中の彼を無理矢理キャスティングしてしまったという感じは否めない。
抜け目のないコラムニストを好演する彼だが、長身(181cm)のヴァネッサ・レッドグレイヴを見上げて演ずる場面が多過ぎて気になり、対する悲恋のヒロイン演ずる彼女のしっとりとした演技は印象に残る。
D・ホフマンは165cm。

一方、事件の原因を作るヒロインの夫ティモシー・ダルトン、その浮気相手のセリア・グレゴリー、ヒロインにホテル内で利用されるヘレン・モース、主人公の協力者役のポール・ブルックス、警官のティモシー・ウェストなどが共演している。


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